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住居確保給付金2026|基準額92,000円に引き上げ・家賃補助と転居費用補助の条件を解説

公開日:2021/6/30 更新日:2026/10/27
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住居確保給付金の基準額が、2026年(令和8年)7月申請分から引き上げられました。単身世帯の基準額は月8万4,000円から月9万2,000円へ、預貯金などの資産基準額も50万4,000円から55万2,000円へ広がっています。「収入がわずかに基準を超えて対象外だった」という方も、いま申請すれば対象になるかもしれません。

住居確保給付金は、離職や休業で家賃が払えなくなった方に、家賃相当額を原則3か月(最長9か月)支給する国の制度です。給付金なので返済は不要。お金は家主の口座へ直接振り込まれ、確実に家賃に充てられます。

さらに2025年(令和7年)4月には、より家賃の安い住まいへ引っ越す費用を補助する「転居費用補助」も始まりました。東京23区なら単身世帯で最大27万9,200円。求職活動が要件にならないため、年金収入が減った高齢者や、病気で働けない方も使えるメニューです。

一方で、「条件が厳しい」「審査に落ちた」という声があるのも事実です。この記事では、2026年最新の支給額・条件を主要都市の金額つきで整理し、もらえない人の特徴、審査で見られるポイント、休職中や持ち家の場合の扱いまで具体的に解説します。

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この記事の目次

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住居確保給付金とは?家賃補助と転居費用補助の2種類がある

住居確保給付金は、離職・廃業・休業などで住まいを失うおそれのある方に、家賃相当額または転居費用を支給する国の制度です。生活困窮者自立支援法にもとづき、お住まいの市区町村(福祉事務所を設置する自治体)が実施しています。貸付ではないため、返済は必要ありません。

住居確保給付金の基本情報
根拠法生活困窮者自立支援法(平成25年法律第105号)
2つのメニュー①家賃補助 ②転居費用補助(2025年4月新設)
支給期間(家賃補助)原則3か月、3か月ごとに2回まで延長可(最長9か月)
支給額(家賃補助)家賃の実費。ただし自治体・世帯人数ごとの上限あり(東京23区の単身世帯は月5万3,700円)
支給先家主または不動産管理会社の口座へ直接振込(代理納付)
返済不要(給付金のため貸付とは異なる)
相談・申請窓口お住まいの市区町村の自立相談支援機関

給付金が本人ではなく家主に支払われるのは、確実に家賃の支払いに充て、住まいを失わないようにするためです。この仕組みを「代理納付」と呼びます。

家賃補助と転居費用補助 どちらを使う?判定チャートどちらのメニューが使える?判定チャート離職・廃業・休業や世帯員の死亡で収入が大きく減ってから2年以内?はいいいえ世帯収入・預貯金が基準額以下?(単身9.2万円+家賃 等)はいいいえ今の賃貸に住み続けながらハローワークで求職活動ができる?はいいいえ家賃補助家賃相当額を原則3か月・最長9か月転居費用補助を検討家計改善のため転居が必要なら対象外の場合も、生活福祉資金の貸付や生活保護など他の制度を窓口で紹介してもらえます

上の判定チャートのとおり、今の賃貸に住み続けて仕事を探す方は「家賃補助」、収入に見合う家賃の住まいへ移る必要がある方は「転居費用補助」が基本の選択肢になります。

「住宅確保給付金」「福祉課の家賃補助」は同じ制度?

同じ制度です。住居確保給付金は「住宅確保給付金」「住宅支援給付金」「生活確保給付金」「福祉課の家賃補助制度」などと呼ばれることがありますが、正式名称は住居確保給付金です。2009年に始まった「住宅支援給付」が、2015年4月の生活困窮者自立支援法の施行にあわせて現在の名称になりました。

なお、名前の似ている「家賃支援給付金」は、新型コロナの影響で売上が減った事業者の店舗・事務所の家賃を支援した経済産業省の制度で、2021年2月に申請受付を終えています。個人の住まいの家賃を対象とする制度ではありません。個人が今使える家賃の公的支援は、住居確保給付金が中心です。

2026年7月から何が変わった?基準額と資産基準の引き上げ

2026年7月申請分から、単身・2人世帯の収入の基準額と金融資産の基準額が引き上げられました。3人以上の世帯の金額は変わっていません。家賃補助の支給上限額(家賃の上限)も据え置きです。

