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テレワークやリモートワークに使える補助金・助成金まとめ

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生活様式の変化や働き方の多様化を背景に、テレワークやリモートワークが定着してきました。テレワークは感染症対策だけでなく、直接会えない人ともコミュニケーションを取る便利な手段として、柔軟な労働スタイルの実現に一役買っています。一方で、新しい設備の導入は予算的・技術的な負担を伴います。不安定な社会情勢が続く昨今、特に中小企業におけるテレワーク導入率は、大企業の6割程度です。

今回は、これからテレワーク・リモートワークの環境整備を進めたい中小企業向けの補助金や助成金をまとめました。

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この記事の目次

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人材確保等支援助成金(テレワークコース)

人材確保等支援助成金(テレワークコース)では、テレワークを制度として導入・実施することにより、労働者の人材確保や雇用管理改善等を行った場合に助成が受けられます。

テレワークを新規に導入する(試行的に導入している・していた)新規導入事業主のほか、令和6(2024)年からは、テレワークを既に導入しており、実施を拡大する事業主の方も対象になります。

本コースには、「機器等導入助成」と「目標達成助成」が設定されています。各助成の主な要件や内容は、以下のとおりです。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)ではいくらもらえる?

助成金を受け取るには、事業主が以下の措置を行う必要があります。

①機器等導入助成
■テレワーク実施計画を作成し、管轄の労働局にて認定を受ける

■テレワーク実施計画に基づき、実際にその取組を実施する

■テレワーク実施状況が、以下の基準のいずれかを満たす
・評価期間(機器等導入助成)において、テレワーク実施対象労働者全員が1回以上、テレワークを実施する
・評価機関(機器等導入助成)にテレワーク実施対象労働者が、週平均1回以上テレワークを実施する

■労働者がテレワークを実施しやすい職場風土作りの取組を行う
②目標達成助成
■離職率に係る目標の達成
・テレワークに関する制度の整備の結果、評価期間後1年間の離職率が、計画提出前1年間の離職率以下となった
・評価時離職率が30%以下である

■評価期間(目標達成助成)に、1回以上テレワークを実施した労働者数が、評価期間(機器等導入助成)初日から1年を経過した日における事業所の労働者数に、計画認定時点における事業所の労働者全体に占める対象労働者の割合を掛け合わせた人数以上である

機器等導入助成と目標達成助成において、以下のように支給されます。

助成 支給額 上限額
①機器等導入助成 支給対象となる経費の50%※←令和5年度までの助成(30%)から拡充! 以下のいずれか低い方の金額が上限
 ・1企業あたり100万円
 ・20万円 X 対象労働者数
②目標達成助成 対象経費の15%(賃金要件を満たす場合は25%) 以下のいずれか低い方の金額が上限
 ・1企業あたり100万円
 ・20万円 X 対象労働者数

人材確保等支援助成金(テレワークコース)の対象経費は?

対象経費
①就業規則・労働協約・労使協定の作成・変更
■就業規則・労働協約の作成・変更費用
■労使協定の作成・変更費用
②外部専門家によるコンサルティング
コンサルティングを行う専門家への謝金、コンサルティングを行う専門家の旅費 など
➂テレワーク用通信機器等の導入・運用
テレワーク用端末レンタル・リース費用、ネットワーク機器、テレワーク用サービス利用料 など
④労務管理担当者に対する研修
専門家への謝金・旅費、労務管理担当者の旅費、研修会場の借料 など
⑤労働者に対する研修
専門家への謝金・旅費、労働者の旅費、研修会場の借料 など

令和6年4月1日から、仮想オフィスに係るサービス利用料、クラウドを用いたコミュニケーションツール・ペーパーレス化ツールの利用料が新たに助成対象になりました。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)の申請方法

申請は、以下の流れで行います。

①テレワーク実施計画の作成・提出
②認定を受けたテレワーク実施計画に基づき、テレワークを可能とする取組を実施
③評価期間(機器等導入助成)テレワークを実施
④機器等導入助成に係る支給申請
⑤評価期間(目標達成助成)において、テレワークを実施
⑥目標達成助成に係る支給申請

