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労働時間短縮・年休促進支援コースとは【2026年度】最大150万円+加算|働き方改革推進支援助成金

公開日:2023/4/20 更新日:2026/6/10
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「残業を減らしたい」「有給を取りやすい環境をつくりたい」——そう考えながらも、コストや手間がネックになっている中小企業の担当者は少なくありません。

働き方改革推進支援助成金の労働時間短縮・年休促進支援コースは、そうした取組を後押しする制度です。設備導入や専門家によるコンサルティングなどの費用に対して助成金が支給され、残業削減や休暇制度の整備にかかるコストを抑えることができます。

本記事では、令和8年度の最新の交付要綱・支給要領に基づき、対象となる企業の要件から助成額、申請の流れ、申請時の注意点までを順に解説します。

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【働き方改革推進支援助成金 各コース詳細】
業種別課題対応コース
【★本記事】労働時間短縮・年休促進支援コース
勤務間インターバル導入コース
団体推進コース
取引環境改善コース(2026年新設)

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働き方改革推進支援助成金とは?【2026年度・令和8年度】5コースの違い・助成額・申請手順まとめ

この記事の目次

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働き方改革推進支援助成金 労働時間短縮・年休促進支援コースとは

労働時間短縮・年休促進支援コースは、生産性を向上させながら、時間外労働の削減や年次有給休暇・特別休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主を支援する制度です。業種を問わず申請できる、働き方改革推進支援助成金の基本コースに位置づけられます。

令和8年度の主な変更点

令和8年度(2026年度)は、前年度から次の点が変わっています。昨年度の情報をもとに準備している場合は、まず以下の点をチェックしてください。

項目令和8年度の内容
割増賃金率引上げ加算の新設時間外労働の所定割増賃金率を引き上げる成果目標を追加でき、25万円〜最大100万円が上限額に加算されます。
賃金引上げ加算の区分見直し企業規模の区分が「30人超/10人以上30人以下/10人未満」の3区分になりました。
3%引上げの加算額は規模によらず同額に変更されています(令和7年度は30人以下で2倍)。
一方、10人未満の企業では5%・7%引上げの加算が2倍から2.5倍に拡充されました(引上げ人数は最大9人)。
成果目標①の実態要件の基準日が更新月45時間を超える時間外労働の実態要件は、令和7年度から引き続き必要です。
令和8年度は判定期間が「令和8年4月1日以前の2年間」に更新されているため、要件を満たすかあらためて確認してください。
申請期限交付申請は令和8年11月30日(月)まで、事業実施は令和9年1月31日(日)まで、支給申請は事業終了後30日以内または令和9年2月5日(金)のいずれか早い日までです。

対象となる事業主

以下の要件をすべて満たす中小企業事業主が対象です。法人・個人事業主を問いません。

・労働者災害補償保険の適用事業主であること
・交付申請時点で、選択する成果目標の要件を満たしていること
・すべての対象事業場において、年次有給休暇管理簿を作成していること
・常時10人以上の労働者を使用する対象事業場では、年5日の年次有給休暇の時季指定について定めた就業規則を、交付申請前に労働基準監督署へ届け出ていること

中小企業の範囲は以下のとおりです。

業種資本金または出資額常時使用する労働者数
小売業(飲食店含む)5,000万円以下50人以下
サービス業※5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

※医業に従事する医師が勤務する病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院は、常時使用する労働者数が300人以下の場合に該当します。

何をすればもらえるか

このコースは「取組(改善事業)の実施」と「成果目標の達成」のセットで助成金が支給されます。取組だけ実施しても、成果目標が未達成の場合は支給されません。

取組内容(9種類から1つ以上)

以下のうち1つ以上を実施してください。

①労務管理担当者に対する研修
②労働者に対する研修・周知・啓発
③外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
④就業規則・労使協定等の作成・変更
⑤人材確保に向けた取組
⑥労務管理用ソフトウェアの導入・更新
⑦労務管理用機器の導入・更新
⑧デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
⑨労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

