定年引上げで最大240万円|65歳超継続雇用促進コースの要件・申請方法を解説

公開日:2017/12/14 更新日:2026/4/15
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「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)」は、定年延長や継続雇用制度の見直しに取り組む事業主が、最大240万円の助成を受けられる制度です。対象となるのは、65歳以上への定年引上げ・定年廃止・66歳以上の継続雇用制度導入などに取り組む事業主です。

人手不足や技術継承の課題を抱える企業にとって、高齢社員の活躍推進と費用負担の軽減を同時に実現できます。本記事では、受給要件・支給額・申請手続きの流れをまとめました。

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65歳超雇用推進助成金全3コース:
・【★本記事】65歳超継続雇用促進コース
高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
高年齢者無期雇用転換コース

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65歳超雇用推進助成金とは?3コースの要件・支給額を徹底比較【令和8年度版】

この記事の目次

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65歳超継続雇用促進コースとは

65歳超継続雇用促進コースは、「65歳超雇用推進助成金」を構成する3つのコースのうちのひとつです。65歳以上への定年引上げや継続雇用制度の導入といった取り組みを実施した事業主に対して助成します。

以下に当てはまる会社に特に向いています。

・定年が60歳で、実態として60歳以降も働いてもらっている会社(就業規則の整備と併せて申請できる場合がある)
・熟練技術者やベテラン社員の技術・ノウハウを継承したい会社
・人手不足で若手採用が難しく、高齢社員に長く活躍してほしい会社
・定年制度の見直しを検討しているが、コストが気になっている会社

逆に、すでに65歳以上への定年延長や継続雇用制度が整備済みの会社は、対象外となる可能性があります。現行の就業規則と照らし合わせて確認してください。

2026年度の変更点・拡充点

2026年度より、支給額が全区分で大幅に引き上げられました。定年廃止や70歳以上への定年引上げを行う企業ほど、恩恵が大きくなっています。

【主な変更点】

変更点詳細
支給額の引き上げ全区分で増額。上限額が最大160万円から最大240万円に拡充
継続雇用制度の区分細分化「希望者全員」と「対象者基準あり」の2区分に分かれ、取り組みの内容に応じた支給額に
他社による継続雇用制度の拡充これまで一律10万円・15万円だった支給額が、被保険者数・区分別の設定に変更され、大幅に増額

主な受給要件

受給するには、定年引上げなどの制度を就業規則に定めて労働基準監督署へ届け出ることが前提です。具体的には、以下のいずれかの措置を申請日前日までに実施している必要があります。

・旧定年年齢を上回る65歳以上への定年引上げ
・定年の定めの廃止
・旧定年年齢および継続雇用年齢を上回る、66歳以上の継続雇用制度の導入
・他社による継続雇用制度の導入

「旧定年年齢」とは、就業規則等で定められた定年年齢のうち、平成28年10月19日以降、最も高い年齢をいいます。

また、上記の措置に加えて、以下の要件をすべて満たす必要があります。

・制度を規定した際に、専門家等に就業規則の作成または相談等を依頼し、経費を支出したこと
・高年齢者雇用推進者を選任していること
・以下の高年齢者雇用管理措置を1つ以上実施していること
 ・職業能力の開発および向上のための教育訓練の実施等
 ・作業施設・方法の改善
 ・健康管理、安全衛生の配慮
 ・職域の拡大
 ・知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
 ・賃金体系の見直し
 ・勤務時間制度の弾力化

なお「専門家等」には、社会保険労務士・社会保険労務士法人・弁護士・弁護士法人・昭和55年9月1日までに行政書士会に入会している行政書士のほか、過去に当該業務の実績があり、業として実施していることが確認できる者も含みます。

支給額

支給額は「対象被保険者数」と「実施した措置の内容」に応じて決まります。定年引上げと継続雇用制度の導入をあわせて実施した場合でも、支給額はいずれか高い額のみとなります。

定年引上げまたは定年の定めの廃止

対象被保険者数65歳への定年引上げ66~69歳(5歳未満)66~69歳(5歳以上)70歳以上への定年引上げ定年の廃止
1~3人15万円25万円40万円45万円60万円
4~6人20万円32万円65万円70万円120万円
7~9人25万円39万円110万円115万円180万円
10人以上30万円46万円135万円140万円240万円

※「70歳以上への定年引上げ」と「定年の廃止」は、旧定年年齢が70歳未満のものに限られます。

継続雇用制度の導入(66歳以上)

対象被保険者数66~69歳(希望者全員)66~69歳(対象者基準あり)70歳以上(希望者全員)70歳以上(対象者基準あり)
1~3人22万円20万円40万円36万円
4~6人37万円32万円65万円60万円
7~9人60万円50万円105万円95万円
10人以上90万円75万円130万円120万円

