令和8年度第2回「創業助成事業」の申請受付は、令和8年9月29日(火)10:00〜10月8日(木)23:59。受付はわずか10日間です。
東京都の開業率は約4.4%(令和6年度)。米国や英国と比べ、依然として低い水準にあります。この状況を変えるために東京都と公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施しているのが、最大400万円・助成率2/3の創業助成金(創業助成事業)です。オフィス賃料、広告費、従業員の人件費といった創業初期に重くのしかかる経費を、返済不要で支援してくれます。
ただし、令和7年度は1,225件の申請に対して採択は201件。採択率は約16.4%と、狭き門であることは間違いありません。しかも申請の前提となる「指定創業支援事業の利用」を満たすには概ね3か月以上かかります。
この記事では、令和8年度第2回の募集要項をもとに、対象者の要件、助成対象経費、審査で見られる視点、過去9年分の採択率実績まで、申請判断に必要な情報を整理して解説します。
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この記事の目次
東京都の創業助成金(創業助成事業)とは?最大400万円・助成率2/3
東京都の創業助成金(創業助成事業)は、都内で創業予定の個人または創業から5年未満の中小企業者等に対し、創業初期に必要な経費の2/3以内・最大400万円を助成する制度です。東京都と公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施しており、都内開業率の向上を目的としています。
まずは制度の全体像を押さえておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成率 | 助成対象と認められる経費の2/3以内 |
| 助成限度額 | 上限400万円(下限100万円) |
| 内訳の上限 | 事業費および従業員人件費:300万円/委託費:100万円 |
| 助成対象期間 | 交付決定日から6か月以上、最長2年 |
| 令和8年度の採択予定件数 | 200件 |
| 申請方法 | 電子申請(Jグランツ)のみ |
たとえば600万円の助成対象経費が認められれば、その2/3にあたる400万円まで助成を受けられます。ただし区分ごとの上限があるため、従業員人件費だけで400万円を受け取ることはできません。また「従業員人件費のみ」「委託費のみ」の申請は認められず、賃借料や広告費などの事業費を必ず助成対象経費に含める必要があります。
助成金は「後払い」|6か月経過後は中間払も使える
創業助成金は後払いです。交付決定を受けた時点でお金が振り込まれるわけではありません。まず自己資金や融資で経費を支払い、事業完了後の実績報告と検査を経て、確定した金額が支払われます。
ただし、助成対象期間が6か月を超える場合は、6か月経過以降に1回に限り「中間払」を受けられます。支払済み経費の一部を先に精算できる仕組みです。なお中間払でも、従業員人件費や委託費のみを対象にした申請はできません。
申請から支払いまでの全体像は、以下の図も参考にしてください。

出典:令和8年度第2回募集要項より抜粋
令和8年度第2回の申請スケジュール|9月29日10時から受付開始
令和8年度第2回の申請受付期間は、令和8年9月29日(火)10:00〜10月8日(木)23:59です。交付決定日は令和9年3月1日を予定しています。
創業助成事業の募集は例年、春と秋の年2回です。令和8年度の日程は以下のとおりです。
| 回 | 申請受付期間 | 交付決定日(予定) |
|---|---|---|
| 第1回 | 令和8年4月7日〜4月16日(受付終了) | 令和8年9月1日 |
| 第2回 | 令和8年9月29日10:00〜10月8日23:59 | 令和9年3月1日 |
申請後の審査日程は次のように進みます。
| 項目 | 時期 |
|---|---|
| 書類審査結果の通知 | 令和8年12月中旬頃(Jグランツにて) |
| 面接審査 | 令和9年1月6日〜1月14日の平日 |
| 審査結果の通知 | 令和9年3月上旬 |
| 交付決定日 | 令和9年3月1日(予定) |
面接審査には代表者本人のみが出席でき、日本語で行われます。パソコン等の電子機器、追加書類、商品サンプルの持込・配布はできません。申請時に提出した書類だけで説明することになるため、申請書の段階で事業内容が過不足なく伝わる状態に仕上げておく必要があります。指定日時に来場しない場合は辞退とみなされます。
