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エイジフレンドリー補助金 令和6年度はいつから?

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近年では60歳以上の高年齢労働者が増え続けており、また労働災害による死傷者数においても、60歳以上が28.7%を占めています。身体機能が低下している高齢者は労働災害の発生率が高くなり、休業の長期化を招きやすくなっているのが現状です。

そんな中、令和6(2024)年5月7日より、高年齢労働者の就業環境を整えるための「令和6年度エイジフレンドリー補助金」の申請受付が開始されました。職場の労働環境を改善し、人材確保をより安定させたい中小企業事業者は、ぜひこの記事を参考にしてください。

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この記事の目次

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令和6年度エイジフレンドリー補助金とは

エイジフレンドリー補助金とは、高齢者を含む労働者が安心かつ安全に働けるよう、中小企業をサポートする制度です。中小企業事業者による高年齢労働者の労働災害防止対策、労働者の転倒や腰痛を予防するための専門家による運動指導等、コラボヘルス等の労働者の健康保持増進のための取組に関して、必要な経費の一部を補助します。

本補助金では、下記の3つのコースが設けられています。

①高年齢労働者の労働災害防止コース
高年齢労働者が安全に就業できるよう、高年齢労働者にとって危険な場所・負担が大きい作業を解消するための取組等に対し、補助を実施します。

②転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース
労働者の身体機能低下による「転倒」や「腰痛」の行動災害を防止するため、身体機能維持改善のための専門家等による運動プログラムに基づいた身体機能のチェック及び専門家等による運動指導等に要する費用を補助します。

③コラボヘルスコース
労働者の健康保持増進を目的とするコラボヘルス等の取組に対し、補助を実施します。
※コラボヘルスとは、医療保険者と事業者の積極的な連携により、明確な役割分担と良好な職場環境を構築し、労働者の予防・健康づくりを効果的かつ効率的に進めることです。

出典:厚生労働省「令和6年度エイジフレンドリー補助金」のご案内

では、それぞれのコース要件について確認してみましょう。

「高年齢労働者の労働災害防止コース」の対象事業者

下記①~③の要件を満たす事業者が対象です。

①労災保険に加入している中小企業事業者で、1年以上事業を実施している
②高年齢労働者(60歳以上)を常に1名以上雇用している(役員、派遣労働者を除く)
③対象の高年齢労働者が補助対象に係る業務に就いている(役員、派遣労働者を除く)

【補助対象】
1年以上事業を実施している事業場において、高年齢労働者の身体機能の低下を補う設備・装置の導入その他の労働災害防止対策に要する経費(機器の購入・工事の施工等)

「高年齢労働者の労働災害防止コース」の補助率・上限額

【補助率】
1/2

【上限額】
100万円(消費税を除きます)

「高年齢労働者の労働災害防止コース」の補助対象となる取組

高年齢労働者の労働災害防止を目的とした取組に要する、下記①~④の対策費用が対象です。

①転倒・墜落災害防止対策
・作業床や通路でのつまずき防止対策(段差を解消)(※)
・作業床や通路での滑り防止対策(水場等へ防滑性能の高い床材・グレーチング等を導入、凍結防止装置の導入)
・転倒時のけがを低減させる設備・装備の導入
・高所作業台の導入(自走式は含めず、床面から2m未満の物とします)
・階段へ手すりを設置(※)
(※)法令違反状態の解消を図るものでないこととします。

転倒災害対策のポイントについては、厚生労働省の資料をご参照ください。
②重量物取扱いや介護作業での労働災害防止対策(腰痛予防対策)
・不自然な作業姿勢を解消できる作業台等の設置
・重量物搬送機器・リフト(乗用タイプは含めません)
・重筋作業の補助が可能なパワーアシストスーツの導入
・介護での移乗介助時に身体的負担を軽減できる機器の導入
・介護での入浴介助時に身体的負担を軽減できる機器の導入
・介護職員の身体への負担を軽減させる、介護技術(ノーリフトケア)の修得を目的とした教育の実施
③暑熱な環境での労働災害防止対策(熱中症防止対策)
・熱中症リスクを伴う暑熱作業場における、休憩施設の整備
・体温を下げる機能がある服の導入
・熱中症の初期症状等の急変が把握可能な小型携帯機器(ウェアラブルデバイス)を用いた健康管理システムの導入
④その他の高年齢労働者に関する労働災害防止対策(交通災害防止対策)
・業務用車両へ踏み間違い防止装置を導入

※労働者個人ごとに費用が発生する対策(運動指導、体温を下げる機能がある服、ウェアラブルデバイス、パワーアシストスーツ等)については、対策に関する高年齢労働者の人数分のみ補助対象とします。

「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」の対象事業者

次に、転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コースの要件について確認しましょう。下記①②の要件を満たす事業者が対象です。

①労災保険に加入している中小企業事業者で、1年以上事業を実施している。かつ、役員、派遣労働者を除く、以下の労働者を雇用していること。
②労働者を常時1名以上雇用している(年齢制限なし)

【補助対象】
労働者の転倒防止や腰痛予防のため、専門家等による運動プログラムに基づいた身体機能のチェック及び専門家等による運動指導等に要する経費

「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」の補助率・上限額

【補助率】
3/4

【上限額】
100万円(消費税を除きます)

