小規模事業者が取り組む、販路の開拓や、生産性向上への取り組みを支援する「小規模事業者持続化補助金(商工会地区分)」の公募が5/22よりスタートしました。
この補助金は「商工会」と「商工会議所」がそれぞれの管轄する地区で別々に公募を行っており、商工会議所地区については約1ヵ月前の4/25から公募が開始されています。
自社HPの作成や、新商品の開発・PR活動、管理業務や生産活動の効率化への投資など、幅広い分野で活用できる人気の補助金で、以前は採択率が30%~40%程度と言われていましたが、去年は合計で26910件の申請に対し18532件が採択され、採択率は過去最高水準の68.9%となりました。
前年度の採択状況から今年度は申請件数の増加も懸念されますが、はたして結果はどうなるでしょうか?
現在公募が行われている小規模事業者持続化補助金の詳細について下記に記載します。
この記事の目次
1.はじめに
近年は大企業の倒産や経営破綻が増加傾向にある為、下請け事業への依存が大きい中小企業の経営を中心経営閉塞感が広がっています。
一方で2000年以降のグローバル化に伴い、独自に市場へと働きかけ販路を拡大し、ITの利活用によって事業の効率化などを行い飛躍的な成長を遂げる企業も多く存在します。
中小企業の2極化が進み、特に減少傾向にある小規模企業について重点的な支援の必要性が高まった為、平成26年に小規模事業者の振興を目的として施行されたのが小規模基本法(小規模企業振興基本法)です。
小規模企業基本法では同法の支援対象となる小規模企業者の定義を下記のように定めています。
2.小規模事業者持続化補助金
今回紹介する小規模事業者持続化補助金では、小規模基本法に基づく小規模企業者が商工会・商工会議所の支援を受けて「販路開拓」又は「生産性向上」に向けた取り組みを行う場合に補助金の交付を行っています。
※商工会HPより
1.事業概要
名称:小規模事業者持続化補助金
対象者:小規模事業者(小規模企業など)
対象事業:販路開拓・生産性向上の為の取り組み
対象経費:事業の遂行に必要な経費(HP作成、店舗改装費、設備導入費など)
補助内容:対象経費の2/3(上限50万円)
公募期間:商工会地区分~7/31まで 商工会議所地区分~6/12まで
具体的な対象事業としては
【販路拡大への取り組み】
- 販促用チラシの作成、配布
- 販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告)
- 商談会、見本市への出展
4.移動販売、出張販売(買い物弱者を対象とするもの)
【生産性向上への取り組み】
- 店舗改装(小売店の陳列レイアウト改良、飲食店の店舗改修を含む)
- ネット販売システムの構築
- 新商品の開発など
- 機械装置の購入など
補助金の支給額は原則として50万円が上限ですが、自治体による創業支援等事業の支援を受けた事業者、 又は自治体の推薦を受けて買い物弱者の事業を行う者については補助金の上限が100万円となります。
2.問い合わせ先
申請窓口は申請を行う企業の所在地によって商工会と商工会議所のどちらかになりますが、わからない場合はどちらかの事務局に問い合わせて確認してください。
市街地はおおむね商工会議所、それ以外は商工会の管轄となっている場合が多いですが、稀に当てはまらない場合もあるので注意が必要です。
全国商工会連合会 電話:03-6268-0088
HP https://www.shokokai.or.jp/
日本商工会議所 電話:03-6447-2389
HP http://h30.jizokukahojokin.info/
3.申請方法
申請前に補助対象であることは確認しておきましょう。
1.申請者は「小規模事業者」に該当していること
2.これから行う事業が対象事業であること
3.その他欠格事由がないこと(他の補助金の採択を受けていないことなど)
次に申請を行う為に経営計画を策定することなりますが、ここからは商工会・商工会議所の支援を受けながら行います。
事業スキーム※中小企業庁HPより
上記のように一見複雑なスキームが存在しますが、小規模事業者持続化補助金は商工会・商工会議所と一体となって取り組む事が前提となる制度の為、相談を省いて独自で申請手続きを進めることはありません(出来ません)。
計画の策定についても事業内容が決まっていれば、相談しながら進めていく事が出来ますので、手続きに自信のない方もご安心ください。
申請者の手続きとしては下記のとおりです。
【補助金交付までの手流れ】
1.計画策定 (商工会・商工会議所に相談)
2.応募 (必要書類を事務局に提出)
3.交付決定通知が届いたら補助事業に着手
4.補助事業が完了したら報告を行う
5.確定検査を受け交付額が確定
6.補助金の請求
以上の流れになりますが、計画策定の為の相談は事前に電話で問い合わせて日程を決める必要があります。
都合が付かずに申請が間に合わなくなる場合も考えられますので、「先ずは問い合わせ」が重要です。
3.おわりに
今回紹介したのは小規模事業者が行う「販路開拓」「生産性向上」に向けた取り組みを支援する小規模事業者持続化補助金です。
地域産業の維持や衰退地域の雇用の維持の為にも小規模企業の振興が重要視されていますが、小規模事業持続化という言葉からも分かる通り、多くの小規模企業の経営状況は政府の支援がなければ現状維持も難しいのが現状のようです。
とはいえ、近年は小規模企業数の減少に反して中規模企業数は増加の傾向にあり、一定数の小規模企業が成長を遂げているという事実もあります。
商工会・商工会議所の支援のもとで、事業の拡大に向けたチャレンジをしてみるのはいかがでしょうか。
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