※研修には、勤務間インターバル制度に関するものや業務研修も含みます。
※設備・機器等の導入は「労働能率の増進に資する」こと、つまり作業あたりの労働時間削減につながることを客観的に説明できる必要があります。同等以下の機種への買い替えや、新規事業のための導入は対象外です。
※パソコン・タブレット・スマートフォンは原則対象外です(後述の特例あり)。

成果目標(3つから1つ以上)

上記の取組を通じて、以下のいずれか1つ以上の達成を目指してください。

成果目標① 時間外・休日労働時間数の削減
すべての対象事業場において、36協定の時間外・休日労働の合計時間数を縮減し、月60時間以下、または月60時間を超え月80時間以下に上限を設定して、労働基準監督署長に届け出ること。

【成果目標①の選択要件】次の両方を満たす必要があります。

・すべての対象事業場で、令和8年4月1日以前の2年間に少なくとも1か月、月45時間(1年単位の変形労働時間制の場合は月42時間)を超える時間外労働の実態があること
・交付申請日を有効期間に含む36協定で、月60時間(月60時間超〜80時間以下を目指す場合は月80時間)を超える時間数を協定し、労働基準監督署長に届出済みであること

成果目標② 年次有給休暇の計画的付与制度の新規導入
すべての対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること。
※既に計画的付与の労使協定を締結している場合は選択できません。
成果目標③ 時間単位の年次有給休暇および特別休暇の新規導入
すべての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇を新たに導入し、かつ病気休暇・教育訓練休暇・ボランティア休暇・不妊治療のための休暇などの特別休暇をいずれか1つ以上新たに導入すること。
※既に時間単位年休の労使協定がある事業場や、導入予定の特別休暇を導入済みの事業場がある場合は原則選択できません。

上記に加えて、任意で「賃金引上げ」「割増賃金率の引上げ」を成果目標に追加すると、助成上限額が加算されます(詳細は次章)。

助成率と助成額

以下のいずれか低い方の額が支給されます。

(1)達成した成果目標①〜③の上限額および加算額の合計額
(2)対象経費の合計額×補助率3/4

※常時使用する労働者数が30人以下で、取組⑥〜⑨(ソフトウェア・機器・デジタコ・設備等の導入)を実施し、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5になります。

成果目標ごとの補助上限額

本制度では、成果目標ごとに補助上限額が異なります。成果目標①の上限額は、以下の表のとおりです。

事業実施後の設定実施前の36協定が
月80時間超
実施前の36協定が
月60時間超80時間以下
月60時間以下に設定150万円100万円
月60時間超〜月80時間以下に設定50万円

成果目標②、成果目標③の補助上限額は、以下のようになります。

成果目標②の上限額:25万円

成果目標③の上限額:25万円

賃金引上げ加算額

対象労働者(最大30人)の時間当たり賃金額を3%・5%・7%以上引き上げる成果目標を追加すると、人数と引上げ率に応じて上限額が加算されます。令和8年度から企業規模の区分が3つになりました。

常時使用する労働者数が30人を超える場合

引上げ率1〜3人4〜6人7〜10人11〜30人
3%以上6万円12万円20万円1人あたり2万円
(上限60万円)
5%以上24万円48万円80万円1人あたり8万円
(上限240万円)
7%以上36万円72万円120万円1人あたり12万円
(上限360万円)

常時使用する労働者数が10人以上30人以下の場合(5%・7%の加算額が2倍)

引上げ率1〜3人4〜6人7〜10人11〜30人
3%以上6万円12万円20万円1人あたり2万円
(上限60万円)
5%以上48万円96万円160万円1人あたり16万円
(上限480万円)
7%以上72万円144万円240万円1人あたり24万円
(上限720万円)

常時使用する労働者数が10人未満の場合(5%・7%の加算額が2.5倍)

