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経営継承・発展支援事業とは? 農業経営を継承し発展させるための支援制度

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日本ではさまざまな業種にて高齢化の影響が加速しています。農業も例外ではなく、経営の担い手となる人の高齢化が進行することで、地域の経営資源を次世代に継承するうえで問題が発生してしまうでしょう。

そんな状況を打破するために展開されているのが「経営継承・発展支援事業」です。経営継承・発展支援事業では、地域で農業を行う経営体をサポートしてくれます。

今回の記事では、経営継承・発展支援事業の対象要件や補助金額、申請の流れなどを解説します。

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この記事の目次

経営継承・発展支援事業とは?

「経営継承・発展支援事業」とは、現在の農業の担い手から経営を継承し発展させるための取り組みを支援することで、将来にわたって地域の農地利用等を担う経営体を確保することを目的とした制度です。農業の担い手として期待されている世代が高齢化していることを受け設置されました。

経営継承・発展支援事業の対象者

経営継承・発展支援事業の対象者の要件は「個人事業主の場合」「法人の場合」で異なります。

【個人事業主の場合】
1:事業実施年度の前々年度中の1月1日から経営発展計画の提出時までに、中心経営体等である先代事業者から、その経営に関する主宰権の移譲を受けている
2:上記1の主宰権の移譲に際して、原則として、先代事業者が有していた生産基盤や経営規模等が著しく縮小していない
3:税務申告等を本事業による助成を受けようとする者の名義で行っている
4:青色申告者である
5:家族農業経営の場合は、家族経営協定を書面で締結している
6:経営発展計画を策定して当該経営発展計画に基づいて経営発展に取り組み、かつ、当該経営発展計画の達成が実現可能であると見込まれる
7:「地域の農地等を引き受ける」など、地域農業の維持や発展に貢献する強い意欲を持っていると間接補助事業者が認めている
8:1の主宰権の移譲を受けた日より前に農業経営を主宰していない
9:「農業人材力強化総合支援事業実施要綱」にて定める事業に係る資金、および「新規就農者育成総合対策実施要綱」にて定める事業に係る資金の交付を受けておらず、かつ、過去にも受けていない
10:新規就農者育成実施要綱に掲げる事業を実施しておらず、かつ、過去にも実施していない
【法人の場合】
1:以下に掲げる(1)あるいは(2)の要件を満たす
(1)法人の経営の主宰権を先代経営者から移譲を受ける場合は、当該法人が中心経営体等であり、後継者が事業実施年度の前々年度中の1月1日から経営発展計画を提出する時までに、当該主宰権の移譲を受けている
(2)先代事業者から経営に関する主宰権の移譲を受けると同時に農業経営の法人化を行う場合は、当該先代事業者が中心経営体等であり、後継者が事業実施年度の前々年度中の1月1日から経営発展計画を提出する時までに当該主宰権の移譲を受けている
2:1の(1)あるいは(2)の主宰権移譲に際して、原則として法人自ら、あるいは先代事業者が有していた生産基盤や経営規模等が著しく縮小していない
3:青色申告者である
4:経営発展計画を策定して当該経営発展計画に基づいて経営発展に取り組み、かつ、当該経営発展計画の達成が実現可能であると見込まれる
5:「地域の農地等を引き受ける」など、地域農業の維持や発展に貢献する強い意欲を持っていると間接補助事業者が認めている
6:1の(1)あるいは(2)の主宰権移譲を受けた後継者が、その日より前に農業経営を主宰していない
7:1の(1)あるいは(2)の主宰権移譲を受けた後継者が、過去に農業次世代人材投資事業(経営開始型)および経営開始資金に係る資金の交付を受けていない
8:1の(1)あるいは(2)の主宰権移譲を受けた後継者が、過去に経営発展支援事業を実施していない

中心経営体とは

要件でたびたび出てくる「中心経営体等」とはどのようなものでしょうか。中心経営体とは以下に掲げる者を指します。

1:地域計画のうち目標地図に位置付づけられた者(認定農業者、集落営農組織(農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律(平成18年法律第88号)第2条第4項第1号ハに掲げる組織)および基盤強化法第6条第1項に規定する農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想に示す目標所得水準を達成している農業者を指す)
2:実質化された人・農地プランに中心となる経営体として位置付けられている者
3:市町村長が、地域農業の維持や発展に重要な役割を果たすと認めた認定農業者、あるいは認定農業者に準ずる者

