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介護休業給付金とは|支給額・申請方法と介護休暇・介護休業の違いも解説

公開日:2024/6/5 更新日:2026/9/7
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「介護休業給付金」とは、家族の介護のために休業する雇用保険被保険者に対し、ハローワークから休業開始時賃金日額の67%相当額が支給される公的給付制度です。対象家族1人につき通算93日まで受給でき、月収30万円の方なら約20万1,000円/月、上限は1支給単位期間あたり366,222円(令和8年8月1日〜令和9年7月31日)が支給されます。

厚生労働省「雇用動向調査」によると、2024年に介護・看護を理由に離職した人は約9.3万人。2000年の3.8万人から2.4倍以上に増えています。介護離職は収入だけでなく年金や再就職にも影響するため、辞める前に使える制度を知っておくことが重要です。

注意したいのが、年5日取得できる「介護休暇」との違いです。介護休暇は勤務先で完結する短期休暇で、介護休業は長期休業を前提に給付金とセットで運用される制度。名称は似ていますが、目的・期間・申請先がまったく異なります。

この記事では、介護休業制度の全体像と2025年改正のポイント、介護休業・介護休暇の違い、介護休業給付金の対象者・支給額の計算方法・月収別の早見表・必要書類・いつもらえるかの目安・審査の実態・もらえないケース、ハローワークでの申請方法までを網羅的に解説します。

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この記事の目次

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介護休業制度とは?介護休業給付金・介護休暇の全体像

介護休業制度とは、育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)に基づく、家族の介護を行う労働者のための法定制度です。介護休暇・介護休業を中心に、短時間勤務等の措置や所定外労働の制限などが定められています。

実務の現場では介護休業を「介護休職」と呼ぶ会社もありますが、雇用保険法上の正式名称は「介護休業」です。介護休職という名称で社内ルールが設けられていても、育児・介護休業法の要件を満たせば介護休業給付金の対象になります。

全体の概要は、以下の図も参照してください。
介護休業制度の全体像(介護休業・介護休暇・短時間勤務・所定外労働の制限などの位置づけを示す厚生労働省パンフレット図)
出典:介護休業制度(厚生労働省)

介護休業と介護休暇の違い【比較表】

介護休業と介護休暇は、名前は似ていますが期間・給付金・取得単位が大きく異なります。整理すると以下のとおりです。

項目介護休暇介護休業
期間年5日(対象家族2人以上は年10日)/1日または時間単位対象家族1人につき通算93日(3回まで分割可)
給与・手当会社の規定による(有給か無給かは就業規則次第)給与は原則無給だが、雇用保険の介護休業給付金あり(賃金の67%相当)
申請先勤務先(書面または口頭)勤務先+ハローワーク(給付金申請)
用途通院付添い・ケアマネジャーとの打合せなど短時間の対応仕事と介護の両立体制を整えるための長期休業

育児・介護休業法の2025年改正で介護制度はどう変わった?

2025年(令和7年)4月1日から、入社6か月未満の労働者を介護休暇の対象外とする労使協定の仕組みが撤廃されました。これにより、入社直後の労働者でも要件を満たせば介護休暇を取得できます。

2025年4月改正における介護関連の変更点は、以下の4つです。

改正項目内容事業主の位置づけ
介護休暇の取得要件の緩和入社6か月未満を除外する労使協定の仕組みを廃止義務
個別の周知・意向確認介護に直面したと申し出た労働者へ、両立支援制度を個別に説明し利用意向を確認義務
早期の情報提供40歳到達時など、介護に直面する前の段階で制度情報を提供義務
介護のためのテレワーク要介護状態の家族を介護する労働者がテレワークを選択できる措置努力義務

介護休業給付金の受給要件(休業開始日前2年間に被保険者期間が12か月以上)は、この改正の影響を受けていません。改正内容の詳細は関連記事もご参照ください。

育児・介護休業法・雇用保険法の2025年改正まとめ|就業規則の見直しから助成金活用まで

介護休暇とは?対象者・取得日数・給与の扱い・申請方法

介護休暇とは、労働基準法の年次有給休暇とは別に取得できる、家族の介護のための法定休暇です。年5日(対象家族2人以上で年10日)まで、1日または時間単位で取得できます。家族の介護等で急に予定を変更せざるを得なくなった時に活用できる制度です。

