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上限額に変更あり!令和4年度「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースとは

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平成31年4月から「働き方改革関連法」が順次施行されました。これにともない、企業は多様化する働き方やより負担の少ない労働条件への対応を進めています。

社会的な需要が変化し続ける現代こそ、働き方もそれにあわせて変化することが重要です。厚生労働省は働き方改革の推進を支援するために、令和2年度から働き方改革推進支援助成金を支給しています。令和4年度4月から、労働時間短縮・年休促進支援コースの助成金額に変更がありました。

この記事では「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースの概要や、変更点をまとめています。

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この記事の目次

「働き方改革関連法案」の施行で働き方は変わったのか

2021年に東京都が発表した「働き方改革に関する実態調査」では、働き方関連法に対する事業所と労働者の認知度についてあきらかにされています。それによると、もっとも認知度が高いのは「年5日の有給休暇の確実な取得」で、従業員は88.3%が「知っている」と回答しました。

出典:中小企業労働条件等実態調査「働き方改革に関する実態調査」

一方で「時間外労働の上限規制」に関しては、実際の労働時間に変化があったと回答した従業員は49%に留まっています。具体的な変化の内容は「上司が声掛けをするなど時間外労働しないように働きかけるようになった」が70.1%で、労働時間の管理が変化したという回答は57.4%です。

出典:中小企業労働条件等実態調査「働き方改革に関する実態調査」

働き方改革推進支援助成金の労働時間短縮・年休促進支援コースはこうした労働時間の管理について、36協定の見直しなどを通じて、具体的かつ効果的な労働時間の短縮・有給休暇促進を働きかける取り組みを支援する制度です。

働き方改革推進支援助成金とは

「働き方改革推進支援助成金」は、中小企業が労働時間の縮減や有給休暇の促進に向けた取り組みを行う際、その費用の一部を助成する制度です。要件を満たした事業者がコースごとに設定された成果目標に向けた事業を実施する際、その達成状況に応じて助成をうけることができます。令和4年4月現在、3つのコースが交付を受け付けています。各コースの内容は以下のとおりです。

労働時間短縮・年休促進支援コース

【成果目標(いずれか)】
・36協定の時間外、休日労働時間を縮減させること
・年次有給休暇 (時間単位を含む)を導入させること
・指定する特別休暇のいずれか1つ以上を導入させること
【助成額】
25万円から150万円

勤務間インターバルコース

【成果目標(いずれか)】
・半数を超える労働者を対象とする勤務間インターバルを導入すること
・すでに導入している勤務間インターバル制度の対象労働者を、全体の半数を超えて拡充すること
・すでに導入している勤務間インターバル制度を、9時間以上に拡充すること
【助成額】
40万円から100万円

労働時間適正管理推進コース

【成果目標(すべて)】
・ITシステムを用いた労働時間管理方法を採用すること
・賃金台帳等の労務管理書類について、5年間保存することを就業規則等に規定すること
・「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に係る研修を実施すること
【助成額】
上限100万円

労働時間短縮・年休促進支援コースの変更点

令和4年度は「労働時間短縮・年休促進支援コース」で変更がありました。労働時間短縮・年休促進支援コースの概要や昨年度からの変更点を確認しましょう。

【概要】
「労働時間短縮・年休促進支援コース」は中小企業の生産性向上と環境整備を支援しています。助成額は目標の達成度に応じて決められます。

【目的】
中小企業における時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の取得促進のための環境整備を目的とした助成金です。外部専門家によるコンサルティングや労務管理用機器等の導入等を実施する際の費用の一部を助成し、企業の働き方改革推進を支援します。

対象事業者

対象となる事業主は、以下の①~③のすべてに該当する中小企業事業主です。

①労働者災害補償保険の適用事業主であること
②交付申請時点で、「成果目標」の設定に向けた条件を満たしていること
③交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて全ての対象事業場において就業規則等を整備していること

