現代の少子高齢化により労働力人口は縮小の一途をたどり、企業にとって人材の確保が一層困難になっています。この状況下で重要なのは、従業員の労働生産性をいかに向上させるかという課題です。
その解決策の一つとして注目されているのが、労働者のスキルアップを目的とした研修に対して厚生労働省から提供される「人材開発支援助成金」です。この記事では、この制度の具体的な内容や申請の手順について詳しく説明していきます。
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この記事の目次
人材開発支援助成金とは?わかりやすく解説
人材開発支援助成金とは、従業員に対して職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための訓練等を受講する事業主を支援するための助成制度です。
机上研修(OFF-JT)や実施研修(OJT)等を通して人材育成に励む事業主などへ、研修における経費や研修期間中の賃金の一部を助成することにより人材育成を支援しています。大きく6つのコースに分かれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業主(法人・個人事業主)が申請する制度。個人(従業員)は申請できない |
| 対象 | 雇用する労働者に訓練・研修を実施した事業主 |
| 助成内容 | 訓練にかかる経費(受講料等)+訓練期間中の賃金の一部 |
| 主な助成率 | 経費:45〜75%(コース・企業規模により異なる) 賃金:1人1時間あたり400〜1,000円 |
| 申請先 | 都道府県労働局(電子申請も可) |
| 申請期限 | 訓練終了の翌日から2か月以内(年度末は3月31日まで) |
| コース数 | 6コース(用途・対象に応じて選択) |
・人材育成支援コース
・教育訓練休暇等付与コース
・人への投資促進コース
・事業展開等リスキリング支援コース
・建設労働者認定訓練コース
・建設労働者技能実習コース
「個人」は申請できる?申請できるのは事業主のみ
「人材開発支援助成金 個人」という検索が多くあります。人材開発支援助成金は事業主(法人または個人事業主)が申請する制度であり、従業員個人が直接申請することはできません。
従業員が研修・訓練を受けた場合に、その費用や賃金の一部を事業主が国から受け取る仕組みです。パート・アルバイト・有期雇用の労働者を対象とした訓練でも、申請するのは雇用する事業主側となります。
なお、従業員個人が自分で活用できる制度としては、ハローワークの「教育訓練給付金」(雇用保険の被保険者が対象)があります。
令和8年度の制度改正ポイント
令和8年度(2026年度)の人材開発支援助成金は、令和8年3月2日より制度改正が施行され、支給対象訓練の拡充や分割支給申請の導入など、企業にとって活用しやすい方向へ大きく見直されています。令和8年度の概算要求額は539億円で、引き続き大規模な予算が確保されています。以下、コースごとの主な改正内容を整理します。
①事業展開等リスキリング支援コースの対象訓練が大幅拡充
今回の改正で最も注目すべき変更点です。従来は、新規事業の立ち上げやDX・カーボンニュートラル化など「事業展開に伴う配置転換」に必要な訓練に限られていましたが、令和8年3月2日からは企業内の人事・人材育成計画に基づく訓練も助成対象に追加されました。具体的には、おおむね3年以内の人事配置計画を作成したうえで、労働者が「これから従事する予定の職務」に必要な知識・技能を習得するための訓練も対象となります。
| 項目 | 内容 |
| 対象者 | 45歳以上の労働者 |
| 訓練内容 | OFF-JT+OJTを組み合わせた訓練 |
| 経費助成 | 60%〔中小企業以外45%〕 |
| 賃金助成 | 1人1時間あたり800円 |
| OJT実施助成 | 最低2か月間 10万円/人〔中小企業以外9万円〕 |
これにより、「配置転換がまだ決まっていないが将来を見据えた研修を行いたい」というケースでも助成金を活用できるようになりました。
②事業展開等リスキリング支援コースに「設備投資助成」を新設
訓練で得た知識・技能を活用して生産性の向上を図るための機器・設備を購入した場合に、その費用の一部が助成される「設備投資助成」が新たに設けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象事業者 | 中小企業のみ |
