サウナは健康・リラクゼーション効果への注目に加え、観光産業の新たな柱としても存在感を増しています。一部の自治体では、サウナを観光資源として活用し地域活性化につなげるための補助金制度を設けており、国の補助金でもサウナ関連事業の採択例が生まれています。
本記事では、最新のサウナ人口データとあわせて、自治体のサウナ補助金と全国で使える補助金を紹介します。
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この記事の目次
変化するサウナ人口

日本サウナ総研が2026年2月に全国1万人を対象に実施した「日本のサウナ実態調査2026」によると、年1回以上サウナに行く愛好家人口は、コロナ禍後の減少を経て、直近は1,500万人前後で安定して推移しています。
注目したいのは、愛好家の内訳の変化です。月4〜8回以上サウナに通うヘビーサウナーは、2024年度の約180万人から2025年度は約250万人へと66万人増加し、前年比35%の伸びを見せました。一方、月1〜3回程度のミドルサウナーは約410万人前後(対前年比マイナス2%)、ライトサウナーもマイナス3%と、中間層・ライト層の減少傾向は続いています。
地域別に見ると、関東都市圏のヘビーサウナーは前年から約58%増の約56.3万人、関西都市圏も約22%増の約25.9万人と、都市部を中心に熱量の高い愛好家が急増しています。サウナ市場は「広く浅く」から「深く濃く」へ、コアなファンが牽引するフェーズに移行しつつあるといえるでしょう。
サウナと観光産業の相乗効果
この変化は、観光産業にとってむしろ追い風です。月に何度もサウナへ足を運ぶヘビーサウナーは、お気に入りの施設を求めて遠方まで出かける「サ旅」の中心層でもあるからです。
同調査では、サウナ施設をリピートする最大の要因は「住まい・職場からの距離」(38%)でした。日常圏のサウナが利便性で選ばれる一方、旅先のサウナに求められるのは「そこでしか味わえない非日常」です。湖に飛び込める水風呂や雪の中での外気浴など、地域資源とサウナを掛け合わせた体験は、距離のハンデを越えて愛好家を呼び込む観光コンテンツになり得ます。
ここからは、自治体が実施しているサウナ関連の補助金を紹介します。
【都道府県別】サウナ特化の補助金
サウナそのものを支援対象にした自治体独自の補助金です。現在は鳥取県と大分県豊後大野市で募集されています。鳥取県 とっとりサウナツーリズム促進事業補助金
鳥取県は、県内の民間事業者による地域資源を生かしたサウナ関連の取り組みを支援する「とっとりサウナツーリズム促進事業補助金」を実施しています。以前はサウナイベントの開催支援が中心でしたが、現在は鳥取県産木材を使ったサウナ施設の整備費が対象に加わり、ハード整備にも使える制度へとリニューアルされました。
| 【対象者】 |
|---|
| 鳥取県内の民間事業者(グループ・団体含む)。令和9年3月31日までに完了する事業が対象で、申請は同一年度1回まで。 |
| 【対象経費】 |
| ①鳥取県産木材を使用したサウナ施設の整備費(工事請負費、備品等購入費など) ②地域資源(自然、特産物、伝統文化等)を活用した観光メニューづくりに要する経費 ③地域資源を活用したサウナグッズの商品開発・製作に要する経費 ④その他補助事業に必要な経費 |
| 補助率 | 1/2 |
|---|---|
| 補助上限額 | 100万円 |
サウナ施設の整備では県産木材を体積の半分以上使用することが要件です。年度内で随時募集しており、予算がなくなり次第終了します。補助事業実施の20日前までに、必ず事前に観光戦略課(電話:0857-26-7237)へ相談のうえ申請してください。交付決定前に着手した事業は対象外です。
大分県 豊後大野市アウトドア・サウナ施設等整備事業補助金
「サウナのまち」として知られる豊後大野市は、豊かな自然を活かしたアウトドア・サウナを観光資源として位置づけ、施設等の導入費用の一部を補助しています。令和8年度も募集が行われており、市の商工観光課には「サウナ推進室」が置かれるなど、行政を挙げてサウナによるまちづくりを推進しているのが特徴です。
| 【対象者】 |
|---|
| 市内でアウトドア・サウナ事業を実施中又は実施予定で、設置に係る法令等(公衆浴場法・消防法等)の要件を満たし、設置できる敷地を確保できる事業者 |
| 【対象経費】 |
| アウトドア・サウナ事業に必要な物品や施設等の購入・更新費用 例:テント型サウナ、薪ストーブ、サウナストーン、チェア、組み立て型プール、サウナ小屋の材料費等 |
| 補助率 | 1/2 |
|---|---|
| 補助上限額 | 10万円(市内で新たに事業を始める場合は20万円) |
