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早期再就職支援等助成金の「雇入れ支援コース」の対象者・支給額を解説

公開日:2020/1/16 更新日:2026/4/9
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「採用したくても人が集まらない」「求人を出しても応募がこない」――人手不足が深刻化する中、こうした悩みを抱える企業は少なくありません。一方で、事業縮小やリストラによって離職を余儀なくされた経験豊富な即戦力人材が、再就職先を探しているケースも増えています。

そのような人材を早期に採用した事業主を国が経済的にサポートする制度が、「早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)」です。1人あたり最大40万円の助成が受けられ、令和8年4月8日以降の離職者の雇い入れから適用されます。

人材確保と助成金の両立を実現できる本制度について、対象要件・助成額・申請の流れまでわかりやすく解説します。

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この記事の目次

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早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)とは

「早期再就職支援等助成金」は、厚生労働省が提供する3つのコースから構成される助成金制度です。その中の「雇入れ支援コース」は、「再就職援助計画」もしくは「求職活動支援書」の対象者、または雇用保険の特定受給資格者を、離職後早期に無期雇用で雇い入れた事業主に対して助成するものです。

目的は、事業縮小などによって離職を余儀なくされた労働者の早期再就職を促進すること。企業にとっては、即戦力となる人材を確保しながら採用コストを抑えられる、一石二鳥の制度といえます。

なお、同じ「早期再就職支援等助成金」には「再就職支援コース」「中途採用拡大コース」なども含まれており、企業の状況に応じて使い分けることができます。本記事では「雇入れ支援コース」に特化して解説します。

対象となる離職者の3パターン

本コースで対象となる労働者は、次の3つのいずれかに該当する方です。

支給対象となる労働者の種別
①再就職援助計画の対象者事業縮小等により離職を余儀なくされ、事業主が再就職援助計画をハローワークに提出・認定された方。「再就職援助計画対象労働者証明書」が発行される
②求職活動支援書の対象者解雇等により離職する45歳以上70歳未満の労働者のうち再就職を希望する方に対して、事業主が作成する書面の対象となった方
③雇用保険の特定受給資格者倒産・解雇等、事業主都合による離職で雇用保険の受給資格を取得した方。離職票の離職区分コードが11・12・21・22・31・32のいずれかに該当する場合

いずれの場合も、申請事業主による雇い入れまでの間に、他の事業所に雇用保険の被保険者として雇用されていないこと、および前職事業所への復帰の見込みがないことが必要です。

助成額と優遇助成の仕組み

本コースの助成額は、通常助成と優遇助成の2段階で設定されています。1年度1事業所あたり500人分を上限として支給されます。

(1)通常助成:1人あたり30万円

支給対象者1人につき30万円が支給されます。後述の支給要件(雇い入れ・定着・賃金上昇)をすべて満たした場合に受給できます。

(2)優遇助成:1人あたり40万円

一定の成長性が認められる事業所の事業主が支給対象者を雇い入れた場合、1人あたり40万円が支給されます。

「一定の成長性が認められる事業所」とは、通常助成の要件を満たしたうえで、次の①②のいずれかに該当する事業所です。

  • ①ローカルベンチマークの財務分析結果(総合評価点)が「B」以上であること
  • ②支給申請日の属する年度から遡って直近2年度を比較し、給与等受給者一人あたりの平均受給額を5%以上上昇させていること

※ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)とは、経済産業省が提供する企業の経営状態を把握するためのツールです。売上増加率・営業利益率等の6つの財務指標を入力することで、AからDの4段階で評価されます。

助成額まとめ
通常助成支給対象者1人あたり30万円
優遇助成(成長性要件を満たす場合)支給対象者1人あたり40万円
年度・事業所あたりの上限500人分

なお、支給対象者が雇い入れ日から支給基準日(雇い入れ日から6か月経過した日)までの間に支払われた賃金の総額が申請額に満たない場合は、当該賃金額が支給されます。

支給対象となる事業主の要件

本コースを受給するには、以下(1)〜(7)の要件をすべて満たす必要があります。

必須要件(1)〜(7)

  • (1)雇用保険適用事業所の事業主であること(雇用保険被保険者が存在する事業所)
  • (2)支給のための審査に協力すること(書類の整備・保管、実地調査の受け入れ等)
  • (3)申請期間内(雇い入れ日から6か月経過した日の翌日から2か月以内)に申請を行うこと
  • (4)支給対象者の雇い入れ日から起算してその日以前1年間において、直前に支給対象者を雇用していた事業主と資本的・経済的・組織的関連性から見て密接な関係にないこと
  • (5)支給対象者への賃金を支払期日までに支払っていること(支給申請時点で支払済みであれば可)
  • (6)再就職支援の委託を受けた職業紹介事業者、またはその関連事業主でないこと
  • (7)出勤簿・賃金台帳・労働者名簿等の書類を整備・保管していること

