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住居確保給付金の家賃補助・転居費用補助とは?対象者・申請方法をわかりやすく解説

公開日:2021/6/30 更新日:2026/5/19
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突然の離職や休業などで、家賃の支払いに不安を感じていませんか?「住居確保給付金」は、こうした経済的な困りごとを抱えた方が住まいを失わず、生活を立て直すための支援制度です。

家賃相当額を原則3か月(最長9か月)支給し、あわせて就職や自立に向けた支援を行います。さらに2025年4月の制度改正により、家賃の安い住宅へ引っ越す際の「転居費用補助」も新たに利用できるようになりました。

なお、この制度は「住宅確保給付金」「住宅支援給付金」「生活確保給付金」などと呼ばれることもありますが、正式名称は「住居確保給付金」です。かつて「住宅支援給付金」と呼ばれていた制度が2015年4月から現在の名称になりました。

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この記事の目次

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住居確保給付金とは

住居確保給付金は、離職や休業などにより住まいを失った方、または失うおそれのある方に対し、家賃相当額を支給して生活の立て直しを支える制度です。生活困窮者自立支援法に基づき、全国の市区町村が実施しています。

項目 内容
目的 経済的に困窮した方の生活再建と常用就職の実現
期間 原則3か月(最長9か月まで延長可能)
支給先 家主または不動産会社の口座に直接振り込み(「代理納付」と呼ばれます)
支援内容 就職や自立を目指すための相談・支援も並行して実施

給付金が申請者本人ではなく家主に直接支払われるのは、確実に家賃の支払いに充てられ、住まいを失わないようにするためです。

2025年4月の制度改正で何が変わった?

2024年4月に改正生活困窮者自立支援法が成立し、2025年4月1日から住居確保給付金が大きく拡充されました。

区分 内容
①家賃補助(従来の給付) 離職等で家賃が払えない方に、家賃相当額を支給
②転居費用補助(2025年4月新設) より家賃の安い住宅へ転居する際の引越し代・礼金等を補助

転居費用補助は、家賃が家計を圧迫している方が、より低廉な住宅へ引っ越すことで家計の改善を図るための支援です。求職活動は要件とされないため、年金収入が減少した高齢者や、疾病等で就労収入を増やすのが難しい方も利用しやすい仕組みとなっています。

なお、2023年(令和5年)4月からは、職業訓練受講給付金との併給も可能になっています。

家賃補助の支給要件

申請できるのは、離職・廃業・休業などで家賃の支払いが難しくなった方です。

「失業中で家を失うかもしれない」「預金も減ってきた」という方が主な対象になります。離職・廃業後に「2年以内」であることが主なポイントです。

【対象者の条件】

区分 内容
経済的困窮と住居の状況 離職・廃業・休業などにより収入が減少し、住まいを失った、または失うおそれがある
離職・廃業等の時期 申請時点で離職・廃業から2年以内であること(出産・育児・疾病等による活動中断期間を除く)
生計維持者 世帯の主な収入源であること
収入要件 世帯の収入が自治体の「収入基準額」以下であること
資産要件 預貯金などの資産が基準額以下であること
求職活動要件 誠実に就職活動(または事業再生のための活動)を行うこと
類似給付の非受給 他の家賃補助制度などを受けていないこと
暴力団員でないこと 世帯員全員が非該当であること

収入要件

申請時および受給中は、収入状況を以下の方法で確認します。

・対象となる収入: 給与、事業所得、失業給付、公的年金、仕送り等
・除外される収入: 児童手当・児童扶養手当・奨学金など
・給与収入: 社会保険料控除前の総支給額(交通費を除く)
・変動収入の場合: 直近3か月の平均で算定
・支給決定後: 減収で申請した方は、毎月の収入証明を提出

収入基準額は「基準額+家賃額(上限あり)」で計算されます。ここでいう「基準額」とは、市町村民税の均等割が非課税となる収入額の1/12のことです。世帯の人数によって金額が異なり、自治体によっても若干違いがあります。

資産要件

世帯の預貯金合計額が、各自治体で定める額(基準額の6か月分。ただし100万円を超えない額)を超えていないことが要件です。

たとえば単身世帯で基準額が月8万円程度の自治体であれば、預貯金が48万円を超えると対象外となります。基準額の6か月分が100万円を上回る場合でも、上限は100万円までです。

