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労働者の能力を引き出す人材開発支援助成金 人への投資促進コースの活用法

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日本では少子高齢化の影響により、労働人口が減少し続けています。さらには、労働者の価値観や働き方の多様化により、企業ではこれまで以上に労働者の生産性を高めるための取組が求められています。

そこで企業が注目したいのが、人への投資を加速化するための「人材開発支援助成金 人への投資促進コース」です。この記事では、本助成金の訓練メニューのひとつである「労働者の自発的な能力開発の促進」について、概要や助成金活用のメリットを詳しく解説します。

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この記事の目次

労働者の自発的な能力開発の大きなメリット

労働者個人でのスキルアップには限界がありますが、企業が自発的な能力開発を後押しすれば、各々の潜在能力を引き出しやすくなります。労働者はスキルアップに適した環境を与えられることで、企業が自分に期待してくれていると感じ、モチベーションの向上に繋がります。

さらには、労働者一人ひとりのモチベーションが上がれば、それぞれが主体的に働くようになり、組織全体が活性化します。労働者は自分が会社に貢献していると実感することで、困難な仕事にも前向きに取り組むようになるでしょう。

人材開発支援助成金 人への投資促進コースで使えるメニューは?

「人材開発支援助成金 人への投資促進コース」では、国民からの提案を基に下記の5つの訓練を設けています。

①高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練
②情報技術分野認定実習併用職業訓練
③定額制訓練
④自発的職業能力開発訓練
⑤長期教育訓練休暇等制度

出典:人材開発支援助成金 人への投資促進コースのご案内(詳細版)

本記事では、このうちの「自発的職業能力開発訓練」「長期教育訓練休暇等制度」について詳細を解説します。

■両メニューの共通事項は以下のとおりです。

【対象となる事業主】
下記の要件を全て満たす必要があります。

  • 雇用保険適用事業所の事業主である。
  • 「事業内職業能力開発計画」並びに「職業訓練実施計画届」を作成し、計画の内容を労働者へ周知している。
  • 職業能力開発推進者を選任している。
  • 雇用する被保険者を、解雇等の事業主都合により離職させた事業主以外である。
  • 特定受給資格離職者の数を被保険者数で除した割合が、6%を超えている事業主以外である。
  • 助成金支給の審査に必要な書類等を整備し、5年間保存している事業主である。
  • 助成金支給の審査に必要な書類について、管轄労働局長の求めに応じ提出・提示・実地調査協力等が可能な事業主である。

※長期教育訓練休暇等制度のみ、下記の要件も併せて求められます。

  • 従業員が職業訓練を受ける期間中も、賃金を適正に支払う事業主である。

自発的職業能力開発訓練

ここからは、それぞれのコース内容についてみていきましょう。

「自発的職業能力開発訓練」では、労働者が自発的に受講した訓練費用について、費用を負担する事業主に対し助成します。

【事業主の要件】
共通事項の【対象となる事業主】に加え、自発的職業能力開発経費負担制度(※)を定め、かつその制度に則り被保険者へ経費を負担する事業主であるものとします。
(※)被保険者が事業外訓練を自発的に受講する際、事業主が必要な経費の全部もしくは一部を負担する制度

【労働者の要件】
■下記①~④の要件を全て満たす必要があります。
①助成金を受ける予定の事業所で被保険者である。
②訓練実施期間中に被保険者である。
③職業訓練実施計画届時に提出した「訓練別の対象者一覧」に記載されている被保険者である。
④訓練を受講した時間数が、実訓練時間数(総訓練時間数から支給対象外となる時間・訓練内容の時間を除外した時間数)の8割以上である。

■自発的職業能力開発を実施する者とします。
※使用者の指揮命令下での労働時間中に実施される訓練に関しては、自発的とみなされません。自発的と判断されるのは、労働時間外において労働者の申出により実施される訓練です。

〈対象者が訓練を途中でやめた場合〉
労働者が訓練期間の途中で受講を断念した場合、対象訓練の受講時間数が実訓練時間数の8割に達していなければ、助成対象となりません。また、eラーニングと通信制で実施する訓練は、受講時間数にかかわらず訓練を修了していなければ助成対象となりません。

【訓練の要件】

  • 自発的職業能力開発経費負担制度を利用し、被保険者が自発的職業能力開発を実施するための訓練である。
  • 実訓練時間数が20時間以上である。
  • 職務に関連した専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練(職務関連訓練)であること。
  • 事業外訓練であること。

【経費負担制度の要件】

  • 事業主の自発的な訓練の経費補助割合が2分の1以上である。
  • 一般労働者を対象としたものである。
  • 経費補助に関して、被保険者に対し事業主が通貨で直接支払うものである。(事業主が訓練機関へ受講料等を直接支払う場合を除きます)
  • 制度を規定した就業規則もしくは労働協約を労働者へ周知し、制度施行日までに労働基準監督署へ届け出たものである。

【支給対象経費】
受講に必要な入学料・受講料・教科書代等の費用が対象です。支給対象経費の詳細は人への投資促進コースのご案内(詳細版)のP.30をご参照ください。なお、資格試験の受講料等や、労働者本人が独学のために市販の書籍を購入した場合の費用は対象外です。

【助成額】
45%(賃金要件・資格等手当要件を満たした場合は+15%)

〈1事業所が1年度に受給可能な助成金限度額〉
300万円

〈受講者1人当たりの助成金限度額〉
実訓練時間数100H未満 7万円
実訓練時間数100~200H未満 15万円
実訓練時間数200H以上 20万円
大学(1年度当たり) 60万円
大学院(1年度当たり) 国内60万円(海外200万円)

