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賃金上昇は人材を活かすことと生産性の向上で達成する!厚労省「雇用・労働総合政策パッケージ」を確認

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物価上昇を受けて、賃上げを求める声が高まっています。しかし、企業の収益性の確保も課題となる中で、どのようにして賃上げを進めていけばよいのでしょうか。

10月28日に決定した総合経済対策に関連して、政府は雇用・労働総合政策パッケージを策定しました。これはあらゆる層の賃上げを推進する「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージだといいます。

一体どのような雇用政策で、賃金上昇のサイクルを創り出そうとしているのか、今後の支援内容が気になりますね。さっそくチェックしていきましょう。

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この記事の目次

雇用政策についての考え方

これからどのような雇用政策が行われるのかを理解するには、まず、これまでの政策がどのようなものであったか振り返ることからはじめる必要があります。

コロナ禍の緊急的・短期的政策

コロナ禍では、経済状況が不安定化する中で、雇用と暮らしの安定のため雇用維持支援、休業支援を行いました。代表的なところで、雇用調整助成金等の特例措置があります。

しかし、支援の長期化により、足下では人手不足の問題が再び顕在化しはじめ、有効な人材活用は停滞するなどの影響も出てきました。これが、コロナ禍での緊急的・短期的な政策が長期化したことの副作用として指摘されています。

これからを見据えた雇用政策

有効な人材活用を進め、人手不足の問題を解消するためにも、新たな支援への転換が必要です。

今後、個人の自律的なキャリア選択やライフステージに応じた多様な働き方へのニーズはますます高まるものと考えられており、そうした働き方を行いながらも、労働市場での様々な機会を活用しながら、賃金が上昇していく仕組み作りが求められています。

コロナ禍での「雇用と暮らしの安定」のための支援から、「賃金上昇」とそれを支える「多様な働き方」を実現するための支援へ。

これが今後の雇用政策についての基本的な考え方です。そのために、賃上げ支援に加えて、人材育成・活性化賃金上昇を伴う労働移動支援雇用セーフティネットの再整備、の一体的な取り組みを推進していくとしています。

賃金上昇のサイクルを創り出すための4つのポイント

あらゆる層の賃上げを推進するための政策はどのように成り立つのか、下のイメージを見ながら確認しましょう。

▼「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージの取り組み内容のイメージ

出典:「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージ 別紙

必要な要素として「賃金の底上げ」があり、そのために①労働者の賃上げ支援を行います。また「賃上げにつながる人への投資」として、②個人の主体的なキャリア形成を進めます。同時に「賃金上昇を伴う労働移動」として、③安心して挑戦できる労働市場の創造を行います。そして、④多様な働き方の選択を支える環境整備・雇用セーフティネットの再整備でこれら取り組みを行うための土台作りを強力に進める方針であることがわかります。

ではここから、①~④の概要と、助成金の拡充内容等をみていきます。
※【R5 当初予算】は、R5年度の当初予算要求事項

①労働者の賃上げ支援

■労働者の賃上げ支援
₋ 最低賃金の引上げと履行確保
₋ 業務改善助成金の拡充
₋ 働き方改革推進支援助成金の拡充
₋ 労働基準監督署による企業への賃上げ支援等
₋ 賃金引上げのための各種支援策・好事例等の周知広報
₋ キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)の拡充
₋ 同一労働同一賃金の徹底に向けた労働局と監督署の連携

労働者の賃上げ支援として、中小企業が利用しやすくなるような拡充を業務改善助成金で実施するとしています。また、働き方改革推進支援助成金では賃金を引き上げた事業主に対して助成額を加算する「賃上げ加算」を増額する予定です。ほかに、非正規雇用労働者の処遇改善のため、キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)の助成基準の見直しと助成額の拡充を実施するとしています。

②人材の育成・活性化 ~個人の主体的なキャリア形成の促進~

人材の育成・活性化
■個人の主体的なキャリア形成の促進 ₋ 人材開発支援助成金の助成率引上げ等の見直し
₋ 教育訓練給付のデジタル分野等成長分野、土日・夜間対応講座の指定拡大
₋ キャリア形成サポートセンターの拡充【R5 当初予算】
■新たな経験を通じた人材の育成・活性化 ₋ 産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)(仮称)の創設
₋ 産業雇用安定助成金(事業再編型(仮称))の創設【R5 当初予算】
₋ 副業・兼業ガイドラインの周知
₋ 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)(仮称)の創設 等
■ステップアップを通じた人材活用 ₋ キャリアアップ助成金(正社員化コース)の拡充
₋ 産業保健関係助成金を活用した労働者の健康促進支援 等

