東京都では、保育所などに入れない待機児童をもつ保護者に向けて、ベビーシッター利用料を最大9割近く補助する制度を2018年から新設し、18年度予算案に1500人分として50億円を計上する方針を明らかにしました。
東京都の小池都知事は、「高給取りの家庭でなくてもベビーシッターを雇うことができ、引き続き仕事を行えるようにしたい」と述べるなど、家庭と仕事の両立に対する手厚い支援を行っていく見通しです。
この記事の目次
(1)ベビーシッターの仕事とは?どんなときに利用できる?
①保護者に代わって、子供の世話をする仕事
ベビーシッターの役割とは、仕事や病気など、保護者が子供の面倒を見られないときに一時的に親代わりとなって子供の世話をすることです。
この仕事は、「ベビーシッター」という名称にはなっていますが、乳幼児を中心に小学生をもつ家庭でもベビーシッターを利用することができます。
②家事代行サービスの併用も可能
子供の面倒をみるベビーシッタ―は、自宅での保育以外にも日用品や食材などの買い物、トイレ掃除などの家事の手伝いをサービスに含めているところもあります。
出産直後や、病気・怪我をしてしまった場合など、なかなか家事に手が回らないケースなどにおいてもベビーシッターが活用できます。
③おけいこ・知育サポート
ピアノ・英語・文字の読み書き指導など、特技や専門知識をもったベビーシッターが、依頼された内容にあわせて知育サポートを行うサービスを行うところもあります。
④病児・病後保育や障害児保育専門の対応
病児保育とは、病気がち(発熱、おう吐、発疹など)な子供のことを言い、病後保育とは、病気は治っているものの、まだ本来の状態に戻っていないため様子を見なければならない回復期の子供の保育を行うことをいいます。
また、障害時保育を専門とする、保育士資格や看護師資格などの専門的知識をもつベビーシッターや、子育てに関する疑問や心配ごとなどの育児相談もサービスに含めて行っているところもあります。
(2)ベビーシッター利用にかかる料金とは?
①料金相場
ベビーシッターの料金は、会社によって様々です。
おおまかには、
ア)数時間のパック料金
イ)1時間あたりの利用料
上記2つの料金形態にわけることができます。
時間あたりの料金相場としては、1,000円~4,000円で子供の月齢や人数、早朝・深夜などの時間帯などでも料金は異なります。
②利用料金以外に必要な費用
時間あたりの保育料は、ベビーシッターのスキルや子供の月齢によっても変動します。利用料金のほかには、ベビーシッターの移動にかかる交通費や、そのほかのオプション料金(入会費や年会費がかかるところもあります)などがあります。
(3)補助対象の家庭
0~2歳児の家庭が対象です。
保育所への入所決定まで保護者が仕事する場合や、1年間の育休を取得したあと、子供が次の4月に保育所などに入るまで利用が可能です。
(4)補助額
都内でベビーシッターを利用する場合、月平均で約32万円(1日8時間で20日間利用)かかるとされています。
この補助制度では、月額28万円を上限に補助を行い、ベビーシッターを利用する場合の自己負担額を最大4万円程度に抑えることを目指します。
(5)地方自治体で活用できる支援制度とは?
1.調布市「ベビーシッター利用料助成」
①助成額
利用料の2分の1を助成(1家庭ごと1日の上限額4,000円、1年度の上限額は2万円)
※入会金、年会費、交通費、事務費などを除きます。
②助成対象
ベビーシッター利用日時点で、調布市内に住所を有する小学校3年生までの児童の保護者
詳しくはこちら:調布市 ベビーシッター利用料助成
2.港区「訪問型病児・病後児保育利用料助成について」
①助成額
利用料の2分の1を助成(年度の上限額は5万円)
※入会金、年会費、交通費、事務費などを除きます。ただし、利用料金定額などで会費等に保育料が含まれている場合は対象です。
②助成対象
港区内に住所を有する、生後57日目以降から小学校6年生までの児童の保護者
詳しくはこちら:港区 訪問型病児・病後児保育利用料助成
3.千代田区「病児・病後児保育のベビーシッター利用料を補助」
①助成額
利用料金の2分の1(子供1人あたり年度内上限は4万円)
※入会金、年会費、登録料などは除きます。
②助成対象
千代田区内に在住する発病中・または病気の回復期にある生後57日目から小学校6年生までの児童の保護者で、ベビーシッタ―等の派遣前後7日以内に医療機関で受診することが必要です。
詳しくはこちら:千代田区 病児・病後児派遣費用助成金
≪関連記事≫日経新聞 2018年1月5日付