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卵子凍結の助成金!東京都の雇用就業支援まとめ

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企業では、従業員の職場環境の整備の重要性が高まっています。とくに価値観やライフスタイルが多様化した現在では、「子育てと両立したい」「病気と闘いながら仕事したい」といった幅広い希望を汲み取り、個人のニーズを踏まえた職場環境の整備が必須となっています。

とはいえ、職場環境の整備にはコストがかかり「資金的に難しい」という企業も多いでしょう。

今回の記事では、上記のような企業で活用しやすい、卵子凍結の助成金など東京都の雇用就業支援について紹介します。自社の状況と照らし合わせて、活用できるものがないか検討してみてください。

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この記事の目次

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「働く人々の事情に合わせたサポート」で快適な職場環境を実現

従業員が快適に働き続けるには、「個人の事情に合わせたサポート」が不可欠です。例えば「家族の介護のために勤務時間を見直したい」「病気を抱えているので無理のない範囲で業務を担当したい」といった事情が考えられます。

とくに女性の社会進出が加速する現在では、「妊娠・出産や子育てと仕事を両立させたい」といったニーズに応えられる職場環境の整備が、企業には求められるでしょう。

今回の記事では、上記のような幅広いニーズに応えたうえで雇用就業支援を実施できる、3つの「東京都の助成事業」を紹介します。

  • 東京都働きやすい職場環境づくり推進奨励金
  • 東京都難病・がん患者就業支援奨励金
  • 働く女性のライフ・キャリアプラン応援事業

働きやすい職場環境づくりのほか、疾患をお持ちの方や女性が快適に働けることを目指す事業をまとめています。自社の従業員の状況に該当するものがあれば、積極的に活用しましょう。

東京都働きやすい職場環境づくり推進奨励金

東京都働きやすい職場環境づくり推進奨励金とは、「育児」「介護」「病気治療」と仕事の両立に向けた取り組みを推進する、都内中小企業等を支援する奨励金です。快適な雇用環境の整備を促進することを目的として、以下2つのプランがあります。

プラン名 概要
働きやすい職場環境づくり推進プラン 「育児や介護の両立を目指した制度の整備」「男性の育児参加を促進する制度の整備」といった取り組みを行う企業に奨励金を交付
ライフイベントと仕事の両立スキルアップ応援プラン ライフイベントと仕事を両立できるような「スキルアップ支援制度」を新規で整備する企業に奨励金を交付

奨励対象事業者の要件

本奨励金では、以下のような要件を「奨励金申請日から奨励事業終了後の実績報告日までの全期間」で満たしている事業者が対象です。

主な要件
都内で事業を営んでいる中小企業等である
都内勤務で常時従業員を2名以上雇用している
就業規則を労働基準監督署に届け出ている
ハラスメント防止の措置を取っている
テレワーク制度等について、就業規則やその他の社内規程、労働協約に明文化している

また、上記に加え「プランごとの要件」も設けられています。例えば「働きやすい職場環境づくり推進プラン 」の要件の一例は、以下の通りです。

  • 次世代育成支援対策推進法第12条に基づく一般事業主行動計画を届け出ている
  • 新たに整備する制度が、就業規則等あるいは労働協約に定められていない
  • ジョブリターン制度が就業規則等、あるいは労働協約に定められていない

奨励金交付額

奨励金交付額は、プラン内のコースごとで細かく定められています。例は以下の通りです。

プラン名 主なコースおよび交付額
働きやすい職場環境づくり推進プラン 育児と仕事の両立制度整備事業:20万円、男性の育児参加推進事業:20万円、介護と仕事の両立推進事業:40万円
ライフイベントと仕事の両立スキルアップ応援プラン 仕事と両立できるようスキルアップ支援制度を新たに整備:20万円

事業実施期間とスケジュール

各プランおよびコースの事業期間は「3ヶ月」です。期間は延長できません。令和6年度における事業の実施スケジュールは以下の通りです。

交付決定日(事業開始日) 事業実施期間(3ヶ月以内)
第1回 8月1日 8月1日〜10月31日
第2回 9月1日 9月1日〜11月30日
第3回 10月1日 10月1日〜12月31日
第4回 11月1日 11月1日〜令和7年1月31日
第5回 12月1日 12月1日〜令和7年2月28日

【申請スケジュール】
大まかな申請スケジュールは以下の通りです。

1.東京都労働相談情報センターへ「事前エントリー(申請の手引きp.12参照)」を行う
2.結果が届いたら「事業計画書兼交付申請書(p.14参照)」を提出する
3.東京都労働相談情報センターが審査を行う
4.交付決定通知が決まったら「奨励事業を実施(p.21参照)」する
5.東京都労働相談情報センターへ実績報告書(p.65参照)を提出する
6.金額決定後に奨励金請求書(p.72参照)を提出して奨励金を受け取る