「介護有給」「介護有給休暇」と検索される制度はこの介護休暇のことを指す場合が多いですが、給料が有給か無給かは会社の就業規則によります。

介護休暇の対象となる労働者と家族の範囲

介護休暇は対象家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日まで、1日または時間単位で取得できます。通院の付添いやケアマネジャーとの面談など、短時間で済む介護対応に柔軟に使える制度です。なお、時間単位での取得が困難と認められる業務に従事する労働者は、労使協定があれば1日単位でのみ取得できます。

対象は対象家族を介護する労働者ですが、日々雇用労働者と、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者は対象外です。2025年4月1日からは、入社6か月未満の労働者を対象外とする要件が廃止され、入社直後でも条件を満たせば取得できるようになりました。

対象となる家族は以下のとおりです。

・事実婚を含む配偶者
・父母
・養子含む子
・配偶者の父母
・祖父母
・兄弟姉妹
・孫

なお、介護関係の「子」の範囲は、養子を含む法律上の親子関係がある子のみです。

介護休暇は有給?無給?給与の扱いはどうなる?

結論として、介護休暇の給与の有無は会社の就業規則によって決まります。育児・介護休業法は「介護休暇を与えること」を義務化していますが、「有給とすること」までは義務付けていません。

給与の扱いは、以下のパターンに分かれます。

会社の規定給与の扱い
有給として整備介護休暇日も通常の賃金を支給
無給として整備介護休暇日の賃金は支給されず、雇用保険からの給付金もなし
半額支給などのハイブリッド会社独自ルールに基づく

介護休暇は雇用保険からの給付金対象外のため、無給の場合はハローワークからの補填もありません。無給扱いになる会社の場合、まずは年次有給休暇と組み合わせて取得を検討し、より長期の休みが必要になれば介護休業+介護休業給付金への切り替えを検討するのが実務的です。

なお、2026年度(令和8年度)からは事業主向けに「介護休暇制度有給化支援」が新設され、有給の介護休暇制度を導入した中小企業には30万円、年10日以上とした場合は50万円が助成されます。

会社独自の「介護手当」との違い

「介護手当」という言葉には2つの意味があり、混同されやすい点に注意が必要です。雇用保険から支給される公的給付の正式名称は「介護休業給付金」であり、「介護手当」という国の制度は存在しません

一般に「介護手当」と呼ばれるものは、以下のいずれかを指します。

  • 会社が独自に就業規則で定める手当(家族介護中の社員に月数千円〜数万円を支給するなど)
  • 市区町村が要介護4〜5の在宅高齢者を介護する家族に支給する「家族介護慰労金」等の自治体独自制度
  • 介護保険サービスの給付(介護給付)を指して使われるケース

会社独自の介護手当は法定制度ではないため、有無・金額・支給条件はすべて勤務先の就業規則次第です。就業規則の「慶弔・福利厚生」の項目を確認してみましょう。

介護休暇の申請方法(手続き)

介護休暇の申請方法は、勤務先への書面の提出もしくは口頭での申出によって行います。社内様式がある場合はそれを使用してください。介護休暇は雇用保険からの給付金がないため、ハローワークでの手続きは不要です。

社内に介護休暇制度がないと感じる会社でも、法定制度のため要件を満たす労働者は取得を申し出ることができます。会社が認めない場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談しましょう。

介護休業とは?対象者・期間・要件をわかりやすく解説

介護休業とは、対象家族1人につき、通算93日・3回まで取得できる長期休業です。介護休暇よりも長期の休みを取得できるので、実際に介護を行うだけでなく、「介護と仕事を両立するための体制づくりの期間」として想定されています。

介護休業給付金の対象となる介護休業の要件は、以下のとおりです。

①負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態にある家族を、介護するための休業であること
②被保険者が、事業主にその期間範囲に関して申し出を行い、実際に取得した休業であること