| 助成率 | 購入費用の50% |
| 上限額 | 受講者数に応じて最大150万円 |
| 要件 | 訓練終了後に、訓練で習得した知識・技能を活用し生産性向上に繋がる設備等を購入すること |
③人材育成支援コースに「中高年齢者実習型訓練」を新設
45歳以上の中高年齢者が実践的かつ体系的にスキルを習得するための訓練メニューが新設されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 45歳以上の労働者 |
| 訓練内容 | OFF-JT+OJTを組み合わせた訓練 |
| 経費助成 | 60%〔中小企業以外45%〕 |
| 賃金助成 | 1人1時間あたり800円 |
| OJT実施助成 | 最低2か月間 10万円/人〔中小企業以外9万円〕 |
④人への投資促進コースの長期教育訓練休暇制度に新たな助成制度を新設
人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コースの長期教育訓練休暇制度において、「新規採用助成」「職務代行助成」が新設されました。この助成は中小企業を対象としており、代替要員を新規採用した場合や、既存社員に業務を代替させて手当を支払った場合に、最大67.5万円を受け取れます。
⑤分割支給申請が可能に
令和8年3月2日の改正により、人材育成支援コース・人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コースにおいて、分割での支給申請が可能になりました。長期にわたる訓練の場合でも、訓練の途中段階で支給申請を行えるようになり、企業のキャッシュフロー負担が軽減されます。
⑥電子申請に関する注意点(令和8年3月2日以降)
令和8年4月より、雇用関係助成金ポータルの機能が拡充され、令和8年度の改正内容に対応した電子申請が可能になりました。計画届の提出から支給申請まで、GビズIDを取得すればオンラインで手続きを進めることができます。
【重要】「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」は令和8年度が最終年度となっています。
なかでも事業展開等リスキリング支援コースは、中小企業の場合経費助成率が最大75%と手厚い支援内容となっています。さらに令和8年3月2日の制度改正により、対象となる訓練内容も大幅に拡充されました。そのため、制度を活用するうえで令和8年度は特に利用しやすいタイミングといえるでしょう。
人材開発支援助成金の申請条件・要件
「人材開発支援助成金 条件」「人材開発支援助成金 要件」という検索が多く寄せられています。コースごとに詳細な要件は異なりますが、共通する主な申請条件を整理します。- 申請者が事業主(法人または個人事業主)であること:個人(従業員)は申請不可
- 雇用保険の適用事業所であること
- 訓練を実施する前に「訓練計画届」を都道府県労働局に提出していること(事前申請が必須)
- 対象訓練がコースの要件を満たしていること(訓練時間・実施方法・対象者など)
- 賃金台帳・出勤簿等の書類を整備・保管していること
- 支給申請を訓練終了の翌日から2か月以内に行うこと
人材開発支援助成金の申請期限・いつまで申請できるか
「人材開発支援助成金 いつまで」「申請期限」という検索も多くあります。申請期限について整理します。
| タイミング | 申請期限 |
|---|---|
| 通常の場合 | 訓練終了の翌日から起算して2か月以内 |
| 年度末の場合 | 3月31日まで(年度をまたいで申請する場合は次年度の制度が適用される場合あり) |
| 分割支給申請(改正後) | 各支給対象期間の末日の翌日から2か月以内 |
| 賃金要件・資格等手当要件の割増分 | 要件を満たす賃金等を3か月間継続支払後の翌日から5か月以内 |
また4月からは毎年制度が更新されるため、今までの要件と異なる場合があります。政府の方向性などによってコースが新設・廃止となる場合もあるため、最新情報をハローワークや厚生労働省の公式サイトでご確認ください。
人材開発支援助成金 1事業者あたり年度でいくらもらえる?