東京都働きやすい職場環境づくり推進奨励金の詳細は「申請の手引き」をご確認ください。

東京都難病・がん患者就業支援奨励金

東京都難病・がん患者就業支援奨励金とは、難病やがんなどを抱える方が安心して活躍できる社会を実現するための制度です。

事業主が、難病やがん患者の方に対し「新規雇用する」「雇用後の職場定着を図る」「休職からの職場復帰を支援する」などを行い、治療と仕事の両立に向けた取り組みを推進した場合に、奨励金が支給されます。

事業主へ支給する奨励金の種類は、以下の3つです。

  • 採用奨励金
  • 雇用継続助成金
  • 制度導入加算

支給対象の従業員と支給対象事業主

「難病患者あるいはがん患者である、かつ以下の要件に該当する」従業員を雇用している場合、支給対象となります。

主な要件
疾患や治療によって就業上での配慮が必要であり、配慮事項を事業主と相談して就業することを希望している
疾患に関する助言や必要な情報などについて、医師から提供を受ける
雇用日から6ヶ月以上、継続雇用されている

【支給対象事業主】
支給対象事業主の主な要件は以下のとおりです。

  • 過去5年間に、労働関係法令や障害者虐待防止法などの重大な法令違反がない
  • 都税を滞納していない
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項に規定する風俗営業、同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業、同条第1 項に規定する接客業務受託営業、および類する事業を行っていない
  • 支給申請日および支給決定日に倒産していない 等

支給金額

支給金額は奨励金の種類ごとで異なります。

採用奨励金 ・週所定労働時間20時間以上:60万円/人
・週所定労働時間10時間以上20時間未満:40万円/人
雇用継続助成金 ・復職時の週所定労働時間20時間以上:60万円/人
・復職時の週所定労働時間10時間以上20時間未満:40万円/人
制度導入加算 上記に加算して1制度導入ごとに10万円(最大30万円)

申請方法

大まかな申請方法は以下の通りです。

1.支援計画書など(提出書類は申請の手引きp.7〜8を参照)を提出する。該当従業員の雇用日あるいは復職日の翌日から起算して2ヶ月以内の提出が必須。
2.支給申請書など(提出書類は申請の手引きp.8を参照)を提出する。該当従業員の雇用日あるいは復職日から5ヶ月経過した日から起算して1ヶ月以内の提出が必須。
3.審査後、支給決定通知書が送付される。
4.実績報告書など(提出書類は申請の手引きp.9を参照)を提出する。雇用日あるいは復職日から6ヶ月雇用が継続した日の翌日から起算して1ヶ月以内の提出が必須。
5.支給金額の確定通知書を受領する

東京都難病・がん患者就業支援奨励金の詳細は「申請の手引き」をご確認ください。

卵子凍結の助成金「働く女性のライフ・キャリアプラン応援事業」

働く女性のライフ・キャリアプラン応援事業とは、将来的に子どもを産んで育てることを希望しつつ、働きたい女性の選択肢を増やすための事業です。「卵子凍結」に関する正しい知識が浸透し適切に活用されるよう、セミナーや助成金といった形で普及啓発を実施しています。

この応援事業には以下4つがあります。

  1. 働く女性のライフ・キャリアプラン応援シンポジウム
  2. 働く女性のライフ・キャリアプラン応援セミナー
  3. 働く女性のライフ・キャリアプラン応援事業自主セミナー助成金
  4. 働く女性のライフ・キャリアプラン応援事業制度整備助成金

今回は働く女性のライフ・キャリアプランの「自主セミナー助成金」「応援事業制度整備助成金」について解説します。

働く女性のライフ・キャリアプラン応援事業 自主セミナー助成金

自主セミナー助成金とは、都内企業等が「卵子凍結に関する情報提供」を含め、女性従業員のライフ・キャリア形成をテーマとした自主セミナーを実施する際に支給される助成金です。自主セミナーの取り組みを支援し、卵子凍結の正しい知識を広めることを目的としています。

【助成対象事業者の要件】
「交付申請時から助成事業実施期間内での取り組み終了日まで」を通して、以下の要件を満たしている事業者が対象です。

都内で事業を営んでいる企業等である
就業規則を作成して事業所を管轄する労働基準監督署に届け出ている
都内で常時勤務する従業員を2人以上、かつ6ヶ月以上継続して雇用している
都のホームページへの企業名等の公表に同意している
厚生労働大臣の指針に基づき、セクハラ等を防止する措置を実施している
都税を滞納していない
過去5年間に重大な法令違反等がない
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項に規定する風俗営業、同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業、同条第13項に規定する接客業務受託営業および類する事業を行っていない
暴力団員等ではない

助成金交付額

定額4万円

交付申請受付期間

令和6年5月9日(木)~令和7年2月7日(金)

郵送の場合は「締切日の消印有効」です。申請は「先着順」であり、期間中でも申請数が予定社数(100社)に到達した場合は締め切ります。そのため、申請前に必ず「TOKYOはたらくネット」で受付が終了していないか確認しましょう。