求職活動要件

家賃補助を受けるためには、誠実な求職活動が求められます。具体的には以下の活動が必要です。

活動内容 頻度
自立相談支援機関での面接・相談 月4回以上
ハローワークへの求職申込・職業相談 月2回以上
企業等への応募・面接 週1回以上

なお、自営業の方については、ハローワーク等への求職申込に代えて、事業再生のための活動(経営相談先での相談など)が認められる場合があります。

支給金額と上限額

支給されるのは家賃相当額(共益費・管理費・駐車場代・敷金・礼金・滞納家賃などは除く)で、金額は収入状況によって変わります。

・収入が基準額以下の世帯:実際の家賃額(上限あり)を支給
・収入が基準額を超える場合:「基準額+家賃額-世帯収入額」で算定

支給上限額は、自治体ごとに定められる生活保護制度の住宅扶助額が基準となります。世帯人数によって異なりますが、目安は以下のとおりです。

世帯人数 支給上限額
(例:世田谷区・日野市)
単身世帯 53,700円
2人世帯 64,000円
3~5人世帯 69,800円

自治体によって金額は異なりますので、お住まいの市区町村の自立相談支援機関でご確認ください。

【新設】転居費用補助とは

2025年4月1日から始まった新しい支援メニューです。現在の家賃が収入に対して高すぎる方が、より家賃の安い住宅へ引っ越す費用を補助する制度です。

「引っ越し 給付金」「転居費用 支援」などをお探しの方は、この制度の対象となる可能性があります。

補助の対象となる費用は、主に以下のとおりです。

・引越し代(運搬費用)
・礼金、仲介手数料などの初期費用
・原状回復費用 など

主な対象者

家計改善支援において、転居によって家計が改善すると認められる方が対象となります。

・配偶者と死別して年金収入が減少した高齢者
・疾病等で離職・休業し、就労収入を増やすのが難しい方
・持ち家の維持が困難になり、賃貸への住み替えが必要な方
・収入は安定しているが、家賃負担が重く生活が苦しい方

家賃補助との違い

項目 家賃補助 転居費用補助
目的 就職活動中の家賃支援 家計改善のための転居支援
求職活動 必要 不要
前提となる事業 自立相談支援 家計改善支援事業の利用
支給対象 毎月の家賃 引越し時の一時金

家賃補助は就職活動中の家賃支援であるのに対し、転居費用補助は家計改善のための転居支援を目的としています。転居費用補助を利用するには、自立相談支援機関での相談を経て、家計改善支援事業の利用が前提となります。

支給上限額

支給上限額は、転居先の市区町村における生活保護の住宅扶助基準額の3倍が上限となります。実際に転居にかかった費用と、この上限額のいずれか低い額が支給されます。

住宅扶助基準額は地域(都道府県・級地)によって異なるため、支給上限額も自治体ごとに違います。例えば、目黒区内の転居の場合、支給上限額は以下のようになります。

世帯人数 支給上限額
(例:目黒区内転居の場合)
1人世帯 279,200円
2人世帯 300,000円
3人世帯 324,000円
4人世帯 344,000円
5~6人世帯 364,000円
7人以上の世帯 388,000円

転居に要する費用が支給上限額を超える場合、差額は自己負担となります。また、実際の支出額が支給決定額を下回った場合は、差額を返還する必要があります。

どんな人が対象になりやすい?

次のような状況にある方は、ぜひ一度相談してみてください。

・仕事を辞めてから家賃の支払いが難しくなった
・勤務先の休業で収入が大きく減った
・預金がほとんど残っていない
・就職活動を始めたが、なかなか決まらない
・自営業を続けるために経営再建を目指している
・病気やけがで働けなくなり、家賃が払えない
・年金収入が減って、今の家賃が重荷になっている(転居費用補助の対象になる可能性あり)

「こんな状態でも申請していいのだろうか」と悩む方も、まずは相談から始められます。制度を知ることが、安心につながる第一歩です。

対象にならない人・よくある誤解

「自分はもらえるのか?」と気になる方も多いと思います。以下のようなケースは対象外、または注意が必要です。

【対象外となる主なケース】

・持ち家にお住まいの方(住宅ローン返済中含む)
住居確保給付金は賃貸住宅の家賃を補助する制度のため、持ち家は対象外です。ただし、転居費用補助については、持ち家から賃貸への転居が必要と認められる場合に利用できることがあります。

・実家暮らし・住み込み勤務の方
家賃の支払いが発生していない場合は対象外です。

・学生
一般的には世帯の主たる生計維持者に該当しないため、対象外です。ただし、学費・生活費を自分で賄っている学生は例外的に対象となる場合があります。

・生活保護を受給中の方
生活保護に住宅扶助が含まれているため、住居確保給付金との併用はできません。

・滞納している家賃
支給対象は申請日が属する月以降の家賃で、過去の滞納分は対象外です。

他の制度との併給について

「失業保険と住居確保給付金は両方もらえるの?」というご質問もよくいただきます。他制度との併給可否をまとめました。

制度 併給可否 補足
失業保険(雇用保険の基本手当) 可能 失業給付は「収入」として収入要件の計算に含まれます
傷病手当金 可能 同上、収入として計算に含まれます
職業訓練受講給付金 可能
(2023年4月から)
求職活動要件としても認められます
生活保護 不可 生活保護に住宅扶助が含まれるため