引上げ率1〜3人4〜6人7〜9人
3%以上6万円12万円20万円
5%以上60万円120万円200万円
7%以上90万円180万円300万円

※3%以上引上げの加算額は、企業規模によらず同額です。
※雇入れから3か月を超えていない労働者は対象に指定できません。引上げ後の賃金は継続的に維持する必要があり、受給後6か月分の賃金支払状況の報告も求められます。

割増賃金率引上げ加算(令和8年度新設)

法定の時間外割増賃金率に上乗せして、自社の所定割増賃金率を引き上げる成果目標を追加できます。

要件加算額
①月60時間以内の時間外労働に係る所定割増賃金率を5%以上引き上げること25万円
②月45時間超60時間以内の時間外労働に係る所定割増賃金率を5割以上とし、かつ交付申請後から事業実施予定期間の終期までのいずれか1か月の時間外労働を、交付申請日の属する月と比べて労働者1人あたり10時間以上削減すること75万円
①と②の両方を達成100万円

※②を選択するには、令和8年4月1日以前の2年間に月45時間を超える時間外労働を行った労働者が1名以上いることが必要です。

対象経費

以下の経費区分が助成対象となります。いずれも交付決定日から支給申請日までに実際に支出した、取組に関連する費用に限られます。

経費区分内容
謝金専門家謝金
旅費専門家旅費、職員旅費
借損料機器・設備類やソフトウェア等のレンタル・リース費用、ICTサービスの利用料
会議費会議の費用(会場借料、通信運搬費を含む)
雑役務費研修等受講料、機器・設備類やソフトウェア等の保守費用
印刷製本費研修資料・マニュアル等の作成費用
原材料費資材購入の費用
広告宣伝費求人広告の掲載、合同企業説明会への出展、求人パンフレット等の作成費用
機械装置等購入費機器・設備類の購入・改良・設置・撤去等の費用
造作費機械装置据付け等の費用
人材育成・教育訓練費外部団体等が行う人材育成セミナー等の受講費
経営コンサルティング経費外部専門家・コンサルタント会社等による経営コンサルティング経費
備品費図書、ICカード、自動車(乗用自動車等を除く)等の購入費用、ソフトウェア等の購入・改良費用
委託費調査会社、コンサルタント会社、システム開発会社、広告代理店等への委託費用

取組ごとの経費上限額

取組の内容ごとに、助成対象経費の上限額が設定されています。

取組経費上限額
研修(労務管理担当者向け・労働者向けの合計)30万円
(社労士等の提出代行者・事務代理者が受託する場合は10万円)
周知・啓発10万円
外部専門家によるコンサルティング10万円
就業規則・労使協定の整備(36協定を除く)10万円
36協定の整備(時間数を短縮する場合)1万円
就業規則・労使協定の届出1万円
人材確保に向けた取組10万円

パソコン等が対象になる特例(長時間労働恒常化特例)

パソコン・タブレット・スマートフォンや乗用自動車の購入費は原則対象外ですが、自然災害や商慣行などの外的要因で労働時間を短縮しにくい状況にあり、すべての対象事業場で過去2年間36協定が途切れず有効、かつ特別延長時間が月60時間を超えている場合には、特例としてパソコン等の購入費や、本体価格200万円以下(または乗車定員7人以上)の乗用自動車の購入費を対象経費に含めることができます

。該当しそうな場合は、交付申請マニュアルや労働局で確認してみてください。

事業実施期間

交付決定の日から令和9年1月31日(日)までに取組を実施してください。費用の支払いは支給申請日までに完了している必要があります。

申請の流れ

ステップ内容期限
①交付申請本社所在地を管轄する都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ提出令和8年11月30日(月)まで
②交付決定労働局が審査・通知(原則、申請から1か月以内)
③事業実施交付決定後、計画に沿って取組を実施令和9年1月31日(日)まで
④支給申請管轄の都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ提出事業終了後30日以内、または令和9年2月5日(金)のいずれか早い日

窓口への持参のほか、郵送やJグランツによる電子申請も利用できます。なお本助成金は国の予算額に制約されるため、期限前であっても予告なく受付が終了する場合があります。例年、締切間際は申請が集中するため、早めの準備をおすすめします。