今から令和8年度第2回に間に合う?判断のポイント
第2回に間に合うかどうかは、後述する「申請要件2(指定創業支援事業の利用)」をすでに満たしているかで決まります。
・東京都中小企業制度融資(創業融資)や区市町村の創業向け制度融資を利用済み
・認定特定創業支援等事業の証明書を過去3か年以内に取得済み
・TOKYO創業ステーションのプランコンサルティングで事業計画書策定支援を修了済み
・都内の認定インキュベーション施設に6か月以上入居中
【第2回に間に合わない可能性が高い方】
・これからプランコンサルティングを申し込む(修了まで概ね3か月)
・GビズIDプライムを郵送申請でこれから取得する(2週間程度〜)
これから要件を満たす場合は、無理に第2回へ駆け込むより、令和9年度第1回(例年4月頃の受付)を目標に準備するほうが現実的です。要件充足に時間がかかることを見越して、逆算でスケジュールを組みましょう。
東京都創業助成金の申請要件は4つ|すべて満たす必要がある
創業助成金に申請するには、申請要件1〜4のすべてを満たす必要があります。1つでも欠けると申請できません。
| 要件 | 主な内容 |
|---|---|
| 申請要件1 | 都内で創業予定の個人、または創業から5年未満の個人事業主・法人代表者であること |
| 申請要件2 | 指定された23の創業支援事業のいずれかを利用し、所定の要件を満たしていること |
| 申請要件3 | 所定の年数以上事業活動を実施でき、助成対象期間内に事業を実施できること等 |
| 申請要件4 | 納税地が都内にあり、重複助成・重複補助を受けないこと等 |
要件の判断時期は「公社が申請書を受理する時点」です。申請書の提出日を基準に判定される点に注意してください。
申請要件1|「経営経験が通算5年未満」の数え方に要注意
申請要件1は、次のいずれかに該当することです。
- 都内での創業を具体的に計画している個人
- 法人登記から5年未満の法人代表者(本店が都内に登記され、実質的に事業を行っていること)
- 税務署へ開業の届出を行ってから5年未満の個人事業主(納税地・主たる事業所等が都内)
- 法人登記から5年未満の特定非営利活動法人の代表者で、所定の事業を行う者
一方、以下に該当する場合は申請できません。
- 個人事業主・法人の登記上の代表者として、通算5年以上の経営経験がある(海外での経営経験も含む)
- みなし大企業に該当する
- 個人開業医(病院や診療所で患者に医業を行う事業としての申請)
見落とされやすいのが経営経験の数え方です。開業届提出後の個人事業主としての期間と、法人の登記上の代表者としての期間を通算して判定され、雇われ社長や子会社社長の期間も含まれます。一方、開業届を出していないフリーランスとしての活動期間は含まれません。複数事業で期間が重複する場合は通算して計算します。
要件に合致するかは、以下のチャートも参考にしてください。

出典:令和8年度第2回募集要項より抜粋
申請要件2|指定された23の創業支援事業のいずれかの利用が必須
申請要件2は、東京都や公社が指定する23の創業支援事業のいずれかを利用していることです。この要件を満たすには概ね3か月以上かかるため、実質的に最大の関門となります。
主な支援事業は以下のとおりです。
| 区分 | 該当する支援事業(抜粋) |
|---|---|
| 相談・計画策定 | TOKYO創業ステーション/同TAMAの「プランコンサルティング」による事業計画書策定支援の終了(過去3か年以内) |
| コンテスト・評価 | 東京シニアビジネスグランプリのファイナリスト進出、事業可能性評価事業の「事業の可能性あり」評価、TOKYO STARTUP GATEWAYのセミファイナリスト進出 など |
| 施設入居 | 東京都設置の創業支援施設への入居、認定インキュベーション施設に6か月以上入居、区市町村・地方銀行・大学等が設置した都内創業支援施設に1年以上入居 など |
| プログラム受講 | 青山スタートアップアクセラレーションセンターのプログラム、TCIC PitchCampus/TCIC IP、APT Women、高校生起業家養成プログラム など |
| 融資・出資 | 東京都中小企業制度融資(創業融資)、区市町村の創業者向け保証付き制度融資、女性・若者・シニア創業サポート事業の融資、資本性劣後ローン(創業) など |
| 公的証明 | 都内区市町村による認定特定創業支援等事業の証明(過去3か年以内)、東京商工会議所等による準ずる支援の証明 |
これから要件を満たす方の多くが使うのは、TOKYO創業ステーションの「プランコンサルティング」です。ただし事業計画書策定支援の終了までに概ね3か月かかります。
