日本の少子高齢化はバブル崩壊後の1990年ごろから始まり、2010年には国内人口全体に占める65歳以上の割合が20%を超える超高齢化社会に突入、最新の調査では国民のおよそ30%が65歳以上の高齢者であることが判明しています。
急速な高齢化により医療需要は年々拡大しており、近年は医療従事者の長時間労働も社会的な問題に発展しています。
厚労省は「医師の働き方改革に関する検討会(平成30年度)」において「日本の医療は、医療従事者の自己犠牲的な長時間労働によりささえられていて、危機的な状況にある」という現状認識を示しています。
専門性の高い医療の分野では新たな人材の確保や育成も容易ではないため、既存の従業員の離職率の引き下げや勤続年数の長期化など、職場への定着率の引上げに向けた就労環境の改善などが重要な課題となっています。
また、医療技術の進歩によってこの分野では専門分野の更なる細分化が求められている背景もあるため、各医療機関は機能の分化による専門性の向上や、他の医療機関などとの業務連携などを通じた医療サービスの質の確保、向上に対しても積極的に取り組んでく必要があります。
【出店:厚生労働省 看護職員の現状と推移】
看護職員数は過去20年間で2倍、30年間では3倍に増加していますが、それでも供給が間に合わない状態です。
医療分野の課題解決に活用できる補助金制度を紹介
企業が補助金制度の補助対象となる場合、経営主体が「個人」か「法人」かという部分では区別されることがないのが一般的ですが、医療分野では営利目的の企業である個人医院と、都道府県の認可を受け非営利団体として登録される医療法人では法的な扱いに大きな違いがあります。
医療法人の場合、どれだけ小規模で活動を行っていても企業(生産・営利を目的とする経営)を対象とした補助金制度では原則として申請対象外となりますので、活用できる補助金の選定の際にはご注意ください。
【個人医院・医療法人の違い】
個人医院⇒開業医は経営者(オーナー)。建物や設備は経営者の財産
医療法人⇒経営主体は医療法人で、開業医は従業員の1人。
建物や設備は医療法人の所有となり、廃業時は全て国や自治体の所有となる。
※法人化の段階でオーナーとしての権利(財産)が実質的に消滅します。
今回はこれらの違いも踏まえて、「個人医院」「医療法人」などの医療機関が活用できる補助金制度について紹介したいと思います。
この記事の目次
このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です