観光コンテンツ造成支援事業のひとつ、高付加価値コンテンツ型では、期間限定など「特別な体験等」のコンテンツを創出し販売することを前提にした取り組みに対して、補助を実施しています。
指定の要件を満たすことで高い補助を受けられるため、自社の状況にマッチするかをチェックしておきましょう。
今回の記事では「高付加価値コンテンツ型」の補助対象要件や補助金額、申請に必要な書類などを紹介します。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する
この記事の目次
「高付加価値コンテンツ型」の概要
今回紹介する「高付加価値コンテンツ型」とは、観光コンテンツ造成支援事業のひとつとして展開されている補助金制度です。
観光コンテンツ造成支援事業では、インバウンド向けに「地域に根差した観光資源の磨き上げ」から「販路開拓」まで、一貫した支援を実施しています。今後、本格的な再開が見込まれるインバウンドの地方誘客や観光消費拡大を目的として運用されています。
高付加価値コンテンツ型では、期間限定のような「特別な体験等」の高付加価値コンテンツを創出し販売する取り組みを実施している企業であれば、支援を受けることが可能です。
補助率・上限額
・補助率:400万円まで定額(10/10) *400万円を超える部分は1/2
・補助上限額:1250万円
補助対象事業者の要件
以下の要件をすべて満たす事業者が補助対象です。
・ 地域の関係者と連携している
・ 地方公共団体、観光地域づくり法人(DMO)、観光協会、民間企業等である
・ 地方公共団体でない場合は、事業に係る全ての市区町村の同意を得ている
補助対象事業
以下の要件をすべて満たす事業が補助対象です。
・インバウンド向けの体験コンテンツやイベント等のうち、「これまでに一度も実施されていない」など、新規性が高く特別なものである |
・観光資源の磨き上げが目的ではなく、本事業期間内に販売等を行う |
・本事業終了以降も、磨き上げた体験コンテンツを販売する、あるいは継続的な実施を前提とした取り組みである |
・規模1000名以上の体験コンテンツやイベントである。あるいは一般的なものと比較して、単価が2倍以上となる高付加価値な取り組みである |
・観光事業者が連携して、地域に根差したツアーやアクティビティ、体験、イベント等のコンテンツの磨き上げを図る取り組みである |
・地域の産業連携を通じて観光消費拡大を図る取り組みである |
・インバウンド向けの取り組みである |
・造成する体験コンテンツ等に関係する観光資源について、多くの訪日外国人旅行者が活用する地図検索サービスにおいて、体験コンテンツに関する情報を入力する |
・磨き上げた体験コンテンツについては、コンテンツタリフやOTA掲載用情報入力フォーマット等を作成し、提出している |
・事業費が600万円以上の取り組みである |
補助対象経費
補助対象経費 | |
(1)観光資源を活用したコンテンツ造成に係る経費(事業費の50%以上) | ・観光コンテンツ、旅行商品等の企画開発 ・名産品の企画開発 ・ワークショップ、協議会等の開催 ・専門家からの意見聴取 ・ガイドの育成 ・観光イベントの実施 ・共通クーポン券等の企画開発 ・観光戦略の策定 ・地域事業者や地域住民に対するセミナーの開催 ・造成したコンテンツに関するモニターツアーの開催 ・インバウンド受け入れに係る他言語対応等における経費 等 なお、この経費には本事業における実施主体の人件費や旅費を計上できます。 |
(2)備品の購入・設備の導入に係る経費 | ・体験コンテンツの造成やインバウンド受け入れ等に必要な備品の購入や設備の導入 等 |
(3)販路基盤整備・プロモーションに係る経費 | ・造成した体験コンテンツの販売に必要な写真や動画、ホームページ、チラシ、パンフレット等、対外的な情報発信のための素材やツール作成 ・造成した体験コンテンツのインバウンドも含めた販路拡大を目的とした販路基盤整備やプロモーションに係る経費 ・造成した体験コンテンツに関するファムトリップやインフルエンサーの招聘 等 |
なお、事業期間内に補助対象となった体験コンテンツやイベント等の造成・販売等に要した総費用(補助対象として申請しなかった経費や上記制限を超えた経費、補助対象外経費等を含む)に対して、当該補助対象となった体験コンテンツ・イベント等が直接的に生み出した売上が上回った場合、上回った利益分は事業者と調整後に補助額から減額します。ただし、減額の上限を400万円とします。
【対象外経費】
以下は補助経費の対象外です。
・本事業に直接関係のない経費
・交付決定前に発生した経費
・事業者における経常的な経費(事務所等に係る家賃や保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費、通信料等)
・旅行者が受益する景品の購入や割引に係る経費