すでに創業融資を利用している方や、区市町村で認定特定創業支援等事業の証明を受けた方は、その実績で要件を満たせる場合があります。まずは手元の書類を確認してみてください。
申請要件3・4|資金計画の健全性と重複受給のルール
申請要件3は、事業そのものの健全性を問うものです。特に見落とされやすいのが「助成金の交付がない場合であっても、事業の実施が可能な資金計画であること」という項目です。助成金は後払いのため、助成金ありきの資金計画は審査でマイナスに働きます。
申請要件4では、納税と重複受給のルールが定められています。
- 納税地が都内にあり、都民税・事業税の滞納がないこと
- 公社の「商店街起業・承継支援事業」「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」を受けていないこと(過去の受給も含む)
- 他の助成金・補助金と同一経費への重複助成・補助となる経費がないこと
- 本助成金に採択され受給した方による、再度の申請でないこと
- 申請は1人につき1件のみ(同一代表者が経営する複数法人による申請は不可)
上記2つの助成事業以外については、過去に受給歴があっても、本助成金と経費が重複しなければ申請が可能です。小規模事業者持続化補助金などを受給した方にもチャンスがあります。
助成対象経費と、見落としやすい対象外経費
助成対象経費は事業費・従業員人件費・委託費の3区分です。原則として、助成対象期間中に契約・履行・支払が完了した経費が対象になります。ただし賃借料と従業員人件費に限り、交付決定日以前に契約した内容(継続して利用・雇用しているもの)も対象です。
| 経費区分 | 経費明細 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 事業費 | 賃借料 | 都内の事務所・店舗・駐車場等。シェアオフィス・コワーキングスペースも対象 |
| 事業費 | 広告費 | 広告掲載、パンフレット作成、展示会出展、ホームページ作成、試供品作成など |
| 事業費 | 器具備品購入費 | 1点あたり税込1万円以上50万円未満のもの |
| 事業費 | 産業財産権出願・導入費 | 特許・実用新案・意匠・商標の出願、譲渡、実施許諾 |
| 事業費 | 専門家指導費 | 外部専門家への相談で支払う手数料 |
| 従業員人件費 | 給与・賃金 | 正社員は1人月額35万円、パート・アルバイトは日額8,000円が上限 |
| 委託費 | 市場調査・分析費 | 外部専門業者への委託が前提。成果物の納品・提出が必要 |
対象外となる経費にも、つまずきやすいポイントが多くあります。
・賃借料:敷金・礼金・保証金・更新料、火災保険料、バーチャルオフィスの利用料、代表者や三親等以内の親族が所有する物件の賃借料、区市町村や国立大学等が設置する創業支援施設の賃借料、間仕切りで区分されていない住居兼事務所
・器具備品:中古品、1点50万円以上のもの、文房具やUSBメモリ等の消耗品、自動車・バイク・自転車
・広告費:オンラインショップの出店費用、自社サイト内の販売ページ、予約・決済システムの構築費、切手・はがき代
・専門家指導費:顧問契約(月額定額・1年以上・自動更新のもの)、書類作成代行費用
・従業員人件費:時間外労働・休日労働の手当、通勤手当、法定福利費、代表者・役員の人件費、個人事業主と生計を一にする三親等以内の親族の人件費
・共通:消費税等の公租公課、光熱水費、書籍代、接待交際費、振込手数料、関連会社や役員の親族が経営する会社との取引
東京都創業助成金の採択率は約16.4%|過去9年の実績データ
創業助成事業の採択率は、直近の令和7年度で約16.4%です。申請者数と採択者数の推移は以下のとおりで、おおむね13〜20%の範囲で推移しています。
| 年度 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率(概算) |
|---|---|---|---|
| 令和2年度 | 1,037件 | 156件 | 約15.0% |
| 令和3年度 | 1,140件 | 157件 | 約13.8% |
| 令和4年度 | 1,210件 | 162件 | 約13.4% |
| 令和5年度 | 1,060件 | 157件 | 約14.8% |
| 令和6年度 | 1,053件 | 208件 | 約19.8% |
| 令和7年度 | 1,225件 | 201件 | 約16.4% |