介護休業の93日の数え方とリセットの考え方

介護休業の通算93日は、同一の対象家族1人につきの上限です。対象家族が複数いる場合は、家族ごとに93日まで取得できます。

「介護休業 93日 リセット」「介護休業 使い切った」「介護休業 180日」と検索される論点は、以下のように整理できます。

  • 同一の対象家族については、93日を超えて再度取得することはできません(リセットはありません)
  • 3回までの分割は可能で、合計93日が上限です
  • 別の対象家族(例:父の次に母)について介護休業を取得する場合は、別途93日が認められます
  • 93日は暦日でカウントするため、土日祝や会社の休日も日数に含まれます
  • 180日や長期化を要する場合は、介護休業終了後に「短時間勤務」「所定外労働の制限」「フレックスタイム」等の措置を活用するのが基本です

介護休業を1日だけ取得することはできる?

結論として、介護休業は1日だけの取得も制度上は可能です。「介護休業給付金 1日だけ」と多く検索されている論点ですが、要件にある「2週間以上の常時介護が必要な状態」は、休業の取得期間ではなく、対象家族が継続的に介護を必要とする状態を示しています。

ただし注意点として、介護休業は対象家族1人につき通算93日を3回までしか分割できません。1日単位での取得を重ねると分割回数を消費するため、短時間の対応であれば介護休暇(年5日/2人以上で年10日)を使う方が実務的です。

介護休業給付金とは?対象者・条件をわかりやすく解説

介護休業給付金とは、介護休業期間中に雇用保険から支給される給付金です。雇用保険の被保険者で一定の要件を満たす場合、休業開始時賃金日額の67%相当額が支給されます。一般に「介護給付金」「介護手当給付金」「介護休暇給付金」と呼ばれることもありますが、正式名称は「介護休業給付金」です。

介護休業給付金の対象者は?パート・アルバイトはもらえる?

介護休業給付金の対象者は、雇用保険の被保険者で、以下の要件をすべて満たす方です。雇用形態は問われないため、パート・アルバイト・契約社員でも雇用保険に加入していれば対象になります。

・対象家族を介護する男女の労働者であること(ただし、日々雇用は除く)
・原則として、介護休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月以上ある
・有期雇用労働者の場合、介護休業開始予定日から93日を経過する日から6か月後までに、労働契約が満了することが明らかでないこと

また、労使協定を締結している場合、以下の人は対象外です。

・入社1年未満の労働者
・申出の日から93日以内に雇用期間が終了する労働者
・1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

労使協定とは、労働組合または労働者の過半数を代表する者と事業主との書面による協定のことです。なお、個人事業主・フリーランス・会社役員(雇用保険に加入していない方)は対象外です。

介護休業給付金はいくらもらえる?計算方法と月収別早見表

介護休業給付金の支給額は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で計算します。1回の介護休業につき、1か月ごとの「支給単位期間」ごとに計算して支給される仕組みです。

介護休業給付金の計算方法【3ステップ】

介護休業給付金の計算は、以下の3ステップで行います。

【STEP1】休業開始時賃金日額を出す
介護休業開始前6か月間の総支給額(賞与を除く)÷180日
※残業手当・通勤手当など各種手当は含み、賞与は含みません

【STEP2】支給日数を確認する
支給単位期間(1か月)ごとの日数。原則30日、最終月は暦日で計算

【STEP3】67%を掛ける
休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67% = 1支給単位期間の支給額

たとえば休業前6か月の総支給額が180万円なら賃金日額は1万円。1支給単位期間(30日)の支給額は「1万円×30日×67%=20万1,000円」です。

介護休業給付金の上限額・下限額はいくら?【令和8年8月改定】

介護休業給付金には上限額と下限額があり、令和8年8月1日から上限額は356,574円→366,222円に引き上げられました。この金額は毎年8月1日に、毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに改定されます。

項目令和7年8月1日〜令和8年7月31日令和8年8月1日〜令和9年7月31日
支給限度額(1支給単位期間の上限)356,574円366,222円
休業開始時賃金月額の上限額532,200円546,600円
休業開始時賃金月額の下限額90,420円96,090円

出典:厚生労働省「高年齢雇用継続給付金・介護休業給付金・育児休業等給付の受給者の皆さまへ(令和8年8月1日)