事業全体のイメージは、以下の図も参照してください。

出典:申請マニュアル

なお、テレワーク実施計画等の書類は、以下のうちの早い日までに提出します。

■取組実施予定日のうち、最も早い日の1か月前の前日
■評価期間(機器等導入助成)開始予定日の1か月前の前日

東京都が設置するテレワーク支援事業

東京都では、テレワークに関する支援事業が複数設置されています。今回は「テレワーク促進助成金」と「【テレワークの課題解決】テレワーク定着促進フォローアップ助成金」についてご紹介します。

それぞれに共通する、対象事業者の主な要件は以下の①~⑧です。

①都内で事業を営んでいる中堅・中小企業等である
②都内に勤務する常時雇用する労働者を2名(テレワーク推進強化奨励金は1名)以上雇用している
➂都税の未納付がない
④過去5年間に重大な法令違反等がない
⑤労働関係法令を遵守している
⑥風俗営業者や暴力団関係者等でない
⑦常時雇用する労働者が10人以上の企業等では、就業規則を作成して労働基準監督署に届出を行っている
⑧すでに該当助成金を受給(受給予定も含む)していない

そのほか、各事業の主な要件や内容は、以下のとおりです。

テレワーク促進助成金とは

都内で事業を営んでいる中堅・中小企業等が、テレワークの活用促進に取り組む際に利用できる助成金です。在宅勤務、モバイル勤務等テレワークの実施を可能とする情報通信機器等の導入等の費用の一部が助成されます。

当助成金には、「一般コース」と「非正規社員拡充コース」の2つが設置されています。

①一般コース 都内事業所に所属の常時雇用する労働者を対象に、在宅勤務、モバイル勤務等を可能とするテレワーク機器・ソフトウェア等のテレワーク環境整備に係る経費を助成します。
②非正規社員拡充コース 都内事業所に所属の非正規社員へのテレワーク拡充に係る在宅勤務、モバイル勤務等を可能とするテレワーク機器・ソフトウェア等のテレワーク環境整備に係る経費を助成します。また、テレワーク課題解決コンサルティングを受けて「テレワーク導入提案書」の発行を受けることが要件のひとつです。

なお、2つのコースに、同時に申請することはできません。

テレワーク促進助成金 どうしたらもらえる?

いずれのコースでも、支給決定日から4か月以内に完了する取組みが対象です。主な要件は、以下のとおりです。

■実施計画に基づいて整備したテレワーク環境を活用し、対象者全員に6回以上のテレワーク勤務を実施させること

なお、実績報告提出時に東京都が実施する「テレワーク東京ルール」実践企業宣言書(「テレワーク推進リーダー設置」表示があるもの)の提出が必要です。

また、令和5~6年度実施のテレワーク定着促進フォローアップ助成金に申請中の事業者は対象外です。

テレワーク促進助成金 いくらもらえる?

常時雇用する労働者数 助成率 上限額
30人以上999人以下の事業所 1/2 250万円
2人以上30人未満の事業所 2/3 150万円

テレワーク促進助成金 対象経費は

一般コースの対象経費は以下のとおりです。

助成対象経費の科目 内容
消耗品費 パソコン、タブレット、スマートフォン、周辺機器・アクセサリ等の物品購入費(税込単価1000円以上10万円未満)
購入費 財務会計ソフト、CADソフト等の税込単価10万円以上の業務ソフトウェア
委託費 システム機器や物品等の設置・設定費等
システム機器等の保守委託等の業務委託料等
システム導入時運用サポート費等
賃借料 パソコンリース・レンタル料等
使用料 ソフトウェア利用料等

テレワーク促進助成金 申請方法・応募期間

【申請方法】
一般コースは「郵送」または「電子申請(Jグランツ)」、非正規社員拡充コースは「郵送」のみの申請です。

【申請受付期間】
令和6年5月8日(水)~令和7年2月28日(金)

■郵送:締切日当日消印有効
■電子申請(Jグランツ):締切日当日23時59分までに提出されたものまで有効

なお、予算の範囲を超えた場合は、申請受付期間内でも受付が終了されます。

参考:テレワーク促進助成金(令和6年度)

テレワーク定着促進フォローアップ助成金とは

テレワーク定着促進フォローアップ助成金は、定着しつあるテレワークのフォローアップとして、テレワーク実施に関する課題解決を目指したツール等の導入経費を支援するものです。東京都が実施する「テレワーク課題診断コンサルティング」を終了した中小企業等が対象です。

テレワーク定着促進フォローアップ助成金 どうしたらもらえる?