受給できない事業主(主な例)

以下のいずれかに該当する場合は、本コースを受給できません。
  • 不正受給から5年以内に申請した事業主
  • 過去の労働保険料を未納の事業主
  • 支給申請日前1年以内に労働関係法令違反で送検された事業主
  • 支給対象者の雇い入れ日の前日から6か月前の日から1年を経過した日までの間に、事業主都合で雇用保険被保険者を解雇等した事業主
  • 同期間に、特定受給資格者となる離職理由で、被保険者数の6%超かつ4人以上を離職させた事業主
  • 風俗営業・性風俗関連特殊営業等を行っている事業主
  • 倒産している事業主

支給対象となる措置(雇用条件)の要件

支給対象者について、以下(1)〜(4)のすべてに該当するかたちで雇用していることが必要です。

(1)離職日翌日から3か月以内の雇い入れ

離職日の翌日から起算して3か月以内に、雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者かつ期間の定めのない労働契約を締結する労働者として雇い入れることが必要です。

【注意】以下の場合は支給対象になりません。
  • 期間の定めのある労働契約で雇い入れた場合
  • 有期契約から無期契約に切り換えた場合
  • 紹介予定派遣後に雇い入れた場合

(2)6か月を超えた継続雇用

雇い入れ日から起算して6か月を経過した日(支給基準日)を超えて引き続き雇用していることが必要です。

(3)支給基準日後の解雇等の禁止

支給基準日経過後、支給決定日までに支給対象者を事業主都合で解雇等(退職勧奨を含む)していないこと。なお、自己都合退職の場合は助成を受けることができます。

(4)前職比5%以上の賃金上昇

前職(再就職援助計画等の対象として雇用されていた事業所)において離職前に最後に支払われていた毎月決まって支払われる賃金と比較して、雇い入れ後6か月間のすべての賃金支払日に支払われた賃金がそれぞれ5%以上上昇していることが必要です。

【賃金の定義】
「毎月決まって支払われる賃金」とは、時間外手当・休日手当を除いた基本給および諸手当(役職手当・資格手当等)を指します。通勤手当・家族手当・住宅手当・固定残業代などは含みません。
前職賃金の確認は、以下の書類(本人同意のあるもの)で行います。
  • 再就職援助計画対象労働者証明書または求職活動支援書(賃金記載があるもの)
  • 離職前6か月のうち連続する2か月間の給与明細等
  • 雇用保険受給資格者証(離職時賃金日額が記載されたもの)

申請の流れ(受給手続き)

本コースの申請はシンプルな4ステップで進みます。事前の計画届出が不要な点が、中途採用拡大コースとの大きな違いです。

STEP1:対象となる方の離職

「再就職援助計画」または「求職活動支援書」の対象者、あるいは雇用保険の特定受給資格者の方が離職します。

STEP2:離職日翌日から3か月以内に雇い入れ

離職日の翌日から3か月以内に、無期雇用(正社員・フルタイム等)として雇い入れます。就職の経路(ハローワーク経由・直接応募等)は問いません。

STEP3:6か月間の定着と賃金上昇の確認

雇い入れから6か月間、継続して雇用し、かつすべての賃金支払日に前職比5%以上の賃金を支払います。

STEP4:支給申請

雇い入れ日から6か月経過した日(支給基準日)の翌日から2か月以内に、管轄の労働局(またはハローワーク経由)へ支給申請を行います。

申請タイムライン
離職日起算日(翌日から3か月以内に雇い入れが必要)
雇い入れ日起算日(翌日から6か月後が支給基準日)
支給基準日雇い入れ日から6か月経過した日
支給申請期間支給基準日の翌日から2か月以内

申請に必要な書類

通常助成の申請に必要な書類

  • 様式第2号:支給申請書
  • (共通様式)様式第1号:支給要件確認申立書
  • 様式第1号:対象労働者雇用状況等申立書(支給対象者ごとに必要)
  • 再就職援助計画対象労働者証明書(写)または求職活動支援書(写)または雇用保険受給資格者証(写)
  • 雇用契約書(写)または雇入れ通知書(写)等(無期契約であることが確認できる書類)
  • 賃金台帳(写)(雇い入れ日から支給申請日までの分、手当ごとに区分されたもの)

優遇助成(成長性要件)の追加書類

  • ①ローカルベンチマークの財務分析結果を示す書類(写)+財務諸表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書等)
  • ②労働保険確定保険料・一般拠出金申告書(写)(直近2年度分)+必要に応じて確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表(写)
支給申請書等は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。複数名いる場合はまとめて申請することが可能ですが、それぞれの方の雇い入れ日を基準に要件を確認してください。審査内容によっては、労働局から追加書類の提出を求められる場合があります。


早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)に関するよくある質問


助成金はいくら受け取れますか?