人材開発支援助成金は、実施する訓練の内容やコースによって、1年間に受け取れる上限金額が決まっています。ここでは、制度に沿って、各コースで受給できる最大額を表にまとめました。
| コース | 上限金額 |
|---|---|
| 人材育成支援コース | 1年度中に受給できる助成額は1000万円まで |
| 教育訓練休暇等付与コース | 定額30万円(賃金要件・資格等手当要件を満たす場合は36万円) |
| 建設労働者認定訓練コース | 1事業所への1年度の建設労働者認定訓練コースに係る賃金助成および賃金向上助成・資格等手当助成の支給額の合計は1000万円が上限 |
| 建設労働者技能実習コース | 1事業所への1年度の建設労働者技能実習コースに係る経費助成、賃金助成、および賃金向上助成・資格等手当助成の支給額の合計は500万円が上限 |
| 人への投資促進コース | 1年度中に受給できる助成額は、成長分野等人材訓練を除き人への投資促進コースで2500万円まで、そのうち自発的職業能力開発訓練は300万円まで。また、成長分野等人材訓練は1000万円が上限 |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 1年度中に受給できる助成額は1億円まで |
コース別助成率の早見表
「人材開発支援助成金 いくら」「助成率」という検索が多くあります。主なコースの助成率を一覧でまとめました。
| コース | 経費助成率(中小企業) | 賃金助成(1人1時間) |
|---|---|---|
| 人材育成支援コース(人材育成訓練・正規雇用) | 45%(賃上げ等で+15%) | 800円(+200円) |
| 人材育成支援コース(有期実習型訓練) | 75%(正社員化した場合) | 800円 |
| 人材育成支援コース(中高年齢者実習型訓練) | 60%(+15%) | 800円 |
| 人への投資促進コース(高度デジタル人材訓練) | 75% | 1,000円 |
| 人への投資促進コース(定額制訓練) | 60%(+75%) | ー |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 75%(最大) | 1,000円 |
人材開発支援助成金の種類と各コース内容について
OJT(On the Job Training・実務を通じた訓練)とOFF-JT(実務の場を離れた研修・座学等)は、本助成金の対象訓練を理解するうえで重要なキーワードです。コースごとに対象となる訓練の組み合わせ・時間数が異なります。
人材開発支援助成金は6つの支援コースに分かれており、コースごとに助成内容や対象が異なります。
人材育成支援コース

職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を幅広く助成することで、企業内における人材育成を促進することを目的としています。職務に関連した10時間以上の訓練などが対象になります。
人材育成支援コースの対象
・事業主
・事業主団体等
人材育成支援コースの対象訓練
| 区分 | 対象訓練 |
|---|---|
| 人材育成訓練 | 10時間以上のOFF-JT |
| 認定実習併用職業訓練 | 15歳以上45歳未満の従業員で中核人材を育てるために実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた6か月以上の訓練 |
| 有期実習型訓練 | 有期契約労働者等の正社員転換を目的として実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた2か月以上の訓練 |
| 中高年齢者実習型訓練 | 45歳以上の従業員が実践的なスキルを習得するために実施するOFF-JTとOJTを組み合わせた2か月以上の訓練 |
人材育成支援コースの助成金額
以下、対象訓練ごとの助成額をまとめました。
なお、<>内は、訓練後に労働者に毎月決まって支払われる賃金が5%以上上がった場合や、訓練修了後に資格手当を支払うことで賃金が3%以上増えた場合に加算されます。
| 支給対象となる訓練 | 経費助成率 | OJT実施助成額 (1人1コース当たり) | 賃金助成額(1人1時間当たり) | |
|---|---|---|---|---|
| ①人材育成訓練 | 正規雇用 | 45%<+15%> 中小企業以外:30%<+15%> | ー | 800円<+200円> 中小企業事業主以外:400円<+100円> |
| 有期契約 | 70%<+15%> | ー | ||
| ②認定実習併用職業訓練 | 45%<+15%> 中小企業以外:30%<+15%> | 20万円<+5万円> 中小企業以外:11万円<+3万円> | ||
| ③有期実習型訓練 | 75%<+25%> ※正社員化した場合に助成 | 10万円<+3万円> 中小企業以外:9万円<+3万円> | ||
| ④中高年齢者実習型訓練 | 60%<+15%> 中小企業以外:45%<+15%> | 10万円<+3万円> 中小企業以外:9万円<+3万円> | ||
賃金要件・資格等手当要件を満たした場合の提出期限
