「早く再就職できたのはよかったけれど、給料は前の会社より下がってしまった」――転職後にそう感じている方は、決して少数派ではありません。
厚生労働省が2026年8月31日に公表した「令和7年雇用動向調査」によると、転職した人のうち前職より賃金が「減少」した人は31.0%、そのうち「1割以上の減少」は21.9%でした。年齢が上がるほど割合は高く、50〜54歳では42.0%、60〜64歳では54.3%と半数を超えています。
こうした収入減の一部を国が補うのが、雇用保険の就業促進定着手当(しゅうぎょうそくしんていちゃくてあて)です。ただし金額のルールはここ2年で二度動きました。2025年4月1日以降に再就職した人は上限の計算割合が一律20%に下がり、2026年8月1日には計算に使う基本手当日額の上限が6,570円から6,745円へ引き上げられています。
この記事では、2026年10月時点の最新ルールで、就業促進定着手当の対象者・計算方法・月給別の早見表・もらえないケース・振込時期・申請書の書き方までを整理しました。再就職から6か月が近づいている方は、申請期限を逃さないようご確認ください。
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この記事の目次
転職で給料が下がる人はどれくらい?年齢別の割合
転職で賃金が下がった人は全体の約3割で、50代以降は4〜5割にのぼります。次の図は、令和7年雇用動向調査の「転職入職者の賃金変動状況」のうち、前職より賃金が減少した人の割合を年齢別に示したものです。
図のとおり、30代までは「減少」が2割台にとどまる一方、50〜54歳では42.0%、60〜64歳では54.3%まで上がります。年齢を重ねてからの転職ほど、収入減に備える制度を知っておく価値が高いといえるでしょう。
就業促進定着手当とは?いくらもらえるかを先に結論
就業促進定着手当とは、再就職手当を受け取った人が同じ会社で6か月以上働き、その6か月間の賃金が離職前より低かった場合に、差額の一部を一時金で受け取れる雇用保険の給付です。ハローワークでは「定着手当」と略されることもあります。もらえる金額は、2025年4月の改正以降は数万円〜20万円程度に収まるケースが中心です。上限が「基本手当日額 × 支給残日数 × 20%」で決まるため、給料の下がり幅が大きくても青天井にはなりません。
- 対象:再就職手当を受給し、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用され、賃金が下がった人
- 金額:(離職前の賃金日額 − 再就職後6か月間の賃金の1日分の額)× 賃金支払基礎日数
- 上限:基本手当日額 × 支給残日数 × 20%(2025年4月1日以降の再就職)
- 基本手当日額の上限:60歳未満6,745円/60歳以上65歳未満5,454円(2026年8月1日〜)
- 申請期限:再就職日から6か月経過した日の翌日から2か月以内
- 税金:非課税。確定申告は不要
就業促進定着手当の読み方は?
就業促進定着手当は「しゅうぎょうそくしんていちゃくてあて」と読みます。「就業(しゅうぎょう)」「促進(そくしん)」「定着(ていちゃく)」「手当(てあて)」をそのままつなげた読み方で、特別な読み替えはありません。ハローワークの窓口では「再就職手当のあとの、定着手当の申請です」と伝えれば通じます。
「就職促進定着手当」「職業促進定着手当」は別の制度?
「就職促進定着手当」「職業促進定着手当」「就業定着促進手当」「雇用促進定着手当」「再就職定着手当」などは、いずれも就業促進定着手当の表記ゆれで、別の制度ではありません。正式名称は「就業促進定着手当」だけです。
一方で「就職促進給付」と「就業促進手当」は誤記ではなく、雇用保険の正式な区分名です。名称の階層は次のとおりです。
| 名称 | 正誤と意味 |
|---|---|
| 就職促進給付 | 正式名称。雇用保険の失業等給付のうち、早期の再就職を支援する給付の大分類 |
| 就業促進手当 | 正式名称。就職促進給付に含まれる3手当(再就職手当・就業促進定着手当・常用就職支度手当)の総称 |
| 就業促進定着手当 | 正式名称。この記事で解説している手当そのもの |
| 就職促進定着手当・職業促進定着手当・雇用促進定着手当など | いずれも表記ゆれ。指しているのは就業促進定着手当 |
就業促進手当とは?3種類(再就職手当・就業促進定着手当・常用就職支度手当)の違い
就業促進手当とは、失業給付(基本手当)の受給資格がある人が早く安定した仕事に就いたときに支給される3つの手当の総称です。就業促進定着手当はそのうちの1つで、再就職手当を受けた人だけが次の段階で受け取れる「2段目」の給付にあたります。
| 手当の種類 | 主な対象者 | 支給額の計算式 |
|---|---|---|
| 再就職手当 | 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている人が、安定した職業に就いた(起業を含む)場合 | 基本手当日額 × 支給残日数 × 60%または70% |
| 就業促進定着手当 | 再就職手当を受け、同じ会社で6か月以上働き、賃金が離職前より下がった人 | (離職前の賃金日額 − 再就職後の賃金日額)× 賃金支払基礎日数。上限は基本手当日額 × 支給残日数 × 20% |
| 常用就職支度手当 | 障害のある方など就職が困難な人で、支給残日数が3分の1未満の人などが安定した職業に就いた場合 | 基本手当日額 × 90日 × 40%(支給残日数が90日未満なら残日数、45日を下回る場合は45日で計算) |
3つの手当の基本手当日額には上限があり、2026年8月1日からは60歳未満6,745円、60歳以上65歳未満5,454円で計算します。
かつては短期のアルバイトなどで働いた人向けの「就業手当」も含まれていましたが、2025年4月1日の改正法施行で廃止されました。廃止されたのは就業手当であり、就業促進定着手当は2026年10月現在も存続しています。
再就職手当の受給条件や月給別の金額は、次の記事で詳しく解説しています。
【2026年8月改定】就業促進定着手当の上限額はいくら変わった?
