「補助金を申請したいが、採択されるか不安」「審査で少しでも有利になる方法はないか」――こうした悩みを抱える中小企業の経営者やご担当者は多いのではないでしょうか。ものづくり補助金(14次締切)の公式データでは、加点項目が0個の申請者の採択率は34.0%だったのに対し、3個では63.3%、4個では71.4%と、加点の数が多いほど採択率が高い傾向が示されています。
そこで押さえておきたいのが、厚生労働省の「くるみん認定」と「えるぼし認定」です。どちらも子育て支援・女性活躍に取り組む企業を国が認定する制度で、デジタル化・AI導入補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の加点になるほか、賃上げ促進税制の控除率の上乗せにも使えます。
一方で、制度は年々変わっています。くるみん認定は2025年4月に男性の育児休業等取得率の基準が10%以上から30%以上へと大きく引き上げられました。えるぼし認定も2026年4月から、女性の健康支援に取り組む企業向けの「えるぼしプラス」が新設されています。
この記事では、くるみん認定とえるぼし認定の違い、加点・優遇が受けられる補助金と税制、最新の認定基準、取得方法と期間の目安までをわかりやすく解説します。
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この記事の目次
くるみん認定・えるぼし認定とは?補助金で加点される2つの国の認定
くるみん認定は「子育てサポート企業」、えるぼし認定は「女性の活躍推進企業」として、厚生労働大臣が企業を認定する制度です。どちらも一般事業主行動計画を策定・届出したうえで、一定の基準を満たした企業が都道府県労働局に申請して取得します。
一般事業主行動計画とは、従業員が仕事と子育てを両立できる環境づくりや、女性の活躍推進について、企業が「目標」「取り組み内容」「実施時期」をまとめた計画のことです。常時雇用する労働者が101人以上の企業は策定・届出が義務、100人以下の企業は努力義務とされています。
- くるみん認定:次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」の認定
- えるぼし認定:女性活躍推進法に基づく「女性の活躍推進企業」の認定
- どちらも取得すると、デジタル化・AI導入補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金で加点される
- 賃上げ促進税制では、くるみん以上またはえるぼし2段階目以上で控除率が5%上乗せされる
- 認定マークを商品・広告・求人に表示でき、採用PRにも使える
くるみん認定とえるぼし認定の違いは?根拠法・テーマ・段階を比較
くるみん認定とえるぼし認定の最大の違いは、評価するテーマです。くるみんは「仕事と子育ての両立支援」、えるぼしは「女性の活躍推進」を評価し、根拠となる法律も異なります。くるみん認定では、男性・女性の育児休業等取得率や時間外労働の少なさが重視されます。えるぼし認定では、女性の採用・継続就業・管理職比率など、女性が働き続けてキャリアを築ける環境かどうかが評価されます。
| 項目 | くるみん認定 | えるぼし認定 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 次世代育成支援対策推進法(次世代法) | 女性活躍推進法 |
| 評価のテーマ | 仕事と子育ての両立支援 | 女性の活躍推進 |
| 重視される指標 | 男性・女性の育児休業等取得率、時間外労働 | 採用、継続就業、労働時間、管理職比率、多様なキャリアコース |
| 認定の種類 | トライくるみん/くるみん/プラチナくるみん(+プラス認定) | えるぼし1〜3段階目/プラチナえるぼし(+えるぼしプラス) |
| 申請のタイミング | 行動計画の計画期間(2年以上5年以下)が終了し、目標を達成した後 | 行動計画を届け出た後、実績が基準を満たしていれば申請可能 |
| 行動計画の公表先 | 両立支援のひろば | 女性の活躍推進企業データベース |
| 申請先 | 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室) | |
両方の認定を取得することも可能です。子育て支援と女性活躍は重なる取り組みも多いため、まずは自社の実績で届きやすいほうから検討するとよいでしょう。
くるみん・えるぼしで加点・優遇が受けられる補助金と税制は?【2026年】
2026年9月時点で、くるみん認定・えるぼし認定が加点や優遇の対象になる主な国の制度は、次のとおりです。制度によって「認定の取得が必要」か「行動計画の公表だけでよい」かが異なる点に注意しましょう。
| 制度 | 扱い | 対象となる認定・条件 |
|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 加点(全枠共通) | くるみん(トライ・プラチナ含む)、えるぼし(1〜3段階目・プラチナ)の認定取得 |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 加点(通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠) | くるみん・えるぼし認定の取得 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 政策加点「一般事業主行動計画策定加点」 | 従業員100人以下で、行動計画を所定のサイトに公表 |
| 賃上げ促進税制(中小企業向け) | 税額控除率を5%上乗せ | くるみん以上、またはえるぼし2段階目以上など |
| くるみん助成金 | 最大50万円を助成 | くるみん認定等を受けた常時雇用300人以下の事業主 |
加点項目は公募回ごとに見直されます。申請する回の公募要領で、対象となる認定の種類と「申請締切日時点で取得済みであること」などの時点要件を必ず確認してください。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧ものづくり補助金)での扱いは?