対象事業

対象となる事業は以下のとおりです。

①労務管理担当者に対する研修
②労働者に対する研修、周知・啓発
③外部専門家によるコンサルティング
④就業規則・労使協定等の作成・変更
⑤人材確保に向けた取組
⑥労務管理用ソフトウェアの導入・更新
⑦労務管理用機器の導入・更新
⑧デジタル式運行記録計の導入・更新
⑨労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

対象事業の「研修」には、業務研修も含みます。また、原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは助成の対象となりません。

成果目標の詳細

対象事業に設定する成果目標について、もう少し詳しくみてみましょう。前述した3つの成果目標の詳細は以下のとおりです。

①36協定の時間外、休日労働時間を縮減させること
・月60時間以下、または月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行ってください。

②年次有給休暇 (時間単位を含む)を導入させること
・助成の対象になるには、すべての対象事業場において、新規に年次有給休暇の計画的付与の規定または時間単位の年次有給休暇の規定を導入する必要があります。

③指定する特別休暇のいずれか1つ以上を導入させること
・該当する特別休暇は「病気休暇」「教育訓練休暇」「ボランティア休暇」「新型コロナウイルス感染症対応のための休暇」「不妊治療のための休暇」の5つです。すべての対象事業場にて、新たに導入された場合のみ対象となります。

また「指定する労働者の時間当たりの賃金額の引上げを3%以上行うこと」を成果目標に加えることができます。賃金を引上げた人数に応じて、助成額を最大240万円まで加算することが可能です。

対象経費

助成の対象となる経費は、以下の①~⑩です。

①謝金
②旅費
③借損料
④会議費
⑤雑役務費
⑥広告宣伝費
⑦印刷製本費
⑧備品費
⑨機械装置等購入費
⑩委託費

⑧と⑨には、設定費用や社員等に対する研修費用等も含まれます。
また、以下の経費は原則助成の対象外です。

・乗用自動車等の購入費
・パソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用
・単なる経費削減を目的としたもの
・不快感の軽減や快適化を図ることを目的とした職場環境の改善に係る費用
・通常の事業活動に伴う経費
・交付決定の日より前に開始した事業に係る費用
・社会保険労務士事務所等の専門的知識を有する事業所であって、自ら取組が可能な事業に関する費用
・当該法令等で義務づけられた制度の策定等に係る費用
・資格の取得に係る費用
・損害を補償する保険等に係る費用
・経費の算出が適正でないと労働局長が判断したもの
・その他、社会通念上、助成が適当でないと労働局長が判断したもの

助成率・上限額

助成率は、成果目標の達成状況に応じて決められます。各助成率と上限額は以下のとおりです。

①成果目標 (後述) の上限額および賃金加算額の合計額
②対象経費の3/4
(労働者数が30名以下かつ支給対象の取り組みの⑥から⑨を実施する際、その額が30万円を超える場合は4/5)のうち、いずれか低い方の額

【成果目標の上限額】
①時間外労働時間数等について
・現在の時間外労働時間数等が月80時間を超えて設定されている事業場が
1.時間外労働時間数等を月60時間以下に設定した場合…150万円
2.時間外労働時間数等を月80時間以下に設定した場合…50万円
・現在の時間外労働時間数等が月60時間を超えて設定されている事業場が
1.時間外労働時間数等を月60時間以下に設定した場合…100万円

②年次休暇について
・年次有給休暇の計画的付与制度を導入した場合…50万円
・時間単位の年次有給休暇を導入した場合…25万円

③特別休暇について
25万円

また、賃金引き上げの際に加算される助成金は以下のとおりです。

【引き上げ人数1~3人】
引き上げ率3%…15万円
引き上げ率5%…24万円
【引き上げ人数4~6人】
引き上げ率3%…30万円
引き上げ率5%…48万円
【引上げ率7~10人】
引き上げ率3%…50万円
引き上げ率5%…80万円
【引き上げ人数11人~30人】
引き上げ率3%…1人あたり5万円 (上限150万円)
引き上げ率5%…1人あたり8万円 (上限240万円)