2026年8月1日から、就業促進手当の計算に使う基本手当日額の上限が60歳未満6,745円、60歳以上65歳未満5,454円に引き上げられました。令和7年度の平均給与額が令和6年度より約2.7%上がったことを反映した、毎年8月の定例改定です。
| 離職時の年齢 | 2026年7月31日まで | 2026年8月1日から |
|---|---|---|
| 60歳未満 | 6,570円 | 6,745円(+175円) |
| 60歳以上65歳未満 | 5,310円 | 5,454円(+144円) |
同じ日付で、失業給付そのものである基本手当日額の最高額も引き上げられました。就業促進定着手当の上限計算に使うのは上の表の額ですが、自分の基本手当日額がどの水準にあるかを確かめる目安になります。
| 離職時の年齢 | 基本手当日額の最高額(2026年8月1日から) |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,450円(+195円) |
| 30歳以上45歳未満 | 8,270円(+215円) |
| 45歳以上60歳未満 | 9,110円(+240円) |
| 60歳以上65歳未満 | 7,830円(+207円) |
| 全年齢(最低額) | 2,562円(+151円) |
就業促進定着手当の計算には、再就職手当のときと同じ基本手当日額を使います。上限額は毎年8月1日に改定されるため、再就職手当を受けた時期によって適用される額が変わります。自分の基本手当日額は、雇用保険受給資格者証で必ず確認してください。
上限の割合が「一律20%」になったのはいつから?
就業促進定着手当の上限割合は、2025年4月1日以降に再就職した人は一律20%です。基準になるのは「再就職手当を申請した日」や「支給された日」ではなく、再就職した日(就職日)です。
2025年3月31日以前に再就職した人は、再就職手当の給付率に応じて30%または40%が適用されます。同じ条件なら、現行制度の上限は旧制度のおよそ半分です。
| 再就職した日 | 上限額の計算式 |
|---|---|
| 2025年4月1日以降(現行) | 基本手当日額 × 支給残日数 × 20% |
| 2025年3月31日以前(再就職手当の給付率70%の人) | 基本手当日額 × 支給残日数 × 30% |
| 2025年3月31日以前(再就職手当の給付率60%の人) | 基本手当日額 × 支給残日数 × 40% |
雇用保険法改正で就業促進定着手当のまわりはどう変わった?
令和6年の雇用保険法等の改正法により、2025年以降の主な変更は次のとおりです。給付制限が短くなったことで、支給残日数を多く残したまま再就職できる人が増え、再就職手当と就業促進定着手当の両方を受け取れる機会自体は広がっています。
| 施行日 | 変更内容 |
|---|---|
| 2025年4月1日 | 短期就労者向けの「就業手当」を廃止 |
| 2025年4月1日 | 就業促進定着手当の上限割合を「30%または40%」から一律20%へ引き下げ |
| 2025年4月1日 | 自己都合退職の給付制限を原則2か月から1か月に短縮(5年以内に3回以上の自己都合退職は3か月) |
| 2025年10月1日 | 在職中の教育訓練休暇を支える「教育訓練休暇給付金」を創設 |
| 2026年8月1日 | 就業促進手当の算定に使う基本手当日額の上限を引き上げ(6,570円→6,745円ほか) |
| 2028年10月1日(予定) | 雇用保険の適用対象を週所定労働時間20時間以上から10時間以上へ拡大 |
就業促進定着手当をもらえる3つの条件は?
就業促進定着手当は、次の3つの条件をすべて満たした人に支給されます。1つでも欠けると対象外です。
| No. | 支給要件 |
|---|---|
| ① | 再就職手当の支給を受けていること |
| ② | 再就職の日から同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること |
| ③ | 再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること |
②については、出向などで6か月経過前に被保険者資格を失った場合も対象外です。また、離職前の賃金日額が下限額(2026年8月1日以降は3,203円)に当たる人は、③を満たせないため対象になりません。
個人事業主・自営業として起業した場合はもらえる?
もらえません。起業によって再就職手当を受けた人は、就業促進定着手当の対象外です。就業促進定着手当は「雇用保険の被保険者として同じ会社で働き続けていること」が前提で、事業主になると被保険者に当たらず②の要件を満たせないためです。
パート・アルバイト・契約社員でも対象になる?