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、くるみん認定とえるぼし認定がいずれも全枠共通の加点項目です。第1回公募要領では、加点項目は全17項目となっています。
この補助金には、くるみんに関係するルールがあと2つあります。1つ目は、次世代法の一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」に公表していることが、全申請者の基本要件(ワークライフバランス要件)になっている点です。行動計画の公表は加点ではなく、申請の前提条件です。
2つ目は、プラチナくるみん・くるみん・トライくるみんのいずれかを取得していれば、基本要件の「子育て等に関する職場環境整備に向けた取り組み要件」が免除される点です。くるみん認定は、加点と要件免除の両面でメリットがあります。
デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)での扱いは?
デジタル化・AI導入補助金2026では、「くるみん・えるぼし認定」が通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠の加点項目に入っています(2026年6月3日更新の加点項目一覧)。
比較的申請しやすい補助金のため、認定を取得済みの企業は加点を確実に活用したいところです。制度の全体像は、以下の記事で解説しています。
小規模事業者持続化補助金での扱いは?
小規模事業者持続化補助金では、政策加点の1つとして「一般事業主行動計画策定加点」が設けられています。従業員100人以下の事業者が、女性活躍推進法に基づく行動計画を「女性の活躍推進企業データベース」に、または次世代法に基づく行動計画を「両立支援のひろば」に公表していれば対象になります。
認定を取得していなくても狙える点が大きな特徴です。ただし、行動計画の計画期間に公募締切日と補助事業の終了予定日が含まれている必要があります。また、政策加点は1種類しか選べないため、ほかの政策加点と比べてどれを選ぶか検討しましょう。
賃上げ促進税制ではどのくらい優遇される?
中小企業向けの賃上げ促進税制では、くるみん・えるぼし認定を取得すると税額控除率が5%上乗せされます。対象は、適用事業年度中に「くるみん」「くるみんプラス」「えるぼし(2段階目以上)」「えるぼしプラス(2段階目以上)」を取得した場合などです。
えるぼし1段階目とトライくるみんは、中小企業向けの上乗せ対象に含まれていません。税制の優遇も狙うなら、くるみん、またはえるぼし2段階目以上を目標にするとよいでしょう。控除率の早見表や改正内容は、以下の記事で解説しています。
くるみん・えるぼしで使える助成金はある?
くるみん認定を受けた常時雇用300人以下の事業主は、子育て支援の環境整備にかかった費用を最大50万円助成する「くるみん助成金」(中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業)を利用できます。令和8年度は2026年5月27日から2027年2月5日まで申請を受け付けています。
えるぼし認定そのものを要件とする国の助成金は、2026年9月時点では確認できませんでした。女性の雇用環境整備に使える助成金は、以下の記事でまとめています。
くるみん・えるぼしの加点で採択率はどのくらい変わる?