賃金または資格等手当の支給要件を満たした場合は、その支給を3か月間継続した日の翌日から起算して、5か月以内に割増し助成分の申請を行う必要があります。なお、この申請は「申請主義」ですので、期日になっても個別にお知らせは届きません。申請を検討している場合は、期限を忘れないようにしてください。
あわせて読みたい:人材開発支援助成金 人材育成支援コースとは?補助額や対象となる訓練を解説
教育訓練休暇等付与コース

労働者の自発的な職業能力開発の機会の確保を促進することを目指し、有給の教育訓練休暇制度を導入・実施した事業主に対して助成します。
教育訓練休暇等付与コースの対象
・事業主
教育訓練休暇等付与コースの助成内容
・有給教育訓練休暇制度を導入し、労働者が当該休暇を取得して訓練を受けた場合に助成
教育訓練休暇等付与コースの助成金額
【定額助成】 30万円<6万円>
※<>内は、訓練後に労働者に毎月決まって支払われる賃金が5%以上上がった場合や、訓練修了後に資格手当を支払うことで賃金が3%以上増えた場合に加算
あわせて読みたい:人材開発支援助成金の教育訓練休暇等付与コースについて
建設労働者認定訓練コース
建設労働者の技能を高めることを目的として、中小建設事業主等が認定訓練を実施したり、建設労働者にその訓練を受講させたりすると、助成が受けられる制度です。
建設労働者認定訓練コースの対象
・中小建設事業主
・中小建設事業主団体(経費助成のみ)
建設労働者認定訓練コースの助成内容
・能開法による認定訓練を実施または雇用する建設労働者に有給で受講させる場合に助成
建設労働者認定訓練コースの助成金額
| 支給額 | |
| 経費助成 | 広域団体認定訓練助成金の支給または認定訓練助成事業費補助金における助成対象経費の1/6 |
| 賃金助成 | 認定訓練を受講した建設労働者1人1日あたり3,800円 <1,000円> |
※<>内は賃金要件・資格等手当要件を満たした場合の割増分
賃金要件・資格等手当要件を満たした場合の提出期限
算定対象とする建設労働者の全てに対して、賃金要件・資格等手当要件を満たす毎月決まって支払われる賃金または資格等手当を支払った日の翌日から起算して5か月以内に、割増分を支給申請
あわせて読みたい:人材開発支援助成金の教育訓練休暇等付与コースについて
建設労働者技能実習コース

雇用する建設労働者に有給で技能の向上のための実習を受講させた建設事業主または建設事業主団体に対して助成するもので、中小建設事業主とそれ以外とで、助成内容が異なります。
建設労働者技能実習コースの対象
・中小建設事業主、中小建設事業主団体(※支給対象:男性・女性労働者)
・中小以外の建設事業主、中小以外の建設事業主団体(※支給対象:女性労働者のみ)
建設労働者技能実習コースの助成内容
・安衛法による教習、技能講習、特別教育
・能開法による技能検定試験のための事前講習
・建設業法による登録基幹技能者講習 等
建設労働者技能実習コースの助成金額
| 【経費助成(建設事業主)】 |
|---|
| (20人以下の中小建設事業主) 支給対象費用の3/4 (21人以上の中小建設事業主) 35歳未満:支給対象費用の7/10、35歳以上:支給対象費用の9/20 (中小建設事業主以外の建設事業主) 支給対象費用の3/5 【経費助成(建設事業主) 賃金向上助成・資格等手当助成】 支給対象費用の<3/20> |
| 【経費助成(建設事業主団体)】 |
|---|
| (中小建設事業主団体) 支給対象費用の4/5 (中小建設事業主団体以外の建設事業主団体) 支給対象費用の2/3 |
| 【賃金助成】(最長20日間) |
|---|
| (20人以下の中小建設事業主) 1人あたり日額9,500円(10,405円(※)) (21人以上の中小建設事業主) 1人あたり日額8,550円(9,405円(※)) (※)建設キャリアアップシステム技能者情報登録者の場合 【賃金助成 賃金向上助成・資格等手当助成】 (20人以下の中小建設事業主) 支給対象1人あたり日額<2,000円> (21人以上の中小建設事業主) 支給対象1人あたり日額<1,750円> |
あわせて読みたい:人材開発支援助成金 建設労働者技能実習コースについて
人への投資促進コース

高度なデジタルスキルやIT能力の育成を目指す訓練や、定額制サービス(サブスクリプション)による訓練を実施した場合などに助成する制度です。さらに、長期の教育休暇をとりながら訓練を受ける労働者も対象となります。
人への投資促進コースの対象
・事業主
人への投資促進コースの対象訓練
①(1)高度デジタル人材の育成のための訓練
(2)大学院での訓練
②OFF-JT+OJTを組み合わせた6か月以上の訓練(IT分野関連の訓練)
③定額制訓練(サブスクリプション型の研修サービス)による訓練
④労働者の自発的な訓練費用を事業主が負担する訓練
⑤長期教育訓練休暇等制度の導入等
人への投資促進コースの助成金額
| 訓練区分 | 経費助成 | 賃金助成(1人1時間あたり) | OJT実施助成(1人1コースあたり) |
| 定額制訓練 | 60%〔45%〕<75%〔60%〕> | ー | ー |
| 自発的職業能力開発訓練 | 45%<60%> | ー | ー |