世帯人数基準額(2026年6月までの申請)基準額(2026年7月以降の申請)金融資産(2026年6月まで)金融資産(2026年7月以降)
1人84,000円92,000円504,000円552,000円
2人130,000円139,000円780,000円834,000円
3人172,000円172,000円1,000,000円1,000,000円
4人214,000円214,000円1,000,000円1,000,000円
5人255,000円255,000円1,000,000円1,000,000円
6人297,000円297,000円1,000,000円1,000,000円

基準額は「市区町村民税の均等割が非課税となる収入額の12分の1」として決まる全国共通の金額です。単身世帯では月8,000円、2人世帯では月9,000円の引き上げになり、そのぶん収入基準額と、収入があっても支給される金額の両方が増えます。

自治体のホームページやチラシの中には、改定前の金額(単身8万4,000円・資産50万4,000円)のまま掲載されているものもあります。2026年7月以降に申請する場合は、新しい金額で判定されるのが原則です。不明な点は窓口で確認してください。

住居確保給付金はいくらもらえる?支給上限額と計算方法

支給されるのは家賃の実費で、東京23区の単身世帯なら月5万3,700円が上限です。上限額は自治体(生活保護の住宅扶助の基準)と世帯人数で決まり、管理費・共益費・駐車場代・敷金・礼金・滞納家賃は支給対象になりません。

大阪市・横浜市・名古屋市などの支給上限額は?主要都市の一覧

主要都市の支給上限額を、各市区の公式資料で確認すると次のとおりです。同じ単身世帯でも、東京23区と札幌市・福岡市では月1万7,700円の差があります。

自治体単身世帯2人世帯4人世帯
東京23区(例:江戸川区)53,700円64,000円69,800円
横浜市52,000円62,000円68,000円
さいたま市45,000円54,000円59,000円
大阪市40,000円48,000円52,000円
神戸市40,000円48,000円52,000円
名古屋市37,000円44,000円48,000円
福岡市36,000円43,000円47,000円
札幌市36,000円43,000円46,000円

※2026年10月時点で各市区が公表している資料にもとづく金額です。同じ都道府県内でも市町村によって上限額は異なります。

住居確保給付金 単身世帯の支給上限額(主要都市)単身世帯の家賃補助 支給上限額(月額)住む自治体で最大1万7,700円の差東京23区53,700円横浜市52,000円さいたま市45,000円大阪市40,000円神戸市40,000円名古屋市37,000円福岡市36,000円札幌市36,000円※各市区の公式資料より(2026年7月以降の申請分)家賃が上限を超える場合、超えた分は自己負担

グラフのように、上限額は住む地域でかなり違います。家賃が上限を超えている場合、超えた分は自己負担です。たとえば東京23区で家賃7万円の単身世帯なら、5万3,700円が支給され、残りの1万6,300円は自分で支払います。

収入があると支給額はどう減る?計算式と具体例

世帯収入が基準額以下なら、家賃の実費(上限まで)が全額支給されます。基準額を超える収入がある場合は、次の式で支給額が決まります。

支給額 = 基準額 + 実際の家賃額 − 月の世帯収入合計額
※算出額が支給上限額を超える場合は、支給上限額が支給されます
※端数の取扱いは自治体により異なります

計算例(東京23区・単身世帯)
家賃5万円・月収8万円収入が基準額9万2,000円以下のため、家賃5万円を全額支給
家賃5万円・月収12万円9万2,000円+5万円−12万円=2万2,000円を支給
家賃5万円・月収15万円収入基準額(9万2,000円+5万円=14万2,000円)を超えるため対象外

収入があっても、すぐに対象外になるわけではありません。アルバイト収入がある方や、失業給付を受けている方も、まず計算してみることが大切です。

住居確保給付金の支給条件は?対象になる8つの要件

家賃補助を受けるには8つの要件をすべて満たす必要があります。中心は「離職・廃業から2年以内」「世帯の主たる生計維持者」「収入・資産が基準以下」「誠実な求職活動」の4点です。

要件内容
①困窮と住居の状況離職・廃業・休業等により経済的に困窮し、住居を失った、または失うおそれがある
②離職等の時期申請日において離職・廃業から2年以内(疾病・負傷・育児等で30日以上求職活動ができなかった場合は最長4年以内)。または休業等で収入が離職・廃業と同程度まで減少している
③生計維持者離職等の日(または申請月)において、世帯の生計を主として維持していた
④収入要件申請月の世帯収入の合計が「基準額+家賃額(上限あり)」以下
⑤資産要件世帯の金融資産の合計が基準額以下
⑥求職活動要件ハローワークに求職申込みをし、誠実かつ熱心に常用就職を目指した求職活動を行う
⑦類似給付の非受給自治体等が実施する類似の住居確保支援を受けていない
⑧反社会的勢力でないこと申請者と世帯員が暴力団員に該当しない

