国内では少子高齢化の影響による経営者の高齢化が進み、過去20年の間で経営者の平均年齢はおよそ20歳も上昇し、66歳にまで達しています。
しかし既に65歳を超えている経営者のうち、実際に事業承継に向けた準備を進めているのはいまだ過半数との調査もあることから、政府はこうした経営資源を次世代に引き継ぐため、事業承継を契機に後継者がベンチャー型事業承継などの経営革新等に積極的にチャレンジしやすい環境を整備するための支援制度などを実施しています。
今回紹介するのは7月13日より本年度の公募が開始した、事業再編・事業統合等に伴う中小企業者の経営資源の引継ぎを後押しするための補助金制度、「経営資源引継ぎ補助金」です。
事業を譲渡したい経営者の方や、事業の譲受を希望する経営者の方は是非詳細をご確認ください。
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この記事の目次
経営資源引継ぎ補助金
新型コロナウイルス感染症の影響が懸念される中小企業者に対し、事業再編・事業統合等に向けた「(1)経営資源の引継ぎを促すための支援」、「(2)経営資源の引継ぎを実現させるための支援」を行い、新陳代謝の加速により国内経済の活性化を図る補助金制度です。
事業承継5が年計画(中小企業経営者の高齢化の進展等を踏まえ、地域の事業を次世代にしっかりと引き継ぐとともに、事業承継を契機に後継者がベンチャー型事業承継などの経営革新等に積極的にチャレンジしやすい環境を整備するための集中実施期間)とコロナ対応という両方の側面があるため、100億円という大きな予算が計上されています。
対象事業者
下記の要件に当てはまる中小企業・個人事業主(青色申告者)
※みなし大企業は除きます
【公募要領より】
※注1ゴム製品製造業(一部を除く)は資本金3億円以下又は従業員900人以下
※注2ソフトウエア業・情報処理サービス業は資本金3億円以下又は従業員300人以下、旅館業は令和2年度補正資本金5千万円以下又は従業員200人以下
主な要件
1.事業再編・事業統合等に伴う引継ぎの後に、シナジーを活かした経営革新等を行うことが見込まれること
2.事業再編・事業統合等に伴う引継ぎの後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること
対象事業
買い手支援型(1型)
事業再編・事業統合などに伴い経営資源の引継ぎを受ける予定の中小企業・小規模事業者への支援を行います。
対象経費
事業評価のための専門家利用料や現地視察のための旅費、外注費、委託費、システム利用料などが対象です。
補助率
2/3以内
補助額
下記の2種類の申請区分により上限額が異なります。
①経営資源の引継ぎを促すための支援
(引継ぎに向けた取り組みへの補助)
50万円~100万円
②経営資源の引継ぎを実現させるための支援
(実際に引継ぎを行う場合の補助)
50万円~200万円
売り手支援型(2型)
事業再編・事業統合などに伴い経営資源の引継ぎを行う予定の中小企業・小規模事業者への支援を行います。
対象経費
専門家利用料や旅費、外注費、委託費、システム利用料、更に引継ぎが実現する場合には廃業に必要な費用への補助を行います。
補助率
2/3以内
補助額
下記の2種類の申請区分により上限額が異なります。
①経営資源の引継ぎを促すための支援
(引継ぎに向けた取り組みへの補助)
50万円~100万円
②経営資源の引継ぎを実現させるための支援
(実際に引継ぎを行う場合の補助)
50万円~650万円
※廃業費用を活用しない場合は上限200万円
申請方法
申請方法は原則オンライン申請となりますが、オンライン申請が困難な場合には郵送による申請も可能です。
オンライン申請について
申請サイトから必要な書様式をダウンロードし、サイト内に設置されている「申請フォーム」より申請を行います。
申請書類はExcel・word・PDFでデータを作成するため、書類作成にはある程度のパソコンスキルが必要です。
郵送申請について
申請サイトから必要な様式を印刷し、必要な内容を記載したうえで事務局に郵送します。
経営資源引継ぎ補助金WEBサイト
https://k-shigen.go.jp/
郵送書類の送付先
〒100-8365
東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディングDTFA内
『経営資源引継ぎ補助金事務局』宛て
TEL:03-6629-9134
電話受付時間:平日10:00~17:00※12:00~1:00を除く
申請後の流れ
公募期間
令和2年7月13日~8月22日※郵送は8月21日当日消印まで
まとめ
今回は事業承継による経営資源の引継ぎの際に活用できる「経営資源引継ぎ補助金」について紹介しました。
開業間もないベンチャー企業にとって価値ある経営資源を外部から取り込むことは、スタートアップを目指すうえでも重要な課題といえます。
現在は、事業を引き継ぐ相手を探すことが難しく、金銭面での負担の大きさから廃業も選べないという高齢の経営者の方も多くいるため、政府のマッチング支援や補助金制度を活用した事業承継には大きなチャンスがあるのではないでしょうか。
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