休業開始時の賃金が上限額を超える方は、上限額546,600円を使って支給額を計算します。賃金が下限額96,090円を下回る方は下限額で計算するため、給付額は月額約64,380円が最低ラインです。

月収別・介護休業給付金の支給額早見表

1支給単位期間(30日)あたりの支給額の目安は以下のとおりです。正確な金額は勤務先が作成する「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」から算出されます。

休業前の月収(総支給額)1支給単位期間あたりの支給額目安通算93日取得した場合の総額目安
15万円約10万500円約31万1,000円
20万円約13万4,000円約41万5,000円
25万円約16万7,500円約51万9,000円
30万円約20万1,000円約62万3,000円
40万円約26万8,000円約83万800円
50万円約33万5,000円約103万8,500円
54万6,600円以上(上限適用)366,222円(上限額)約113万5,000円

介護休業中に給与が支払われた場合はどうなる?

支給対象期間中に勤務先から賃金が支払われた場合、支払われた賃金の額に応じて給付額が調整または不支給となります。調整の基準は以下のとおりです。

・賃金が「休業開始時賃金日額×支給日数」の13%以下:賃金月額の67%相当額を全額支給
・賃金が13%超〜80%未満:賃金月額の80%相当額と、支払われた賃金の差額を支給
・賃金が80%以上:支給なし

会社が介護休業中に給与の一部を支給する場合、その額が80%以上になると給付金がゼロになる点に注意しましょう。

介護休業給付金の手取り額は?税金・社会保険料の扱い

介護休業給付金は所得税・住民税ともに非課税で、雇用保険料も控除されないため、支給額がほぼそのまま手取り額になります。

ただし、育児休業と大きく異なる点として、介護休業中は健康保険・厚生年金保険料の免除がありません。休業中も社会保険料の本人負担分は発生し、給与が支払われない場合は会社経由での納付(会社が立て替えて後日精算するなど)が必要になります。

たとえば月収30万円の方の給付金は約20万1,000円ですが、そこから社会保険料の本人負担分を別途支払うため、実質的な手残りはさらに少なくなります。休業前に勤務先の給与担当者へ徴収方法を確認しておきましょう。

育児休業給付金との制度の違いを詳しく比較したい方は、以下の記事も参考にしてください。

育児休業給付金の上限額は月332,454円へ|令和8年8月1日改定の支給率・下限額・条件を解説

介護休業給付金はいつもらえる?振込までの流れと審査の実態

介護休業給付金の振込は、介護休業終了から実際の入金まで、おおむね1〜3か月程度かかります。介護休業中に随時支給されるわけではなく、原則として休業終了後にまとめて申請・支給される点に注意が必要です。

介護休業給付金はいつ振り込まれる?申請から入金までの流れ

申請から振込までの流れは以下のとおりです。

  1. 介護休業終了日の翌日から2か月後の月末までに申請
  2. ハローワークが審査(1〜2か月程度)
  3. 「介護休業給付金支給決定通知書」が郵送される
  4. 支給決定日から約1週間で口座に振り込まれる

介護休業中の生活費は、事前に預貯金で確保しておくか、勤務先からの一部給与支給や他の支援制度との併用を検討しましょう。

介護休業給付金支給決定通知書はいつ届く?内容の見方

介護休業給付金支給決定通知書は、申請受理からおおむね2〜4週間程度で郵送されます。原則として事業主宛てに送付されるため、本人は勤務先経由で受け取るケースが多いです。記載されている主な項目は以下のとおりです。

  • 支給決定額(実際に振り込まれる金額)
  • 支給単位期間(対象となる期間)
  • 支払日(口座への振込予定日)
  • 次回申請の締切

通知書が届いてから振込までは約1週間が目安です。なかなか届かない場合は書類不備で審査が遅延している可能性があるため、ハローワークに問い合わせましょう。

介護休業給付金の審査は厳しい?審査期間の目安

「介護休業給付金 審査 厳しい」「介護休業給付金 審査 期間」と検索される方が多いですが、介護休業給付金の審査は原則として書類要件を満たせば支給される制度で、他の助成金のような裁量的な採否判断はありません。