助成事業実施期間

申請企業が以下の期間内で、交付申請時に「事業開始日〜事業終了日」を設定しましょう。
令和6年6月10日(月)~令和7年3月14日(金)
交付申請時に設定した助成事業実施期間は変更できないため要注意です。

取り組み内容

助成事業実施期間内に、以下の条件すべてを満たすセミナーを実施する必要があります。

交付申請時に設定した助成事業実施期間(令和6年6月10日~令和7年3月14日)内に実施している
女性従業員のライフ・キャリアプラン形成(女性のキャリアパスやダイバーシティの推進など)をテーマとしたセミナーである
セミナーの全部あるいは一部パートを、外部講師に依頼している
セミナー内で、卵子凍結に関する知識・情報を提供するパートを設けている。また、該当パートは東京都が提供する資料を使用して実施している
都内勤務の従業員を対象としたセミナーである(オンライン可)

手続きの流れ

1.申請受付中であることを確認する
2.交付申請書類を提出する
3.審査が実施される(必要に応じて現地調査も実施される)
4.交付決定通知を受け取る
5.対象事業を実施する
6.実績報告書を提出する
7.事業に対しての審査が実施される(必要に応じて現地調査も実施される)
8.金額が確定し、助成金が振り込まれる

詳細は「申請の手引き(電子・郵送と共に同一)」をご確認ください。

働く女性のライフ・キャリアプラン応援事業 応援事業制度整備助成金

応援事業制度整備助成金とは、都内企業等が常時雇用する従業員への「卵子凍結に係る制度整備」に取り組む際、助成金を支給する制度です。企業の卵子凍結に係る職場環境の整備推進を目的としています。

以下いずれか、あるいは両方を選択できます。

卵子凍結のための休暇制度等整備事業
卵子凍結のための福利厚生制度整備事業

助成対象事業者の要件

助成金申請日から助成事業終了日までの全期間で、以下すべてを満たすことが必要です。

都内で事業を営んでいる企業等である
就業規則本則および付属規程を作成し、事業所を管轄する労働基準監督署に届け出ている
(卵子凍結のための休暇制度等整備事業の場合)新たに休暇制度が、就業規則本則あるいは付属規程に明文化されていない
(卵子凍結のための福利厚生制度整備事業の場合)新たに申請する福利厚生制度が、就業規則本則あるいは付属規程に明文化されていない
都内で常時勤務する従業員を2人以上、かつ6ヶ月以上継続雇用している
労務管理担当者および労働者に対する研修(業務研修を含む)
都内勤務の女性従業員(申請日現在40歳未満)が1名以上いる
知事がホームページ等で企業名等を公表することに同意している
労働関係法令に関する規定を満たしている
ハラスメント等を防止する措置を取っている
都税を滞納していない
過去5年間に重大な法令違反等がない
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項に規定する風俗営業、同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業、同条第13項に規定する接客業務受託営業および類する事業を行っていない
暴力団員等ではない
東京都事業についての情報提供を受けることに同意している
企業等の代表者が、過去に本助成金の同一事業を利用あるいは申請していない

助成金交付額

  • 卵子凍結のための休暇制度等整備事業:20 万円
  • 卵子凍結のための福利厚生制度整備事業:40 万円

年間スケジュール

応援事業制度整備助成金では、申請前の「事前エントリー」が必要なため注意しましょう。

1.事前エントリー受付期間:8月1日(木)10時~8月19日(月)17時
2.申請書類提出期限:9月13日(金) *電子申請の場合は17時まで
3.助成事業実施期間:10月16日(水)~1月15日(水)
4.報告書類提出期限:1月 31 日(金) *電子申請の場合は17時まで

助成事業における取り組み内容

具体的に取り組むべき内容は「卵子凍結のための休暇制度等整備事業(以下A)」「卵子凍結のための福利厚生制度整備事業(以下B)」で異なります。ただし、いずれの取り組みも「A+B」で合わせて実施可能です。

1.A・B共に実施が必要
社内意向調査の実施
社内相談体制の整備
社内研修の実施
社内説明会の実施
2.Aのみ実施が必要
卵子凍結のための休暇制度の整備
卵子凍結のためのテレワーク制度等の整備
3.Bのみ実施が必要
卵子凍結のための福利厚生制度の整備

手続きの流れ

1.事前エントリーに申請する
2.事前エントリーの抽選に当選したら交付申請書類を提出する
3.審査が実施される(必要に応じて現地調査も実施される)
4.交付決定通知を受け取る
5.助成事業を実施する
6.報告書を提出する
7.事業に対しての審査が実施される(必要に応じて現地調査も実施される)
8.金額が確定し、助成金が振り込まれる

詳細は「募集要項(電子・郵送で同一)」をご確認ください。

まとめ

東京都では、卵子凍結を含め今後のキャリアについて考える従業員を支援する企業などに対しサポートを提供しています。子育てや介護、病気など、さまざまな事情を抱える従業員に快適な職場環境を提供したい企業は、ぜひ今回紹介した制度の活用をご検討ください。

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