加点項目の数と採択率には、はっきりした相関があります。ものづくり補助金(14次締切)の公式データポータルによると、加点項目数ごとの採択率は次のグラフのとおりです。
加点が0個の申請者の採択率34.0%に対し、4個では71.4%と、約2倍の差がついています。くるみん・えるぼし認定は、パートナーシップ構築宣言や事業継続力強化計画などと並ぶ加点項目の1つとして、採択の可能性を高める手段になります。
ただし、このデータは旧ものづくり補助金の14次締切(2023年)のもので、現行の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の結果ではありません。加点は審査の一部にすぎず、事業計画の中身が評価の中心である点も押さえておきましょう。
くるみん認定の種類と認定基準は?【2025年4月改正後】
くるみん認定には、トライくるみん・くるみん・プラチナくるみんの3種類があり、それぞれに不妊治療と仕事の両立支援を評価する「プラス認定」を追加できます。2025年4月1日の改正で、くるみんの男性の育児休業等取得率の基準は10%以上から30%以上に引き上げられました。
| 種類 | 概要 |
|---|---|
| トライくるみん | 2022年4月に創設された、くるみんより基準がやや緩やかな認定。取得すれば、くるみんを経ずにプラチナくるみんへ申請できる |
| くるみん | 行動計画の目標達成など、10項目の認定基準を満たした企業が受けられる基本の認定 |
| プラチナくるみん | くるみん・トライくるみん認定企業のうち、より高い水準の取り組みを行った企業の特例認定。行動計画の策定・届出が不要になる代わりに、毎年の取り組み状況の公表が必要 |
| プラス認定 | 各認定の基準に加え、不妊治療と仕事の両立支援に関する基準を満たすと付与される。マークに「プラス」を追加表示できる |
くるみん認定の主な基準は?男性育休取得率30%以上が必要
現行のくるみん認定では、男性の育児休業等取得率30%以上(育児目的休暇とあわせて50%以上)、女性の育児休業等取得率75%以上などが求められます。改正前後の主な基準は、次のとおりです。
| 基準 | トライくるみん | くるみん | プラチナくるみん |
|---|---|---|---|
| 男性の育児休業等取得率 | 10%以上(改正前7%) | 30%以上(改正前10%) | 50%以上(改正前30%) |
| 男性の育児休業等+育児目的休暇の取得率 | 20%以上(改正前15%) | 50%以上(改正前20%) | 70%以上(改正前50%) |
| 女性の育児休業等取得率 | 75%以上 | 75%以上(有期雇用の女性労働者も75%以上) | 75%以上(有期雇用の女性労働者も75%以上) |
| 時間外労働 | フルタイム労働者等の法定時間外・休日労働の平均が各月45時間未満 | フルタイム労働者等の平均が各月30時間未満、または25〜39歳の平均が各月45時間未満 | くるみんと同じ |
このほか、適切な行動計画の策定(計画期間2年以上5年以下)、目標の達成、計画の公表・周知、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進などの措置の実施が求められます。
グラフのとおり、くるみん認定の男性育休の基準は3倍に上がりました。改正前の基準で取得を検討していた企業は、自社の男性の育児休業等取得率を改めて確認しておきましょう。
改正前の基準で申請できる経過措置はある?
2025年4月の改正には経過措置があり、一定の条件のもとで2027年3月31日までは改正前の基準による申請も認められています。対象となる計画期間などの条件は細かく定められているため、申請前に都道府県労働局で確認してください。
くるみん認定の申請方法は?
くるみん認定は、行動計画の計画期間が終了し目標を達成した後、申請書に必要書類を添付して、郵送・持参・電子申請(e-Gov)のいずれかで都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)に申請します。認定の審査を経て、基準を満たしていれば認定通知書が交付されます。
えるぼし認定の段階と5つの評価基準は?
えるぼし認定は、「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つの評価項目のうち、いくつを満たすかで1〜3段階目が決まります。さらに優良な企業は、最上位の「プラチナえるぼし」を取得できます。
| 評価項目 | 主な基準 |
|---|---|
| 採用 | 男女別の採用における競争倍率が同程度であること、または正社員に占める女性の割合が産業ごとの平均値以上であること |
| 継続就業 | 女性の平均継続勤務年数が男性の7割以上であること、または10事業年度前とその前後に採用した女性の継続雇用割合が男性の8割以上であること |
| 労働時間等の働き方 | 雇用管理区分ごとの労働者の法定時間外労働・法定休日労働の合計時間の平均が、すべての月で45時間未満であること |
| 管理職比率 | 管理職に占める女性の割合が産業ごとの平均値以上であること、または課長級より1つ下の職階から課長級への女性の昇進割合が男性の8割以上であること |
| 多様なキャリアコース | 直近3事業年度に、非正社員から正社員への転換、過去に在籍した女性の正社員としての再雇用、30歳以上の女性の正社員採用などの実績があること(大企業は2項目以上、中小企業は1項目以上) |
| 段階 | 認定の要件 |
|---|---|
| えるぼし1段階目 | 5項目のうち1〜2項目を満たし、実績を「女性の活躍推進企業データベース」で公表。満たさない項目は取り組みを実施し、実績が改善していること |
| えるぼし2段階目 | 5項目のうち3〜4項目を満たし、実績を公表。満たさない項目は取り組みを実施し、実績が改善していること |
| えるぼし3段階目 | 5項目すべてを満たし、実績を公表していること |
| プラチナえるぼし | 5項目すべてを満たし、行動計画の目標を達成していることに加え、情報公表項目を8項目以上公表しているなど。取得後は行動計画の策定・届出が免除される |
えるぼし認定は2026年4月に何が変わった?