ただし、以下の点はハローワーク側で厳密にチェックされます。

・雇用保険被保険者期間が12か月以上あるか(介護休業開始日前2年間で)
・介護休業申出書と実際の休業実績が一致しているか
・支給対象期間中の賃金支払い額(80%以上支給されていないか)
・対象家族の続柄・氏名が住民票等で確認できるか
・介護休業終了後に職場復帰する予定があるか

審査期間の目安は申請から支給決定まで1〜2か月程度です。書類差戻しがあると1〜2か月遅延することもあるため、初回申請時は必ずハローワークで書類チェックを受けることをおすすめします。

介護休業給付金がもらえない・審査に落ちるケース

「介護休業給付金 もらえない」「介護休業給付金 審査 落ちた」と検索される論点をまとめると、以下のいずれかに該当する場合は給付対象外となります。

【介護休業給付金がもらえない主なケース】
・申出の日から93日以内に雇用期間が終了する労働者
・休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の賃金が支払われている
・同一の対象家族について、3回を超えて再度介護のための休業を取得する
・休業前から退職を予定している(職場復帰が前提)
・被保険者期間が12か月に満たない
・雇用保険に加入していない(個人事業主・フリーランス・短時間労働者の一部)
・対象家族が「2週間以上の常時介護が必要な状態」に該当しない

介護休業給付は、介護休業終了後の職場復帰を前提とした給付金です。休業前にすでに退職を予定している場合は対象になりません。やむを得ず休業中に退職した場合は、それまでの支給単位期間分が支給されることもあるため、ハローワークに相談してください。

介護休業給付金の申請方法と必要書類【ハローワーク】

介護休業給付金の受給手続は、事業所を管轄するハローワークで行います。「介護休暇 ハローワーク」と検索される方も多いですが、ハローワークでの手続きが必要なのは介護休業給付金であって、介護休暇そのものではない点に注意してください。

介護休業給付金の申請期限

介護休業終了日の翌日から2か月後の月の月末までに「介護休業給付金支給申請書」と「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」を、事業所を管轄するハローワークに提出してください。

申請手続きは原則として、事業主を経由して行います。ただし、被保険者本人が希望する場合は、本人が申請手続きを行うことも可能です。

介護休業給付金の必要書類一覧

申請に必要な書類は以下のとおりです。

受給資格確認に必要な書類
①雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書事業主が記入
②賃金台帳・タイムカード等賃金の額および賃金の支払い状況を証明する書類
支給申請に必要な書類
①介護休業給付金支給申請書個人番号欄にマイナンバー(個人番号)の記載が必要
②被保険者が事業主に提出した介護休業申出書休業の取得を申し出た文書
③住民票記載事項証明書等介護対象家族の氏名、申請者本人との続柄、性別、生年月日等が確認できる書類
④出勤簿・タイムカード等介護休業の開始日・終了日、介護休業期間中の休業日数の実績が確認できる書類
⑤賃金台帳等支給対象期間中に支払われた賃金の額、賃金の支払い状況、休業日数、就労日数を確認できる書類

なお、介護休業の取得に医師の診断書は原則として必要ありません。「対象家族が2週間以上の常時介護を必要とする状態」かどうかは、要介護認定の結果や、家族・本人による状態説明によって判断されます。

介護休業給付金支給申請書の書き方で間違えやすいポイント

介護休業給付金支給申請書は事業主が記入する欄が大半ですが、本人が記入するマイナンバー欄と払渡希望金融機関欄の記載ミスが差戻しの主な原因になります。記入時に確認したいポイントは以下のとおりです。

  • 個人番号(マイナンバー)欄は必ず本人が記入する(未記載だと受理されません)
  • 払渡希望金融機関は申請者本人名義の口座を指定する(家族名義は不可、ネット銀行は一部指定不可)
  • 介護休業期間は、介護休業申出書に記載した期間と1日もずれないように記入する
  • 支給対象期間中に賃金の支払いがあった場合は、必ず金額を申告する