雇用保険の被保険者であれば対象になり得ます。判断の基準は雇用形態ではなく、雇用保険に加入しているかどうかです。現在の加入要件は週所定労働時間20時間以上ですが、2028年10月1日からは週10時間以上へ広がる予定です。
前提となる「再就職手当」の条件は?
就業促進定着手当を受けるには、先に再就職手当を受給していることが絶対条件です。再就職手当は、失業給付の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている状態で安定した職業に就いたときの一時金で、残日数が多いほど給付率が高くなります。
| 就職日の前日時点の支給残日数 | 再就職手当の額 |
|---|---|
| 所定給付日数の3分の2以上 | 基本手当日額 × 支給残日数 × 70% |
| 所定給付日数の3分の1以上3分の2未満 | 基本手当日額 × 支給残日数 × 60% |
就業促進定着手当はいくらもらえる?計算方法を3ステップで解説
就業促進定着手当の支給額は、「計算式で出した額」と「上限額」を比べて、低いほうの額です。計算式は「(離職前の賃金日額 − 再就職後6か月間の賃金の1日分の額)× 6か月間の賃金支払基礎日数」、上限額は「基本手当日額 × 支給残日数 × 20%」です。
次の図は、36歳・月給21万円で転職したケース(シミュレーションのケース1)で、2つの額を比べたものです。
給料の下がり幅が大きい人ほど「①計算式の額」は大きくなりますが、実際には「②上限額」で頭打ちになるケースがほとんどです。手元で試算するときは、先に上限額を出しておくと期待値がずれません。
ステップ①離職前の賃金日額はどこで確認する?
離職前の賃金日額は、雇用保険受給資格者証の第1面「14.離職時賃金日額」の欄に書かれています。年齢区分ごとに上限額と下限額があり、2026年8月1日から次のように改定されました。
| 区分 | 離職時の年齢 | 2026年8月1日以降の金額 |
|---|---|---|
| 上限額 | 30歳未満 | 14,900円 |
| 上限額 | 30歳以上45歳未満 | 16,540円 |
| 上限額 | 45歳以上60歳未満 | 18,220円 |
| 上限額 | 60歳以上65歳未満 | 17,400円 |
| 下限額 | 全年齢共通 | 3,203円 |
ステップ②再就職後6か月間の「賃金の1日分の額」はどう出す?
月給制の人は「6か月間の賃金の合計額 ÷ 180」で出します。割る数は暦日数ではなく、常に180で固定です。日給制・時給制の人は、次の2つのうち高いほうの額になります。
| 給与形態 | 1日分の額の計算方法 |
|---|---|
| 月給制 | 6か月間の賃金の合計額 ÷ 180 |
| 日給制・時給制 | 「6か月間の賃金の合計額 ÷ 180」と「(6か月間の賃金の合計額 ÷ 賃金支払基礎日数)× 70%」のうち高いほう |
ここで出した1日分の額にも、ステップ①の上限額・下限額が当てはまります。上限額を超えれば上限額、下限額を下回れば下限額に置き換えて計算します。
ステップ③上限額(基本手当日額 × 支給残日数 × 20%)はいくら?
2025年4月1日以降に再就職した人の上限額は「基本手当日額 × 支給残日数 × 20%」です。基本手当日額は、2026年8月1日以降に再就職手当を受けた場合、60歳未満6,745円、60歳以上65歳未満5,454円が上限になります。
計算に使う「支給残日数」はどの日数?
計算に使う支給残日数は、再就職手当を受ける前の支給残日数(就職日の前日時点の残日数)です。再就職手当が支給された後に残っている日数ではありません。ここを取り違えると、試算額が実際とは大きくずれます。雇用保険受給資格者証に記載された日数で確認しましょう。
「賃金支払基礎日数」は6か月で何日?180日ではない?
計算式で掛ける「賃金支払基礎日数」は、月給制なら暦日数です。180日固定ではないため、6か月の合計は181〜184日になります。ステップ②の「÷180」と混同しやすいので、割る数は180、掛ける数は暦日数と分けて覚えてください。
| 給与形態 | 賃金支払基礎日数の数え方 |
|---|---|
| 月給制 | 暦日数(30日、31日など)。6か月の合計で181〜184日 |
| 日給月給制 | その基礎となる日数 |
| 日給制・時給制 | 実際に労働した日数 |
たとえば対象期間が5月1日〜10月31日なら184日、11月1日〜4月30日(うるう年でない場合)なら181日です。日給制・時給制の人は労働日数で数えるため、月給制より少ない日数になります。
ボーナス・残業代・交通費は賃金に含まれる?
残業手当・通勤手当(交通費)・皆勤手当は含まれますが、賞与(ボーナス)は含まれません。賞与のように3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は計算対象外です。金額は、税金や社会保険料を差し引く前の総支給額で計算します。
計算した金額は手取り?税金はかかる?