「2年以内」の期限は、病気やけが、育児などで30日以上続けて求職活動ができなかった場合、その日数を加えて最長4年まで延ばせます。離職から2年を過ぎていても、まずは窓口で相談してください。

収入要件はいくら?東京23区の単身世帯は月14万5,700円まで

収入基準額は「基準額+実際の家賃額(上限あり)」で計算します。東京23区なら、単身世帯で月14万5,700円(9万2,000円+5万3,700円)、2人世帯で20万3,000円、3人世帯で24万1,800円が上限です。横浜市の単身世帯なら14万4,000円、大阪市の単身世帯なら13万2,000円になります。

【収入に含まれるもの】

  • 給与(社会保険料などを差し引く前の総支給額。交通費は除く)
  • 自営業の収入(必要経費を差し引いた後の額)
  • 雇用保険の失業等給付(基本手当など)
  • 公的年金
  • 親族などからの継続的な仕送り

【収入に含まれないもの】

  • 児童手当、児童扶養手当などの各種手当
  • 職業訓練受講給付金、奨学金など特定の目的で支給されるもの
  • 臨時的・一時的な収入

世帯とは、同居して生計を同じくしている人のことです。住民票を移さずに別居している家族の収入は含めません。一方、内縁の配偶者と同居し生計を同じくしている場合は、その収入も世帯収入に含めます。

資産要件はいくら?単身世帯は預貯金55万2,000円まで

世帯の金融資産の合計が、単身55万2,000円・2人83万4,000円・3人以上100万円以下であることが要件です(2026年7月以降の申請)。

金融資産には、現金・預貯金のほか、債券・株式・投資信託が含まれます。電子マネーや暗号資産を対象に含めている自治体もあります。一方、不動産や自動車などの実物資産は金融資産に含まれず、車を持っていても直ちに対象外にはなりません。

求職活動要件は?月4回・月2回・週1回が目安

家賃補助を受ける間は、継続して求職活動を行う必要があります。主な内容は次の3つです。

活動内容頻度
自立相談支援機関での面談等の支援月4回以上
ハローワーク等での職業相談月2回以上
求人先への応募または面接原則週1回以上

応募はハローワーク経由に限らず、求人サイトや求人情報誌からの応募も活動に数えられます。活動の内容は所定の報告書にまとめ、毎月窓口へ報告します。面談の方法(対面・電話など)は自治体によって取扱いが異なるため、申請時に確認しておきましょう。

貯金や収入は審査でどうやって確認される?

収入と資産は、世帯全員分の預貯金通帳の写しや給与明細などの書類で確認されます。申請時に提出するのは本人分だけではありません。同居して生計を同じくする家族の分も必要です。

受給中も、毎月の収入状況の報告が求められます。収入や資産を少なく申告するなど、虚偽の申請が判明した場合は、支給が中止され、受け取った給付金の返還を求められます。「貯金は隠せばわからない」と考えるのではなく、正確に申告したうえで、基準を超える場合は他の制度を相談するのが確実です。

住居確保給付金をもらえない人は?対象外になる主なケース

対象外の典型は、「持ち家に住んでいる」「家賃の支払いがない」「生活保護を受給している」の3つです。次のケースは原則として家賃補助の対象になりません。

対象外のケース理由・補足
持ち家に住んでいる(住宅ローン返済中を含む)賃貸住宅の家賃を補助する制度のため。住宅ローンの返済には使えない
実家暮らし・住み込み勤務家賃の支払いが発生していないため
学生一般的に世帯の主たる生計維持者に当たらないため
生活保護を受給中生活保護の住宅扶助と重なるため併給できない
過去の滞納家賃支給対象は申請月以降の家賃。滞納分の穴埋めには使えない
店舗・事務所の賃料事業用物件は対象外。店舗兼住宅は住居部分のみ対象になり得る。法人名義の契約は対象外
世帯の生計を主に維持していない配偶者が主たる生計維持者の場合など

「自己都合で辞めたからもらえないのでは」という誤解もよく聞かれます。離職理由が会社都合か自己都合かは要件になっていません。離職・廃業から2年以内であれば、自己都合退職でも申請できます。

審査に落ちる主な理由は?