交付申請に必要な書類

・交付申請書(様式第1号)
・事業実施計画(様式第1号別添)
・時間外・休日労働時間数や労働時間がわかる書類(36協定・賃金台帳・タイムカード等)
・年次有給休暇の取得状況や特別休暇の規定を確認するための書類(年休管理簿・就業規則等)
・賃上げ加算・割増賃金率引上げ加算を申請する場合は、申請日の属する月の前月1か月分の賃金台帳の写し
・成果目標の選択要件を満たすことがわかる書類(成果目標①の場合は交付申請日を有効期間に含む36協定など)
・見積書等(経費の算出根拠がわかるもの)

申請時の注意点

本助成金は申請が集中し、過去には期限前に受付が締め切られた年度もあります。また東京労働局は、導入機器の労働能率増進効果を客観的に説明できなかった、現地調査で改善事業の実施が確認できなかったなど、実際に不交付・交付決定取消となった事例の類型を公表しています。

準備を急ぐあまり要件を見落とさないよう、特に次の点に注意してください。

見積りは原則2社以上から取得する

契約の価格水準が適正かを確認するため、原則として複数の事業者から相見積りを取り、交付申請時に2社以上の見積書を提出する必要があります。直販・定価販売のみで相見積りが困難な場合は、相見積りが取れない理由やその機器でなければならない理由の申立書、市場参考価格がわかる資料の提出を求められることがあります。

なお東京労働局では、相見積りの結果は原則として安価な方を採用し、高価な方を採用するには合理的な理由が必要(その場合も助成額は安価な見積りが基準)と案内しています。

契約・購入は必ず交付決定の後に行う

交付決定前に契約・発注した費用は対象になりません。見積りの取得までは申請前でも問題ありません。

申請は同一年度内に1回限り

同一事業主が同一年度内に2回以上の交付決定を受けることはできません。また、過年度に達成した成果目標と同じ成果目標での申請もできません。

成果目標が未達成だと支給されない

取組を実施しても、選択した成果目標が未達成の事業場があると、その成果目標に係る助成額は支給されません。労使でよく話し合い、達成可能な目標を設定しましょう。

労使の話合いの機会の整備等が必須

事業実施計画には、労使の話合いの機会の整備(対面またはWEB会議が原則)、労働時間等に関する苦情・意見を受け付ける担当者の配置、計画の労働者への周知(口頭のみは不可)を盛り込む必要があります。

よくある質問

パソコンやタブレットは対象になる?

原則として対象外です。ただし、POSシステムや会計給与システムなど特定業務専用のシステムを稼働させるために導入することが明らかな場合や、長時間労働恒常化特例に該当する場合は対象経費に含めることができます。

個人事業主でも申請できる?

労災保険の適用事業主であり、中小企業の範囲などの要件を満たせば、法人・個人事業主を問わず申請できます。

申請は年に何回できる?

同一年度内に受けられる交付決定は1回のみです。また、過年度の申請(他コースを含む)と同じ成果目標を選ぶことはできません。

交付決定の前に機器を購入してもいい?

できません。交付決定前の契約・購入分は助成対象外です。見積りの取得は申請前でも構いません。

助成額は最大いくらになる?

成果目標①〜③の上限額は合計で最大200万円です。これに賃金引上げ加算(最大720万円)や割増賃金率引上げ加算(最大100万円)を上乗せできます。ただし実際の支給額は、対象経費×補助率3/4(一部4/5)と比べて低い方の額になります。


まとめ

労働時間短縮・年休促進支援コースは、残業削減や休暇制度の整備に取り組む中小企業を幅広く支援する制度です。令和8年度は割増賃金率引上げ加算が新設され、10人未満の企業では賃上げ加算(5%・7%引上げ)が拡充されました。一方で3%引上げの加算額は企業規模によらず同額に変更されています。

「取組の実施」と「成果目標の達成」がセットになっている点を押さえた上で、相見積りの準備や労使の話合いなど、早めに準備を進めましょう。

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