消費税率引下げに対応するスマートレジ導入・POSレジ改修に「事前着手制度」が新設され、9月15日以降の導入が事後申請で補助対象になりました。詳しくは「スマートレジ導入・POSレジ改修の事前着手制度とは?」をご覧ください。
「レジが古くなってきたが、導入費用が高くて踏み切れない」「インボイス対応のPOSレジやスマートレジを入れたいが、費用負担が心配」――こうした悩みを抱える飲食店・小売店・建設業・林業・漁業など多くの事業者にとって、朗報があります。
2026年現在、POSレジ・スマートレジの導入を支援する補助金・助成金制度が複数整備されています。なかでも「デジタル化・AI導入補助金」なら、インボイス対応のソフトウェアには最大4/5、あわせて導入するレジ・券売機等のハードウェアには補助率1/2・最大20万円の補助が受けられます。
本記事では、2026年度にPOSレジ・スマートレジ導入で活用できる主な補助金・助成金を、業種・目的別にわかりやすくご紹介します。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する
この記事の目次
POSレジ・スマートレジ導入に使える補助金・助成金【2026年度版】
2026年度においてPOSレジ・スマートレジの導入に活用できる主な制度は、以下の4つです。
| 制度名 | 主な対象 | 最大補助額(目安) |
|---|---|---|
| ①デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 中小企業・小規模事業者 | ハードウェア(レジ・券売機等)最大20万円 ソフトウェア最大350万円 |
| ②小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者 | 最大200万円(通常枠50万円) |
| ③新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(旧ものづくり補助金) | 中小企業・小規模事業者 | 750万円〜2,500万円(革新的新製品・サービス枠) |
| ④業務改善助成金 | 事業場規模100人以下の中小企業等 | 最大600万円 |
それぞれの特徴と、POSレジ・スマートレジ導入への活用ポイントを見ていきましょう。
スマートレジとは?POSレジとの違い
スマートレジとは、iPadなどのタブレットやスマートフォンといった汎用機器をレジ端末として使う「モバイルPOSレジ」「タブレットPOS」のことです。専用端末を使う従来型のPOSレジに比べて初期費用が安く、売上・在庫・顧客情報をクラウド上でまとめて管理できるため、小規模な飲食店・小売店を中心に導入が広がっています。
補助金の観点では、スマートレジもPOSレジの一種として扱われ、本記事で紹介する制度はいずれも利用できます。ただし、デジタル化・AI導入補助金ではハードウェアの区分によって補助上限が異なるため、次の項目で詳しく解説します。
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)でPOSレジ・スマートレジを導入する
2026年度から「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。制度の基本的な仕組みや申請の流れはIT導入補助金を踏襲しており、POSレジ・スマートレジを含むITツールの導入費用を補助します。
| 区分 | 補助率 | 補助額 |
|---|---|---|
| 対象事業者 | インボイス対応の会計・受発注・決済ソフトを導入する中小企業・小規模事業者 | |
| ソフトウェア(会計・受発注・決済) | 補助額50万円以下の部分:中小企業3/4・小規模事業者4/5 補助額50万円超の部分:2/3 | 最大350万円 (1機能のみの場合は最大50万円) |
| ハードウェア:POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機等 | 1/2 | 最大20万円 |
| ハードウェア:PC・タブレット・プリンター等 | 1/2 | 最大10万円 |
| 注意点 | ハードウェア単体では申請不可。インボイス対応ソフトとのセット導入が必要 | |
POSレジ・スマートレジは、インボイス対応の「会計ソフト」「受発注ソフト」「決済ソフト」を利用するためのハードウェアとして補助対象になります。つまり、レジ本体だけでなくソフトウェアとセットで申請することが条件です。
なお、補助率が最大4/5となるのはソフトウェア部分だけで、レジ・券売機やタブレットなどのハードウェア部分は補助率1/2です。「レジに4/5の補助が出る」と誤解しないよう注意しましょう。
スマートレジはハードウェアの区分に注意
スマートレジをデジタル化・AI導入補助金で導入する場合、端末が「レジ・券売機等(上限20万円)」と「PC・タブレット等(上限10万円)」のどちらに区分されるかで補助上限が変わります。レジ専用機として登録されたモバイルPOSレジ端末は前者、汎用のタブレット本体は後者に区分されるのが一般的です。申請前に、IT導入支援事業者へ導入する機器の区分を確認しておきましょう。
飲食店のPOSレジ・スマートレジ導入にも活用できる
デジタル化・AI導入補助金は飲食業・宿泊業・小売業はもちろん、製造業・建設業・医療・介護・保育など幅広い業種が対象です。
飲食店でPOSレジ・スマートレジを導入する場合、「注文管理ソフト(オーダーシステム)」や「会計ソフト」と一体で申請することで、補助を受けやすくなります。USENやスマレジなどの登録IT導入支援事業者を通じて申請する仕組みです。
建設業・林業・漁業のPOSレジ導入も対象になる?