審査で対象外とされる理由で多いのは、収入超過・資産超過・生計維持者に当たらないの3つです。申請前に次の点を確認すると、結果の見通しが立てやすくなります。

  • 申請月の世帯収入が「基準額+家賃(上限あり)」を超えていないか(失業給付や家族の収入も合算される)
  • 世帯全員の預貯金・株式などの合計が資産基準額を超えていないか
  • 離職等の日に、自分が世帯の生計を主に支えていたか
  • 離職・廃業から2年以内か(休業の場合は収入が離職と同程度まで減っているか)
  • ハローワークでの求職申込みなど、求職活動の要件を守れるか
  • 家主・不動産会社に「入居住宅に関する状況通知書」を記入してもらえるか

「条件が厳しい」「めんどくさい」と言われるのはなぜ?

厳しいと感じられやすいのは、受給中の求職活動の負担と、毎月の報告が必要な点です。月4回以上の面談、月2回以上の職業相談、週1回以上の応募を続けなければならず、守れないと支給が止まることがあります。

ただし、収入や資産の基準は生活保護より緩やかで、車の所有や親族への扶養照会も、生活保護のように厳しく問われるわけではありません。家賃を確実に払いながら仕事を探せる制度と考えれば、手間に見合うメリットは大きいといえます。

休職中・病気で働けない・傷病手当金を受給中でも対象になる?

休職中や病気で働けない方は、家賃補助よりも転居費用補助や他制度が候補になります。家賃補助は求職活動が要件のため、求職活動ができない状態では受給を続けにくいからです。

状況家賃補助の扱い検討したい制度
休業・シフト減で収入が大きく減った収入が離職・廃業と同程度まで減っていれば対象になり得る。休業を示す書類(休業命令文書・シフト表など)が必要家賃補助
受給中に病気・けがで求職活動ができなくなった支給が停止され、回復して求職活動ができるようになれば再開できる自治体がある窓口で支給の停止・再開を相談
病気で離職し、当面働けない求職活動ができなければ家賃補助は受けにくい転居費用補助、生活保護、傷病手当金
傷病手当金を受給しながら離職後に求職中傷病手当金は収入として計算されるのが一般的家賃補助(収入基準の範囲内)

傷病手当金を受けていても、それだけで対象外になるわけではありません。ただし、傷病手当金は療養のため働けない人に支給されるものなので、同じ時期に「求職活動ができる」と言えるかが問題になります。体調と今後の見通しを含めて、自立相談支援機関に相談してください。

持ち家・住宅ローン返済中でも住居確保給付金はもらえる?

持ち家に住んでいる方は、家賃補助の対象になりません。住宅ローンの返済を住居確保給付金で肩代わりすることもできません。ただし、2025年4月に始まった転居費用補助なら、持ち家から賃貸への住み替えが対象になり得ます。

状況家賃補助転居費用補助
持ち家に住み続ける(ローン返済中を含む)対象外対象外
持ち家の維持が難しく、賃貸へ転居したい転居後の家賃は要件を満たせば対象対象になり得る
賃貸住宅に住んでいる対象家計改善の必要が認められれば対象

持ち家にお住まいの方が転居費用補助を申請する場合、ローン返済額や管理費・修繕積立金など、居住の維持にかかる費用がわかる書類の提出を求められることがあります。住宅ローンの返済そのものに困っている場合は、金融機関への返済条件変更の相談が先決です。自立相談支援機関でも、こうした窓口への橋渡しを受けられます。

転居費用補助とは?引っ越し費用はいくらもらえる?

転居費用補助は、家賃が収入に見合わなくなった方が、家計を立て直すために転居する費用を補助する一時金です。東京23区の単身世帯なら最大27万9,200円が支給されます。最大の特徴は、求職活動が要件にならないことです。

転居費用補助の対象になるのはどんな人?

転居費用補助には家賃補助と異なる要件があります。単に「家賃が高いから引っ越したい」だけでは対象になりません。

  • 世帯員の死亡、または本人や世帯員の離職・休業等により、世帯収入が著しく減少している
  • 収入が著しく減少した月から2年以内である
  • 申請月において世帯の生計を主として維持している
  • 家計改善支援(家計相談)を受け、家計改善のために転居が必要で、その費用の捻出が困難と認められる
  • 収入基準額・資産基準額を満たす(家賃補助と同じ基準)
  • 自治体などの類似の転居支援給付を受けていない
  • 申請者と世帯員が暴力団員でない

想定されているのは、配偶者と死別して年金収入が大きく減った高齢者、病気で離職・休業して就労収入を増やせない方、持ち家の維持が難しく賃貸への住み替えが必要な方などです。

転居費用補助の支給上限額はいくら?

