昨今の日本では、就業者や管理職・役員の女性割合が増加傾向にあります。女性活躍について定めた法律や、保育の受け皿整備などのあらゆる取組により、女性の活躍は進展してきたといえるでしょう。
参考:女性活躍・男女共同参画における現状と課題
しかし現代社会においては、男女が平等であるとの認識はいまだ乏しく、格差を生んでいるのが現状です。また国際的に比較した場合、日本の女性活躍比率はまだまだ低水準に留まっています。
そこで東京都では、企業での女性活躍をより加速させることが可能な「女性の活躍推進助成金」を実施しています。女性の労働環境を見直したい、女性管理職・役員の育成が遅れているなどの課題を抱えた都内の対象事業者は、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
日本社会における女性労働者の現状と課題
内閣府男女共同参画局の資料によると、社会全体における男女の地位は平等であるかどうかの調査に対し、「男性の方が優遇されている」との回答が74.1%に及んでいます。
出典:内閣府男女共同参画局
また同資料によると、国際的に比較した場合、女性議員比率は190か国中165位です。さらに、女性国家公務員比率においては、諸外国に比べ日本は著しく低い水準となっています。働く女性が増える一方で、残念ながら男女間の格差は依然として存在しています。
女性の活躍は、企業にとってさまざまなメリットがあります。例えば、投資判断で女性活躍が重視されたり、女性役員・経営幹部がいる企業はパフォーマンスが高い傾向にあったりなどです。また、女性従業員の意識変化はもちろんのこと、全従業員の意欲向上も期待できます。よって、女性活躍に向けた取組をより促進させることが重要です。
女性の活躍推進助成金とは
女性の新規採用・職域拡大を目的として、女性が少ない職種等に積極的に女性を新規採用・配置する都内中小企業等に対し、職場環境の整備に係る経費の一部を助成します。
女性の活躍推進助成金の助成対象事業者
助成対象事業者の主な要件は以下のとおりです。
※令和6(2024)年度の公募要領は5月8日頃に公開予定です。
主な要件 | |
従業員数 | 常時雇用する労働者が2名以上300名以下の中小企業 |
所在地 | 事業所または本社が東京都内にあること |
※申請制限 右に記す東京しごと財団が実施する助成金を過去に受給した、または受給予定の企業は本助成金の申請ができません |
・令和3年度~令和5年度「女性の活躍推進助成金」 ・令和2年度「【テレワーク活用・働く女性応援事業】女性の活躍推進助成金」 ・平成30年度~令和元年度「テレワーク活用・働く女性応援助成金」 ・平成28年度~平成29年度「女性の活躍推進等職場環境整備助成金」 |
女性の活躍推進助成金の助成対象経費
女性の新規採用・職域拡大を目的とした、以下の設備についての整備費用が対象です。
- トイレ
- 洗面所
- 更衣室
- ロッカー
- 休憩室
- シャワー室
- 洗濯機
- 仮眠室
- ベビールーム(子ども連れで出勤した場合に必要な、授乳・オムツ替えなどを行うスペースです)
- 工事現場に設置される仮設トイレ 等
※助成対象となる経費は、助成対象事業者が支給決定日以後から新たに取り組んだ事業に要するもののみです。支給決定日前に取組まれたものや、支出が行われたものは含まないのでご注意ください。
〈助成対象経費の経費区分〉
・工事請負費…工事費、物品等の設置費等
・消耗品費…物品購入費等 (※税込単価10万円未満のものが対象です。また、消耗品費が工事請負費に含まれている場合も、原則適用となります。)
・役務費…仮設トイレの運搬費等
・賃借料…仮設トイレの利用料等
助成率・上限額
【助成率】
2/3
【助成金上限額】
500万円
※助成金額を算出するには、助成対象経費(税抜)に助成率(2/3)を乗じます。
申請方法
申請の際、面談で内容の確認が行われるため、申請書類の提出は原則として来所が必要です。申請書類提出のスケジュールは以下のとおりです。
【事前予約期間】
令和6(2024)年5月8日(水)から令和6年12月17日(火)まで
予約は電話でのみ受け付け、受付時間は平日の9:00~17:00です(12:00~13:00の間は除く)。
【申請書類提出期間】
令和6年5月8日(水)から令和6年12月24日(火)まで
書類の受付時間は平日の9:00~16:00です(12:00~13:00の間は除く)。
女性の活躍推進助成金活用により見込める成果
本助成金を活用し、女性が働きやすい職場環境を整えれば、以下のような成果が期待できます。
出産後の復職率が向上すれば、能力の高い女性が確保でき、企業の損失を防げる。 |
結婚や出産を経ても長く働けるようになり、管理職を目指す女性が増える。 |
女性管理職が身近にいることで、若手女性の意識が変わり、仕事への意欲が高まる。 |
職域拡大によって多能工化(マルチスキル化)が進めば、キャリアアップにつながる。 |
建設業や土木業などで女性が活躍すれば、男性の職場というイメージが変わる。 |
男女で偏った組織体制や配置の改善につながる。 |
女性活躍推進企業をアピールすれば、知名度が向上しさらなる人材確保が見込める。 |
女性従業員の現状把握によって課題が浮かび上がり、女性だけでなく全社員の働き方を見直すきっかけが生まれる。 |
まとめ
少子高齢化で労働人口が減少傾向にある中、事業拡大のためには人材確保が重要な課題です。そのためには、女性が働きやすい環境を整え、優秀な人材を育成することが急務と言えます。
出産や育児などを理由として、女性の昇進・昇格が少なくなっている企業も多いのではないでしょうか。女性の力を満足に活かしきれていないという都内の対象事業者は、ぜひ本事業の活用を検討してみてください。