デジタル化・AI導入補助金の対象は特定業種に限られておらず、建設業・林業・漁業等も対象事業者に含まれます。ただし、補助対象となるには「業務効率化や売上向上を目的としたITツールの導入」であることが前提です。POSレジを販売管理・在庫管理・売上管理等の目的で活用できる場合は申請を検討できますが、具体的な要件はIT導入支援事業者や事務局に確認することをおすすめします。
・インボイス枠(インボイス対応類型)5次締切:2026年9月29日(火)17:00(交付決定は11月9日予定)※以降の締切は公式サイトで確認を
・2回目以降の申請(IT導入補助金2022〜2025で交付決定済みの事業者)には追加要件あり
・交付決定前の購入・発注は補助対象外
・登録IT導入支援事業者を通じた申請が必要
小売店・飲食店向けPOSレジ導入:小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、商工会議所・商工会のサポートを受けながら経営計画を策定し、販路開拓や業務効率化に取り組む小規模事業者を支援する補助金です。POSレジ・スマートレジの導入は「業務効率化(生産性向上)」のひとつとして補助対象(機械装置等費)に含まれます。
ただし、業務効率化の取組は販路開拓とあわせて行う必要があり、POSレジ導入単独では申請できない点に注意が必要です。
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 50万円 | 2/3 |
| 賃金引上げ枠 | 200万円 | 2/3(赤字事業者は3/4) |
| 卒業枠・後継者支援枠・創業枠 | 200万円 | 2/3 |
| インボイス特例(上記金額に加算) | +50万円 | 各枠の補助率に準じる |
インボイス特例対象事業者は上限額に50万円の上乗せがあります。たとえば通常枠でインボイス特例を適用した場合、補助上限は100万円になります。
個人事業主でも申請できる?
