新型コロナウイルス感染症の影響が日本だけでなく世界各国で広がりを見せる中、日本の小規模事業者に対しても深刻な影響を与えています。そんな経済状況を回復させるための経済施策として企業の資金繰り施策の発表が3月10日に緊急対応策第二弾としてありました。本日その融資関係の詳細内容が全都道府県の関係各所に届きはじめているようです。
今回はその取組の一つでもある「マル経融資」という資金繰り施策についてご紹介したいと思います。コロナの影響で売り上げが落ち込み融資等を検討もしくは探されている方はこちらの記事を制度の理解を深めるために参考にして、ご活用いただければと思います。
参考:経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」
参考:日本政策金融公庫「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」
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この記事の目次
マル経融資とは
マル経融資とは「小規模事業者経営改善資金融資」の通称であり、商工会議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導による経営指導を受けた小規模事業者に対して、日本政策金融公庫が無担保・無保証人で融資を行う制度になります。
マル経融資の通常概要
通常のマル経融資は、小規模事業者が商工会議所の経営指導のもとで審査をうけ融資対象に該当するという推薦を受けて日本政策金融公庫からの融資をうけられる制度となります。融資の内容としては
マル経融資(小規模事業者経済改善資金) | |
資金使途 | 運転資金・設備資金 |
上限融資額 | 2,000万円以内 |
返済期間 | 運転資金:7年以内 設備資金:10年以内 |
据置期間 | 運転資金:1年以内 設備資金:2年以内 |
利率 | 1.21%(2020/3/17時点) |
マル経融資の申請対象者とは
申請対象者としては、以下の小規模事業者が対象となりますのでご確認ください。
・業種:日本政策金融公庫国民生活事業の融資対象業種であること
・事業規模:常時使用する従業員数が商業・サービス業は5人以下(宿泊業・娯楽業(映画館等)は20人以下、製造業・建設業他は20人以下。)
・営業年数:1年以上事業を営んでいる。
・経営指導:商工会議所の経営指導を原則6か月以上受けている。
・納税:納期限がきている所得税、法人税、事業税、県・市民税を完納している
商業・サービス業(宿泊業・娯楽施設を除く) | 常時使用する従業員の数 5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
マル経融資の申請の流れと必要書類
融資を受けるにあたっての基本的な流れは、商工会議所経由でまずは必要書類をあつめて審査をしてもらい推薦してもらうという流れになります。
■融資申請から融資までの流れ
1.商工会議所へ相談
2.必要書類を商工会議所への提出
3.商工会議所からの調査・審査
4.商工会からの推薦
5.日本政策金融公庫からの融資
この過程において、推薦されるための調査・審査期間が早くても2~3週間程度かかるといわれています。週末など時期によっては、それ以上かかるようです。
■法人の場合の必要申請書類等:
・前期・前々期の決算書および確定申告書
・決算後6か月以上経過の場合は最近の残高試算表
・法人税・事業税・法人住民税および源泉税の領収書または納税証明書
・履歴事項全部証明書
・見積書・契約書等(設備資金の場合)
・借入金がある場合は返済表(個人名義も含む)
・不動産がある場合は不動産全部事項証明書(代表者および同居家族分を含む)
■個人事業主の方の必要申請書類等:
・前年・前々年の決算書(または収支内訳書)及び確定申告書
・決算後6ヶ月以上経過の場合は最近の残高試算表
・所得税・事業税・住民税及び源泉税の領収書または納税証明書
・見積書・契約書等(設備資金の場合)
・借入金がある場合は返済表
・不動産がある場合は不動産全部事項証明書(同居家族分を含む)
新型コロナウイルス対策マル経融資とは
新型コロナウイルス対策マル経融資とは、新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少した小規模事業者の資金繰りを支援するため、通常のものとは別枠で1000万円の範囲内で当初3年間、通常の貸付金利(3/17時点1.21%)からマイナス0.9%引き下げて対応する特例措置となります。
さらに据置期間は通常の期間よりも延長される形になります。
新型コロナウイルス対策「マル経融資」 | |
資金使途 | 運転資金・設備資金 |
上限融資額 | 1,000万円以内 |
返済期間 | 運転資金:7年以内 設備資金:10年以内 |
据置期間 | 運転資金:3年以内 設備資金:4年以内 |
利率 | 当初3年:1.21%-0.9%=0.31% 4年以降:1.21% ※1.21%は2020年3/17時点のマル経融資の特別利率Fとなります。 |
対象者としては、最近1か月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している小規模事業者の方が対象となります。
新型コロナウイルス対策マル経融資はどんな事業者におすすめ?
現在、「新型コロナウイルス対策マル経融資」以外にも「新型コロナウイルス感染症特別貸付」「SN貸付」等があり、実際どの貸付が必要なのか?適用できるのかという点でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
まず、最低限の話として「マル経融資」の融資対象者であることが前提ではありますが、今回の資金繰り施策において「新型コロナウイルス対策マル経融資」の融資のおすすめの事業者としては
前年・前々年の同月比の売上が▲5%以上▲15%未満で、かつ商工会議所の経営支援を受けており資金体力がまだある1000万円ほどの融資を希望する小規模事業者におすすめです。逆に小規模事業者ではなく、フリーランスの方であれば減少の要件なしとなっているので、「特別利子補給制度」の適応対象となるので、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と並行利用することをおすすめします。
また小規模事業者で売上減少において前年・前々年の同月比の売上が▲15%以上であれば、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と「特別利子補給制度」を活用し3年間融資を無利子・無担保で受けることができるのでおすすめです。
対象事業者を小規模事業者に絞って上限金額と要件を比較します。
融資制度名 | 対象事業者 | 上限金額 | 利率 | 前年・前々年の同月比の売上要件 |
新型コロナウイルス感染症特別貸付(国民事業) | 小規模事業者 | 6000万円(利下げ限度額 3,000万円) | 0.46%(当初3年間) | 売上高▲5%以上 |
特別利子補給制度 | 3000万円 | - | 売上高▲15%以上 | |
新型コロナウイルス対策マル経融資(別枠) | 1,000万円 | 0.31%(当初3年間) | 売上高▲5%以上 |
となります。
今回の経済状況の変化において、融資が1000万円以内でおさまり且つ融資まで時間がある程度かかっても良いという場合であれば今回ご紹介しているこの「新型コロナウイルス対策マル経融資」がおススメであるかと思います。
あくまでもこの「マル経融資」は、商工会議所が推薦する企業である必要性がありますので、申請者すべてが融資の対象になるとは限りませんのでご注意ください。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の緊急対策第二弾の一つとして出された今回の資金繰りに対する「新型コロナウイルス対策マル経融資」の金利引き下げの特別措置は、今日全国の関係各所・商工会議所に詳細が送られてきているようです。
今はまだコロナの影響は前年同月比でマイナス5%程度に収まっているけれども、今後のことを考えると少々不安であるという方は是非一度担当の商工会議所に「新型コロナウイルス対策マル経融資」についてご相談いただくか、補助金ポータルの相談窓口までご相談ください。
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