「転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース」の補助対象となる取組

「転倒防止」・「腰痛予防」のための身体機能のチェック及び運動指導等の実施が対象です。

補助対象となる取組
- オンライン開催等も含む、専門家等による転倒防止、腰痛予防の運動指導等
- 専門家とは、医師、理学療法士、健康運動指導士、労働安全・衛生コンサルタント、アスレティックトレーナー等を指す

※転倒防止、腰痛予防以外の運動指導は補助対象外です。メタボリックシンドローム対策等の運動指導は、コラボヘルスコースの活用をご検討ください。

「コラボヘルスコース」の対象事業者

最後に、コラボヘルスコースの要件について確認しましょう。
下記①②の要件を満たす事業者が対象です。

①労災保険に加入している中小企業事業者で、1年以上事業を実施している。かつ、役員、派遣労働者を除く、以下の労働者を雇用していること。
②労働者を常時1名以上雇用している(年齢制限なし)。

【補助対象】
コラボヘルス等の労働者の健康保持増進を目的とする取組に対し、必要となる経費

「コラボヘルスコース」の補助率・上限額

【補助率】
3/4

【上限額】
30万円(消費税を除きます)

「コラボヘルスコース」の補助対象となる取組

補助の前提として、事業主健診情報が保険者へ提供されていることとします。

補助対象となる取組
- 健康診断結果等を考慮した禁煙指導、メンタルヘルス対策等の健康教育、研修等(オンライン開催、eラーニングなども含みます)※産業医、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、労働衛生コンサルタント等によるものとします。
- 事業所カルテ・健康スコアリングレポートを活用してコラボヘルスを行うための健康診断結果等を、電磁的に保存並びに管理するシステムの導入
- 栄養・保健指導を実施する労働者への健康保持増進措置(健康診断、歯科検診、体力チェックの費用は除きます)
事業所カルテ・健康スコアリングレポートの活用に関して
- 事業所カルテ・健康スコアリングレポートを活用することで、各保険者の加入者の健康状態や医療費、予防・健康づくりへの取組状況等に関して、全体平均や業態平均と比較したデータの見える化が実現できます。
- 従業員等の健康状況は、現状認識を前提とした具体的アクションの検討に役立ててください。
- 事業者から保険者へ定期健康診断等の結果を提供すれば、データヘルスやコラボヘルス等が促進され、労働者の健康保持増進が期待できます。保険者への健康診断結果提供にご協力ください。

エイジフレンドリー補助金の注意事項

複数のコースあわせての上限額は100万円です。複数コースでの申請の場合は、希望コースをまとめて申請するようにします。

本補助金は、事業場規模や高年齢労働者の雇用状況、対策・取組の内容等を審査した上で、交付を決定します。全ての申請者に交付されるとは限らないので、ご了承ください。

エイジフレンドリー補助金の申請方法

【申請受付期間】
令和6年10月31日まで

【申請方法】
郵送もしくは宅配便のみ
※メールでの申請は受け付けません。また、消印が確認できない料金別納・料金後納や、発送日が確認できない方法での送付も不可です。

【提出資料】
提出資料は以下のとおりです。

令和6年度エイジフレンドリー間接補助金交付申請書
間接補助金の対象となる安全衛生対策等の実施計画書
誓約及び申立書
高年齢労働者名簿
対象経費内訳書
日本標準産業分類表
労働保険申告書(事業場が複数ある場合は全事業場分の申告書類を提出してください)
労働保険料領収書
見積書
カタログ(購入予定品の写真と型番が記載されたページをカラーで提出してください)
写真(対策を行う現場、もしくは現状の作業の様子を写します)
図面
運動指導の実施プログラム(実技指導の計画を含みます)
保険者へ事業主健診結果データを提供していることが判断できる書類
計画書(コラボヘルスコース申請時に提出してください)

申請の手順

①補助金交付申請(中小企業事業者)
事務センターホームページより「申請関係書類」をダウンロードします。「提出資料一覧チェック表」「注意事項」を確認し、全ての書類を揃えて送付します。

②審査~交付決定通知書発行(事務センター)
審査後に交付が決定した場合は「交付決定通知書」等を郵送します。不採択になった場合は、申請担当者宛てにメールで通知します。

③対策の実施・費用の支払い(中小企業事業者)
交付決定通知書を受領後、対策の実施後に費用を支払います。交付決定通知書が到着したら、できるだけ早く対策を進めてください。

④実績報告書並びに精算払請求書提出(中小企業事業者)
対策終了後に費用の支払いが完了したら「実績報告書並びに精算払請求書」を含む必要書類を全て送付します。

⑤補助金の交付(事務センター)
実績報告書並びに精算払請求書を確認後、確定通知書を郵送し、指定口座へ補助金を振り込みます。

まとめ

高年齢になるほど労働災害発生率は高くなり、特に高齢女性の転倒発生率の高さは重要な課題です。高年齢労働者は重症化しやすいため、労働災害により休業期間が予想外に長くなるケースも考えられるでしょう。

エイジフレンドリー補助金を活用し働きやすい環境を整えれば、高年齢労働者はもちろん、働く全ての人に対し労働時のリスク軽減を図れます。高年齢層を含む人材をより多く確保し、長期間の安定した活躍を望む対象事業者は、ぜひ本補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:エイジフレンドリー補助金について

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