※「70歳以上への継続雇用の引上げ」は、旧定年年齢および継続雇用年齢が70歳未満のものに限られます。

他社による継続雇用制度

対象被保険者数66~69歳(希望者全員)66~69歳(対象者基準あり)70歳以上(希望者全員)70歳以上(対象者基準あり)
1~3人20万円16万円32万円30万円
4~6人30万円26万円50万円45万円
7~9人50万円40万円85万円75万円
10人以上70万円60万円105万円100万円

※「70歳以上への継続雇用の引上げ」は、旧定年年齢・継続雇用年齢・他の事業主による継続雇用年齢が70歳未満のものに限られます。

申請方法

申請先は、雇用保険適用事業所の所在する都道府県の支部高齢・障害者業務課(東京および大阪は高齢・障害者窓口サービス課)です。

申請期間は、措置の実施日が属する月の翌月から起算して4か月以内の各月月初から15日まで。郵送の場合は消印日ではなく必着のため注意が必要です。

なお、以下の場合は受付が停止されることがあります。

・各月ごとの予算額上限もしくは四半期ごとの予算額上限の超過が予見された場合
・各月の申請受付件数の動向から、予算額上限を超える恐れが高いと認められた場合

【令和8年度をまたぐ場合の注意点】
令和7年12月から令和8年3月までに制度を実施した場合は令和8年4月以降も申請期間に含まれますが、令和8年4月以降に申請する場合は令和8年度制度が適用されます。

申請の流れ

①事前相談 → ②申請書等提出 → ③支給・不支給決定通知 → ④助成金振込

まずは都道府県支部で事前相談を行ってください。

必要書類

申請に必要な主な書類は以下のとおりです。

・支給申請書
・規則
・対象被保険者一覧
・雇用保険適用事業所一覧表
・他社による継続雇用に関する書類
・高年齢者雇用管理措置に関する書類
・支給要件確認申立書(65歳超雇用推進助成金)
・提出代行等に関する証明書(65歳超雇用推進助成金)
・登記事項証明書
・付属規程(賃金規程、再雇用規程等)
・労使協定書
・雇用保険適用事業所設置届事業主控等
・雇用保険の事業所別被保険者台帳等
・対象被保険者の出勤簿等
・対象被保険者の賃金台帳
・同居親族雇用実態証明書
・経費の支払いを確認できる書類
・高年齢者雇用管理に関する措置を確認する資料

※他社による継続雇用制度の提出書類は状況によって異なります。詳しくは支給申請の手引き(令和8年4月8日時点)を参照してください。なお、同手引きには一部訂正があるため、正誤表もあわせてご確認ください。

具体的な活用事例

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページでは、実際に65歳超雇用推進助成金を活用した事業者の事例が公表されています。

ここではそのうち、65歳超継続雇用促進コースの活用事例をまとめました。

【建設業】定年制を廃止

建設業界では、人手不足や労働者の高齢化が課題です。A社では、若手社員の採用に取り組む一方で、高齢者が年齢に関わりなく働き続ける環境整備を目指していました。

そこでA社では、定年制を廃止。また短日勤務制度・短時間勤務制度を設置し、本人の希望に応じて働ける仕組みをつくりました。さらに、60歳以上の社員には骨粗しょう症検査を無料で実施するなど、社員の健康意識の向上を図ることとしました。

その結果、高齢社員の人生設計に余裕が生まれ、職務に対し気持ちが前向きになったという声が出ています。

【電気・設備工事業】65歳定年および希望者全員70歳までの継続雇用へ引上げ

B社の定年年齢は60歳、継続雇用の上限年齢を65歳でしたが、慣例として、社員は60歳の定年を超えても働いていました。

事業遂行には幅広い分野の知識が必要です。そのため高齢社員の存在感は大きく、今後は定年年齢を65歳、継続雇用の上限年齢を希望者全員70歳とし、役職定年も65歳まで延長することとしました。

B社においてマニュアル化できない技術の継承は喫緊の課題でしたが、現在は定年延長によって高齢社員が指導者として技術やノウハウの継承を担っています。

出典:65歳超雇用推進助成金の活用事例

まとめ

65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)は、定年年齢の引上げや継続雇用制度の導入を行う事業主を支援する制度です。令和8年度より支給額が大幅に引き上げられ、対象被保険者数や措置内容に応じて最大240万円の助成を受けることができます。申請期間は、制度実施日の翌月から起算して4か月以内です。

高齢社員の活躍は、技術継承や職場環境の改善にもつながります。人手不足や技術継承の課題解決に向けて、支援策を上手に活用しながら、高齢社員の活躍の場を広げていきましょう。

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