支給上限額は、自治体と世帯人数ごとに決まっています。原則は家賃補助の上限額(住宅扶助基準額)の3倍で、これによりがたい場合は住宅扶助の特別基準額の4倍が上限です。

世帯人数東京23区(例:文京区)大阪市福岡市(市内転居)
単身世帯279,200円208,000円188,000円
2人世帯300,000円224,000円200,000円
3人世帯324,000円240,000円216,000円
4人世帯窓口で確認256,000円232,000円
5人世帯窓口で確認272,000円244,000円

支給されるのは、実際にかかった転居費用と上限額のいずれか低い額です。上限を超えた分は自己負担になります。転居先が市外・区外の場合は上限額が変わることがあるため、事前に窓口で確認してください。

転居費用補助で対象になる費用・ならない費用は?

引っ越しにかかる費用がすべて支給されるわけではありません。特に敷金と前家賃が対象外である点に注意が必要です。

対象になる費用対象にならない費用
転居先への家財運搬費用(引越し代)敷金
礼金契約時に払う家賃(前家賃)
仲介手数料家財・設備(エアコン等)の購入費
家賃債務保証料上記以外の任意の費用
住宅保険料(火災保険料など)不用品の処分費(自治体により取扱いが異なる)
原状回復費用・ハウスクリーニング代(転居前の住宅分を含む)―
鍵交換費用―

家賃が上がる引っ越しや、自己都合の引っ越しでも補助される?

自己都合の引っ越しや、引っ越しで家賃が上がったこと自体を理由に補助を受けることはできません。転居費用補助は、家計改善のために転居が必要と認められる場合に限って支給されます。

ただし、転居先の家賃が今より高くなっても、ほかの支出が大きく減って家計全体の支出が下がる場合は、対象として扱う自治体があります。たとえば、通勤・通院の交通費が大幅に減る、家族と同居して生活費が下がるといったケースです。判断は家計相談の面談で行われるため、引っ越しを決める前に相談してください。

家賃補助と転居費用補助はどう違う?

家賃補助は「仕事を探す間の家賃支援」、転居費用補助は「家計を立て直すための転居支援」です。求職活動の要否と、支給の形が大きく異なります。

項目家賃補助転居費用補助
目的就職活動中の家賃支援家計改善のための転居支援
求職活動必要(月4回・月2回・週1回が目安)不要
前提となる支援自立相談支援家計改善支援(家計相談)の利用
支給の形毎月の家賃を最長9か月転居時の一時金(原則1回)
きっかけとなる事情離職・廃業・休業等世帯員の死亡、離職・休業等による収入の著しい減少
支給先家主・不動産管理会社原則として貸主または管理事業者等

自営業・フリーランス・学生・外国籍でも対象になる?

自営業者やフリーランスも住居確保給付金の対象です。廃業した場合のほか、やむを得ない休業などで収入が離職と同程度まで減った場合も申請できます。一方、学生は原則として対象外です。

属性対象になるかポイント
自営業・個人事業主・フリーランス対象廃業のほか、収入が離職と同程度まで減少した場合も申請可。廃業は必須ではない
パート・アルバイト対象シフト減などで収入が離職と同程度まで減少した場合が該当
65歳以上の高齢者対象年齢制限はない。年金は収入として計算される
学生原則対象外世帯の主たる生計維持者に当たらないため。学費・生活費をすべて自分で賄っている場合は例外的に対象となることがある
外国籍の方対象になる可能性あり在留資格等により取扱いが異なるため窓口で要相談

自営業者は求職活動の代わりに何をすればいい?

事業の再生を目指す自営業者は、通常の求職活動に代えて「自立に向けた活動」を行うことが認められる場合があります。認められるのは、支給開始から3か月間(延長した場合は最大6か月間)です。

  • 月4回以上、自立相談支援機関の支援員による面談等の支援を受ける
  • 原則月1回以上、商工会議所・商工会・自治体の産業振興窓口などで経営相談を受ける
  • 経営相談先の助言をもとに「自立に向けた活動計画」を作り、その計画にもとづく取組を行う

7か月目以降も受給を続ける場合は、ハローワークでの求職活動に切り替える必要があります。

失業保険・傷病手当金・生活保護と併給できる?