支給決定日から4か月以内に、以下の2つを満たす取組が支援の対象です。

①ツール等の購入や設定等が、全て完了した状態である
②課題解決対象者が、対象ツールを1回以上使用した実績がある
また、対象となる事業者は以下の条件を満たす必要があります。

■「テレワーク規程」を作成する
■「テレワーク東京ルール実践企業宣言」制度へ登録し、「テレワーク推進リーダー設置」表示のある宣言書が発行されている
■テレワーク促進助成金、テレワーク導入ハンズオン支援助成金および育児・介護との両立のためのテレワーク導入促進助成金に申請中でない
■「テレワーク課題改善提案書」を受領している 等

テレワーク定着促進フォローアップ助成金 いくらもらえる?

助成額 上限額
1/2 100万円

テレワーク定着促進フォローアップ助成金 対象経費は

対象経費 内容
①消耗品費 物品購入費等(コミュニケーションツールに付随するウェブカメラ等)
②備品費 10万円以上の物品購入費等(NAS・PBX 等)
➂購入費 10万円以上の業務ソフトウェア(財務会計ソフト、CADソフト等)
④委託費 ■導入機器や物品等の設置・設定費等
■保守委託等の業務委託料等
■導入時運用サポート費等
⑤賃借料 機器リース料、レンタル料等(パソコン・タブレット・携帯電話・スマートフォンの賃借料を除く)
⑥使用料 ソフトウェア利用料等

テレワーク定着促進フォローアップ助成金 申請方法・応募期間

【申請方法】
都が実施するテレワーク課題解決コンサルティングを受け、事務局の発行する「テレワーク課題改善提案書」を受領してから、「テレワーク課題改善提案書」の有効期限内に申請します。

【申請受付期間】
令和6年5月8日(水)~令和7年2月28日(金)

■郵送:締切日当日消印有効
■電子申請(Jグランツ):締切日当日23時59分までに提出されたものまで有効

参考:【テレワークの課題解決】テレワーク定着促進フォローアップ助成金

テレワーク・リモートワークの普及背景とその重要性

総務省が発表した「令和4年度通信利用動向調査」によると、テレワークの導入率は、資本規模に比例して大きくなります。資本規模50億円の企業では91%がテレワークを導入している一方で、5,000万円から1億円未満の中小企業では58.9%、1,000万円未満ではわずか25.2%に留まります。

導入の目的では「新型コロナウイルス感染症への対応」がもっとも高くなりましたが、「非常時」の事業継続に備えて」や「勤務者の移動時間の短縮・混雑回避」、「勤務者のワークバランスの向上」と回答した企業も、それぞれ3割程度に上りました。

そんななか、今後導入予定があると回答した企業の割合は減少傾向にあります。その理由では「テレワークに適した仕事がないから」が82.3%で最も多くなった半面、「費用がかかりすぎるから」が6.6%、「メリットがよくわからないから」が3.8%と、業務内容とは無関係にテレワークの導入を選択しないケースもありました。テレワークに関心があり、導入可能な環境にある企業では、すでに設備が整ったということなのかもしれません。

一方で、テレワークをすでに導入した企業では「効果があった」と回答した企業は79.8%に上ります。

出典:令和4年度通信利用動向調査

予算や技術面の問題で導入を見送っている企業では、これから新たにテレワークを導入することで、ある程度の効果が見込めそうです。

まとめ

テレワークは、一般的な働き方のひとつとして広がりつつあります。就職希望者にも、「テレワークができるかどうか」を重要視する人は多いようです。

少子高齢化による人材不足が深刻化する昨今では、こうした働き方の多様さも人材確保の大きなポイントとなります。補助金や助成金を上手に活用して、テレワークが可能な職場環境を整えていきましょう。

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