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令和6・2024年働き方改革推進支援助成金 勤務間インターバル導入コースを徹底解説!

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近年「従業員の労働環境改善」が重要なテーマになっています。2019年に制定された改正労働基準法を皮切りに、企業に対して「長時間労働の解消」「従業員の賃金アップ」などを実現し、労働環境を改善することが求められるようになりました。

こうした労働環境改善に向けた取り組みとして活用できるものが、今回ご紹介する「働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)」です。「従業員が適切な休憩時間を確保するための取り組み」を推進する中小企業を、資金面でサポートします。

本記事では、働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)の概要や支給対象事業者、対象経費、活用事例などを解説します。

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この記事の目次

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)とは

働き方改革推進支援助成金とは、「労働時間短縮の実現」「従業員の有給休暇取得促進」といった、職場環境改善に取り組む中小企業事業主に対し、施策実施に要した費用の一部を助成する制度です。近年重視されている働き方改革の一環として、長時間労働是正などに取り組む中小企業事業主にとっては、心強い制度といえます。

今回紹介する「勤務間インターバル導入コース」は、この働き方改革推進支援助成金で設けられた4コースの中のひとつです。

【勤務間インターバル導入コースとは】
勤務間インターバル(勤務終了後の従業員に対し、次回勤務まで一定時間以上の休息時間を設けること)制度の導入を目指す中小企業事業主を、資金的にサポートするコース

2019年4月に制度の導入が努力義務化された「勤務間インターバル」は、長時間労働の抑制や労働者の健康確保に効果的な手段として注目されており、助成金制度を活用することで、導入のハードルを低くすることができます。

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)設置の背景

過去10年間で、日本の労働時間を取り巻く現状は大きく変化しています。2019年には、労働基準法制定以降初めて、罰則付きの時間外労働の上限規制が一部施行され、2024年4月からは、医師やドライバー、建設業の従事者にもこの規制が適用されるようになりました。こうした流れは、従業員の過重労働を削減し健康を守る意味で意義深いといえるでしょう。

従業員の健康を守るには、総労働時間の削減だけでなく「1日あたりの休息時間をきちんと確保する」という点も重要です。総労働時間という大まかな括りでは「年間では規制を超えていないが1日単位で見ると特定の日に労働時間が集中し十分な休息を取れていない」というケースもあり得ます。

このような事態を防ぎ、定期的に休息を取りながら過重労働の防止を図れるよう「勤務間インターバル制度の導入」が推奨されるようになりました。今回ご紹介する働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)は、働き方改革の流れを後押しするための助成金制度で、この制度を活用して労働時間等の設定改善を進めることが可能です。

【働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)の詳細】
ここからは、働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)の詳細について、以下4点を解説します。

  • 支給対象事業者
  • 助成対象となる取り組み
  • 助成対象経費および対象外経費
  • 助成額および助成率

支給対象事業者

(1)~(8)すべての条件に該当する中小企業事業主が支給対象です。支給は「1事業主につき1回」に限られます。

(1)労働者災害補償保険の適用事業主である。
(2)資本金額あるいは出資総額が3億円以下の事業主、あるいは常時使用する労働者数が300人以下の事業主である。
(3)交付申請時点において、すべての指定対象事業場で36協定を締結している事業主である。
(4)すべての指定対象事業場で「常時10人以上の労働者を使用する事業場」については、交付申請時点で法第39条第7項に基づく「時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等についての記載がある就業規則」を作成している事業主である。常時10人未満の労働者を使用する場合は、労働基準法施行規則第24条の7に基づく「時季、日数及び基準日を明らかにした書類」を作成している。
(5)交付申請時点で以下①〜③のいずれかに該当する事業場を持っており、かつ、④に該当する事業主である。
①勤務間インターバルを導入していない事業場
②すでに休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であり、対象労働者が、当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
③すでに休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場
④すべての指定対象事業場において、交付要綱附則の適用日以前の2年間において、月45時間を超える時間外労働の実態がある
(6)事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長に、働き方改革推進支援助成金交付申請書および働き方改革推進支援助成金事業実施計画を提出し、交付決定を受けた事業主である。
(7)事業実施計画に基づき、事業を実施した事業主である。
(8)上記の(6)(7)に基づく措置および事業の実施状況、成果を明らかにする書類を整備している。

対象者の詳細については「支給要領p.1〜2」をご確認ください。

助成対象となる取り組み

以下の取り組みから「1つ以上」を実施した際、助成対象となります。

(1)労務管理担当者に対する研修
(2)労働者に対する研修や周知、啓発
(3)社会保険労務士や中小企業診断士などの外部専門家によるコンサルティング
(4)就業規則や労使協定等の作成、変更
(5)人材確保に向けた取り組み
(6)労務管理用ソフトウェアの導入および更新
(7)労務管理用機器の導入および更新
(8)デジタコなどデジタル式運行記録計の導入および更新
(9)労働効率アップにつながる設備や機器等の導入および更新

上記の取り組みを実施する際は、「成果目標」の達成を目指しましょう。成果目標が未達成の場合、助成金が支給されない可能性があるため要注意です。

~成果目標~
事業主が事業実施計画で指定した全事業場において、休息時間数が「9時間以上11時間未満」あるいは「11時間以上」の勤務間インターバルを導入し、定着を図ること