併給の場合でも、ハローワークでの求職申込みや定期的な就職相談、企業への応募活動などの求職活動要件は変わらず必要となります。

住居確保給付金の申請方法と流れ

申請は「自立相談支援機関」を通じて行います。

たとえば、世田谷区では「ぷらっとホーム世田谷」、日野市では「セーフティネットコールセンター」が窓口です。お住まいの自治体の自立相談支援機関は、厚生労働省の特設サイトから検索できます。

【申請のステップ】

1.電話で相談・予約
生活状況を簡単に伝え、面談日を調整します。

2.面談・プラン作成
相談員が生活状況を聞き取り、自立に向けた支援プランを作成します。転居費用補助の場合は、ここで家計改善支援事業の利用についても相談します。

3.書類提出
家主や不動産会社に「入居住宅に関する状況通知書」を記入してもらう必要があります。

【主な必要書類】
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
・離職・廃業が確認できる書類(離職票、雇用保険受給資格者証等)
・収入が確認できる書類(給与明細書等)
・預貯金通帳の写し
・賃貸借契約書の写し
・入居住宅に関する状況通知書

4.審査・決定
書類確認後、支給の可否が決定。およそ1か月半ほどかかる場合があります。

5.支給開始
給付金は、申請者ではなく家主または委託事業者に直接振り込まれます(代理納付)。

住居確保給付金の支給期間と再申請

支給は原則3か月間ですが、状況に応じて3か月ごとの延長を2回まで申請でき、最長で9か月間の支援を受けることができます。

延長を希望する場合は、以下のような報告や活動が必要です。

・毎月「求職活動報告書」の提出
・給与明細など、収入状況がわかる書類の提出
・週1回以上の応募や面接など、誠実な就職活動の継続

「何回まで」もらえる?再申請の条件

「住居確保給付金は何回まで受けられるのか?」というご質問もよくあります。一度受給を終了した方も、以下の条件を満たせば再申請が可能です。

・前回の支給終了月の翌月から1年以上経過していること
・改めて支給要件をすべて満たしていること
・同一世帯の方の死亡、本人や同居家族の離職・休業等で世帯収入が著しく減少したこと(一部のケース)

なお、転居費用補助は原則1回限りですが、こちらも一定の条件下では再支給が認められる場合があります。

よくある質問

自己都合で退職した場合も対象になりますか?

対象となる可能性があります。離職理由が会社都合か自己都合かを問わず、離職・廃業から2年以内であれば申請可能です。

フリーランス・自営業も対象ですか?

対象です。やむを得ない休業等により収入が離職と同程度まで減少した場合に申請できます。雇用契約によらない就業形態の方も利用できます。

外国籍でも申請できますか?

対象となる可能性があります。詳しくはお住まいの自立相談支援機関にご相談ください。

「条件が厳しい」「もらえない」と聞いたが本当ですか?

たしかに収入・資産要件、求職活動要件など複数の条件をクリアする必要があります。しかし、ひとつでも該当しそうなら、自分で判断せず相談窓口で確認することをおすすめします。

申請してから振込まで、どのくらいかかりますか?

書類提出後の審査におよそ1か月半ほどかかる場合があります。家賃の支払いが迫っている場合は、早めに相談窓口へご連絡ください。

引っ越し先がまだ決まっていなくても相談できますか?

相談できます。むしろ、転居費用補助の利用を検討する場合は、家計改善支援を経て転居先を決めていく流れになるため、決まる前の相談が望ましいといえます。

給付金は後で返済する必要がありますか?

返済の必要はありません。住居確保給付金は「給付金」のため、貸付制度(生活福祉資金など)とは異なり、返済義務はありません。ただし、虚偽申請が発覚した場合は返還を求められることがあります。

学生でも申請できますか?

一般的に学生は世帯の主たる生計維持者に該当しないため、原則として対象外です。ただし、学費・生活費をすべて自分で賄っている学生は例外的に対象となる場合があります。


まとめ

住居確保給付金は、「家賃を払えないかもしれない」という不安を抱える方の暮らしを守る制度です。単なる家賃補助ではなく、「生活を立て直し、再び働く力を取り戻す」ための支援でもあります。

2025年4月からは転居費用補助も新設され、より幅広い方が利用しやすい制度に進化しました。家賃補助は求職活動が必要ですが、転居費用補助は家計改善を目的とするため求職活動を要件としません。ご自身の状況にあわせて、活用できるメニューを検討してみてください。

「自分は対象になるのだろうか」と迷ったら、まずはお住まいの市区町村の自立相談支援機関へ電話相談してみることをおすすめします。

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