小規模事業者持続化補助金・デジタル化・AI導入補助金・業務改善助成金は、個人事業主でも申請可能です。確定申告をしていること(開業届を提出していること)や、納税証明書の提出が必要になる点に注意しましょう。
オリジナルPOSシステム開発向け:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
2026年度から、ものづくり補助金と新事業進出補助金が統合され、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」としてスタートしました。革新的な新製品・新サービスの開発、既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓に向けた国内体制強化に係る設備投資等が支援の対象です。
第1回公募は2026年9月30日(水)に申請受付が開始され、締切は10月30日(金)18:00です。
POSレジについては、一般的な製品を購入するケースは対象になりません。自社の業務に特化したオリジナルPOSシステムを開発し、それを核として新たなサービスを顧客に提供するケースや、新事業への進出に必要なシステム構築として導入するケースで活用できる可能性があります。
・申請枠は「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3つから1つを選択する
・オリジナルPOSシステムの開発・導入費用は「機械装置・システム構築費」(革新的新製品・サービス枠では必須経費)として計上できる
・単に機械装置・システムを導入するだけで新製品・新サービスの開発を伴わないもの、既存サービスの生産プロセス改善にとどまるものは対象外
・事業計画期間(3〜5年)において、付加価値額の年平均成長率+4.0%以上、一人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とする計画が必要(賃上げ・最低賃金要件は未達の場合に返還義務あり)
・補助率:中小企業1/2、小規模事業者・再生事業者2/3(革新的新製品・サービス枠)
・補助上限(革新的新製品・サービス枠):従業員数に応じて750万円〜2,500万円(賃上げ特例適用時は850万円〜3,500万円)
賃上げと同時に導入するなら:業務改善助成金
業務改善助成金は、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げるとともに、生産性向上に資する設備投資等を行う中小企業を支援する制度です。POSレジ・スマートレジの導入は「生産性向上に資する設備投資」のひとつとして対象経費に含まれます。
設備投資のみでの申請はできず、賃上げとのセットが必須です。
| 事業場内最低賃金 | 助成率 |
|---|---|
| 900円未満 | 9/10 |
| 900円以上950円未満 | 4/5(生産性要件該当の場合9/10) |
| 950円以上 | 3/4(生産性要件該当の場合4/5) |
業種・目的別:どの補助金・助成金を選ぶべき?
POSレジ・スマートレジ導入に使える4つの制度の使い分けをまとめました。
| こんな場合におすすめ | 最適な制度 | ポイント |
|---|---|---|
| インボイス対応のPOSレジ・スマートレジを導入したい(飲食店・小売店・建設業等) | デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠) | レジ・券売機等は補助率1/2・最大20万円。ソフトウェアとのセット申請が必要 |
| 販路開拓もあわせて行いたい小規模事業者 | 小規模事業者持続化補助金 | 最大200万円(通常枠50万円)。商工会議所のサポートが必要 |
| 自社専用のオリジナルPOSシステムを開発したい | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | デジタル技術を活用したオーダーメイドシステムが対象 |
| 従業員の賃上げとともに設備を整備したい | 業務改善助成金 | 賃上げとセットが必須。最大600万円の助成 |
| 個人事業主がレジを導入したい | デジタル化・AI導入補助金または持続化補助金 | いずれも個人事業主が申請可能。要件を確認のうえ選択 |
POSレジ・スマートレジ補助金に関するよくある質問
2026年度もPOSレジ導入に補助金は使える?
はい、2026年度も複数の補助金・助成金が活用できます。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)・小規模事業者持続化補助金・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金・業務改善助成金が主な選択肢です。公募スケジュールや要件は年度ごとに変わるため、申請前に最新の公募要領をご確認ください。
スマートレジも補助金の対象になる?
はい、タブレットやスマートフォンを使うスマートレジ(モバイルPOSレジ)も、POSレジと同様に各制度の対象になります。デジタル化・AI導入補助金では、端末が「レジ・券売機等(上限20万円)」と「PC・タブレット等(上限10万円)」のどちらに区分されるかで補助上限が変わるため、IT導入支援事業者に確認しましょう。
IT導入補助金は2026年度に何が変わった?
2026年度から「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変更されました。IT導入支援事業者を通じた申請やインボイス枠でのハードウェア補助など、制度の基本的な仕組みは引き継がれています。IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者が再申請する場合は、給与支給総額の増加などの追加要件が必要になります。
POSレジ単体でデジタル化・AI導入補助金に申請できる?
POSレジ(ハードウェア)単体での申請は対象外です。インボイス対応の会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフトなどとセットで導入する必要があります。ソフトとセットで申請した場合、レジ・券売機等は補助率1/2・最大20万円の補助が受けられます。
POSレジの補助率は4/5?1/2?
デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠で補助率が最大4/5になるのは、会計・受発注・決済ソフトなどのソフトウェア部分です。POSレジ・券売機・タブレットなどのハードウェア部分は補助率1/2で、上限はレジ・券売機等が20万円、PC・タブレット等が10万円です。
飲食店がPOSレジ導入で使える補助金は?
