▼12月7日更新
※第2回の受付期間の締切が12月28日に迫っています。本事業の利用を希望される場合は、お早めにお申し込みください。
原油価格の高騰やエネルギーの供給不安定化により、中小企業の経営状況が悪化しています。
そこで東京都では、都内中小企業に対して、専門家の派遣や助成金によって設備などの導入を支援し、省エネルギー化や固定費の削減などの取組による経営基盤の安定化を目指すための「原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」を実施しています。
本記事では、「原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」に関しての要件や対象、申請方法などについて解説します。
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この記事の目次
原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業とは
原油価格の高騰が長期化していることや、エネルギーの供給不安定化に伴い、都内の中小企業の経営状況に影響を与えていることが懸念されています。
この事態を脱却するために実施されているのが「原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」です。この制度は、専門家の派遣や助成金によって設備などの導入を支援し、省エネルギー化や固定費の削減などの取り組みによる経営基盤の安定化を目的としています。
緊急対策事業は、対象者や内容によって「専門家派遣支援」と「助成金支援」の2つのステップに分かれます。専門家派遣支援を実施した事業者のみが、助成金支援の申請が可能です。ここでは、それぞれの要件や支援内容について紹介していきます。
専門家派遣支援
【対象者】
対象者は、下記2つの要件の両方を満たす東京都内の中小企業者(個人事業主も含まれる)です。
- 直近の決算期の売上高が、前期または前々期と比べて10%以上減少していること、または、次期の決算期の売上高が、前期または前々期と比べて10%以上減少することが見込まれていること
- 直近の決算期で損失を計上していること、または、次期の決算期で損失を見込んでいること
1事業者につき申込は1回のみです。次期の決算期を使用して要件を満たす場合は、売上高・損失の確認のため、売上台帳や元帳の準備が必要です。
【支援内容】
原油価格の高騰などが原因で経営が影響を受けている事業者の申込に応じて、専門家が訪問し、現地で調査やアドバイスなどを実施します。
【支援実施場所】
東京都内にある事業所や工場
事業所は、自社で所有しているまたは賃貸借している必要があります。専門家が派遣された事業所が、その後の助成金に申請する際の取り組み場所となります。
なお、原則として東京都内が対象ですが、首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)であれば申請可能なことが多いです。
【費用】
無料 (1社あたり最大2回)
【申込受付期間】
第2回令和 4年10月11日~令和4年12月28日16時30分
助成金支援
助成金支援は、専門家派遣を受けた事業者を対象に、省エネルギー化や原油価格高騰等の影響を受けている固定費削減のための設備の導入経費の一部を助成するものです。助成金申請に関する募集要項は、別途公表される予定です。
【対象者〕
専門家派遣を受けた事業者
専門家派遣を受けずに助成金のみ申請することはでませんので、ご注意ください。
【助成対象経費】
専門家のアドバイスに基づき、省エネルギー化や原油価格高騰などの影響を受けている固定費の削減のための設備導入に必要な経費の一部が助成対象経費です。収益の増加を目的とする経費は対象外となります。
【助成率・限度額】
助成率:助成対象経費の4/5以内
限度額:1,000万円(下限額100万円)
【助成対象期間】
交付決定日より1年間
事業実施の流れ
次に、申請の流れや準備するものを紹介します。
【申込資格】
申込をする際には以下の①~⑦の条件を満たす必要があります。
①2期以上、東京都内で事業を行なっていること
登記や建物があるだけではなく、申込書・ホームページ・名刺・看板・電話連絡時の状況などさまざまな観点から、客観的に見て都内に根付いて事業活動が行われていることを総合的に判断します。
②都内の中小企業で大企業が実質的に経営に参画していないこと
中小企業者とは、株式会社・合同会社・合名会社・合資会社・有限会社・個人事業者のいずれかが該当します。中小企業者に該当する法人と資本金、従業員は以下を参考にしてください。
業種 | 資本金の額・出資の総額 | 常時雇用する労働者の数 | |
小売業 | 5,000万円以下 | または | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 | |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 | |
製造業・情報通信業(一部はサービス業)・建設業・運輸業・その他 | 3億円以下 | 300人以下 | |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円以下 | 900人以下 | |
ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 | |
旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
大企業とは、中小企業投資育成株式会社又は投資事業有限責任組合を除く、中小企業者以外の事業者を指します。
※大企業が実質的に経営に参画するとは、以下に該当するものが対象です。
- 大企業が単独で発行済の株式総数もしくは、出資総額の2分の1以上を所有・出資している場合
- 大企業が複数で発行済の株式総数もしくは、出資総額の3分の2以上を所有・出資している場合
- 役員総数の2分の1以上を大企業の役員もしくは、職員が兼務している場合
- 大企業が実質的に経営に参画していると考えられる場合
③決算に関して以下の条件を全て満たしていること
- 直近の決算期の売上高が、前期又は前々期と比べて10%以上減少していること、又は、次期の決算期の売上高が、前期又は前々期と比べて10%以上減少することが見込まれていること
- 直近の決算期で損失を計上していること、又は、次期の決算期で損失を見込んでいること
④専門家派遣申請の時点で法人、又は個人事業者であり、以下を満たしていること
・法人…東京都内に登記簿上の事業所があること(本店もしくは支店でも可)
・個人事業者…東京都内で事業を営んでおり、開業届を提出、もしくは確定申告を行なっていること
⑤過去に本事業の支援を受けていないこと
※申込は1事業者につき1回
⑥申込時に必要な書類を用意できること
申込には、申込フォームへの入力とともに以下の書類の準備が必要です。
・法人…発行してから3ヶ月以内の履歴事項全部証明書の写し・工場等の所在を確認できるもの(会社案内・パンフレット・ホームページなど)
・個人事業者…個人事業の開業や廃業などの届出書の写し(税務署による収受印があるもの、もしくは電子申告の受信通知)・工場等の所在を確認できるもの(会社案内・パンフレット・ホームページなど)
⑦暴力団関係者、もしくは風俗関連業・ギャンブル業・賭博等の支援の対象として社会通念上、適切でないと判断される業態を営んでいないこと
申請の流れ
①専門家派遣の申込(所定の申込フォームに必要な項目を入力し申込を行います。)
②申込内容確認
③専門家派遣の決定(事務局にて内容が確認でき次第「専門家派遣 支援事業者決定」のお知らせが届きます。)
④派遣日の日程決定(専門家より、連絡担当者へ日程調整の連絡が届きます。)
⑤専門家派遣の実施(専門家が事業所に来て支援をします。)
⑥助成金の申請受付
⑦審査
⑧助成金の交付決定
原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業活用のメリット・活用事例
この「原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」の支援を活用することで、無料で専門家の助言をもらえることや、助成金によって低コストでさまざまな設備導入ができる点がメリットとしてあげられます。
【主な活用事例】
専門家派遣のアドバイスをもとに以下のような設備の導入が可能です。
- 高効率乾燥機
- 高性能給湯設備
- 省エネ効率の高いボイラー
- 高効率の大型冷凍冷蔵庫
- 電気自動車や燃料電池車などをタクシー等とする際に必要となる付帯設備
まとめ
この記事では、「原油価格高騰等に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」についての要件や対象、申請方法などについて解説しました。
助成金の申請には、事前に専門家派遣の申請・実施が必要となります。専門家派遣は無料で申請が可能で、申込期限は令和4年12月28日16時30分までです。
申請には申込フォームへの入力や書類の準備も必要ですので、検討している方は早めに取組ができるようにしましょう。