| 高度デジタル人材訓練 | 75%〔60%〕 | 1000円〔500円〕 | ー |
| 成長分野等人材訓練 | 75% | 国内大学院1000円 | ー |
| 情報技術分野認定実習併用職業訓練 | 60%〔45%〕<75%〔60%〕> | 800円〔400円〕<1000円〔500円〕> | 20万円〔11万円〕25万円〔14万円〕 |
| 長期教育訓練休暇制度 | 制度導入経費20万円<24万円> | 1人1時間あたり1000円〔800円〕<〔1000円〕> | ー |
| 教育訓練短時間勤務等制度 | 制度導入経費20万円<24万円> | ー | ー |
※〔 〕内は中小企業以外の場合、< >内は賃金要件・資格等手当要件助成が適用された場合です。
経費助成の支給限度額は、実訓練時間数に応じて以下のようになります。
| 訓練区分 | 100時間未満 | 100時間~200時間未満 | 200時間以上 | 大学(一年度あたり) | 大学院(一年度あたり) |
| 自発的職業能力開発訓練 | 7万円 | 15万円 | 20万円 | 60万円 | 国内60万円 海外200万円 |
| 高度デジタル人材訓練 | 30万円〔20万円〕 | 40万円〔25万円〕 | 50万円〔30万円〕 | 150万円〔100万円〕 | ー |
| 成長分野等人材訓練 | ー | ー | ー | ー | 国内150万円 海外500万円 |
| 情報技術分野認定実習併用職業訓練 | 15万円〔10万円〕 | 30万円〔20万円〕 | 50万円〔30万円〕 | ー | ー |
| 定額制訓練 | 1人1月あたり2万円 | ー | ー | ||
※〔 〕内は中小企業以外の場合
賃金要件・資格等手当要件を満たした場合の提出期限
すべての対象労働者に対して、要件を満たす賃金または資格等手当を3か月間継続して支払った日の翌日から起算して5か月以内に、割増分を支給申請
あわせて読みたい:人材開発支援助成金「人への投資促進コース」定額制訓練も助成対象
事業展開等リスキリング支援コース
新しい事業展開や新分野への進出に必要な知識や技能を習得する訓練を受ける際に助成する制度です。このコースは、事業の変化に伴う人材のスキルアップを支援し、企業内の人材育成を強化することを目的としています。
事業展開等リスキリング支援コースの対象
・事業主
事業展開等リスキリング支援コースの対象訓練
・事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練
・事業展開は行わないが、企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)化やグリーン・カーボンニュートラル化を進める場合に、関連業務に従事させるうえで必要となる専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練
・令和8年3月2日の改正以降、おおむね3年以内の人事配置計画に基づき、労働者が今後従事する予定の職務に必要な知識・技能を習得させるための訓練(新設)
事業展開等リスキリング支援コースの助成金額
経費助成
実費相当額の75%〔中小企業以外60%〕
賃金助成
1人1時間あたり1000円〔中小企業以外500円〕
あわせて読みたい:人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」とは?企業の変革を後押しする人材育成制度
人材開発支援助成金の申請フロー
人材開発支援助成金を申請する流れは各コースによって申請フローが異なります。基本的な手続きの流れは以下のとおりです。
基本的な申請手続きの流れ
・都道府県労働局へ訓練計画の提出
・訓練等の実施
・労働局へ支給申請の提出(※):訓練終了後2か月以内
・審査後、助成金の受給
※人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースは、雇用関係助成金ポータルで電子申請をすることも可能です。ただし、令和8年3月2日以降の改正内容(対象訓練の拡充・分割支給申請)については、電子申請対応が準備中のため、当面は紙申請が必要です。
申請先窓口についてはこちらのページにてご確認いただけます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/toiawase2.html
人材開発支援助成金の申請はいつまで
人材開発支援助成金の支給申請は、訓練終了の翌日から2か月以内が原則で、年度末は3月31日が期限です。また4月からは毎年制度が更新されるため今までの要件と異なる場合があるため注意が必要です。政府の方向性などによってコースが新設・廃止となる場合があります。
人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金の違いとは
助成制度を検討するうえでよく混同されがちなのが、「人材開発支援助成金」と「キャリアアップ助成金」です。どちらも人材育成や雇用環境の改善を目的とした制度ですが、対象者や支援内容には明確な違いがあります。
| 対象者 | 支援目的 | |
| 人材開発支援助成金 | 主に正規雇用労働者、または有期契約労働者等 | 労働者のキャリア全体を通じて、段階的で組織的なスキルアップを推進する |