令和6年度に採択者数が150件台から200件台へ増え、令和7年度も201件を維持しました。令和8年度の採択予定件数も200件です。一方で申請者数は令和7年度に1,225件と過去10年で最多となっており、採択枠が広がっても競争率は高いままという状況です。
なお令和7年度の内訳は、第1回が93件、第2回が108件の採択でした。回による採択件数の差は年度によって変動します。
創業期に使える補助金は他にもあります。採択率で比較したい方は、あわせて確認しておくとよいでしょう。
審査で見られる8つの視点|書類審査・面接審査の評価項目
創業助成事業の審査は、書類審査(形式審査・内容審査)、面接審査、総合審査の3段階です。募集要項では、内容審査と面接審査で見られる視点が8項目に整理されています。
| 評価の視点 | 見られるポイント |
|---|---|
| 製品・商品・サービス内容の完成度 | 具体的な内容、適切な価格設定、実施時期や場所を説明できているか |
| 問題意識・潜在力の明確さ | 創業で解決可能な社会課題、経営理念、自分の強み・弱みと補強方法が明確か |
| 対象市場に対する理解度・適応性 | 想定顧客が明確か、市場規模・成長性を把握しているか、競合との差別化が明確か |
| 事業の実現性 | 収益獲得の仕組み、調達ルート、販売戦略、想定リスクと回避方法が的確か |
| 助成金の活用方法の有効性 | 助成金の使い道が事業の拡充に効果的か |
| スケジュール・経営見通しの妥当性 | 経営計画・経営見通しが実現の見込める内容か |
| 資金調達の妥当性 | 助成金がなくても事業継続が可能な収支計画か |
| 申請経費の妥当性 | 必要な経費が計上され、販売計画や経営収支と連動しているか |
この8項目は、申請書の事業計画書(P39〜P52)の記入欄とそのまま対応しています。裏を返せば、申請書の各欄を空欄なく、根拠のある数字で埋めることが採択への最短ルートということです。特に「助成金がなくても実施可能な資金計画」は要件でもあり審査項目でもあるため、自己資金や融資で事業を回せる計画を示したうえで、助成金を上乗せ資金として位置づけましょう。
創業助成金の申請方法と必要書類|Jグランツ電子申請のみ
申請方法はJグランツによる電子申請のみです。窓口への持参、郵送、電子メール等による提出は受け付けられません。
Jグランツの利用には、事前にGビズIDプライムのアカウントが必要です。マイナンバーカード(署名用電子証明書が有効なもの)と対応スマートフォンがあれば、GビズIDアプリを使ったオンライン申請で最短即日発行できます。書類(郵送)による申請の場合は2週間程度、書類不備があればそれ以上かかるため、早めに手続きを済ませておきましょう。
申請時に必要となる主な書類は以下のとおりです。
| 書類 | 補足 |
|---|---|
| 創業助成事業申請書(指定様式・全ページ) | TOKYO創業ステーションHPからダウンロード。令和8年度第2回分は6月16日公開済み |
| 反社会的勢力排除に関する誓約事項 | 申請書別紙。公社指定の様式を使用 |
| 直近2期分の確定申告書等 | 創業予定の個人・1期目の法人は不要 |
| 履歴事項全部証明書(法人) | 法務局で取得した発行後3か月以内の原本 |
| 個人事業の開業・廃業等届出書(個人事業主) | マイナンバー記載時は黒塗りが必要 |
| 直近の納税証明書等 | 都税事務所・区市町村で取得。税務署の国税納税証明書ではない |
| 本人確認書類 | 運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等のいずれか1点 |
| 申請要件確認書類 | 指定創業支援事業の利用を証明する所定の書類 |
なお、行政書士等の第三者による代理申請も可能です。ただしJグランツ上の代理申請機能の使用に限られ、申請の確認と提出は申請者自身が行う必要があります。利用する場合は「同意書(代理申請用)」の提出も必要です。
書類審査で不通過になりやすい6つの不備
公社は、書類審査で不通過となりやすい不備として次の6点を挙げています。内容以前に形式面で落ちてしまうのは、あまりにもったいないことです。
1.申請書(Excel)の一部シートのみをPDF化してしまっている
2.確定申告書の添付書類(貸借対照表・損益計算書等)が不足している
3.法人の場合、インターネット取得の登記情報を提出している(法務局発行の履歴事項全部証明書が必要)
4.納税証明書の税目・年度に誤りがある、または領収証書で代用している
5.指定創業支援事業の利用を証明する書類が、所定の申請要件確認書類と異なる
6.指定様式以外の添付資料を使用している