通常助成として支給対象者1人あたり30万円が支給されます。ローカルベンチマークの財務分析結果が「B」以上、または直近2年度で給与等受給者一人あたりの平均受給額を5%以上上昇させている成長性要件を満たす場合は、1人あたり40万円の優遇助成が受けられます。年度・事業所あたりの上限は500人分です。



どのような人を雇い入れれば対象になりますか?


再就職援助計画または求職活動支援書の対象者、あるいは雇用保険の特定受給資格者(倒産・解雇等による離職者)が対象です。ただし、令和8年4月8日以降に離職した方が対象となります。雇い入れまでの間に他の事業所で雇用保険の被保険者として雇用されていないことも条件です。



ハローワークや職業紹介事業者からの紹介でなくても対象になりますか?


はい、就職の経路は問いません。ハローワークや職業紹介事業者の紹介によらない採用(知人紹介・自社求人への直接応募等)でも、要件を満たせば支給対象となります。



正社員でなくても対象になりますか?


正社員に限らず、雇用保険の被保険者となる労働条件であり、かつ期間の定めのない無期雇用(フルタイム)で雇用していただく場合は支給対象となります。ただし、有期契約での雇い入れや、紹介予定派遣後の雇い入れは対象外です。



試用期間を設けている場合でも対象になりますか?


試用期間を設ける場合であっても、雇用契約が無期雇用であれば支給対象となります。ただし、試用期間を有期雇用とし、期間終了後に無期雇用契約を予定している場合は原則として支給対象となりませんのでご注意ください。



6か月以内に採用した従業員が自己都合で退職した場合はどうなりますか?


支給基準日(雇い入れ日から6か月経過した日)の経過後であれば、その後に自己都合で退職した場合でも助成を受けることができます。ただし、支給基準日経過前に離職した場合や、事業主都合での解雇・退職勧奨の場合は対象外となります。



賃金上昇の5%はどのように計算しますか?


前職で最後に支払われた「毎月決まって支払われる賃金」(基本給+役職手当・資格手当等の諸手当。通勤手当・家族手当・時間外手当等は除く)と、雇い入れ後6か月間のすべての賃金支払日に支払われた賃金を比較します。すべての月で5%以上上昇している(賃金上昇率1.05以上)ことが必要です。



雇い入れ後6か月以内に子会社へ出向させた場合はどうなりますか?


移籍出向(雇用関係が転籍先に移る場合)は支給対象となりません。同一事業主間での転勤(支店間の異動等)は支給対象となり得る場合がありますので、詳しくは管轄の労働局にご確認ください。



他の助成金と同時に受給できますか?


同一の支給対象者の雇い入れ・訓練に対して他の助成金を受給している場合は、原則としてこの助成金を受けることができません。どちらか一方を選択することになります。支給申請前に管轄の労働局へご確認ください。



申請窓口と問い合わせ先はどこですか?


申請窓口は、事業所を管轄する都道府県労働局またはハローワーク(公共職業安定所)です。場合によってはハローワークを経由して申請できます。支給申請書等は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。再就職援助計画の対象者情報についてはハローワークの求人窓口にお問い合わせください。



まとめ

「早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)」は、事業縮小や解雇によって離職を余儀なくされた方を早期に雇い入れた事業主に対して、1人あたり最大40万円(年度・事業所あたり500人分まで)を支給する制度です。令和8年4月8日以降の離職者の雇い入れから適用されます。

事前の計画届出が不要で、雇い入れから6か月後に申請できるシンプルな手続きが特徴です。即戦力となる経験者を採用しながら助成金を活用したい企業にとって、ぜひ検討していただきたい制度といえます。

採用を検討している場合は、離職日の翌日から3か月以内という雇い入れ期限を忘れずに確認し、早めに最寄りのハローワーク・都道府県労働局に相談することをお勧めします。

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