令和3年度からの変更点

令和4年度は、支給される助成金の上限に変更がありました。それぞれの変更点は以下のとおりです。

①時間外労働時間数等について
・現在の時間外労働時間数等が月80時間を超えて設定されている事業場が
1.時間外労働時間数等を月60時間以下に設定した場合…
令和3年 100万円 ⇒ 令和4年 150万円
・現在の時間外労働時間数等が月60時間を超えて設定されている事業場が
1.時間外労働時間数等を月60時間以下に設定した場合…
令和3年度 50万円 ⇒ 令和4年度 100万円
②年次休暇について
・時間単位の年次有給休暇を導入した場合…
 令和3年度 50万円 ⇒ 令和4年度 25万円
③特別休暇について
 令和3年度 50万円 ⇒ 令和4年度 25万円

申請の流れ

申請から助成金交付までの流れは以下のとおりです。
①交付申請
②事業実施
③支給申請

事業実施は、令和5年1月31日(火)までです。また、支給申請は事業実施予定期間が終了した日から30日後または2月10日(金)のいずれか早い日が締め切りとなります。

交付申請期間

申請の受付は2022年11月30日(水)までです。ただし、予算がなくなった場合はこれより早く締め切る場合があります。
助成金交付を希望している場合は、早めに申請をしてください。

申請方法

申請に必要な提出書類は、所在地を管轄する都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ提出します。窓口へ直接持参するか、郵送してください。

必要書類

申請に必要な書類は、以下のとおりです。

【交付申請時の提出書類】
①交付申請書
②事業実施計画
③36協定届
④就業規則の写し(年次有給休暇管理簿)
⑤就業規則の写し(労働条件通知書の写し)
⑥対象労働者の交付申請前1月分の賃金台帳の写し、労働時間が分かる書類
⑦見積書

【事業実施計画変更申請時の提出書類】
①事業実施計画変更申請書
②実施計画(変更)
③見積書

【支給申請時の提出書類】
①支給申請書
②事業実施結果報告書
③議事録の写しなど、労働時間等設定改善委員会の設置等労使の話し合いが客観的行われたことが分かる資料
④労働時間等に関する個別相談等の担当者選任に関して周知したメール、社内報などの写し
⑤労働者に対する事業実施計画の周知についてわかるメール、社内報などの写し
⑥事業の実施費用を確認できる契約書、領収書などの写し
⑦事業を実施したことが客観的に分かる資料の写し
⑧成果目標の達成状況に関する証拠となる、新しい36協定届などの写し

なお他の補助金を受けている場合は、その助成内容がわかる資料の提出も必要です。

「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コース活用のメリット

「日本人の労働時間は見ても長い」といわれています。独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表している「データブック国際労働比較2022」によると、日本人の平均年間総実労働時間は1598時間です。主要諸外国については、アメリカが1767時間、カナダ1644時間、イタリア1559時間、イギリス1367時間などとなっており、ほかの国と比べてそれほど多くないように思えますが、これはパートタイムなどの短時間労働者を含めた平均労働時間ですので、フルタイム労働者の労働時間はもっと長くなっています。
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2022」

しかし従業員の労働時間が減るということは、業績の悪化にもつながりかねません。企業としての成長と労働者の働きやすさのバランスに悩む中小企業も多いはずです。「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースはそうした企業の改革を支援することを目的としています。

助成金を利用して働き方改革を進め、業務の効率化や労働制度を整えることで従業員ひとりひとりの業績が上がれば、結果的に企業の成長へとつなげることができるのです。

まとめ

2002年にはオックスフォード英語辞典に「Karoshi (過労死)」が登録されたことも話題となりましたが、日本人の労働時間の長さは世界的にも注目を集めています。

一方で、労働時間が長ければ業績が上がるということでもありません。無理な残業や長時間労働で業務の質が下がれば、労働者にとっても企業にとってもマイナスになります。

働き方改革推進支援助成金は変化する社会情勢に応え、従業員の働きやすい職場として生まれ変わろうとしている企業に活用してほしい制度です。

参考:厚生労働省 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

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