経営発展計画について

「経営発展計画」とは、担い手から経営を継承した後継者が、経営を発展させる取り組みやその成果目標等を記載した計画のことです。経営継承・発展支援事業を活用するには、後継者が経営発展計画を策定し、市町村へと提出する必要があります。提出された経営発展計画の内容等をもとに、採択審査が実施されます。

経営発展計画には以下の内容を記載しましょう。

記載項目 概要
申請者 申請者の氏名、性別等の基本情報
経営概要 営農類型、経営面積等の経営概要
経営継承の概要 先代事業者・経営者の基本情報や、継承した資産の区分・継承方法等
経営発展の取り組み 経営発展に向けた具体的な取り組み内容と、以下のa~mの中から取り組み区分を任意に選択し、それぞれの内容および経費を記載
a:法人化
b:新たな品種・部門等の導入
c:認証取得
d:データ活用経営
e:就業規則の策定
f:経営管理の高度化
g:就業環境の改善
h:外部研修の受講
i:販路開拓
j:新商品開発
k:省力化・業務の効率化、品質の向上
l:規格等の改善
m:防災・減災の導入
成果目標の設定 以下の成果目標を目標年度まで設定する
a:付加価値額の向上
*1経営体当たあるいは就業者1人当たりの付加価値額の目標を設定
b:地域貢献
*経営面積(あるいは飼養頭羽数)の拡大、または常時雇用者数の増加についての目標を設定

付加価値額は、税務申告書類などから以下の方法で算出します。
付加価値額=収入総額ー費用総額+人件費
再生可能エネルギーの利用促進(その他) 補助対象経費の2/3以内
地域貢献に関する特徴的な取り組み 上記「成果目標の設定」以外の地域農業の維持・発展に資する取り組み

例1:地域の耕作放棄地1haを引き受けて再生させ、地域農業の維持に貢献
例2:新規就農者3名の受け入れや研修等の実施を通じ、人材育成・確保に貢献
宣誓事項 内容を確認した上で宣誓事項にチェック

補助上限

補助率は「1/2以内」として、補助金額は「助成対象者1人当たり100万円以内」となります。

ただし、間接補助事業者が補助金交付に当たり助成対象者の経営発展に向けた取り組みに必要な事業費の1/2(上限50万円)を負担する場合、事業実施主体は間接補助事業者に国庫補助金を交付できるものとし、その国庫補助金額は助成対象者1人当たりの間接補助事業者の負担額と同額(上限50万円)とします。

補助対象経費

本事業の目的達成に必要な以下の経費(融資に関する利子助成措置以外の国の補助事業の対象となった経費を除く)が対象です。

  • 専門家謝金
  • 専門家旅費
  • 研修費
  • 旅費
  • 機械装置等費
  • 広報費
  • 展示会等出展費
  • 開発・取得費
  • 雑役務費
  • 借料
  • 設備処分費
  • 委託費あるいは外注費

申請・事業実施の流れと募集期間(1次募集)

具体的な事業の流れは以下の通りです。補助対象者が実施する箇所は太字で表してあります。

事業実施の流れ
(1)事業実施主体が市町村に対して間接補助事業者を公募する

(2)市町村が補助対象者を募集する

(3)補助対象者から市町村へ経営発展計画等を提出する

(4)市町村から事業実施主体に事業提案書を提出する

(5)有識者による審査が実施される

(6)事業実施主体から市町村へ採択通知が送付される

(7)市町村から補助対象者へ採択通知が送付される

(8)補助対象者が市町村事業計画を承認し補助金交付申請を行う

(9)市町村が申請内容を確認して、事業実施主体へ補助金交付申請を行う

(10)事業実施主体が申請内容を確認して、市町村へ「計画承認・割当内示、補助金交付決定」が通知される

(11)市町村から補助対象者へ「事業実質内、補助金交付決定」が通知される

(12)補助対象者が計画に基づく取り組みを実施して、市町村に取り組み完了報告を行う

(13)補助対象者から市町村へ実績報告・精算払請求を行う

(14)市町村から事業実施主体へ実績報告・精算払請求を行う

(15)事業実施主体から市町村へ精算払いが行われる

(16)市町村から補助対象者へ精算払いが行われる

募集期間(1次募集)

令和5年5月25日(木)~7月25日(火)【締切日当日消印有効】
※補助を受けたい農業者は、最寄りの市町村の対応状況をご確認ください。

まとめ

経営継承・発展支援事業では、農業を行う経営体を資金面でサポートしてくれます。高齢化に伴う跡継ぎ問題に直面している事業者は、是非積極的に活用しましょう。

参考:令和5年度農業関係予算 経営継承・発展等支援事業

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