失業保険(雇用保険の基本手当)、傷病手当金、職業訓練受講給付金は、住居確保給付金と併給できます。併給できないのは生活保護です。

制度併給補足
失業保険(雇用保険の基本手当)可能収入として収入要件の計算に含まれる
傷病手当金可能収入として計算されるのが一般的
職業訓練受講給付金(求職者支援制度)可能収入には含まれない。訓練受講は求職活動にもなる
生活保護不可生活保護に住宅扶助が含まれるため
自治体独自の家賃補助原則不可住居確保を目的とした類似の給付は併給できない

失業給付の日額が高いと、収入基準を超えて対象外になることがあります。東京23区の単身世帯なら、失業給付を含めた月収が14万5,700円を超えると対象外です。基本手当日額4,800円なら30日で14万4,000円となり、ぎりぎりのラインです。

生活保護との違いは、住居確保給付金が「生活保護に至る前の第2のセーフティネット」である点にあります。収入・資産の基準はあるものの、生活保護ほど厳格な調査はなく、車を所有していても直ちに対象外にはなりません。

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住居確保給付金の申請方法は?窓口と申請の流れ

申請先は、お住まいの市区町村の自立相談支援機関です。ハローワークや年金事務所ではありません。窓口は厚生労働省のホームページや市区町村のホームページで確認できます。まずは電話で相談し、面談の予約を取るところから始めましょう。

住居確保給付金 申請から振込までの流れ申請から振込までの流れ(家賃補助)STEP1電話で相談・予約自立相談支援機関へSTEP2面談・プラン作成家計・就労の状況を整理STEP3求職申込みハローワーク(家賃補助)STEP4書類提出・申請家主の記入書類も必要STEP5審査・支給決定目安1か月〜1か月半STEP6家主へ振込代理納付で家賃に充当※支給までの期間は自治体・書類の揃い具合で前後します

  • STEP1:電話で生活状況を簡単に伝え、面談日と必要書類を確認する
  • STEP2:相談員と面談し、自立に向けた支援プランを作る。転居費用補助を希望する場合は家計相談もここで行う
  • STEP3:家賃補助の場合は、ハローワークで求職申込みをする
  • STEP4:家主や不動産会社に「入居住宅に関する状況通知書」を記入してもらい、他の書類とあわせて提出する
  • STEP5:審査を経て支給が決まる。書類がそろってから1か月〜1か月半が目安
  • STEP6:給付金が家主または不動産管理会社の口座へ直接振り込まれる

住居確保給付金の必要書類は?

主な必要書類は次のとおりです。自治体によって追加の書類を求められることがあるため、予約時に確認してください。

書類具体例
支給申請書・申請時確認書窓口で配布。自治体サイトからダウンロードできる場合もある
本人確認書類運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、在留カードなど
離職・廃業等が確認できる書類離職票、廃業届、退職証明書など。休業の場合は休業命令文書やシフト表。用意できない場合は申立書
収入が確認できる書類世帯全員分の給与明細、年金の振込通知書、通帳の入金記帳ページなど
金融資産が確認できる書類世帯全員分の預貯金通帳の写し、証券口座の残高がわかる書類など
住宅関係書類賃貸借契約書の写し、入居住宅に関する状況通知書(家主・不動産業者の記入が必要)
求職申込みの確認ハローワークの求職番号がわかるもの(家賃補助の場合)
転居費用補助の追加書類転居先の家賃等が確認できる書類、転居費用の見積書、持ち家の場合は居住維持費が確認できる書類など

住居確保給付金はいつもらえる?申請から振込までの期間

書類がそろってから支給決定まで、おおむね1か月〜1か月半が目安です。支給は原則として申請月または翌月の家賃分から始まり、家主の口座へ振り込まれます。新たに住居を借りる方は、契約時に支払った家賃の翌月分からが対象です。

支給決定を待つ間の生活費が足りない場合は、社会福祉協議会の「臨時特例つなぎ資金」(10万円以内、無利子・連帯保証人不要)を利用できることがあります。公的給付を受けるまでのつなぎとして、窓口で相談してください。

住居確保給付金は何回までもらえる?延長・再支給の条件

家賃補助は原則3か月で、要件を満たせば3か月ごとに2回まで延長でき、最長9か月受給できます。一度受給を終えた方も、条件を満たせば再支給を受けられます。

延長・再延長の条件は?

