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キャリアアップ助成金の「正社員化コース」について調べてみた。(2020年10月更新)

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キャリアアップ助成金のまとめについてははこちらをご覧ください

令和5年度補正予算キャリアアップ助成金の拡充ポイント

この記事の目次

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1.キャリアアップ助成金ってなに?

キャリアアップ助成金とは、企業の経営を助け、雇用の維持や促進することを目的に、主に厚生労働省が中心となって、ハローワーク等が公募を行っている公的助成金の一種で、財源は、企業が支払っている雇用保険の一部です。

日本国内の”非正規労働者の減少”を目的として、厚生労働省が特に力を入れています。
ちなみに、借入と違って利息の支払や返済が不要ですが、有期労働者等の”非正規雇用者を正社員にするための制度”を会社が設け、更に実際に対象者が発生したときに受給できる助成金です。

今回はそんな「キャリアアップ助成金」について、申請方法など詳しくご紹介します。

2.キャリアアップ助成金のコース区分

キャリアアップ助成金はこれまでに多くの制度変更を重ねてきました。
平成31年4月1日以降は、以下7つのコースに分かれています。

7つのコース

①正社員化コース
②賃金規定等改定コース
③健康診断制度コース
④賃金規定等共通化コース
⑤諸手当制度共通化コース
⑥選択的適用拡大導入時処遇改善コース
⑦短時間労働者労働時間延長コース

今回は、この中の「正社員化コース」に特化して見ていきましょう!

キャリアアップ助成金の「正社員化コース」とは?

「正社員化コース」とは、就業規則または労働協約その他これに準ずるものに規定した制度に基づき、有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に助成金が支給されるというものです。

正社員コースにおいて「多様な正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員および短時間正社員)」へ転換した場合には正規雇用労働者へ転換したものとみなします。

なお、所属している企業規模が中小企業と大企業とで支給される助成金の金額が変わります。
有期契約労働者等の正規雇用労働者・多様な正社員等への転換等を助成するという目的があります。

※<>内は生産性の向上が認められる場合の額、( )内は中小企業以外の額です。

出典:平成31年度 雇用・労働分野の助成金のご案内(詳細版)

たとえば有期契約から正規雇用への転換等を中小企業が行った場合、1人あたり57万円(生産性要件を満たす場合は72万円)が支給されます。有期から無期雇用または無期から正規雇用への転換の場合は、1人あたり28万5,000円(生産性要件を満たす場合は36万円)が支給されます。

また、以下のようなケースでは支給額が加算されます。

■支給対象者が母子家庭の母等または父子家庭の父の場合、若者雇用促進法に基づく認定事業主における対象者が35歳未満の場合

【有期→正規雇用へ転換】の場合、1人あたり9万5,000円(生産性要件を満たす場合は12万円)が加算

【有期→無期雇用】または【無期→正規雇用へ転換】の場合、1人あたり4万7,500円(生産性要件を満たす場合は6万円)が加算

■派遣労働者を派遣先で正規雇用で直接雇用する場合

【有期→正規雇用】または【無期→正規雇用へ転換】の場合、1人あたり28万5,000円(生産性要件を満たす場合は36万円)が加算

■勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定し、有期契約労働者等を当該雇用区分に転換または直接雇用した場合

【有期→正規雇用】または【無期→正規雇用へ転換】の場合、1事業所あたり9万5,000円(生産性要件を満たす場合は12万円)(中小企業以外の場合7万1,250円<生産性要件を満たす場合90,000円>)が加算

上記でも述べたように、支給される助成金の金額は企業規模によって異なります。
中小企業の範囲は以下の通りです。


それでは、キャリアアップ助成金「正社員化コース」を申請するにあたり、いくつか条件があるのでチェックしていきましょう。

申請の条件

1.雇用保険適用事業所であること
2.キャリアアップ管理者を置いていること
3.対象労働者に対しキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けていること
4.対象労働者に対する賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備している事業主であること
5.キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んでいること

キャリアアップ管理者とは
事業所毎に選任しなければならず、有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む者として必要な知識および経験を有していると認められる人。

キャリアアップ計画とは
有期契約労働者等のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるため、今後のおおまかな取り組みイメージ(対象者、目標、期間、⽬標を達成するために事業主が⾏う取り組み)をあらかじめ記載したもの 。

まとめると、
・会社が雇用保険に加入しており、
・キャリアアップを後押しする責任者がいて、
・会社としてキャリアアップ出来る環境を準備し、
・それらを計画的に行っていく旨の申請をし認定を受けた上で、
・非正規雇用者を正規雇用に転換する事で受け取る事が出来るのが、キャリアアップ助成金の正社員化コース、ということですね。

※詳しくは、厚生労働省のページをご確認ください!