長期教育訓練休暇等制度

次に、「長期教育訓練休暇等制度」のコース内容についてみていきます。長期教育訓練休暇等制度では、教育訓練休暇制度や教育訓練短時間勤務等制度を導入し、労働者の自発的な職業能力開発を促進した事業主を助成します。なお本制度は、下記の2パターンを設けています。

〈①長期教育訓練休暇制度〉
教育訓練を受けるために要する有給・無給の長期休暇を、就業規則等で措置して被保険者に与え、職業能力開発・向上を促進する制度

〈②教育訓練短時間勤務等制度〉
教育訓練を受けるために要する所定労働時間の短縮・免除のいずれも、就業規則等で措置して被保険者に与え、職業能力開発・向上を促進する制度

【事業主の要件】
共通事項の【対象となる事業主】に加え、下記の「支給対象制度の要件」に該当する制度を新たに導入し、被保険者に休暇もしくは短時間勤務等制度を適用させ、その被保険者が訓練を受けた事業主である。

【労働者の要件】
長期教育訓練休暇制度導入・適用計画届の提出日の段階で、当該事業所での被保険者である期間が連続して1年以上である。

【支給対象制度の要件】
■共通事項

  • 制度を規定した就業規則などを全ての労働者へ周知し、制度施行日までに労働基準監督署へ届け出たものである。
  • 事業主以外が実施する教育訓練について、業務命令ではなく労働者が自発的に受講するものである。

〈①長期教育訓練休暇制度の要件〉

  • 就業規則もしくは労働協約に、所定労働日で30日以上の長期教育訓練休暇制度の施行日を明記し規定する。
  • 休暇の取得は、日単位での取得のみとする。

〈②教育訓練短時間勤務等制度の要件〉

  • 就業規則もしくは労働協約に、所定労働日で30回以上の所定労働時間の短縮・免除のいずれも利用可能な教育訓練短時間勤務等制度について、施行日を明記し規定する。
  • 所定労働時間の短縮の制度の適用は1日につき1時間以上所定労働時間未満の範囲で1時間単位で措置できるものとする。

【支給対象制度の適用の要件】
〈①長期教育訓練休暇制度の要件〉

  • 30日以上の教育訓練休暇は10日以上連続して取得する必要があり、うち1回は30日以上連続して取得する。
  • 教育訓練の期間について、連続して取得した休暇期間ごとに、長期教育訓練休暇の取得日数の2分の1以上とする。
  • 休暇取得開始日が、制度導入・適用計画期間(制度導入時から3年間)である。

〈②教育訓練短時間勤務等制度の要件〉

  • 同一の教育訓練機関が実施する一連の15回以上の訓練を含むものである。
  • 制度適用期間(制度導入日から3年間)内に、所定労働時間の短縮・免除の措置を1回以上行う。

【助成額】
長期教育訓練休暇等制度の助成額は、下記表をご参照ください。

出典:人材開発支援助成金 人への投資促進コースのご案内(詳細版)

※経費助成の対象となるのは、上記制度のいずれかを新たに導入し要件の制度を満たした事業主のみであり、長期教育訓練休暇制度を導入済みの事業所は賃金助成のみが対象です。また、賃金要件・資格等手当要件を満たした場合は助成額が加算されます。

〈1事業所が1年度に受給可能な助成金限度額〉
制度導入30万円

助成金活用で従業員が学べる内容とは?

【自発的職業能力開発訓練】
「職務に関する専門的な知識並びに技能の習得」を目的とした訓練とします。なお、職業・職務の種類を問わず必要となる接遇・マナー講習等、社会人の基礎的なスキルを習得するための訓練は対象外です。
また、公共の職業能力開発施設、学校教育法上の教育機関、各種学校、専修学校、認定職業訓練施設、他の事業主団体等が企画し主催している訓練(事業外訓練)を対象とします。

【長期教育訓練休暇等制度】
長期教育訓練休暇等制度は、労働者に長期休暇や労働時間の短縮・免除を与え、自発的な職業能力開発を促進する取組です。よって労働者は、働きながらでも職業能力開発のための訓練を受講しやすくなります。

助成金活用の流れ

「自発的職業能力開発訓練」と「長期教育訓練休暇等制度」の助成金支給の流れは、下記表をそれぞれご参照ください。

出典:人材開発支援助成金 人への投資促進コースのご案内(詳細版)

  • いずれの訓練においても、就業規則等に制度を定める必要がありますが、制度導入のタイミングが計画提出前・計画提出後とそれぞれ異なるためご注意ください。
  • 計画提出の申請期間は、訓練開始日から起算して原則1か月前までとします。
  • 支給申請の申請期間は、訓練終了日から起算して2か月以内(必須)とします。

企業としての助成金活用のメリット

高いスキルを持つ労働者が増えると、企業は成長意欲のある優秀な人材を確保しやすくなります。また、労働者のスキルアップに力を入れている企業であれば、労働者はより長く働けるイメージを持ちやすくなり、人材流出のリスク低減に繋がります。

優秀な人材の定着率が高まることで、企業全体の生産性が向上し、更なる業績アップが期待できます。生産性向上は、企業の競争力を強化する上で欠かせない取組なので、本助成金を活用するメリットは大きいでしょう。

まとめ

労働者(ヒト)は、4大経営資源の中で重要度が高い要素です。企業でどれだけDX化が進み最先端の設備が整っていても、優秀な人材を確保できなければ意味がなくなります。

特に経営基盤が弱い中小企業では、人材育成が思うように進まず、経営に悪影響を及ぼしているケースも少なくありません。労働者一人ひとりの能力を上げ、確実に生産性を向上させたいとお考えの対象企業は、ぜひ「人材開発支援助成金 人への投資促進コース」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:人材開発支援助成金 人への投資促進コースのご案内(詳細版)

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