キャリアアップ助成金は、定着率の高い職場環境の整備を目指す企業を支援する助成金です。令和6年度には「正社員化コース」「障害者正社員化コース」「賃金規定等改定コース」「賃金規定等共通化コース」「賞与・退職金制度導入コース」「社会保険適用時処遇改善コース」の6つが設定されました。
多様な取組が対象となった一方、活用イメージがうまくつかめないでいる人もいるかもしれません。そこで今回は、キャリアアップ助成金活用のメリットを、各コースの特徴を参考にまとめました。
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この記事の目次
キャリアアップ助成金の各コースがもたらす効果
キャリアアップ助成金では、コースごとに対象となる取組が異なります。そこで、各コースの活用によって得られる効果を簡潔に整理してみました。この表を参考に、どのコースが自社にとって最適か、ぜひ一度確認してみてください。
コース名 | 取り組み内容 | 効果 |
---|---|---|
正社員化コース | 有期雇用労働者等を正社員化する | ・労働者の定着率向上 ・人材育成の促進 |
障害者正社員化コース | 障害のある有期雇用労働者等を正社員化する | ・障害者の職場定着促進 ・多様性のある職場環境の創出 ・社会的責任の遂行 |
賃金規定等改定コース | 基本給の賃金規定等を3%以上増額改定 | ・労働者のモチベーション向上 ・採用力の強化 |
賃金規定等共通化コース | 正規雇用労働者と共通の賃金規定等を適用 | ・待遇の公平性確保 ・労働生産性の向上 |
賞与・退職金制度導入コース | 賞与・退職金制度を新たに設け、支給または積立を実施 | ・企業の魅力度向上 ・優秀な人材の獲得 ・長期的な労働者定着 |
社会保険適用時処遇改善コース | 社会保険加入に伴う処遇改善を実施 | ・労働者の福利厚生向上 ・企業イメージの改善 ・労使関係の強化 |
キャリアアップ助成金が企業にもたらすメリット
キャリアアップ助成金を活用することで、企業には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3つの視点から、助成金の活用がどのように企業の成長に役立つかを考えていきましょう。
①人材の定着率が改善し、離職コストを削減できる
②採用力強化により優秀な人材を引きつける企業になる
③競争力が高まり、成長し続ける企業に
それぞれ、詳しく見ていきます。
①人材の定着率が改善し、離職コストを削減できる
どの業界でも、人材不足の深刻化が進んでいます。とはいえ、必要な人材を集めれば、すぐに企業成長につながるわけではありません。
それはなぜでしょうか。労働者に求められるスキルは、事業所によって異なり、優秀な人材が採用できても、戦力として職場の中心となるには、時間がかかることがほとんどだからです。
そのため、円滑に業務を回し、企業成長へとつなげるためには、一人ひとりが長く働き続けられる環境整備が必要となるわけです。そこで活用したいのが、「正社員化コース」と「障害者正社員化コース」です。
「正社員化コース」では、有期雇用労働者等の正社員化を支援します。雇用安定性が向上することで、経験を積んだ労働者の定着率を上げることができます。また、「障害者正社員化コース」は、障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換することで、より安定した雇用環境を提供し、障害者の職場定着を促進します。
安定した雇用環境が整うと、労働者は安心して長期的なキャリアを築くことができますね。これにより、経験豊富な人材が離職せず、結果として、頻繁な採用活動が不要となります。また、労働者が長く働くことができれば、長期的な技能開発を促進し、企業全体の業務効率化・生産性向上も図れます。
②採用力強化により優秀な人材を引きつける企業になる
キャリアアップ助成金には、採用力の強化や企業のイメージ向上など、外部からの評価を高める効果もあります。
たとえば「賃金規定等改定コース」や「賃金規定等共通化コース」、「賞与・退職金制度導入コース」は、賃金や処遇の改善を促進する「処遇改善支援」です。戦略的に活用して魅力的な職場環境を整えれば、企業の採用力は大きく飛躍します。
賃金規定等改定コースは、基本給を3%以上増額した場合に、賃金規定等共通化コースは有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を規定・適用した場合に助成が受けられます。非正規労働者においては、賃上げはもちろん、正規雇用者との処遇の格差も大きな課題のひとつです。キャリアアップ助成金を活用してこうした格差をなくし、どんな雇用形態でも働きやすい環境を整備することは、多様な人材の確保につながります。
また、賞与・退職金制度導入コースは、賞与または退職金制度の導入等を対象にしています。正当な評価は、労働意欲を高めます。また、退職金制度の導入は、雇用期間終了後の働き口が確保できていない非正規労働者にとって、大きな魅力です。
労働者の処遇を改善することは、現在の労働者の満足度を高めるだけでなく、求職者にとっても非常に魅力的な要素となります。また、助成金を受け取ることは、労働環境が整っている企業であると認められた証でもあるため、企業の信頼性が高まり、公的な融資を受けやすくなるという利点も生まれます。
③競争力が高まり、成長し続ける企業に
キャリアアップ助成金は、単なる支援策ではなく、企業の成長を支える強力な手段です。
正社員化や処遇改善を通じて人材定着を促し、離職コストを抑えるだけでなく、賃金や福利厚生の改善によって企業の魅力を高め、採用力を強化します。これにより、優秀な人材の確保と育成が進み、企業の内部環境が充実するだけでなく、外部からの評価も向上します。
また、助成金は返済不要で柔軟に活用できるため、設備投資や教育訓練といった成長戦略にも活かすことができます。これにより、企業の競争力はさらに強化され、持続的な成長が見込まれます。
具体的に各コースでいくらもらえるのかや、助成金の使い道については、「キャリアアップ助成金の支給額は?申請後に期待できる金額とその使い道」で解説しています。活用を検討されている企業の方々は、ぜひこちらの記事もご参照ください。
キャリアアップ助成金は、企業の人材戦略と成長戦略を両立させる有効な手段です。積極的に活用し、長期的な企業の発展を目指してみてはいかがでしょうか。
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