2026年4月1日施行の改正女性活躍推進法にあわせて、えるぼし認定には主に3つの変更がありました。
- えるぼしプラス・プラチナえるぼしプラスの創設:女性の健康上の特性に配慮した休暇制度の整備、方針の周知、研修、相談体制の整備などの基準を満たすと取得できる
- えるぼし1段階目などの改善実績の見方の見直し:満たさない項目の「実績の改善」を、単年度の比較に加えて3事業年度の平均値で比較する方法も選べるようになった
- 情報公表義務の拡大:従業員101人以上の企業に、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務づけられた
えるぼしプラスは、女性活躍推進に関する基準も満たす必要があり、女性の健康支援の取り組みだけでは認定されません。なお、賃上げ促進税制では「えるぼしプラス(2段階目以上)」も上乗せの対象です。
えるぼし認定の申請方法は?
えるぼし認定は「基準適合一般事業主認定申請書」(様式第1号)、プラチナえるぼし認定は「基準適合認定一般事業主認定申請書」(様式第2号)を使用します。申請書に必要書類を添付し、郵送・持参・電子申請(e-Gov)のいずれかで都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)に申請します。
くるみん・えるぼしの取得方法は?認定から補助金加点までの5ステップ
くるみん・えるぼしを補助金に活かすには、行動計画の策定から認定取得、補助金申請までを順に進めます。くるみんは計画期間(最短2年)の終了後でないと申請できないため、早めの着手が欠かせません。
各ステップのポイントは次のとおりです。
| ステップ | 内容とポイント |
|---|---|
| STEP1 現状把握 | 男女別の育児休業等取得率、時間外労働の月平均、女性の採用・管理職比率などを集計し、どちらの認定に届きやすいかを判断する |
| STEP2 行動計画の策定・届出・公表 | 計画を策定して社内に周知し、労働局へ届け出る。次世代法の計画は「両立支援のひろば」、女性活躍推進法の計画は「女性の活躍推進企業データベース」で公表する |
| STEP3 計画の実行 | くるみんは計画期間(2年以上5年以下)中に目標を達成する。えるぼしは実績データが基準を満たすよう取り組みを進める |
| STEP4 認定申請 | 基準を満たしたら、都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)に申請する |
| STEP5 補助金申請 | 公募要領で加点の対象と時点要件を確認し、申請時に認定通知書の写しなどを提出する |
くるみん・えるぼしの取得にはどのくらい時間がかかる?
くるみん認定は、行動計画の計画期間が最短でも2年必要なため、ゼロから始めると取得まで2年以上かかります。えるぼし認定は、行動計画の届出後、すでに実績が基準を満たしていれば比較的早く申請できますが、審査には一定の期間がかかります。
いずれにしても、補助金の締切直前に準備を始めても間に合いません。取得を目指すなら、次の公募ではなく1〜2年先の申請を見据えて計画を立てることが大切です。
補助金の締切までに認定が間に合わないときは?
従業員100人以下の企業であれば、行動計画を策定して所定のサイトに公表するだけで、小規模事業者持続化補助金の「一般事業主行動計画策定加点」を狙えます。公表の手続きには1〜2週間程度かかるとされているため、締切から逆算して余裕をもって進めましょう。
また、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金に申請する場合は、次世代法の行動計画の公表そのものが基本要件です。加点の有無にかかわらず、早めに「両立支援のひろば」への公表を済ませておく必要があります。
くるみん・えるぼし認定と補助金加点に関するよくある質問
くるみん認定とえるぼし認定の違いは何ですか?
くるみん認定は次世代育成支援対策推進法に基づく「子育てサポート企業」の認定で、男女の育児休業等取得率や時間外労働が評価されます。えるぼし認定は女性活躍推進法に基づく「女性の活躍推進企業」の認定で、女性の採用・継続就業・管理職比率などが評価されます。申請先はどちらも都道府県労働局です。
くるみん認定とえるぼし認定は両方取得できますか?
両方取得できます。根拠法と評価の軸が異なるため、それぞれの一般事業主行動計画を策定し、基準を満たせば別々に申請できます。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、くるみん認定とえるぼし認定が別々の加点項目になっています。
くるみん・えるぼしはどの補助金で加点されますか?
2026年9月時点では、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(全枠共通)とデジタル化・AI導入補助金2026(通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠)で加点項目になっています。小規模事業者持続化補助金では、従業員100人以下の事業者が行動計画を公表していれば政策加点の対象になります。加点項目は公募回ごとに変わるため、必ず最新の公募要領で確認してください。
従業員100人以下なら認定がなくても加点されますか?