・実施主体の会食費、弁当代等の飲食費
・本事業の資金調達に必要となった利子
・モニターツアー参加者の実施場所への旅費、旅費 等
事業の流れ
事業の流れは次の(1)~(7)です。
(1)事業計画書を含む応募書類一式を特設Webサイトにて入力、提出する
(2)提出書類に基づき選定委員会にて審査を行い、事務局より結果を通知する
(3)採択通知を受けた事業者は、必修のオンライン研修を受講する
(4)採択事業者は研修を踏まえて事業計画書を見直し、通知された額の範囲内で必要に応じて内容を修正の上、交付申請書と併せて提出する
(5)採択事業者は交付決定の通知を受けた後、事業を開始する
(6)採択事業者は、策定した事業計画書に基づき、事務局の伴走支援を受けながら事業を実施する。伴走支援としては「専門家による助言指導」などがある
(7)採択事業者は、事業終了後、実施した事業の結果を報告するとともに、証憑等の精算に係る書類を事務局に提出します。事務局による審査を経て、補助事業の成果が交付決定の内容等に適合すると認められた場合、Ⅱ.2(3)に該当する費用について、補助を受けることができます。
手続きの時期について | |
(1)事業計画書を含む応募書類一式を記入の上、特設Webサイトにて入力、提出する。 | 応募受付は6月5日~7月7日です |
(2)提出書類に基づき審査を行い、事務局より結果を通知する。 | 8月下旬を目途に通知されます |
(3)採択通知を受けた事業者は、必修のオンライン研修を受講する。 | 9月上旬を目途にオンライン受講します |
(4)採択事業者は研修を踏まえて事業計画書を見直し、通知された額の範囲内で必要に応じて内容を修正の上、交付申請書と併せて提出する。 | 9月上旬を目途に事業計画書や交付申請書を提出しましょう |
(5)採択事業者は、交付決定の通知を受けた後、事業を開始する。 | 9月上中旬を目途に通知されます |
(6)採択事業者は策定した事業計画書に基づき、事務局の伴走支援を受けながら事業を実施する。伴走支援としては「専門家による助言指導」などがある。 | 事業の実施期間は「交付決定後~令和6年2月29日」です |
(7)採択事業者は事業終了後、実施した事業の結果を報告するとともに、証憑等の精算に係る書類を事務局に提出する。事務局による審査を経て、規定の費用について補助を受けられる。 | 令和6年2月29日を締切として、完了実績報告や精算書類を提出しましょう |
申請手続き
受付期間
令和5年6月5日(月)~令和5年7月7日(金)12時まで
申請後、24時間以内に事務局より申請を受け付けた旨のメールが送られてきます。メールが届かない場合は申請手続きが完了していない可能性があるため、事務局まで連絡しましょう。
提出書類
書類名 | 提出方法 |
---|---|
事業計画書 | Webフォーム上で直接入力して提出 |
費用積算書 | Webフォーム上で直接入力して提出 |
事業実施スケジュール | Webフォーム上で直接入力して提出 |
事業概要 | PowerPoint形式で申請ページにて提出 |
市区町村の同意書 | PDF形式で申請ページにて提出 |
連携先の同意書 | PDF形式で申請ページにて提出 |
提出書類については、以下の点に留意しましょう。
・提出書類に虚偽の記載を行った場合、申請は無効となる
・提出書類の作成に係る費用は提出者の負担
・提出書類に記載する文言や掲載写真は、公表可能なものを使用する
・提出書類は行政文書に当たるため、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」(平成11年5月14日法律第42号)に基づき、不開示情報(個人情報、法人の正当な利益を害する情報等)を除いて情報公開の対象となる
選定の観点
提出された書類は、以下の観点から審査されます。
(1)持続可能な観光地域づくりへの寄与
(2)独自性・新規性
(3)具体性・計画性
(4)実施体制・持続性
(5)収益性
(6)インバウンド誘客に向けた計画性
選定の際は以下の点に留意しましょう。
・指定期間中にオンライン研修を受講できない場合、採択を取り消すことがある
・事業計画書の提出時には、各実施内容につき原則として2者以上からの見積書が必要
・採択案件の80%以上は「地方部」となるよう優先採択される。地方部とは、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県を除く地域のこと
まとめ
インバウンドが本格的に再開すれば地方の観光消費拡大も目指せるため、関連事業を運営している企業にとっては、このチャンスを逃すことなく活用したいところ。
今回紹介した「高付加価値コンテンツ型」では、インバウンド再開に合わせてさまざまな取り組みを推進する企業をサポートしてくれます。資金負担を軽減して利益拡大を図れるため、自社が要件に該当するかをぜひチェックしておきましょう。