「個人の主体的なキャリア形成の促進」として、人材開発支援助成金では、労働者が自発的に受講する訓練等を支援する企業への助成率の引上げ等の見直しを行う予定です。また「新たな経験を通じた人材の育成・活性化」としては、賃金上昇につながる在籍型出向によるスキルアップを支援するための産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース(仮称))の創設や、新規事業への進出など事業再編により雇用維持する場合に、必要なコア人材の賃金助成を行う産業雇用安定助成金(事業再編型(仮称))の創設が行われる見込みです。

ほかにも、新規事業の立ち上げなどに伴って職務が変更となる従業員に必要な訓練を行う企業を支援するため、人材開発支援助成金に(事業展開等リスキリング支援コース(仮称))があたらしく設置されます。

また「ステップアップを通じた人材活用」としては、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の拡充を行います。その内容は人材開発支援助成金の「労働者が自発的に受講する訓練」「定額制訓練」修了後に正社員化した場合の加算額を拡充するというものです。

③賃金上昇を伴う労働移動の円滑化 ~安心して挑戦できる労働市場の創造~

賃金上昇を伴う労働移動の円滑化
■労働市場の強化・見える化 ₋ 職業情報提供サイト(日本版O-NET)の整備
₋ 職場情報の開示に関するガイドライン(仮称)の策定 等
■賃金上昇を伴う労働移動の支援 ₋ 労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)の見直し
₋ 中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)の見直し
₋ 求人者に対する求人条件向上指導の強化
₋ 求職者の希望賃金水準に合わせた個別の求人開拓の強化
₋ 特定求職者雇用開発助成金(成長分野人材確保・育成コース)の対象事業主の追加
■継続的なキャリアサポート・就職支援 ₋ 公共職業訓練・求職者支援訓練のデジタル分野の重点化
₋ 受講者の特性に対応した教育訓練手法の構築・普及促進事業【R5 当初予算】
₋ オンライン相談を活用した在職者のハローワークへの誘導・職業相談の実施
₋ 非正規雇用労働者等に対する就職支援プログラムによる早期再就職支援 等

「賃金上昇を伴う労働移動の支援」として、離職を余儀なくされた者の早期再就職を支援する労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)で、前職よりも5%以上賃金の上がる再就職に対して上乗せ助成を行います。また、中途採用の機会拡大を図る中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)では、前職よりも5%以上賃金の上がる中途採用を推進するための要件の見直しを行う予定です。

④多様な選択を力強く支える環境整備・雇用セーフティネットの再整備

多様な選択を力強く支える環境整備・雇用セーフティネットの再整備
■次なる雇用情勢の悪化に備えた雇用保険財政の早期再建 ₋ 雇用保険の財政基盤の安定化に必要な財源確保を図る
■フリーランスが安心して働くことができる環境整備 ₋ フリーランスに対する相談支援等の環境整備事業【R5 当初予算】
₋ フリーランスに係る取引適正化のための法整備 等

多様な選択を支えるために、労働移動円滑化・人への投資への支援の強化に万全を期すとともに、雇用情勢が悪化した場合にも十分な対応を図れるよう、雇用保険の財政基盤の安定化に必要な財源確保を図りますまた、フリーランスの取引を適正化し、個人がフリーランスとして安心して働ける環境を整備するため、関係省庁と連携しつつ、法整備に取り組むとしています。

まとめ

今回は、10月28日に策定された「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージについて調べてみました。

これからは、意欲と能力に応じた「多様な働き方」を可能とし、「賃金上昇」の好循環を実現していくため、中長期も見据えた雇用政策に力点を移していく方針です。

雇用・労働総合政策パッケージで言及された助成金は、以下のとおりです。

  • 業務改善助成金の拡充
  • 働き方改革推進支援助成金の拡充
  • キャリアアップ助成金(正社員化コース)の拡充
  • キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)の拡充
  • 特定求職者雇用開発助成金(成長分野人材確保・育成コース)の対象事業主の追加
  • 労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)の見直し
  • 中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)の見直し
  • 人材開発支援助成金の助成率引上げ等の見直し
  • 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の創設
  • 産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)の創設
  • 産業雇用安定助成金(事業再編型)の創設【R5 当初予算】

最低賃金の引上げ支援、個人のキャリア選択・学びの支援、新たな経験を通じた人材の育成・活性化、ステップアップを通じた人材活用、賃金上昇を伴う労働移動の支援等を目的として、全部で、8つの拡充や見直しが行われる見込みで、新たなコースや型の創設も3つ予定されています。

同時に、フリーランスが安心して働くことができる環境整備や働き方・休み方の多様化、複線的なキャリア選択への対応など、さまざまな選択を支える環境整備・雇用セーフティネットの再整備にも取り組み、これら一体的な取り組みを通して、経済変化に柔軟で、個人の多様な選択を支える「しなやかな労働市場」を実現し、人材の活性化と生産性の向上を通じた賃金上昇のサイクルを目指すとしています。

助成金の拡充内容を含め、今後の動向が注目されます。気になる助成金は引き続きチェックするようにしてください。

参考:厚生労働省「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージを策定しました

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