延長には、受給中に誠実かつ熱心に求職活動を行っていたこと、引き続き収入要件・資産要件を満たしていることが必要です。受給期間の最終月に、収入と預貯金がわかる書類を持って窓口で延長を申請します。2回目の延長(7〜9か月目)は、ハローワーク等での求職活動が求められます。

再支給は何年後から申請できる?

再支給には、前回の支給終了月の翌月から1年以上経過していることが必要です。

再支給の条件内容
期間前回の支給終了月の翌月から1年以上経過していること
その間の状況常用就職した、または収入を得る機会が増えたこと
新たな事情本人の責によらない解雇・事業主都合の離職、廃業、または離職・廃業と同程度の収入減少
その他あらためて支給要件をすべて満たすこと

雇用期間があらかじめ決まっていて、更新しないことに合意していた契約が満了した場合は、再支給の要件に当たりません。

家賃が払えない・滞納しそうなときに使える他の制度は?

住居確保給付金の対象にならない場合や、家賃以外のお金が必要な場合は、他の制度を組み合わせます。なお、家賃そのものを「免除」してもらう公的制度は一般的ではありません。公営住宅では、収入が大きく減った場合に家賃の減免を受けられることがあるため、入居先の窓口に相談してください。

制度内容金額の目安
総合支援資金(住宅入居費)賃貸住宅の敷金・礼金など初期費用の貸付40万円以内
総合支援資金(生活支援費)生活再建までの生活費の貸付単身月15万円以内/2人以上月20万円以内
臨時特例つなぎ資金公的給付を受けるまでのつなぎ資金の貸付10万円以内(無利子・連帯保証人不要)
求職者支援制度(職業訓練受講給付金)無料の職業訓練を受けながら給付金を受給月10万円+通所手当など
生活保護最低生活の保障。住宅扶助が含まれる地域・世帯人数により異なる

社会福祉協議会の制度は「貸付」で、返済が必要です。「社会福祉協議会の家賃補助」と呼ばれることもありますが、住居確保給付金のような給付ではない点に注意してください。家賃を滞納しそうなときは、滞納が長引く前に、家主や管理会社と自立相談支援機関の両方へ早めに連絡することが大切です。

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家賃補助制度で家賃を節約!企業・自治体・国の補助と住居確保給付金を解説


住居確保給付金に関するよくある質問


住居確保給付金はいくらもらえますか?


家賃の実費が、自治体と世帯人数ごとの上限額まで支給されます。単身世帯の上限は東京23区で月5万3,700円、横浜市で月5万2,000円、大阪市で月4万円、名古屋市で月3万7,000円です。世帯収入が基準額を超える場合は「基準額+家賃額−世帯収入」で計算した額になります。



住居確保給付金の基準額は2026年にいくらになりましたか?


2026年7月申請分から、単身世帯の基準額は月8万4,000円から月9万2,000円に、2人世帯は月13万円から月13万9,000円に引き上げられました。金融資産の基準額も単身55万2,000円、2人83万4,000円になっています。3人以上の世帯の金額は据え置きです。



自己都合で退職した場合も住居確保給付金の対象になりますか?


対象になります。離職理由は要件に含まれていないため、会社都合・自己都合を問わず、離職・廃業から2年以内であれば申請できます。ただし、収入要件・資産要件・求職活動要件はすべて満たす必要があります。



住居確保給付金は持ち家や住宅ローン返済中でももらえますか?


家賃補助は賃貸住宅の家賃を対象とするため、持ち家の方や住宅ローン返済中の方は対象外で、ローン返済にも使えません。ただし2025年4月に始まった転居費用補助は、持ち家の維持が難しく賃貸へ住み替える場合に対象となることがあります。



住居確保給付金は申請してからいつもらえますか?


必要書類がそろってから支給決定まで、おおむね1か月から1か月半が目安です。支給は原則として申請月または翌月の家賃分から始まり、家主または不動産管理会社の口座へ直接振り込まれます。それまでの生活費が足りない場合は、社会福祉協議会の臨時特例つなぎ資金(10万円以内、無利子)を相談できます。



住居確保給付金は何回までもらえますか?