申請書の様式と記入例は、ハローワークインターネットサービスからダウンロードできます。

事業主が使える介護関連助成金と連携する

労働者が介護休業を取得した場合、事業主は「両立支援等助成金 介護離職防止支援コース」で介護休業1人あたり60万円の助成金を受けられる可能性があります。従業員側の介護休業給付金とは別制度で、中小企業事業主が申請するものです。

【2026年度】介護離職防止支援コースで最大80万円|要件・申請を解説

東京都では、独自の「介護休業取得応援奨励金」も用意されています。

最大145万円!令和8年度 東京都「介護休業取得応援奨励金」対象要件・申請方法を徹底解説

介護休業のメリット・デメリット・注意点

介護休業の活用を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。

メリットデメリット・注意点
賃金の67%相当の給付金で収入減をカバーできる支給額は賃金の67%で、満額ではない
雇用が継続するため、退職せずに介護に専念できる振込は休業終了後のため、休業中の現金収入が減る
ケアプラン作成など体制づくりの時間を確保できる通算93日・3回までの上限があり、長期介護には不足しやすい
事業主は休業を拒否できず、原則確実に取得できる社会保険料の免除がない(育児休業との大きな違い)
給付金は非課税で、額面がほぼ手取り額になる賞与・退職金の算定で休業期間が控除される場合がある

介護で退職する前に知っておきたい支援制度

「親の介護で働けない」「介護のため退職」「介護を理由に退職」と悩む方は少なくありません。介護退職は、年金や社会保険、生涯収入に大きく影響するため、退職する前に活用できる支援制度を確認しましょう。

仕事と介護の両立を支える法定制度

育児・介護休業法には、介護休業・介護休暇のほかにも仕事と介護の両立を支える制度があります。

制度内容
短時間勤務等の措置対象家族1人につき、利用開始から3年の間で2回以上利用可能
所定外労働の制限残業をしないことを請求できる
時間外労働の制限月24時間・年150時間を超える時間外労働をしないことを請求できる
深夜業の制限深夜(22時〜5時)に労働させないことを請求できる
介護のためのテレワーク2025年4月から事業主の努力義務。導入企業では在宅勤務での両立が可能

これらの制度は介護休業給付金とは別に、勤務先へ申し出ることで利用できます。

介護を受ける家族側が使える公的支援

働く本人への給付だけでなく、介護を受ける家族側の負担を軽減する制度もあわせて確認しましょう。介護費用そのものが下がれば、休業や時短勤務の必要性も変わってきます。

  • 介護保険サービス(要介護認定を受けて1〜3割負担で利用)
  • 高額介護サービス費(1か月の自己負担が上限を超えた分を払い戻し)
  • 家族介護慰労金(要介護4〜5の在宅高齢者を介護する家族への自治体独自の給付)
  • 住宅改修費・福祉用具購入費の支給(手すり設置や段差解消など)

まずは市区町村の介護保険担当窓口、または地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請から進めるのが基本です。

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雇用保険のその他の給付金と併用できる?

やむを得ず退職した場合、雇用保険の基本手当(失業給付)を受給できる可能性があります。ただし、介護休業給付金と基本手当は同時受給できません。介護休業は職場復帰前提の制度、基本手当は求職活動前提の制度で、位置づけが異なるためです。

介護退職の場合、家族の介護を理由とした「特定理由離職者」として扱われ、給付制限期間なしで基本手当を受給できるケースがあります。詳細はハローワークにご確認ください。

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公務員の介護休暇・介護休業手当金との違い

公務員には雇用保険が適用されないため、介護休業給付金の代わりに共済組合から「介護休業手当金」が支給されます。民間の介護休業給付金とは、期間・支給日数・計算方法が異なります。

項目民間(介護休業給付金)公務員(介護休業手当金)
根拠雇用保険法国家公務員共済組合法・地方公務員等共済組合法
休暇・休業の期間対象家族1人につき通算93日(3回まで分割)要介護状態ごとに通算6月の範囲内
手当の支給日数通算93日に対応する支給単位期間通算66日(週休日等を除く実際の取得日数)
支給額休業開始時賃金日額×支給日数×67%標準報酬日額(標準報酬月額の1/22)×67%
申請先事業所を管轄するハローワーク所属先の共済組合

支給日額には上限があり、毎年8月1日に改定されます。詳細は所属先の人事担当部署または共済組合にご確認ください。

介護休業・介護休業給付金の相談窓口はどこ?