提出データはすべてPDF形式に変換し、ZIPにまとめず単体データとしてアップロードします。WordやExcelのまま提出して文字化けやデータ破損があっても、そのままのデータで審査される点にも注意してください。提出前にチェックリストを作り、1点ずつ確認しましょう。
個人事業主・これから開業する方が押さえる5つのポイント
都内で開業届を出してから5年未満の個人事業主も、これから開業する個人も、要件を満たせば申請できます。個人で申請する場合に特に注意したいポイントを整理しました。
【1】開業前の個人でも申請できる
都内での創業を具体的に計画している段階から申請可能です。採択後は速やかに開業し、開業届の写しを提出する必要があります。創業前の個人として申請した場合、開業届の提出後に契約・履行・支出した経費が助成対象になります。
【2】フリーランス期間は経営経験に含まれない
開業届を出していないフリーランスとしての活動期間は「経営経験5年未満」の判定に含まれません。逆に、開業届提出後の個人事業主期間や、雇われ社長・子会社社長の期間は含まれます。
【3】納税地と主たる事業所等が都内であること
個人事業税の納税地と主たる事業所等が、いずれも都内にある必要があります。開業届に記載した納税地・事業所の所在地で確認されます。
【4】助成対象期間中の法人成りは原則NG
個人で交付決定を受けた後に法人を設立すると、助成金を受給できなくなります。ただし基準日(令和9年1月5日)までに条件を満たして法人を設立し、所定の書類を提出すれば、法人に対して交付決定が行われます。法人化の予定がある方は、申請前にスケジュールを整理しておきましょう。
【5】バーチャルオフィスのみでは申請できない
バーチャルオフィス以外に、都内で実質的に事業を行う拠点が必要です。バーチャルオフィスの利用料自体も助成対象経費にはなりません。
採択後も5年間続く義務|企業化状況報告・収益納付
創業助成金は、受給して終わりではありません。助成事業が完了した年度の翌年度から起算して5年間、次の義務が続きます。
| 義務 | 内容 |
|---|---|
| 事業活動・納税 | 法人は登記と実質的な事業拠点を都内に置き、法人事業税・法人都民税を東京都に納税。個人は個人事業税の納税地と主たる事業所等を都内に置く |
| 関係書類の保存 | 助成事業に係る関係書類を5年間保存 |
| 企業化状況報告書の提出 | 助成事業の実施状況について毎年報告 |
| 財産の管理・処分 | 取得した器具備品等の管理状況を明らかにし保存。50万円以上の財産を処分する場合は事前承認が必要 |
| 収益納付 | 助成事業により収益を得た場合、収益の一部を公社に納付する場合がある |
収益納付には免除規定があります。計算期間中に営業利益・経常利益・純利益のいずれかが単体決算で赤字だった企業、または中小企業実態基本調査による「中小企業1企業当たりの経常利益」を継続して超過していない企業は、収益納付が免除されます。納付額の上限は助成額(最大400万円)までです。
東京都の創業助成金に関するよくある質問
東京都の創業助成金は誰が申請できる?
都内で創業を具体的に計画している個人、または都内で事業を始めてから5年未満の中小企業者等(個人事業主・法人代表者)が対象です。加えて、個人事業主・法人の登記上の代表者としての経営経験が通算5年未満である必要があります。海外での経営経験も通算されます。
助成率と助成限度額はいくら?
助成対象経費の2/3以内で、上限400万円・下限100万円です。事業費および従業員人件費の助成限度額は300万円、委託費の助成限度額は100万円と、区分ごとに上限が設けられています。
令和8年度第2回の申請スケジュールは?
申請受付期間は令和8年9月29日(火)10:00〜10月8日(木)23:59です。書類審査結果の通知が令和8年12月中旬頃、面接審査が令和9年1月6日〜1月14日、審査結果の通知が令和9年3月上旬、交付決定日は令和9年3月1日を予定しています。
創業助成金の採択率はどのくらい?
令和7年度は申請1,225件に対し採択201件で、採択率は約16.4%でした。過去6年間はおおむね13〜20%で推移しています。令和8年度の採択予定件数は200件です。
申請に必要な前提条件は?
4つの申請要件すべてを満たす必要があります。特に重要なのが申請要件2で、TOKYO創業ステーションの「プランコンサルティング」など、指定された23の創業支援事業のいずれかの利用が求められます。プランコンサルティングの場合、事業計画書策定支援の終了までに概ね3か月かかります。
GビズIDプライムの取得にどれくらいかかる?