計算した金額がそのまま手取りです。就業促進定着手当は雇用保険の失業等給付にあたり、雇用保険法第12条で公課を課さないと定められているため、所得税・住民税はかかりません。確定申告も不要で、社会保険料が差し引かれることもありません。
【早見表】月給・支給残日数別に就業促進定着手当はいくらもらえる?
就業促進定着手当は、前職の月給と支給残日数でほぼ金額が決まります。給料が月2万円下がるだけでも、計算式の額(2万円 ÷ 30日 × 184日 ≒ 122,666円)が多くの人の上限額を超えるためです。
次の表は、35歳(30歳以上45歳未満)・月給制・賞与なしで離職した人を想定し、前職の月給から基本手当日額を求めたうえで、支給残日数ごとの上限額を計算したものです。給料が月2万円以上下がっていれば、おおむねこの額が支給額の目安になります。
| 前職の月給 | 基本手当日額(目安) | 残30日 | 残60日 | 残90日 | 残120日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 5,036円 | 30,216円 | 60,432円 | 90,648円 | 120,864円 |
| 25万円 | 5,775円 | 34,650円 | 69,300円 | 103,950円 | 138,600円 |
| 30万円 | 6,307円 | 37,842円 | 75,684円 | 113,526円 | 151,368円 |
| 35万円 | 6,629円 | 39,774円 | 79,548円 | 119,322円 | 159,096円 |
| 40万円 | 6,744円 | 40,464円 | 80,928円 | 121,392円 | 161,856円 |
※2026年8月1日以降の基本手当日額の計算式で算出。離職前の賃金日額は「月給 × 6 ÷ 180」(円未満切り捨て)で計算しています。年齢区分・残業代・通勤手当などで実際の額は変わります。
月給の下がり幅が小さい場合は、計算式の額のほうが低くなることがあります。たとえば月1万円の減少なら、計算式の額は約61,333円(1万円 ÷ 30日 × 184日)です。この場合は上限額と比べて低いほうが支給されます。
基本手当日額が上限に達している人の上限額はいくら?
基本手当日額が上限(60歳未満6,745円/60歳以上65歳未満5,454円)に達している人の上限額は次のとおりです。この額を超えて支給されることはありません。
| 支給残日数 | 上限額(60歳未満) | 上限額(60歳以上65歳未満) |
|---|---|---|
| 30日 | 40,470円 | 32,724円 |
| 60日 | 80,940円 | 65,448円 |
| 90日 | 121,410円 | 98,172円 |
| 120日 | 161,880円 | 130,896円 |
| 150日 | 202,350円 | 163,620円 |
| 180日 | 242,820円 | 196,344円 |
| 240日 | 323,760円 | 261,792円 |
基本手当日額が上限に届いていない人は、「自分の基本手当日額 × 支給残日数 × 0.2」で計算し直してください。20万円を超えるのは、支給残日数を150日程度以上残して再就職した人に限られます。
【シミュレーション】就業促進定着手当はいくら?3ケースで試算
2026年10月時点のルールで3つのケースを試算します。いずれも対象期間を5月1日〜10月31日(賃金支払基礎日数184日)とした月給制の例です。
ケース1|36歳・月給21万円で転職した場合はいくら?
支給額は72,243円です。計算式の額が上限額を超えるため、上限額が支給されます。
| 項目 | 前提条件 |
|---|---|
| 年齢 | 36歳(30歳以上45歳未満) |
| 離職前の賃金日額 | 8,000円 |
| 基本手当日額 | 5,644円 |
| 再就職後の月給 | 210,000円(6か月合計126万円) |
| 賃金支払基礎日数 | 184日 |
| 支給残日数 | 64日 |
| 計算項目 | 計算式と結果 |
|---|---|
| ①再就職後の1日分の額 | 1,260,000円 ÷ 180 = 7,000円 |
| ②計算式による額 | (8,000円 − 7,000円)× 184日 = 184,000円 |
| ③上限額 | 5,644円 × 64日 × 20% = 72,243円 |
同じ条件を旧制度(上限40%)で計算すると144,486円でした。改正後はおよそ半額になっています。
ケース2|25歳・給料の下がり幅が小さい場合はいくら?
支給額は55,200円です。下がり幅が小さく、計算式の額が上限額を下回るため、差額そのものが支給されます。
| 項目 | 前提条件 |
|---|---|
| 年齢 | 25歳(30歳未満) |
| 離職前の賃金日額 | 6,500円 |
| 基本手当日額 | 4,951円 |
| 再就職後の月給 | 186,000円(6か月合計111.6万円) |
| 賃金支払基礎日数 | 184日 |
| 支給残日数 | 60日 |
| 計算項目 | 計算式と結果 |
|---|---|
| ①再就職後の1日分の額 | 1,116,000円 ÷ 180 = 6,200円 |
| ②計算式による額 | (6,500円 − 6,200円)× 184日 = 55,200円 |
| ③上限額 | 4,951円 × 60日 × 20% = 59,412円 |
ケース3|48歳・支給残日数150日で20万円台になる場合は?