わからないことがあれば、内容に応じて以下の窓口に問い合わせましょう。

ハローワーク:介護休業給付金の手続き・受給資格に関する相談
都道府県労働局 雇用環境・均等部(室):会社が介護休業を認めないなどの労働問題に関する相談
地域包括支援センター:介護そのものや、家族の介護サービス利用に関する相談
市区町村の介護保険担当窓口:要介護認定や介護サービスに関する相談


介護休暇・介護休業給付金に関するよくある質問

介護休暇・介護休業給付金についてよく寄せられる質問と回答をまとめました。


介護休業給付金の上限額はいくらですか?


令和8年8月1日〜令和9年7月31日の1支給単位期間あたりの上限額は366,222円です。令和7年度の356,574円から9,648円引き上げられました。あわせて休業開始時賃金月額の上限額は532,200円→546,600円、下限額は90,420円→96,090円に変更されています。上限額は毎年8月1日に改定されます。給付金は非課税のため、額面がほぼ手取り額となります。




介護休業給付金はいくらもらえますか?計算方法を教えてください。


「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で計算します。休業開始時賃金日額は、介護休業開始前6か月間の総支給額(賞与を除く)を180で割った額です。たとえば月収30万円の方が1か月(30日)休業した場合、支給額は約20万1,000円です。月収20万円なら約13万4,000円、月収40万円なら約26万8,000円が目安となります。月収が54万6,600円を超える方は上限額366,222円が適用されます。




介護休業給付金はいつもらえる・いつ振り込まれますか?


介護休業終了後にハローワークへ申請し、審査(1〜2か月程度)を経て支給決定されます。支給決定日からおおむね1週間程度で口座に振り込まれます。介護休業終了から実際の振込までは、おおむね1〜3か月程度の期間を見ておきましょう。詳しい振込日は「介護休業給付支給決定通知書」で確認できます。




介護休業給付金の審査は厳しいですか?


介護休業給付金の審査は書類要件を満たせば原則支給される仕組みで、他の助成金のような裁量的な採否判断はありません。ただし、雇用保険被保険者期間が12か月以上あるか、休業実績と申出書が一致しているか、休業中の賃金が賃金月額の80%未満か、対象家族の続柄が住民票等で確認できるか、職場復帰の予定があるかは厳密にチェックされます。書類不備がなければ申請から支給決定まで1〜2か月程度が目安です。




介護休業給付金がもらえない・審査に落ちるのはどんなケースですか?


主に以下のケースで給付対象外となります。①休業開始日前2年間の被保険者期間が12か月未満、②休業中に賃金の80%以上が支払われている、③同一の対象家族について3回を超える取得、④休業前から退職を予定している、⑤雇用保険に加入していない(個人事業主・短時間労働者の一部)、⑥対象家族が「2週間以上の常時介護が必要な状態」に該当しない。書類不備で差し戻されるケースもあるため、申請前にハローワークで確認することをおすすめします。




介護休業給付金に税金や社会保険料はかかりますか?


介護休業給付金は所得税・住民税ともに非課税で、雇用保険料も控除されないため、支給額がほぼそのまま手取り額になります。ただし、育児休業と異なり介護休業中は健康保険・厚生年金保険料の免除がありません。休業中も社会保険料の本人負担分は発生するため、給与が支払われない場合は会社経由での納付や後日精算が必要です。徴収方法は休業前に勤務先の給与担当者へ確認しておきましょう。




介護休暇は有給扱いですか?無給ですか?


介護休暇の給与の有無は会社の就業規則によって決まります。育児・介護休業法は介護休暇を与えることを義務化していますが、有給とすることは義務付けていません。有給として整備している会社もあれば、無給の会社もあります。無給の場合は雇用保険からの補填もないため、まずは年次有給休暇との組み合わせや、より長期の休みが必要な場合の介護休業+介護休業給付金への切り替えを検討しましょう。




介護休業を1日だけ取得した場合、給付金の対象になりますか?


