近年、サウナは健康やリラクゼーション効果から注目され、観光産業の新たな柱として期待されています。一部の自治体ではサウナを観光資源として活用し、地域活性化を目指す補助金制度を導入しています。本記事では、サウナ補助金の事例を紹介し、観光の魅力をさらに高めるための取り組みをお伝えします!
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この記事の目次
変化するサウナ人口
日本のサウナ人口は、コロナ前の2020年までには復調していないものの、この数年増加しており、2024年の調査で約1,780万人に達しました。
増加の主な要因は、年に1回以上サウナを利用する「ライトサウナー」です。昨年度は845万人だったライトサウナーが、最新の調査では1,128万人にまで増えました。一方、頻繁に利用する「ヘビーユーザー」や「ミドルユーザー」は減少しています。これは、サウナの魅力がヘビーな愛好者だけでなく、より気軽に楽しむライトユーザーにも広がっていることを示しています。
出典:日本サウナ総研【日本のサウナ実態調査2024】愛好家はどこに行ったのか?Japan Sauna Survey 2024
サウナと観光産業の相乗効果
この変化するサウナ人口の中で、観光産業との相乗効果について考えてみましょう。
サウナ体験を新しい形で楽しむ観光スタイル、つまり「サウナツーリズム」は、新たな観光客層を引き込む手段として効果的です。例えば、北海道ではサウナを観光の核とし、豊かな自然と組み合わせたツーリズムが広がっています。自然の中でのサウナ体験は非日常的であり、単なるリラクゼーションを超えて、観光客の心に深く残るものになるでしょう。さらに、サウナ施設に地域特産品を取り入れるなど、サウナ体験と地元文化を結びつけることで、観光客にとってより魅力的な体験を提供し、地域経済への波及効果を高めることが可能になります。
このように、サウナを中心にした滞在型観光の促進は、サウナ人口の広がりと観光産業の成長を連動させ、地域全体の活性化につながることが期待されているのです。
ここからは、自治体が実施しているサウナ関連の補助金を紹介します。
鳥取県 とっとりサウナツーリズム促進イベント開催等支援事業補助金
鳥取県では、民間事業者が行うサウナを活用したイベントや観光メニューの作成を支援するため、「とっとりサウナツーリズム促進イベント開催等支援事業補助金」を実施しています。この補助金の目的は、県内のサウナの魅力を広め、サウナ観光を促進することです。
【対象者】 |
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県内民間事業者(複数の民間事業者によるグループ又は団体含む) 令和7年3月31日までに完了する事業を対象とし、同一主体による申請は年度1回までです。 |
【対象経費】 |
①サウナを核としたイベントの開催経費 ②サウナを核に鳥取県の地域資源(自然、素材、特産物、伝統文化等)を活用した観光メニューづくりに要する経費 ③鳥取県の地域資源(自然、素材、特産物、伝統文化等)を活用したサウナグッズの新しい商品開発・製作に要する経費 ④その他補助事業を実施するために必要な経費 |
補助金の対象経費には、サウナ関連の設備の借上や設置にかかる費用、イベント開催に伴う観光施設の入場料やその他必要な経費が含まれます。また、有識者や熱波師の招聘にかかる費用、WEBや紙媒体への広告掲載費、さらに広報ツール(チラシ、ポスター、動画など)の制作に関する経費も対象となります。
サウナグッズの開発・製作の場合、機械器具や消耗品の借用費用、原材料や副資材の購入費用、外部専門家による技術指導や新商品のブランディング・プロデュースにかかる費用などが対象となります。
ただし、注意点として、サウナを中心としたイベントの開催及び観光メニューの造成に関する設備や機械、器具の購入費、関係者の人件費は補助対象外です。また、観光メニューは事業主体が管理する施設を中心に、鳥取県内の周遊観光に繋がる内容であることが求められます。さらに、サウナグッズはサウナの前後や最中に使用されることを想定したものでなければなりません。
補助率 | 1/2 |
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補助上限額 | 100万円 |
【申請の流れ】
年度内で随時募集していますが、予算が無くなり次第終了します。事業実施日の20日前までに、観光戦略課に相談の上、申請手続きを行ってください。
大分県 豊後大野市アウトドア・サウナ施設等整備事業補助金