3.キャリアアップ助成金の「正社員化コース」の申請方法は?

キャリアアップ補助金の申請方法

では、実際に申請する際の流れを見てみましょう。

申請までの流れ
======================================

  1. 対象労働者の6ヶ月以上雇用(派遣労働者の場合は、派遣元での6ヶ月以上の雇用)
  2. キャリアアップ計画の作成・提出
  3. 就業規則の整備
  4. 正規雇用等への転換
  5. 転換後6か⽉分の賃⾦を⽀給・⽀給申請
  6. 支給決定
    ======================================

1. 対象労働者の6ヶ月以上雇用(派遣労働者の場合は、派遣元での6ヶ月以上の雇用)

2. キャリアアップ計画の作成・提出
①雇用保険適用事業所ごとにキャリアアップ管理者を配置します。
②役員や管理職以外の従業員代表者の意見を聞き、キャリアアップ計画を作成し、所轄の労働局長の確認を受けます。
③キャリアアップ計画は転換・直接雇用を実施する日までに提出しなければいけません。

3. 就業規則の整備
①就業規則は所轄の労働基準監督書に提出が必要です。提出の際は、就業規則届、労働者の意見書も必要です。
※キャリアアップ計画提出前に、転換制度が規定してあった場合は大丈夫です。但し、試験等の手続き、対象者の要件、転換実施時期の記載はマストです!
②就業規則等の制定前に、転換や直接雇用をしてしまった場合は対象外となります。

4. 正規雇用等への転換
①就業規則等にしたがって転換・直接雇用を行ってください。この手続きと違う手続きで転換・直接雇用を行うと対象外になります。
②転換前、転換後の労働条件通知書は、対象労働者に交付し、会社控えも保存が必要です。
③転換後に適用される就業規則に規定されている労働条件や待遇である事がマストです!(賞与や退職金、手当、雇用保険・社会保険の加入など)
④転換後の6ヶ月間の賃金を、転換前6ヶ月間の賃金より5%以上増額させていることが条件です。

5. 転換後6か⽉分の賃⾦を⽀給・⽀給申請
①6ヶ月間賃金を支給しなければ、助成金の支給申請ができません。
②転換後6ヶ月目の賃金が支払われた日の翌日から2ヶ月以内の申請が必要です。
③転換日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、適用事業所において雇用保険被保険者を解雇等事業主の都合により離職させた場合は受給資格がなくなります。
④支給申請日までに対象労働者が離職した場合は対象外です。

6. 支給決定
①支給決定書が届いた後、助成金が振り込まれます。
②混み合っている状況等を踏まえ、入金まで約4ヶ月程度はかかる旨ご認識ください。

4. まとめ

正社員化コースの助成金の必要書類

いかがでしたか?

ちなみに東京都の場合には、東京都正規雇用転換促進助成金という制度があり、例えば、有期雇用労働者を正社員へ転換した場合、最大で60万円(対象労働者が3人以上の場合※)が上乗せで受給が受けられます!

対象労働者が1人の場合:20万円、2人の場合:40万円、3人以上 60万円
その為、キャリアアップ助成金に20~60万円の上乗せで助成が受けられる事になります。
※詳しくは、こちらをご確認ください!

もちろん助成金は国の施策なので、施策が変わったり、予算に達したりした場合等は変更になるかもしれません。ボーナスの財源や、福利厚生の充実に充てる等、従業員に還元するために活用したり、優秀な人材の確保や、より生産性の高い設備の導入に使って事業の競争力を高めたりと、使い道は自由です。

儲ける為ではなく、会社の成長の為に使うものである事を忘れずに活用してみてくださいね。

>キャリアアップ助成金の「正社員化コース」についての疑問を専門家に無料相談したい方はこちら

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