介護休業の取得期間が2週間以上である必要はありません。要件にある「2週間以上の常時介護が必要な状態」は、介護休業の取得期間ではなく、対象家族が継続的に介護を必要とする状態を示すものです。なお、介護休業は対象家族1人につき通算93日を3回まで分割して取得可能です。1日だけの取得も制度上は認められますが、分割回数の上限があるため、短期間の対応は介護休暇の利用が実務的です。




介護休業の93日はリセットされる?使い切ったら再取得できますか?


同一の対象家族について介護休業の93日を使い切った場合、リセットはなく再取得はできません。3回までの分割を含めて合計93日が上限です。ただし、別の対象家族(例:父の次に母)について介護休業を取得する場合は、家族ごとに新たに93日まで取得可能です。93日は土日祝を含む暦日でカウントします。長期化する場合は、短時間勤務・所定外労働の制限などの両立支援制度を併用しましょう。




パート・アルバイトでも介護休業給付金はもらえますか?


パート・アルバイト・契約社員でも、雇用保険に加入していて休業開始日前2年間に被保険者期間が12か月以上あれば対象になります。雇用形態による制限はありません。ただし、日々雇用の労働者、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者(労使協定がある場合)、申出の日から93日以内に雇用期間が終了する労働者は対象外です。有期雇用の場合は、介護休業開始予定日から93日を経過する日の6か月後までに契約満了が明らかでないことが条件となります。




個人事業主・フリーランスでも介護休業給付金はもらえますか?


いいえ、介護休業給付金は雇用保険からの給付であるため、雇用保険の被保険者であることが必須です。個人事業主・フリーランス・会社役員(雇用保険に加入していない方)は対象外です。該当する方は、市区町村の生活支援制度や、要介護4〜5の在宅高齢者を介護する家族向けの「家族介護慰労金」などの自治体独自制度を検討してください。




公務員にも介護休業給付金はありますか?


公務員には雇用保険が適用されないため、介護休業給付金の代わりに共済組合から「介護休業手当金」が支給されます。支給額は標準報酬日額(標準報酬月額の1/22)の67%で、要介護状態ごとに通算66日分が上限です。介護休暇そのものは要介護状態ごとに通算6月の範囲内で取得できます。支給日額の上限は毎年8月1日に改定されるため、所属先の共済組合に最新額を確認してください。




まとめ

介護は「高齢の親を持つ労働者」だけの問題ではありません。子どもや配偶者、自分自身が要介護状態となったときにも、家族全体の生活を調整していく必要があります。

介護休業制度は、育児・介護休業法に基づき、仕事と介護を両立するための支援として整備された法定制度です。介護休暇・介護休業・介護休業給付金を組み合わせ、短時間勤務等の措置や所定外労働の制限とあわせて活用することで、介護離職を防ぐことができます。

この記事のポイントを振り返ります。

・介護休暇:年5日(家族2人以上で10日)・1日または時間単位。給与の有無は会社の規定による
・介護休業:対象家族1人につき通算93日・3回まで分割可能。1日だけの取得も可
・支給額:休業開始時賃金日額×支給日数×67%。月収30万円なら約20万1,000円/月
・上限額:令和8年8月1日〜令和9年7月31日は1支給単位期間あたり366,222円(前年比9,648円増)
・申請先:介護休暇は勤務先のみ/介護休業給付金は事業所管轄のハローワーク
・振込時期:支給決定日からおおむね1週間。終了から振込まで1〜3か月程度
・審査:書類要件を満たせば原則支給。裁量的な採否判断はなし
・税金:所得税・住民税は非課税。ただし社会保険料の免除はない(育休との違い)
・もらえないケース:雇用保険未加入、休業前退職予定、賃金80%以上支給、被保険者期間12か月未満 等
・パート・アルバイトも雇用保険加入なら対象/個人事業主・フリーランスは対象外
・公務員は共済組合の「介護休業手当金」(標準報酬日額の67%・通算66日)

「親の介護で働けない」と悩んでいる方も、退職を選ぶ前に、まずはこの制度の活用を検討してみてください。

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