支給額は200,070円です。20万円前後に届くのは、支給残日数を多く残して再就職したケースに限られます。
| 項目 | 前提条件 |
|---|---|
| 年齢 | 48歳(45歳以上60歳未満) |
| 離職前の賃金日額 | 12,000円 |
| 基本手当日額 | 6,669円 |
| 再就職後の月給 | 300,000円(6か月合計180万円) |
| 賃金支払基礎日数 | 184日 |
| 支給残日数 | 150日 |
| 計算項目 | 計算式と結果 |
|---|---|
| ①再就職後の1日分の額 | 1,800,000円 ÷ 180 = 10,000円 |
| ②計算式による額 | (12,000円 − 10,000円)× 184日 = 368,000円 |
| ③上限額 | 6,669円 × 150日 × 20% = 200,070円 |
就業促進定着手当がもらえない場合は?7つのケースと判定チャート
就業促進定着手当がもらえないのは、再就職手当を受けていない、6か月続けて働いていない、賃金が下がっていない、申請期限を過ぎたといったケースです。次のチャートで、自分が対象になるかを上から順に確認できます。
チャートで1つでも「いいえ」があれば、原則として支給されません。具体的な7つのケースは次のとおりです。
| もらえない・対象外になるケース | 理由と確認ポイント |
|---|---|
| ①再就職手当を受給していない | 前提条件を満たさない。再就職手当の申請漏れや不支給がないか確認 |
| ②起業・自営業で再就職手当を受けた | 雇用保険の被保険者ではないため対象外 |
| ③6か月以内に退職・転職した | 同じ事業主に6か月以上雇用されていることが条件 |
| ④出向などで被保険者資格を失った | 事業主の都合でも、6か月経過前に資格を失うと対象外 |
| ⑤再就職後の賃金が離職前と同額以上 | 差額が出ないため支給されない |
| ⑥離職前の賃金日額が下限額(3,203円) | 再就職後の1日分の額がそれを下回らないため対象外 |
| ⑦申請期限を過ぎた | 6か月経過の翌日から2か月を過ぎると、特別な事情がない限り不支給 |
前職より給料が上がった・同じだった場合はもらえない?
もらえません。就業促進定着手当は賃金が下がったことを補う制度のため、再就職後6か月間の1日分の額が離職前の賃金日額と同額以上なら不支給です。この場合は再就職手当の受給だけで手続きは完了します。
注意したいのは、月給の額面ではなく「6か月の総支給額 ÷ 180」で比べる点です。基本給が下がっていても、残業手当や通勤手当を含めた総支給額が前職と同じ水準なら、差額は出ません。
不支給通知はいつ届く?理由はどこで確認できる?
不支給の場合も、支給の場合と同じく申請からおおむね1〜2か月後に「不支給決定通知書」が郵送されます。通知書には不支給の理由が書かれているため、納得できないときは通知書を持ってハローワークの雇用保険給付窓口で相談しましょう。決定に不服があれば、決定を知った日の翌日から3か月以内に雇用保険審査官へ審査請求できます。
「思ったより少ない」と感じるのはなぜ?
最大の理由は、2025年4月の改正で上限割合が20%に下がったことです。給料の下がり幅が大きくても上限額で止まるため、後から支給額を増やすことはできません。もう1つ多いのが支給残日数の取り違えで、「再就職手当を受けた後に残っている日数」ではなく「再就職手当を受ける前の残日数」で計算する点に注意が必要です。
就業促進定着手当にデメリットはある?
手当そのものにデメリットはありません。非課税で、正しく受給していれば、後から返還を求められることもありません。ただし、次の3点は知っておく必要があります。
- 自分で申請しないと支給されず、期限(6か月経過の翌日から2か月)を過ぎると受け取れない
- 2025年4月以降に再就職した人は上限が20%で、旧制度のおよそ半額にとどまる
- 申請書の一部と出勤簿・給与明細の写しを会社に用意してもらう必要があり、手当を申請することは会社に伝わる
就業促進定着手当はいつもらえる?申請から振込までの流れ
就業促進定着手当は、再就職から6か月経過した後に申請し、申請からおおむね1〜2か月後に振り込まれます。自動的には支給されないため、自分で申請しなければ受け取れません。次の図は、4月1日に再就職した人のスケジュール例です。
再就職手当の申請期限は就職日の翌日から1か月以内です。就業促進定着手当の申請書は、再就職手当の支給決定通知書と一緒にハローワークから郵送されるため、届いたら捨てずに保管しておきましょう。
対象になる「6か月間」はどう数える?