小規模事業者持続化補助金では、従業員100人以下の事業者が女性活躍推進法または次世代法に基づく行動計画を所定のサイトに公表していれば、「一般事業主行動計画策定加点」の対象になります。一方、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金やデジタル化・AI導入補助金2026の加点には、認定の取得が必要です。
加点があると採択率はどのくらい変わりますか?
ものづくり補助金(14次締切)の公式データでは、加点項目が0個の採択率は34.0%、1個で40.0%、2個で51.6%、3個で63.3%、4個で71.4%でした。くるみん・えるぼし認定は、こうした加点項目の1つとして採択の可能性を高める手段になります。
くるみん認定の男性育休取得率の基準は何%ですか?
2025年4月1日の改正後は、くるみんが30%以上(育児目的休暇とあわせて50%以上)、トライくるみんが10%以上(同20%以上)、プラチナくるみんが50%以上(同70%以上)です。改正前はそれぞれ10%、7%、30%でした。一定の条件のもとで2027年3月31日までは改正前の基準で申請できる経過措置があります。
えるぼし認定は2026年4月に何が変わりましたか?
女性の健康支援に取り組む企業を認定する「えるぼしプラス」「プラチナえるぼしプラス」が新設されました。あわせて、満たさない評価項目の実績改善を3事業年度の平均値で比較する方法も選べるようになり、従業員101人以上の企業には男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務づけられました。
くるみん・えるぼし認定を取るにはどのくらい時間がかかりますか?
くるみん認定は、行動計画の計画期間(2年以上5年以下)が終了し、目標を達成してから申請するため、ゼロから始めると2年以上かかります。えるぼし認定は、行動計画の届出後に実績が基準を満たしていれば申請できるため、くるみんより早く取得できる場合があります。
くるみん・えるぼし認定の申請先はどこですか?
どちらも、本社所在地を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が申請先です。申請書に必要書類を添付し、郵送・持参・電子申請(e-Gov)のいずれかで提出します。
えるぼし1段階目でも補助金や税制の優遇は受けられますか?
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、えるぼし1〜3段階目とプラチナえるぼしのいずれも加点対象です。一方、中小企業向けの賃上げ促進税制の5%上乗せは、えるぼし2段階目以上(またはくるみん以上など)が条件のため、1段階目は対象外です。
くるみん認定を取ると新事業進出・ものづくり商業サービス補助金で何が有利になりますか?
くるみん認定(トライ・プラチナを含む)は全枠共通の加点項目です。さらに、基本要件の「子育て等に関する職場環境整備に向けた取り組み要件」が免除されます。なお、次世代法の行動計画を「両立支援のひろば」に公表することは、認定の有無にかかわらず全申請者の基本要件です。
えるぼし認定で使える助成金はありますか?
えるぼし認定そのものを要件とする国の助成金は、2026年9月時点では確認できませんでした。くるみん認定については、常時雇用300人以下の事業主が最大50万円を受けられる「くるみん助成金」があります。えるぼし認定は、補助金の加点や賃上げ促進税制の上乗せで活用するのが中心です。
認定には補助金の加点以外のメリットはありますか?
あります。くるみんマーク・えるぼしマークを商品・広告・求人票などに表示でき、子育て支援や女性活躍に取り組む企業としてPRできます。公共調達での加点評価や、賃上げ促進税制の控除率の上乗せなど、補助金以外の優遇もあります。
事業再構築補助金でも加点されますか?
事業再構築補助金は新規の公募を終了しているため、現在は加点を活用できません。2026年度は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金やデジタル化・AI導入補助金2026など、現行の補助金で加点を活用してください。
まとめ
くるみん認定とえるぼし認定は、子育て支援・女性活躍に取り組む企業を国が認定する制度です。2026年9月時点では、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とデジタル化・AI導入補助金2026の加点になるほか、賃上げ促進税制の控除率の5%上乗せにも使えます。従業員100人以下なら、行動計画の公表だけで小規模事業者持続化補助金の加点を狙える点も覚えておきましょう。
一方で、くるみん認定は2025年4月に男性育休取得率の基準が30%以上へ引き上げられ、えるぼし認定は2026年4月にえるぼしプラスが新設されるなど、基準は変わり続けています。くるみんは取得まで最短でも2年かかるため、補助金の申請を見据えるなら、まずは行動計画の策定・公表から早めに着手してみてはいかがでしょうか。
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