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ものづくり補助金2023年は大幅賃上げ達成で上限額最大1,000万円アップ

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12月2日に成立した令和4年度第2次補正予算では、生産性革命推進事業に総額4,000億円の予算がつきました。これは賃上げやグリーン分野への投資への支援強化事業の拡充等に使われます。

その中で、ものづくり補助金では補助対象の追加や枠の新設等が発表されています。

今回はものづくり補助金の概要と拡充の内容についてお伝えします。

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この記事の目次

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金は、新製品・サービスの開発や生産プロセス改善等を支援する事業です。生産性向上を目指す中小企業は事業計画を提出することで活用でき、賃上げや海外市場開拓に支援が受けられます。

ものづくり補助金は一般型とグローバル展開型に分けられ、さらに一般型には「通常枠」のほかに「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」が設定されています。

通常枠以外の3つは、10月に新設された枠です。今回の補正予算では「グローバル市場開拓枠」を新設することが発表されています。

まずは、従来のものづくり補助金の概要や補助金額について見ていきましょう。

概要

ものづくり補助金とは、正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と呼ばれます。これは中小企業・小規模事業者等が直面する、働き方改革や被用者保険の適用拡大や賃上げ、インボイス導入等の制度変更等に対応するための設備投資を支援するものです。

さらに業況の厳しい事業者やデジタル・グリーン分野での生産性向上に取り組む事業者に対しては、より積極的な支援が設定されています。

概要補助上限補助率
通常枠750万円~
1,250万円
1/2、
2/3(小規模・
再⽣事業者)
回復型賃上げ・雇用拡大枠750万円~
1,250万円
2/3
デジタル枠750万円~
1,250万円
2/3
グリーン枠エントリー 750万円~
1,250万円
2/3
スタンダード1,000万円~
2,000万円
アドバンス2,000万円~
4,000万円
グローバル市場開拓枠3,000万円1/2、
2/3(小規模・
再⽣事業者)

補助対象

ものづくり補助金の補助対象者は、日本国内に本社および事業の実施場所を有する中小企業・特定事業者の一部・特定非営利活動法人です。

一般型とグローバル展開型は、それぞれ補助の対象が異なります。各型や枠の内容を、簡単にまとめました。

【一般型】
一般型で補助を受ける場合は、いずれの枠でも単価50万円以上の設備投資が必要です。また、主な補助対象経費は以下のとおりです。

  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費 等

また、枠ごとのそのほかの補助対象は、以下の製品開発や生産プロセス・サービス提供方法改善に必要な設備投資等です。

■通常枠 革新的な製品・サービス開発など
■回復型賃上げ・雇用拡大枠 賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者が行う革新的な製品・サービス開発など
■デジタル枠 温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発など

【グローバル展開型】
海外事業の拡大・強化等を目的とした「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援します。こちらも一般型と同様、単価50万円以上の設備投資が必要です。

具体的には、以下のいずれかに合致するものが補助の対象です。

  • 海外直接投資
  • 海外市場開拓
  • インバウンド市場開拓
  • 海外事業者との共同事業

補助上限

主な補助上限は、以下のとおりです。

【一般型】
■通常枠
■回復型賃上げ・雇用拡大枠
■デジタル枠
いずれも最大1,250万円(従業員規模による)

■グリーン枠
最大2,000万円(従業員規模による)

【グローバル展開型】
3,000万円

補助率

主な補助率は、以下のとおりです。

【一般型】
■通常枠
1/2(小規模・再⽣事業者 2/3)

■回復型賃上げ・雇用拡大枠
■デジタル枠
■グリーン枠
いずれも2/3

【グローバル展開型】
1/2(小規模・再⽣事業者 2/3)

なお、今回の補正予算案では一部の補助上限に拡充が行われました。

基本要件

補助を受けるには、3~5年の事業計画を策定し、実行する必要があります。事業計画の要件は以下の①~③です。

付加価値額が年3%以上増加している
給与支給総額が年1.5%以上増加している
事業場内最低賃金は地域別最低賃金より30以上高くなること
事業計画に関しては、後ほど詳しく解説します。

ものづくり補助金 令和4年度第2次補正予算の概要

令和4年度第2次補正予算案では、中小企業・小規模事業者の設備投資や販路開拓、IT導入、事業承継等を支援する目的で、各補助事業の補助率や上限額を引上げが行われました。ものづくり補助金では、以下の拡充が発表されています。