1回の受給は原則3か月で、要件を満たせば3か月ごとに2回まで延長でき、最長9か月です。再支給を受けるには、前回の支給終了月の翌月から1年以上経過し、その間に常用就職または収入増加があったうえで、新たに解雇・廃業・収入減少が生じている必要があります。



休職中や病気で働けない場合も住居確保給付金をもらえますか?


休業で収入が離職と同程度まで減った場合は家賃補助の対象になり得ます。ただし家賃補助は求職活動が要件のため、病気で求職活動ができない状態では受給を続けにくく、受給中に求職活動ができなくなると支給が停止されます。当面働けない場合は、求職活動が不要な転居費用補助や生活保護も含めて窓口で相談してください。



フリーランス・自営業・個人事業主も住居確保給付金の対象ですか?


対象です。廃業した場合のほか、やむを得ない休業などで収入が離職と同程度まで減少した場合も申請でき、廃業は前提ではありません。事業再生を目指す場合は、支給開始から3か月間(延長時は最大6か月間)に限り、経営相談先での相談などをもって求職活動に代えられる場合があります。



失業保険を受給しながら住居確保給付金ももらえますか?


併給できます。ただし失業等給付は収入として計算されます。東京23区の単身世帯なら、失業給付を含めた月収が14万5,700円を超えると対象外です。傷病手当金や職業訓練受講給付金も併給できますが、生活保護とは併給できません。



貯金は審査でわかりますか?


申請時に世帯全員分の預貯金通帳の写しなど、金融資産がわかる書類を提出するため、審査で確認されます。資産基準は2026年7月以降の申請で単身55万2,000円、2人83万4,000円、3人以上100万円です。虚偽の申告が判明すると、支給の中止と給付金の返還を求められます。



引っ越しで家賃が上がった場合に使える補助金はありますか?


自己都合の引っ越しや家賃の値上がりそのものを補助する国の制度はありません。住居確保給付金の転居費用補助は、収入が大きく減った世帯が家計改善のために転居する場合に限られます。転居先の家賃が上がっても、他の支出が減って家計全体の支出が下がる場合は対象として扱う自治体があるため、転居前に家計相談を受けてください。



住居確保給付金は返済する必要がありますか?デメリットはありますか?


返済は不要です。住居確保給付金は給付金であり、社会福祉協議会の生活福祉資金などの貸付制度とは異なります。負担になりやすいのは、受給中に月4回以上の面談、月2回以上の職業相談、週1回以上の応募といった求職活動と毎月の報告が求められる点です。虚偽の申請が判明した場合は返還を求められます。



敷金・礼金や引っ越し代も住居確保給付金の対象になりますか?


家賃補助では家賃部分のみが支給され、敷金・礼金・共益費・管理費・駐車場代は対象外です。転居費用補助では引越し代・礼金・仲介手数料・家賃債務保証料・住宅保険料・原状回復費用・鍵交換費用が対象になりますが、敷金と前家賃、エアコン等の購入費は対象外です。敷金を用意できない場合は、社会福祉協議会の総合支援資金(住宅入居費、40万円以内)の貸付を検討できます。



学生や外国籍の人でも住居確保給付金を申請できますか?


学生は一般的に世帯の主たる生計維持者に当たらないため、原則として対象外です。ただし学費・生活費をすべて自分で賄っている場合は、例外的に対象となることがあります。外国籍の方も対象になる可能性がありますが、在留資格などにより取扱いが異なるため、自立相談支援機関に相談してください。



まとめ

住居確保給付金は、家賃を払えなくなるかもしれない方の住まいを守り、生活を立て直すための制度です。返済は不要で、家賃は家主へ直接支払われます。

住居確保給付金のポイント
  • 2026年7月申請分から、単身の基準額は月9万2,000円、資産基準額は55万2,000円に引き上げ
  • 家賃補助の上限は東京23区の単身で月5万3,700円。大阪市は月4万円、名古屋市は月3万7,000円など地域差が大きい
  • 家賃補助は原則3か月・最長9か月。求職活動(月4回・月2回・週1回が目安)が必要
  • 転居費用補助は求職活動不要。東京23区の単身で最大27万9,200円
  • 持ち家・生活保護受給中・家賃の支払いがない方は家賃補助の対象外

「自分は対象になるのだろうか」と迷ったら、判断を一人で完結させず、お住まいの市区町村の自立相談支援機関へ電話してみてください。相談そのものに収入や資産の条件はありません。対象外だった場合も、貸付や生活保護など、状況に合った制度を紹介してもらえます。

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