| キャリアアップ助成金 | 有期雇用労働者等(契約社員・パート・派遣社員など) | 有期雇用労働者等の企業内でのキャリアアップを促進する |
人材開発支援助成金は主に正規雇用者に訓練等をした場合が対象となるのに対し、キャリアアップ助成金は有期雇用労働者等のキャリアアップを促進した場合に助成金を受けられます。制度選びで迷わないためにも、両者の違いを整理しておきましょう。
人材開発支援助成金の注意点
人材開発支援助成金は、国から支援金をもらって企業内における人材の育成のための研修を行うことができる反面デメリットも存在します。
- 研修終了後に助成金交付の有無が決定される
- 研修により一時的に人手不足に陥る
- 申請手続きが煩雑であり期間が限られている
まず一つ目の助成金交付が、研修終了後に決定されるという点ですが、研修終了後に申請し支給審査の上で支給・不支給の通知が来るという点です。つまり、お金をかけて研修を行ったとしても不支給にもなるリスクがあるということです。
さらにOff-JTは、企業の事業活動と区別して業務の遂行の過程外で行われる訓練のため期間中一時的に人手不足に陥る可能性も含んでいます。計画的にスケジュールをしなければ本業自体に支障をきたす場合があるので注意が必要です。
そして3つめのデメリットとして挙げられることとして、支給申請が煩雑であるという点です。ジョブカードの提出や訓練計画の提出、受講者の評価、そして支給申請書類の提出など煩雑な資料作成となり、さらに訓練終了後の翌日から起算して2か月以内に申請をしなければならないというルールがあります。
この複雑なプロセスを考えると、自力での助成金申請はリスクが大きいといえるでしょう。失敗しない申請をするためにもまずは専門家へご相談してみることをお勧めします。
人材開発支援助成金 よくある質問
雇用形態による差はありますか?
「人材育成支援コース」のみ、無期・正社員と有期雇用労働者で経費助成率に差があります。それ以外のコースでは雇用形態による差はありません。
外国人労働者も対象になりますか?
雇用保険の被保険者であれば対象となる可能性がありますが、例外もあるため事前に労働局へ相談してみましょう。
複数の事業場で合同訓練を行った場合は?
原則として、それぞれの事業場が雇用保険適用事業所であり、それぞれの地域の都道府県労働局へ申請する必要があります。
個人(従業員)でも申請できますか?
申請できません。人材開発支援助成金は事業主(法人または個人事業主)が申請する制度です。従業員個人が直接申請することはできません。従業員が自分で活用できる類似制度として、ハローワークの「教育訓練給付金」(雇用保険の被保険者が対象)があります。
申請はいつまでにすればよいですか?
訓練終了の翌日から起算して2か月以内に支給申請を行う必要があります。年度末は3月31日が期限となります。また、賃金要件・資格等手当要件の割増分については、要件を満たす賃金等を3か月間継続支払後の翌日から5か月以内の申請が必要です。期限を過ぎると申請できなくなるため、スケジュール管理が重要です。
対象となる訓練・講座の一覧はどこで確認できますか?
コースごとに対象となる訓練の種類・要件が定められています。訓練計画を提出する前に、都道府県労働局またはハローワークで要件を確認することをおすすめします。また、厚生労働省の公式サイト(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html)でもコースごとの詳細を確認できます。
まとめ
人材開発支援助成金は、人材育成に励む事業主などへ、研修における経費や研修期間中の賃金の一部を助成することにより人材育成を支援する制度です。
制度活用のポイントを改めて整理します。
- 申請できるのは事業主のみ:個人(従業員)は申請不可。従業員向けには「教育訓練給付金」が別途ある
- 事前の訓練計画届が必須:訓練開始前に都道府県労働局へ計画を提出することが前提条件
- 申請期限は訓練終了後2か月以内:年度末は3月31日が期限。期限を過ぎると申請不可
- 令和8年度が最終年度のコースあり:「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」は早めの活用が重要
- 分割支給申請が可能に(令和8年度改正):長期訓練でも途中段階での申請が可能になり、キャッシュフロー負担が軽減
申請する際には幾つか注意点もあるため、不明点があれば確認の上、申請をするようにしてください。是非制度を上手く活用し、個人の成長、会社の成長にも繋げてみてください。
e-ラーニングやサブスクリプション型の研修サービスなどが助成対象に追加された点は、近年時間や場所を限らずに学べる機会が増えてきたこともあり、ニーズに沿った変更といえるでしょう。さまざまな成長のチャンスを得られるよう、人材開発支援助成金をうまく活用してみてはいかがでしょうか。
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・人材育成支援コース
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