飲食店でよく活用されるのは「デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠)」と「小規模事業者持続化補助金」です。デジタル化・AI導入補助金では、オーダーシステムや会計ソフトとセットでPOSレジを導入する場合に補助が受けられます(レジ・券売機等は最大20万円)。小規模事業者持続化補助金は、チラシ作成などの販路開拓と組み合わせてPOSレジを導入する場合に活用できます(最大200万円)。
建設業・林業・漁業でもPOSレジ補助金は使える?
デジタル化・AI導入補助金は業種を問わず中小企業・小規模事業者が対象のため、建設業・林業・漁業等も申請対象に含まれます。ただし「業務効率化や売上向上を目的としたITツールの導入」であることが前提条件です。自社の事業にPOSレジが必要な場合は、IT導入支援事業者に適用可否を確認することをおすすめします。
個人事業主でもPOSレジの補助金は申請できる?
はい、デジタル化・AI導入補助金・小規模事業者持続化補助金・業務改善助成金は個人事業主でも申請が可能です。申請にあたっては、確定申告をしていること(開業届の提出)や納税証明書の提出が求められます。事前に各制度の公募要領で要件を確認してください。
インボイス対応レジに最適な補助金は?
インボイス対応のPOSレジ・スマートレジ導入に最も適しているのは「デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠・インボイス対応類型)」です。インボイス対応の会計・決済ソフトとセットで申請することで、ソフトウェアは最大4/5、レジ・券売機等のハードウェアは補助率1/2・最大20万円の補助を受けられます。小規模事業者がインボイス対応に取り組む場合は、持続化補助金のインボイス特例(上限+50万円)も活用できます。
業務改善助成金でPOSレジを導入するには賃上げが必要?
はい、業務改善助成金はPOSレジの導入(生産性向上に資する設備投資)と、事業場内最低賃金の引き上げを同時に行うことが必須要件です。賃上げを伴わない設備導入のみでの申請はできません。賃上げ額に応じて助成率・助成上限額が変わる仕組みです。
交付決定前にPOSレジを買ってしまったらどうなる?
交付決定前に購入・発注した費用は補助対象外となります。補助金申請後、審査を経て交付決定通知が届いた後にPOSレジの発注・購入を行うことが必要です。見積書の取得は申請前でも構いませんが、正式な発注・購入は交付決定後に行ってください。
POSレジ導入で複数の補助金を同時に使える?
同一の経費(同じPOSレジ本体など)に対して複数の補助金を重複して受けることはできません。別の設備や別の取組に対して異なる補助金を活用できる場合はありますが、制度ごとに併用のルールが異なります。詳細は各補助金の担当窓口や専門家にご相談ください。
まとめ
多くの業界で人手不足が深刻化する中、POSレジ・スマートレジの導入による業務のDX化・生産性向上は経営の重要課題です。2026年度も複数の補助金・助成金を活用することで、導入コストを大幅に抑えることができます。
各制度のポイントを整理します。
・デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金):2026年度から名称変更。インボイス枠でソフトウェアは最大4/5、レジ・券売機等は補助率1/2・最大20万円。ソフトウェアとのセット申請が必須。飲食・小売だけでなく建設業・林業・漁業等も対象
・小規模事業者持続化補助金:販路開拓とのセット申請が必要。通常枠最大50万円、賃上げ枠最大200万円。個人事業主も対象
・新事業進出・ものづくり商業サービス補助金:2026年度から統合・再編。自社専用オリジナルシステムの開発に。デジタル技術の活用が要件
・業務改善助成金:賃上げとのセットが必須。最大600万円。POSレジ・スマートレジが生産性向上設備として認められる
各制度には要件・スケジュール・申請先が異なります。まずは導入の目的を整理した上で、最も適した制度を選びましょう。最新の公募要領は必ず各公式サイトでご確認ください。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する



