東京都内の中小企業は現在、エネルギーや原材料の価格上昇による物価高騰や円安の影響を受けて、引き続き厳しい経営環境に直面しています。一方で、雇用状況には改善の兆しが見られるものの、今後の動向には注意が必要です。これらの課題が特に顕著になる年末に向けて、東京都産業労働局は、中小企業と雇用・就業に焦点を当てたきめ細やかな特別対策を実施することを発表しました。
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この記事の目次
中小企業に対する金融支援の強化
東京都は、中小企業制度融資の「クイックつなぎ(小口)」の融資限度額を300万円から500万円へ、「クイックつなぎ(事業一般)」を500万円から700万円へ引き上げます。この措置は、令和5年12月1日から令和6年3月29日までの期間内の保証申込分が対象となります。
出典:「年末特別」中小企業・雇用就業対策の実施について
中小企業の資金繰り・経営に関する年末特別相談の実施
年末の資金需要に対応するため資金繰りと経営課題に関する無料相談を実施し、夜間延長や受付期間の延長を行います。以下、詳細です。
資金繰りに関する電話相談
相談窓口(電話相談)
東京都産業労働局金融部金融課 電話:03-5320-4877
【開設日時】
夜間延長 | 令和5年12月22日(金) ~ 28日(木) 9:00 ~ 19:30※土日除く平日 |
受付期間延長 | 12月29日(金) 9:00 ~ 17:00 |
専門家による無料相談
経営課題に直面している中小企業を支援するため、東京都は経験豊富な専門家(中小企業診断士)による無料相談を実施します。提供されるサービスには、経営状況の悪化に関する総合的なアドバイスや、経営改善、資金繰りに特化した「事業再生特別相談」などが含まれます。相談は電話、オンライン、または来所で行われます。※オンラインと来所は予約が必要です。
出典:「年末特別」中小企業・雇用就業対策の実施について
労働問題と再就職に関する年末特別相談
解雇、雇止め、内定取消し、職場のハラスメントなどの労働問題全般や再就職に関する無料相談を実施します。弁護士や東京労働局職員などが相談に応じます。
開設日は令和5年12月6日(水)と7日(木)の2日間で、電話での相談受付は、9:30から20:00までです。来所での相談は同じ日に9:30から17:00まで行われ、予約が必要です。
出典:「年末特別」中小企業・雇用就業対策の実施について
東京都中小企業従業員融資による生活の安定に向けた支援
年末の生活資金が必要な中小企業従業員に対し、中央労働金庫及び信用組合と連携する融資の金利を引き下げます。この支援は令和5年12月1日から令和6年3月31日まで提供されます。特定の条件を満たす団体融資の場合は令和6年1月31日までです。
融資利率の引き下げについて、具体的には「個人融資・団体融資」および「家内労働者融資」の利率を1.8%から1.6%に、「子育て・介護支援融資」の利率を1.5%から1.3%に下げます。
例えば、東京都中小企業従業員融資(特別対策)の個人融資については、中小企業で働く従業員が対象で、利用できる資金は生活資金に限られます。融資限度額は通常70万円ですが、医療費、教育費、冠婚葬祭費、住宅の増改築費の場合は100万円までとなります。返済期間は融資額が70万円を超える場合は5年以内、それ以外は3年以内で、元利均等月賦返済となります。
出典:「年末特別」中小企業・雇用就業対策の実施について
まとめ
今回ご紹介した特別対策は、年末に向けて特に困難な時期を迎える中小企業と従業員を支援することを目的としています。資金繰りの改善、経営の安定、労働問題の解決、生活の安定への貢献が期待されます。