*上記に加え、対象事業場で「指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上引上げること」を成果目標に設定することも可能

成果目標達成のために、以下のいずれかに取り組みます。

(1)新規導入
勤務間インターバルを導入していない事業場において、事業場に所属する労働者の半数を超える労働者を対象として、「休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルに関する規定」を労働協約または就業規則に定める
(2)適用範囲の拡大
すでに「休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している」「対象労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である」という場合、対象労働者の範囲を拡大して、「当該事業場所属の労働者の半数を超える労働者を対象とすること」を労働協約または就業規則に規定する
(3)時間延長
すでに休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している場合、当該事業場所属の労働者の半数を超える労働者を対象として、「当該休息時間数を2時間以上延長して休息時間数を9時間以上とすること」を労働協約または就業規則に規定する

助成対象経費および対象外経費

助成対象経費は以下の通りです。

  • 謝金
  • 旅費
  • 借損料
  • 会議費
  • 雑役務費
  • 広告宣伝費
  • 印刷製本費
  • 備品費
  • 機械装置等購入費
  • 委託費

【対象外経費の例】
対象外となる経費の例も確認しておきましょう。

  • 乗用自動車等の購入費用
  • パソコンやタブレット、スマートフォンなどの購入費用
  • 単なる経費削減を目的としたもの
  • 交付決定日より前に開始した事業の費用
  • 法令等で義務づけられているにも関わらず義務を怠っていた場合における、当該法令等で義務づけられた制度の策定等に係る費用
  • 経費の算出が不適正であると労働局長が判断したもの
  • その他、社会通念上、助成が不適当であると労働局長が判断したもの

上記経費に関する詳細や留意点などは「支給要領p.9〜10」をご確認ください。

助成額および助成率

助成額および助成率は「成果目標達成に向けた取り組み内容の種類」「成果目標の達成状況」に応じて異なります。助成額の最大は580万円です。

(1)成果目標達成のために「新規導入」の取り組みを行う場合

休息時間数 補助率
1企業あたりの上限額
9時間以上11時間未満 3/4 100万円
11時間以上 3/4 120万円

(2)成果目標達成のために「適用範囲の拡大」「時間延長」の取り組みを行う場合

休息時間数 補助率
1企業あたりの上限額
9時間以上11時間未満 3/4 50万円
11時間以上 3/4 60万円

また、上記で解説した「賃金額の引上げ」を成果目標に加えた場合、以下が加算されます。

・常時使用する労働者数が30人以下の場合

引上げ人数 1~3人
4~6人
7~10人
11~30人
3%以上引上げた場合 30万円 60万円 100万円 1人あたり10万円 *上限300万円
5%以上引上げた場合 48万円 96万円 160万円 1人あたり16万円 *上限480万円

・常時使用する労働者数が30人を超える場合

引上げ人数 1~3人
4~6人
7~10人
11~30人
3%以上引上げた場合 15万円 30万円 50万円 1人あたり5万円 *上限150万円
5%以上引上げた場合 24万円 48万円 80万円 1人あたり8万円 *上限240万円

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)の申請について

具体的な助成金の申請条件について、以下3点を解説します。

・公募期間
・申請時の必要書類
・書類の提出方法

【公募期間】
令和6(2024)年11月29日(金)まで *必着

ただし、予算額に応じて11月29日以前に受付を締め切る場合があるため、早めに申請しましょう。

【申請時の必要書類】
・交付申請書
・事業実施計画
・事業実施前の勤務間インターバルの導入状況を確認できる書類
・事業実施に必要な経費の算出根拠を確認できる書類
・36協定の締結や規定の就労規則などを確認できる書類
・その他、労働局長が必要と認める書類

必要書類の詳細は「支給要領p.3〜4」をご確認ください。

【書類の提出方法】
都道府県労働局所在地一覧」をチェックし、最寄りの労働局雇用環境・均等部に上記の書類を提出しましょう。

課題別に紹介!働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)の活用事例

具体的に「勤務間インターバル導入コースはどんな状況で活用できるの?」と疑問に感じる方もいるはずです。厚生労働省サイト内の下部にある「リーフレット」に活用事例が掲載されているため、自社とマッチする状況がないかチェックしましょう。

企業の課題 具体的な取り組み
取り組みによる改善結果
①インターバル制度の導入にあたり、新たな機械や設備の導入による「生産性向上」が必要だった 生産性向上に貢献する設備や機器等を導入した 新たな機器や設備の使用によって労働能率が改善され、時間あたりの生産性が向上した
②始業および終業時刻を手書きで記録しているため、管理上のミスが多かった 手書きによる管理ミスを防ぐため、労務管理用機器やソフトウェアを導入した 記録方法を台帳からICカードに切り替えたことで、始業および終業時刻を正確に管理できるようになった
③インターバル制度を導入するにあたり、業務上の無駄な作業を見直す必要があった 外部の専門家によるコンサルティングを実施した 専門家のアドバイスを受けて業務の抜本的な見直しに成功し、効率的な業務体制構築などにつながった

まとめ

働き方改革推進支援助成金の勤務間インターバル導入コースは、従業員の休憩時間をしっかり確保して労働環境を改善し、業務効率アップや生産性向上などを実現したい中小企業にオススメの制度です。紹介した活用事例も参考に、自社にとって最適な取り組みを実施しましょう。

参考:働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)

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