対象期間は、就職日と給与の締め日の関係で決まります。
- 就職日が給与締め日の翌日の場合:就職日から6か月間
- 就職日が給与締め日の翌日以外の場合:就職日以降の最初の締め日の翌日から6か月間
たとえば月末締めの会社に4月15日に入社した場合、5月1日〜10月31日の6か月間で計算し、4月15日〜4月30日分の賃金は含みません。一方で申請期間は就職日(この例では4月15日)から数えるため、賃金の集計期間とずれることがあります。6期目の給与明細がそろう時期と申請期限が近い場合は、早めにハローワークへ確認しておくと安心です。
申請期限は「6か月経過した日の翌日から2か月以内」
申請期限は、再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月以内です。4月1日に再就職した人なら、10月1日〜11月30日が申請期間になります。期限を過ぎると、天災など特別な事情がある場合を除いて原則として受給できません。
振込が「早かった」「遅い」のはなぜ?
振込までの期間は、ハローワークの審査状況と書類の不備の有無で変わります。早い人は申請から3週間ほどで入金されることもあれば、賃金の確認に時間がかかって2か月近くかかることもあります。
| 振込が早くなりやすいケース | 振込が遅くなりやすいケース |
|---|---|
| 出勤簿・給与明細が6か月分そろっている | 賃金欄に空欄や記入漏れがある |
| 月給制で賃金の変動が少ない | 日給・時給制で労働日数の確認が必要 |
| 窓口に持参し、不備をその場で直せた | 郵送で不備が見つかり差し戻された |
| 再就職手当の申請時から住所・口座の変更がない | 住所や振込口座を変更している |
「遅い」と感じたら、まず支給決定通知書が届いているかを確認し、届いていなければ申請したハローワークの雇用保険給付窓口に問い合わせましょう。
就業促進定着手当の申請方法と必要書類は?申請書の書き方
就業促進定着手当は、申請書・雇用保険受給資格者証・出勤簿の写し・給与明細(または賃金台帳)の写しの4点を、住所地を管轄するハローワーク(通常は再就職手当を申請したハローワーク)に提出して申請します。窓口への持参のほか、郵送でも提出できます。
申請に必要な書類は?
| 書類名 | 入手先・作成者 |
|---|---|
| 就業促進定着手当支給申請書 | 再就職手当の支給決定通知書と一緒に郵送される。ハローワークインターネットサービスでも作成・印刷できる |
| 雇用保険受給資格者証 | 再就職手当の受給時に返却されたもの |
| 就職日から6か月間の出勤簿の写し | 再就職先の会社が用意 |
| 就職日から6か月間の給与明細または賃金台帳の写し | 再就職先の会社が用意 |
就職日が賃金締切日の翌日でない場合、給与明細などは就職後最初の締切日の翌日から6か月分が対象です。
会社に頼みにくい…手当の申請は会社に知られる?
知られます。申請書には会社が記入する欄(事業所の名称・所在地・賃金の支払状況など)があり、出勤簿と給与明細の写しも会社に用意してもらう必要があるためです。
とはいえ、就業促進定着手当は雇用保険の正規の給付で、会社側に費用負担や不利益はありません。依頼するときは「再就職手当を受けた人が6か月後に出す、雇用保険の就業促進定着手当の申請です。事業主記入欄と、出勤簿・給与明細6か月分の写しをお願いします」と、用途と必要な物をまとめて伝えるとスムーズです。再就職から5か月半を目安に、人事・総務担当へ早めに声をかけておきましょう。
申請書はどこを自分で書き、どこを会社に書いてもらう?
申請書は、本人が記入する欄と会社が記入する欄に分かれています。
| 記入者 | 該当する欄と主な内容 |
|---|---|
| 本人(6〜10欄・16欄) | 氏名・住所などの本人情報と署名など。6〜10欄は再就職手当の申請時から変更がなければ省略できる |
| 会社(11〜15欄) | 事業所の名称・所在地、賃金の支払状況など |
住所の欄は、1行目に都道府県名を書かずに市区郡名と町村名を、2行目に丁目・番地のみを、3行目にアパート名やマンション名を記入します。偽りの記載をすると不正受給として返還や納付命令、刑罰の対象になることがあるため、内容は正確に書きましょう。
「賃金」の欄(14欄)の記入例は?
14欄は、会社が賃金締切日ごとの期間・賃金支払基礎日数・賃金額を記入する欄で、支給額の判定に直結する最重要項目です。就職日から最初の締切日までの期間と、その後の締切日ごとの期間に分けて記入します。賃金額は税金・社会保険料を差し引く前の総支給額で、残業手当や通勤手当を含め、賞与は含めません。
月末締めの会社に4月15日に入社した場合の記入イメージは次のとおりです。
| 期間 | 賃金支払基礎日数 | 計算での扱い |
|---|---|---|
| 4月15日〜4月30日 | 16日 | 就職日から最初の締切日まで(計算の対象外) |
| 5月1日〜5月31日 | 31日 | 1期目 |
| 6月1日〜6月30日 | 30日 | 2期目 |
| 7月1日〜7月31日 | 31日 | 3期目 |
| 8月1日〜8月31日 | 31日 | 4期目 |
| 9月1日〜9月30日 | 30日 | 5期目 |
| 10月1日〜10月31日 | 31日 | 6期目 |
この例で計算に使う6期分の合計は184日です。1か月分でも空欄があると差し戻しの原因になるため、会社から受け取ったら6期分そろっているか確認しましょう。
申請書はどこでダウンロードできる?