「グリーン枠」では、温室効果ガス排出削減の取組度合いに応じた3段階の補助上限が設定されました。

海外展開に係るブランディング・プロモーション等の経費を補助する「グローバル市場開拓枠」が新設されます。

事業終了後3~5年に事業場内最低賃金を年45円以上引上げた企業等は、補助上限が最大1,000万円引上げられます。

拡充後の支援については、以下の図も参考にしてください。

出典:「ものづくり・商業・サービス補助金」リーフレット

グローバル市場開拓枠

現在公開されている「グローバル市場開拓枠」の内容は、以下のとおりです。

【概要】
グローバル市場開拓枠では、海外事業の拡大等を目的とした設備投資等を支援します。海外市場開拓(JAPANブランド)類型では、海外展開に係るブランディング・プロモーション等に係る経費も支援します。

【活用例】
■海外市場獲得を目的とした新製品開発のための製造機械の導⼊
■来日外国人をターゲットとした、予約システムの開発

【補助上限】
3,000万円

【補助率】
1/2 (ただし、小規模・ 再⽣事業者は2/3)

申請に必要な事業計画の内容

それでは、ものづくり補助金の申請に必要な事業計画について確認しましょう。前述のとおり、事業計画には3つの基礎要件があります。ここではその内容をもう少し詳しく解説します。

付加価値額・賃上げ基本要件

事業計画は、1年につき「付加価値額」を3%、「給与支給総額」を1.5%増加させ、「事業場内で最も低い賃金を地域別最低賃金より30円以上高く設定」することが求められます。
その際の注意点は、以下の4つです。

①付加価値額とは、営業利益・人件費・減価償却費を足したものです。
②給与支給総額とは、非常勤を含んだ全従業員および役員に支払った給与等のことです。給料・賃金・賞与および役員報酬等を含みます。ただし、福利厚生費、法定福利費や退職金は除きます。
③新型コロナウイルスによる業績悪化の長期化を鑑みて、事業実施年度の付加価値額および賃金の引上げは免除されています。また、目標値の達成年限は1年の猶予が可能になりました。ただし、この猶予処置は回復型賃上げ・雇用拡大枠には適用されません。
④これらの要件が達成できなかった場合、補助金の返還を求められる場合があります。

補助金の返還については、規定があります。次は返還規定について確認しましょう。

申請要件が未達の場合の返還規程

補助金の返還規定は、以下のとおりです。

■申請時点で賃上げ計画を策定していないことが発覚した場合は、全額返還
※再生事業者は、各目標が達成できていない場合でも返還は免除されます。

■事業計画終了時点で給与支給総額要件が未達の場合、「残存簿価等×補助金額/実際の購入金額」を返還
※付加価値額が目標通りに伸びなかった場合でも、給与支給総額増加率が「付加価値増加率/2」であれば、返還は免除されます。この場合、給与支給総額増加率の代わりに1人あたり賃金の増加率を用いて計算してもかまいません。また、天災などの理由がある場合も免除の対象です。

■毎年3月時点で最低賃金要件が未達の場合、「補助金額/計画年数」を返還
※付加価値増加率が1.5%より低い場合や、天災などの理由がある場合は返還が免除されます。

ものづくり補助金活用のメリット

インボイス制度や働き方改革などに対応するため、多くの企業では新しい制度導入を必要としています。新型コロナウイルスや不安定な世界情勢、長引く物価高騰などを背景にした業績悪化から抜け出せずにいる企業にとって、これらの設備投資は大きな負担です。

しかし社会的ニーズの変化に応える企業改革は、成長のチャンスでもあります。特に中小企業において、この機会に企業成長を成し得るかどうかは、今後の企業の在り方を左右します。

ものづくり補助金は補助対象が広く、さらに今回の改正で補助金額の拡充等が行われました。より活用の幅が広がったものづくり補助金は、これまで賃上げや生産性向上のための設備投資等ができずにいた中小企業に、ぜひ活用してほしい制度です。

まとめ

インフラを好景気につなげるためには、賃上げが不可欠です。今回の補正予算では、賃上げや生産性向上を目指す企業の支援強化が打ち出されました。

ものづくり補助金では省エネニーズへの対応や、海外進出を計画する企業を支援する枠も設定されています。時代の変化をチャンスととらえ、飛躍を試みる企業の課題解決を支える補助金といえます。

今後のスケジュールは、12月22日に第13次応募が締切となります。令和4年度第2次補正予算分から新たに加わる内容は、同予算の成立後から適用とのことですので最新情報をホームページでチェックするようにしましょう。

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