予算がなくなり次第終了となるため、必ず事前に相談してください。交付決定前に実施したものは対象外で、事業は年度内に完了させる必要があります。
問い合わせ先:商工観光課 サウナ推進室 サウナ推進係(電話:0974-22-1117)
全国で使えるサウナ関連の補助金
サウナ専用の補助金を設けている自治体はまだ限られますが、全国どこでも使える国の補助金でも、サウナ事業の支援・採択事例が生まれています。ここでは代表的な2つを紹介します。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(新事業進出枠)
2026年度から、新事業進出補助金とものづくり補助金が統合されて「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」がスタートしました。このうち新事業進出枠は、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する枠で、補助上限は最大7,000万円(賃上げ特例適用時は9,000万円)、補助率は中小企業で1/2です。
サウナ事業との相性が良い理由は2つあります。第一に、この枠の前身にあたる事業再構築補助金では、個室・プライベートサウナの新規開業、サウナを目玉とする温浴施設、宿泊施設への露天風呂・サウナ付きワーケーション空間の整備など、サウナ関連の採択事例が数多く生まれてきました。異業種からのサウナ参入や既存施設の高付加価値化は、まさに「新事業進出」の典型パターンです。第二に、対象経費に建物費が含まれるため、サウナ棟の新築・改修といった施設投資に使いやすい設計になっています。
ただし、補助下限額は750万円のため、テントサウナ数張り程度の小規模投資には向きません。小さく始めるなら本記事で紹介した自治体の補助金、本格的な施設整備ならこの補助金、という使い分けがおすすめです。また、申請締切日から16か月以内に事業再構築補助金・新事業進出補助金・ものづくり補助金で採択された事業者は対象外となる点にも注意してください。
制度の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
▶【2026年最新】新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?
観光庁の観光コンテンツ造成支援
観光庁の補助事業でも、サウナを観光コンテンツとして磨き上げる取り組みが採択されています。たとえば「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」では、山形県西川町を舞台に、移動式バレルサウナを導入してサウナと地域の観光素材を組み合わせた旅行者誘客プランを企画する事業が採択されました。雪深い山あいの自然とサウナを掛け合わせた、サウナツーリズムの先行事例といえます。
2026年度(令和8年度)の観光庁予算は1,383億円と前年から大きく拡充されており、「観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業」など、地域資源を活用した観光コンテンツづくりを支援するメニューが継続的に公募されています。サウナを地域の観光の核に育てたい事業者・自治体・DMOは、観光庁の公募情報もあわせてチェックしてみてください。
出典:観光庁「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」採択事業一覧
小規模事業者持続化補助金
サウナを運営するための集客サイト制作やチラシ、店舗改修といった販路開拓の経費には、小規模事業者持続化補助金も活用できる可能性があります。詳しい制度内容は、以下の記事でご確認ください。
まとめ
サウナ市場は、ライト層の裾野拡大から、コアな愛好家が牽引するフェーズへと変化しています。遠方までサウナを目当てに旅をするヘビーサウナーが都市部で急増している今は、地域のサウナ資源を観光誘客につなげる好機です。
今回紹介したように、鳥取県は県産材を使ったサウナ施設整備の支援へと制度を進化させ、豊後大野市は専門部署「サウナ推進室」を設けて継続的に事業者を支援するなど、自治体のサウナ施策は着実に深化しています。さらに、本格的な施設投資には新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、観光コンテンツづくりには観光庁の支援事業と、国の制度も組み合わせて活用できます。
サウナ×観光に取り組む際は、まず所在地の自治体にサウナや観光関連の補助金がないかを確認し、投資規模に応じて国の補助金も検討するのがおすすめです。
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