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業務改善助成金が8月から特例的な拡充へ!コロナ禍の最低賃金引き上げ対策に

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助成金の申請は難しいと思っていませんか?
助成金は支給要件に合致していれば、ほぼ支給されるため、審査を経て採択されなけばいけない「補助金」と比べて、難易度は低いといえます。よく知られている助成金として、厚生労働省が中心となり公募している雇用に関する助成金(雇用調整助成金、キャリアアップ助成金など)がありますね。

最近、雇用に関する問題として取り上げられているのが「最低賃金の引き上げ」です。
最低賃金引き上げを支援する助成金に業務改善助成金というものがありますが、8月1日から内容が拡充され、コロナ禍での賃金引き上げにお悩みの方が使いやすい制度になります

「最低賃金額以上の賃金額を支払わないと、法律に抵触するのは理解しているが、コロナ禍でどのように賃金引き上げを行うか迷っている」という方は、ぜひ業務改善助成金の拡充内容をご確認ください。

▼最低賃金引き上げに関する記事はこちらもどうぞ
※記事内で、賃金額と最低賃金を比較できるチェックシートが利用できます。

最低賃金引き上げの影響は?賃金引上げによる経営圧迫を解決する助成金を紹介(※8月17日更新)

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コロナ禍でまさかの最低賃金過去最大の引き上げへ

今年度の最低賃金について、全都道府県で28円引き上げ、全国平均で現在の902円から930円(時給)とする目安が示されました。最低賃金に関しては「全国平均を1,000円に引き上げる」との方針から、ある程度の引き上げは予想されていましたが、新型コロナウイルスの影響が残る状況で、過去最大の引き上げが促されたことに驚かれた方も多いのではないでしょうか。

最低賃金引き上げで雇用に深刻な影響が出ることを懸念する声も

「地域別最低賃金額改定の目安に対するコメント」として、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会は大幅な引き上げに反対の声を上げています。

東京で4回目となる緊急事態宣言が発出されるなど、先が見通せない経済情勢の中、昭和53年度の目安制度開始以降で最高額となる大幅な引上げとなったことは極めて残念であり、到底納得できるものではない。中小企業・小規模事業者の窮状、とりわけ困窮している飲食業や宿泊業などの事業者の実態や痛みを理解していない結論と言わざるを得ない。多くの経営者の心が折れ、廃業が更に増加し、雇用に深刻な影響が出ることを強く懸念する。(抜粋:全国中小企業団体中央会HP 地域別最低賃金額改定の目安に対するコメント

厳しい業況の企業が多いなか、人件費をやりくりするために雇用の削減が起こる可能性もありますので、コロナ禍での賃金引き上げを進めるには、国からの支援が重要になってきます。

8月から業務改善助成金が使いやすくなる?

業務改善助成金は、生産性を向上させ、「事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)」の引き上げを図る中小企業・小規模事業者を支援する助成金です。

簡潔にいうと、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げて、設備投資(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練、POSシステムの導入)などを行った場合に、その費用の一部が助成されるというもので、最低賃金引き上げに使える助成金として知られています。

引き上げ額は、20円以上、30円以上、60円以上、90円以上と分かれており、引き上げ額ごとに申請コースが定められています。コース区分と引き上げる労働者数によって、助成上限額がことなります。

たとえば、現行の助成内容だと
引き上げ額:30円以上
引き上げる労働者数:7人以上
助成上限額:100万円

引き上げ額:60円以上
引き上げる労働者数:7人以上
助成上限額:230万円

といった具合です。ちなみに、引き上げる労働者数は1人からでも申請できます。対象者が1人の場合は、引き上げ額30円以上なら上限額30万円、引き上げ額60円以上なら上限額60万円です。

現行では、助成金の上限額は最大で450万円(引き上げ額90円以上・引き上げる労働者数7人以上の場合)ですが、8月から特例的な要件緩和・拡充が行われ、最大で600万円まで拡大されることがわかりました。

業務改善助成金の拡充内容とは?

8月1日から、特に業況の厳しい事業主への特例のほか、全事業主を対象とする特例も行われます。

特に業況の厳しい事業主への特例

【対象】
売上高や生産量などの事業活動を示す指標の直近3か月間の月平均値が前年または前々年の同じ月に比べて、30%以上減少している事業者

【対象人数の拡大・助成上限額引上げ】
現行では、賃金引上げ対象人数について最大「7人以上」としているところを、最大「10人以上」の枠を増設し、助成上限額を450万円から600万円へと拡大します。

出典:令和3年度「業務改善助成金」のご案内
※10人以上の枠は、特に業況の厳しい事業主だけでなく、事業場内最低賃金900円未満の事業場も対象になります。

【設備投資の範囲の拡充】
現行では、特種用途自動車以外の「自動車」や、「パソコン等」の購入は対象外ですが、コロナ禍の影響を受けながらも30円以上の賃金引上げを行う場合には、生産性向上に資する以下の自動車やパソコン等も補助対象になります。

  • 乗車定員11人以上の自動車及び貨物自動車
  • パソコン、スマホ、タブレット等の端末及び周辺機器(新規導入)

すべての事業主を対象とする特例

【45円コースの新設】
現行で最も活用されている30円と60円の中間に、45円コースが増設され、賃金引き上げ額の選択肢が増えました。

【同一年度内の複数回申請が可能に】
現行では、同一年度内の受給は1回限りですが、特例では年度内に2回まで申請が可能となります。これにより年度当初に助成金を活用して賃上げした事業場でも、10月に再度賃上げを行う時にもう一度助成金の申請をすることができます。

コロナ禍の最低賃金引き上げ対策として業務改善助成金を活用しよう

人件費が上昇するため、労働時間を短縮したい、そのためにも生産性の向上に取り組みたい、と考えたとき、何かしらの設備投資を検討されることが多いと思います。そんなときに活用できるのが業務改善助成金です。

特に業況の厳しい事業主への特例では、助成上限額が引き上げられ、対象の設備投資の範囲も広げられています。また、すべての事業主を対象に45円コースが新設されました。引き上げる額が上がれば、助成金の額も上がります。以前よりも賃金引き上げ額の選択肢が増えたことで、使い勝手が向上したといえるでしょう。

コロナ禍でも、最低賃金引き上げを行わなければならないとしたら、こうした制度を活用して助成金の受給を検討してみてください。

まとめ

今回は、8月から、対象人数の拡大や助成上限額の引き上げが行われる業務改善助成金についてご紹介しました。

申請時期が短く限られていることが多い「補助金」と違って、助成金は通年や長期にわたって申請期間が設けられています。この業務改善助成金の申請締切は令和4年1月31日となっていますが、助成金の交付は予算の範囲内で行われるため、申請期間内でも予算に達した時点で募集終了となることがあるため、注意が必要です。

最低賃金引き上げ対策として、業務改善助成金の活用をお考えの場合は、こういった特例的な要件緩和・拡充が行われる機会を逃さずに申請をすすめていただければと思います。補助金・助成金についてさらに詳しく知りたい方は、無料相談窓口もございますのでお気軽にお問合わせください。

参考:業務改善助成金 中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援

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