ハローワークインターネットサービスの「就業促進定着手当支給申請書」のページで、様式のみの印刷と、内容を入力してからの印刷のどちらかを選べます。A4の白色用紙に等倍(倍率100%)で印刷することが必須で、OCR(光学式文字読取装置)で読み取るため、縮小印刷や3つの基準マーク(■)の欠け・かすれがあると窓口で受理されません。なお、このページは申請書を作るためのもので、ここで申請が完了するわけではありません。電子申請を希望する場合は、事前に最寄りのハローワークへ問い合わせてください。
参考:就業促進定着手当支給申請書|ハローワークインターネットサービス
郵送で申請するときの注意点は?
郵送する場合は、ハローワークの雇用保険給付窓口宛てに、申請期限内に届くよう余裕をもって発送します。雇用保険受給資格者証は原本を同封することになるため、追跡できる方法で送り、提出書類はすべてコピーを取って手元に残しておくと安心です。
転職で給料が下がったときに使える制度は?就業促進定着手当以外も確認
転職で収入が減ったときに使える国の制度は、就業促進定着手当だけではありません。年齢や離職・再就職の状況によって、受けられる給付が変わります。
| 状況 | 使える可能性がある制度 |
|---|---|
| 再就職手当を受け、6か月働いて賃金が下がった | 就業促進定着手当 |
| 60歳以降も同じ会社で働き、60歳時点より賃金が下がった | 高年齢雇用継続基本給付金 |
| 60歳以降に失業給付を受けてから再就職した | 再就職手当+就業促進定着手当、または高年齢再就職給付金(いずれか一方を選択) |
| 65歳以上で離職して求職中 | 高年齢求職者給付金 |
| スキルアップのため教育訓練を受ける | 教育訓練給付金、教育訓練休暇給付金 |
転職でもらえる給付金を一覧で確認したい方は、次の記事も参考にしてください。
60歳以上で賃金が下がった人は高年齢雇用継続給付も対象?
60歳以上65歳未満で、60歳時点と比べて賃金が75%未満に下がった雇用保険の被保険者(被保険者期間5年以上)は、高年齢雇用継続給付の対象になります。支給率の上限は、2025年4月1日以降に60歳に達した人から賃金の15%→10%へ引き下げられました。
| 60歳に達した日 | 支給率の上限 |
|---|---|
| 2025年3月31日以前 | 各月に支払われた賃金の15% |
| 2025年4月1日以降 | 各月に支払われた賃金の10% |
支給対象月の賃金が支給限度額(2026年8月1日以降は397,369円)以上の月は支給されません。なお、失業給付を受けてから再就職した60歳以上の人は、再就職手当と高年齢再就職給付金のどちらか一方しか受けられません。就業促進定着手当は再就職手当を受けた人が対象のため、どちらを選ぶかで受け取れる総額が変わります。比較はハローワークの給付窓口で試算してもらうのが確実です。
就業促進定着手当に関するよくある質問
就業促進定着手当はいくらもらえるのが目安ですか?
2025年4月1日以降に再就職した人は、数万円〜20万円程度が目安です。上限額は「基本手当日額 × 支給残日数 × 20%」で、基本手当日額が上限の6,745円(60歳未満)なら、支給残日数60日で80,940円、90日で121,410円、150日で202,350円が上限になります。給料が月2万円以上下がっている人の多くは、この上限額がそのまま支給額になります。
就業促進定着手当はいつ振り込まれますか?
申請書を提出してから、おおむね1〜2か月後に支給決定通知書が届き、指定の口座に振り込まれます。早い場合は3週間ほどで入金されることもあります。書類に不備があると確認に時間がかかるため、出勤簿と給与明細を6か月分そろえ、賃金欄に記入漏れがないか確認してから提出しましょう。
就業促進定着手当の申請期限はいつまでですか?
再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月以内です。4月1日に再就職した人なら、10月1日〜11月30日が申請期間です。期限を過ぎると、天災など特別な事情がある場合を除いて原則として受給できません。
申請期限の2か月を過ぎてしまったらどうなりますか?
原則として受給できなくなります。期限後の申請が認められるのは、天災など特別な事情があると認められる場合に限られます。まずはハローワークに事情を説明して相談してください。次回に備えるなら、再就職から5か月半を目安に会社へ書類を依頼し、6か月経過後すぐに提出できる状態にしておくのが確実です。
2026年8月の改定で何が変わりましたか?
2026年8月1日から、就業促進手当の計算に使う基本手当日額の上限が、60歳未満は6,570円から6,745円へ、60歳以上65歳未満は5,310円から5,454円へ引き上げられました。令和7年度の平均給与額が令和6年度より約2.7%上がったことを反映した改定です。離職前の賃金日額の上限・下限なども同時に改定されましたが、上限割合が20%である点は変わっていません。
計算した金額は手取りですか?税金はかかりますか?