マイナンバーカード(署名用電子証明書が有効なもの)と対応スマートフォンがあれば、GビズIDアプリを使ったオンライン申請で最短即日発行できます。書類を郵送する申請の場合は2週間程度、書類不備があればそれ以上かかるため、早めの取得がおすすめです。
個人事業主でも申請できる?
申請できます。税務署へ開業の届出を行ってから5年未満で、経営経験が通算5年未満の個人事業主が対象です。納税地と主たる事業所等が都内にあることが条件となります。これから都内で開業する予定の個人も申請可能です。
一般社団法人や一般財団法人は対象になる?
対象外です。申請できるのは中小企業基本法上の「会社」に該当する法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社)、士業法人、および所定の事業を行う特定非営利活動法人に限られます。事業協同組合、有限責任事業組合(LLP)、労働者協同組合、学校法人、医療法人、社会福祉法人なども対象外です。
交付決定前に使った経費は対象になる?
原則として対象になりません。助成対象となるのは、交付決定後の助成対象期間中に契約・履行・支払が完了した経費です。ただし賃借料と従業員人件費に限り、交付決定日以前に契約した内容も対象となります。創業前の個人として申請した場合は、税務署への開業届提出後に契約・履行・支出した経費が対象です。
バーチャルオフィスでも申請できる?
バーチャルオフィス以外に、都内で実質的に事業を行っている別の拠点が存在する場合は申請要件を満たします。ただし、バーチャルオフィスの利用料自体は助成対象経費になりません。
助成対象期間中に法人化したらどうなる?
個人・個人事業主で交付決定を受けた後、助成対象期間中に法人を設立すると助成金を受給できなくなります。ただし基準日(令和9年1月5日)までに条件を満たして法人を設立し、法人名義の申請書と履歴事項全部証明書を提出すれば、交付決定は設立した法人に対して行われます。
他の補助金・助成金と併用できる?
同一経費への重複助成・補助となる助成金・補助金は併用できません。対象経費が異なる場合は一定の条件のもとで併願が可能です。ただし東京都中小企業振興公社の「商店街起業・承継支援事業」「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」は、過去の受給歴も含めて併給不可となっています。併願して両方で交付決定を受けた場合は、いずれか一方を取り下げる必要があります。
一度採択されたら再度申請できる?
本助成金に採択され、助成金を受給した方の再度の申請はできません。ただし辞退等により受給に至らなかった場合は、申請要件を改めて満たすことを条件に、1回のみ再申請が可能です。辞退の内容が2回目の審査に影響することはありません。なお、申請は1人につき1件のみで、同一代表者が経営する複数法人による申請も受け付けられません。
まとめ
最大400万円・助成率2/3の創業助成金は、都内で開業するうえでぜひ活用したい制度です。令和8年度第2回の申請受付は令和8年9月29日(火)10:00〜10月8日(木)23:59。受付期間は10日間しかありません。
申請方法はJグランツによる電子申請のみのため、GビズIDプライムの取得を忘れずに行いましょう。マイナンバーカードがあればオンラインで最短即日発行できます。
最大の関門は申請要件2です。指定された23の創業支援事業のいずれかを利用している必要があり、これから満たす場合は概ね3か月以上かかります。すでに創業融資や認定特定創業支援等事業の証明をお持ちの方は第2回が狙い目ですが、これから準備する方は令和9年度第1回(例年4月頃)を目標に逆算しましょう。
採択率は約16.4%と決して高くありませんが、審査で見られる視点は募集要項に8項目として明示されています。申請書の各欄を根拠のある数字で埋めることが、採択への近道です。創業初期の資金繰りという難しい局面を、支援制度を上手に活用して乗り越えていきましょう。詳細は必ず公式ページと募集要項をご確認ください。
公益財団法人東京都中小企業振興公社 事業戦略部 創業支援課 創業助成担当
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治安田生命ビル低層棟2階 TOKYO創業ステーション
TEL:03(5220)1142 ※受付時間:原則、平日10:00〜17:00
e-mail:sogyo@tokyo-kosha.or.jp
申請書ダウンロード・詳細:https://startup-station.jp/m2/services/sogyokassei/
Jグランツ(電子申請):https://www.jgrants-portal.go.jp/
GビズID:https://gbiz-id.go.jp/top/
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