豊後大野市では、地域の豊かな自然を活かし、アウトドア・サウナを観光資源として導入する事業者を支援しています。市内全域でアウトドア・サウナを体験できる環境を整えるため、その施設の導入にかかる費用の一部を補助し、市への観光客誘致を目指します。
【対象者】 |
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次のいずれにも該当する者 - 補助金を申請する日の属する年度内において、市内でアウトドア・サウナ事業を実施、又は実施しようとしている事業者 - アウトドア・サウナ施設等の設置に係る法令等の要件を全て満たしている事業者 - アウトドア・サウナ施設等を設置できる敷地を確保できる事業者 簡潔にいうと、市内でアウトドアサウナ事業を行っている、またはこれから始める事業者を対象に、法令を満たし、設置場所を確保できる場合に補助金が支給されるということです。 |
【対象経費】 |
アウトドア・サウナ事業の実施に必要な物の購入に要する費用並びにアウトドア・サウナ施設等の購入及び更新に要する費用 例えば、次のようなものが対象になります。(テント型サウナ、薪ストーブ、サウナストーン、サウナ内チェア、休憩用チェア、組み立て型プール、温度計、薪割機、サウナ小屋の材料費等) |
補助率 | 1/2 |
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補助上限額 | 10万円(市内でアウトドア・サウナ事業を実施しようとしている事業の場合は20万円) |
【申請の流れ】
まず、事前に商工観光課へ相談します。交付決定前に実施したものは補助対象にはなりません。事業の流れとしては、事前相談から始まり、書類審査を経て交付が決定されます。その後、事業が完了した段階で実績報告を行い、最終的に補助金が支払われます。
茨城県 大子町サウナ活性化事業補助金
町への観光客誘致と地域経済の活性化を目的に、サウナ施設の整備やサウナを活用した事業を行う事業者を支援します。さらに、サウナ施設の整備事業とサウナ促進事業は、同時に利用することが可能です。
【対象者】 |
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次の全てに該当する事業者が対象です。 ・サウナ施設等の設置に係る法令等の要件を全て満たすことができる事業者又は満たしている事業者 ・サウナ施設等を設置できる敷地を確保できる事業者又は確保している事業者 |
【対象事業】 |
①サウナ施設等整備事業:新しいサウナ施設の設置や既存のサウナ施設の改修を行う事業。 ②サウナ促進事業:サウナ利用者向けにイベントなどを開催し、サウナの利用を促進する事業。 サウナ施設とは、室内の温度・湿度を高めて発汗を促す施設や付帯設備を指し、町内に設置して事業に使うものです。これらの事業は、年度ごとに1回だけ申請できます。(同時申請可) |
【対象経費】 |
①サウナ施設等整備事業: サウナ施設等の設置又は更新に要する経費(機械装置等導入費、開発費、備品等購入費、外注費等) ②サウナ促進事業 :サウナ入浴イベント等の開催に要する経費(機械装置等導入費、広告宣伝費、開発費、備品等購入費、設備等の賃借料、専門家謝金、外注費等) |
【補助率・補助額】 |
①サウナ施設等整備事業:補助率 1/2(※2/3)、 上限額50万円 ※茨城県産の木材をサウナ施設の材料の半分以上使うと、補助金率2/3になります ②サウナ促進事業:補助率 1/2 、上限額20万円 |
【申請方法と注意点】
事業を始める前に、交付申請書に必要な書類を添えて、観光商工課に提出します。事業は、交付決定を受けた年度内に完了させる必要があります。
補助金の交付決定後、要綱に違反したり、不正な行為が発覚した場合、または原則として5年以内にサウナ施設を撤去・移転・利用しなくなった場合は、補助金が取り消されることがあります。
まとめ
サウナは今や、健康促進だけでなく、観光産業の重要な資源としても注目を集めています。「サウナツーリズム」は、地域独自の自然や文化を融合させた新たな観光スタイルとして、観光客にアピールできる存在になっています。増加するライトユーザーに対しても、気軽に楽しめるサウナ体験が提供できます。
今回ご紹介したように、サウナ関連の補助金制度は、地域の観光施策において非常に有効な手段となり得ます。自治体によるこうした補助金制度の導入は、他の地域でも参考になるモデルケースと言えるでしょう。今後もサウナを核とした観光施策が全国で広がり、地域経済の発展に寄与することが期待されます。
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