計算した金額がそのまま手取りです。就業促進定着手当を含む雇用保険の失業等給付は、雇用保険法第12条により公課を課さないと定められており、所得税・住民税はかかりません。確定申告も不要で、社会保険料が差し引かれることもありません。
ボーナスや残業代、交通費は計算に含まれますか?
残業手当・通勤手当(交通費)・皆勤手当は含まれますが、賞与(ボーナス)は含まれません。3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は計算の対象外です。金額は手取りではなく、税金や社会保険料を差し引く前の総支給額で計算します。
賃金支払基礎日数は6か月なら180日でよいのですか?
月給制の場合は暦日数で数えるため、180日固定ではありません。5月1日〜10月31日なら184日、11月1日〜4月30日(うるう年でない場合)なら181日です。180という数字は、再就職後6か月間の賃金の1日分の額を出すときの割る数です。日給制・時給制の場合は、実際に労働した日数で数えます。
計算に使う支給残日数は、再就職手当をもらった後の日数ですか?
いいえ。上限額の計算に使うのは、再就職手当を受ける前の支給残日数(就職日の前日時点の残日数)です。再就職手当が支給された後に残っている日数ではありません。雇用保険受給資格者証に記載された日数で確認してください。
「6か月間」の数え方はどうなりますか?
就職日が給与締切日の翌日なら「就職日から6か月間」、それ以外なら「就職日以降の最初の締切日の翌日から6か月間」の賃金で計算します。月末締めの会社に4月15日に入社した場合は、5月1日〜10月31日が計算の対象で、4月15日〜4月30日の賃金は含みません。申請期間は就職日から数えるため、賃金の集計期間とずれることがあります。
個人事業主・自営業として起業した場合はもらえますか?
もらえません。起業により再就職手当を受けた人は、就業促進定着手当の対象外です。就業促進定着手当は、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていることが条件で、事業主になると被保険者に当たらないためです。
パート・アルバイトでも対象になりますか?
雇用保険の被保険者であれば対象になり得ます。判断の基準は雇用形態ではなく、雇用保険に加入しているかどうかです。現在の加入要件は週所定労働時間20時間以上で、2028年10月1日からは週10時間以上へ広がる予定です。
就業促進定着手当を申請すると会社に知られますか?
知られます。申請書には会社が記入する欄があり、出勤簿と給与明細の写しも会社に用意してもらう必要があるためです。ただし雇用保険の正規の給付で、会社に費用負担はありません。「雇用保険の就業促進定着手当の申請に使う」と用途を伝え、早めに依頼しましょう。
「就職促進定着手当」「職業促進定着手当」とは別の制度ですか?
いずれも同じ制度を指す表記ゆれで、正式名称は「就業促進定着手当」だけです。一方、「就職促進給付」は雇用保険の正式な区分名で、その中の再就職手当・就業促進定着手当・常用就職支度手当の3つをまとめて「就業促進手当」と呼びます。
不支給通知が届きました。理由はどこで確認できますか?
不支給決定通知書に理由が書かれています。多いのは、再就職後の賃金の1日分が離職前の賃金日額を下回っていない、6か月以内に被保険者資格を失った、離職前の賃金日額が下限額に当たる、といったケースです。納得できない場合はハローワークの雇用保険給付窓口に相談し、決定に不服があれば、決定を知った日の翌日から3か月以内に雇用保険審査官へ審査請求できます。
就業促進定着手当を受け取った後に退職したらどうなりますか?
受け取った手当を返す必要はありません。受給後に離職して失業状態になった場合、前回の受給期間内であれば、再就職手当と就業促進定着手当に相当する日数を差し引いた残りの日数分の基本手当を受けられることがあります。また、再就職先で12か月(解雇・倒産などによる離職は6か月)以上働いていれば、新たに失業給付の受給資格が生じることがあります。
就業促進定着手当は廃止されたのですか?
廃止されていません。2025年4月1日に廃止されたのは、短期就労者向けの「就業手当」です。就業促進定着手当は2026年10月現在も存続していますが、2025年4月1日以降に再就職した人は上限割合が20%に引き下げられています。
まとめ|就業促進定着手当を確実に受け取るための3つのポイント
就業促進定着手当は、転職で収入が下がった人に差額の一部を一時金で補う雇用保険の給付です。2026年8月1日から計算に使う基本手当日額の上限が60歳未満6,745円へ引き上げられた一方、2025年4月以降に再就職した人の上限割合は20%のままで、支給額は数万円〜20万円程度が中心です。
「思っていたよりもらえなかった」を防ぐには、早見表で上限額を試算し、期待値を合わせておくことが大切です。確実に受け取るためのポイントは次の3つです。
- 再就職手当を必ず申請し、支給決定を受けておく(就業促進定着手当の絶対条件)
- 再就職から5か月半を目安に、会社へ申請書の記入と出勤簿・給与明細6か月分の写しを依頼する
- 申請期限(6か月経過した日の翌日から2か月以内)を必ず守る
条件に当てはまるなら、非課税でそのまま手元に残る給付金です。申請を忘れずに、新しい職場でのスタートに役立ててください。
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