インボイス制度の開始は多くの中小企業にとって、経営の新たな挑戦を意味します。とりわけ、免税事業者の取引縮小や課税事業者の価格転嫁の課題は、従来のビジネスアプローチを見直す必要性を示しています。
この変革期において、東京都が展開する専門家派遣事業が事業者の大きな支えとなるでしょう。本事業では、専門家による助言を通じて、経営の課題を乗り越え、事業の新しい方向性を定めるための手助けを行います。今回の記事では、インボイス制度開始に伴う経営課題解決に向けた専門家派遣事業の内容と、利用の流れ、申し込み方法について紹介します。
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この記事の目次
インボイス制度開始に伴う経営課題解決に向けた専門家派遣事業の内容とは
東京都では、インボイス制度の導入により、経営上の課題に直面する企業を対象に、「インボイス制度開始に伴う経営課題解決に向けた専門家派遣事業」を実施しています。
この事業は、影響を受ける企業に対して無料で最大4回まで専門家を派遣し、インボイス制度に関連する経営課題を解決に導くサポートを提供します。これらの専門家は豊富な実務経験を有しており、多数の支援実績を持っています。企業が直面する税務や財務、営業戦略の問題に対して、専門家のアドバイスが欲しい方はぜひ活用したい事業です。
募集内容
対象企業 | インボイス制度開始により事業活動に影響を受けている、主たる事業所が都内にある中小企業者、個人事業主、または都内で創業を行おうとする方で、ワンストップ総合相談窓口において専門家派遣の必要性が認められた方 |
利用料金 | 無料 |
派遣回数 | 最大4回(申込は年度内で1度に限る) |
受付期間 | 令和5年10月5日(木)~令和6年1月31日(水) |
派遣期間 | 派遣決定後~令和6年3月29日(金) |
都内に主たる事業所を持つ、または都内で創業予定の事業者が支援対象です。ただし、令和5年度に政策課題対応や原油価格高騰対策の専門家派遣事業を利用した事業者は申し込むことができません。
申し込みができるのは、ワンストップ総合相談窓口において専門家派遣の必要性が認められた方です。ワンストップ総合相談窓口とは、都内中小企業者や創業を計画している個人が、経営に関するあらゆる相談を無料で行える窓口で、電話、オンライン、直接来所、メールなど複数の方法で総合的なサポートを受けることができます。
支援内容
インボイス制度の導入やその対応において生じる経営上の問題を解決するために、中小企業診断士などが、アドバイスを提供します。
例えば、免税事業者として取引を続けることで生じた取引の停止や収入減に対応する新しい顧客獲得の方法や、課税事業者への移行に伴う販売価格への税金の適切な転嫁の方法などについてアドバイスを受けることができます。この支援により、企業はインボイス制度にスムーズに適応し、その影響を最小限に抑えることが可能になります。
利用の流れ
以下の図は、専門家派遣事業の利用手順を示したものです。
出典:インボイス制度開始に伴う経営課題解決に向けた専門家派遣事業
まず、利用希望者が支援事業の申し込みを行います。その後、ワンストップ総合相談窓口の相談員が利用者に連絡を取り、詳細内容について確認を行います。利用者はこの確認のための電話に応答する必要があります。次に、東京都中小企業振興公社に登録されている専門家が利用者に電話をし、支援の詳細を話し合います。
派遣が決定すると、専門家が実際に訪問しアドバイスを行います。その後、利用者と専門家は支援の成果について報告書を提出します。専門家の情報は東京都中小企業振興公社のウェブサイトで検索可能です。専門家の指名がなければ、相談窓口での対応後の手順が変わる場合があるため、詳細は申し込み後に案内される内容に従ってください。
申し込み方法
派遣事業を利用希望の方は、まず詳細な募集情報と申込前の確認事項を確認した上で、ウェブページ内の申込フォームから申し込みを行ってください。申込フォームを送信した後、1週間以内に東京都中小企業振興公社からの連絡がない場合には、直接問い合わせ先に連絡をして状況を確認するようにしてください。
まとめ
インボイス制度の導入に伴い、ビジネス環境が変わり、新たな経営課題に直面している方が多いのではないでしょうか。そうした複雑な問題に対処するためには、専門的な知見が必要です。今回ご紹介した東京都の専門家派遣事業は、インボイス制度開始によって事業活動に影響を受ける企業を対象に、経営の専門家を最大4回まで無料で派遣し、具体的なアドバイスを提供するものです。
受付期間は令和5年10月5日(木)から令和6年1月31日(水)までとなっています。今後のビジネス展開のためにも、ぜひお早めに申し込みを行い、専門家の知識と経験を事業の成長に役立ててください。