東京都で、中小企業者等が、策定したBCPを実践するために必要となる物品・設備等の導入に掛かる経費に対し、最大1500万円(助成率1/2~2/3以内)の助成を行う「BCP実践促進助成金」の公募がスタートしました。
本年度の公募からは、災害等により基幹システムが損害を受ければ業務遂行に著しい障害となることから、対象経費に新たに「BCPの補完として実施する基幹システム(ERP、CRM、SFA 等の内、企業の業務遂行の基幹となるシステム)の防災力強化のためのクラウドサービスの導入(クラウド化)」が追加され、自社のDX化に取り組む事業者にとって、より魅力のある制度に生まれ変わっています。
都内事業者の方は是非下記で制度の詳細をご確認ください。
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この記事の目次
BCP実践促進助成金
BCP実践促進助成金は、都内の中小企業者等が公的機関の認定などを受けて策定したBCPを実践する場合に、必要な設備・物品の購入、設置に係る費用を対象に最大1500万円(助成率1/2~2/3以内)の助成が受けられる東京都(窓口:東京都中小企業振興公社)の助成金制度です。
BCPとは?
BCPとは(Business Continuity Plan=事業継続計画)の頭文字を取った言葉で、企業が大規模災害や、テロ、パンデミックなど、様々な要因で危機的な状況下に置かれた場合に、重要な業務が継続できるように定めておく計画のことを指します。
国内では「東日本大震災」を契機に、主に自然災害などへの備えとして発展してきましたが、近年は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、対策の範囲をパンデミックまで拡大する動きが広がっています。
【具体的なBCP対策(一例)】
・交通インフラ断裂に備えた寝具や、食料の備蓄
・長期停電に備えた発電設備の設置
・ウイルス感染症に備えた衛生用品(マスクやアルコール等)の備蓄
・パンデミック発生時のテレワーク対応
・火災による事業所の消失に備えた、重要データーのクラウドバックアップ
・国外サプライチェーンの毀損に備えた、国内取引先の確保
・耐震工事や、耐震診断 など
対象事業者
都内に所在する中小企業・小規模企業者及び中小企業団体
※中小企業の範囲
対象事業
下記のいずれかの要件を満たして策定したBCPの実践
①東京都中小企業振興公社が平成29年以降に実施した「BCP策定支援講座(ステージ1)」に基づいて策定したBCP
②中小企業強靱化法に基づく「事業継続力強化計画」の認定に基づき策定したBCP
③東京都又は公社が平成28年度以前に実施した「BCP策定支援事業」等の活用により策定したBCP
BCP策定支援事業(BCP策定講座)とは?
BCP策定支援事業とは、都内中小企業のBCP策定を推進するために実施されている短期集中型の支援プログラムで、具体的には下記のような事業が実施されています。
1.普及啓発セミナー
BCPに取り組む重要性等についての理解を深めるための啓発セミナー
2.BCP策定講座(ステージ1)
BCP策定に関する基礎知識の習得とBCPの策定演習を行う講座です
3.BCP策定コンサルティング(ステージ2)
現地に専門コンサルタントを派遣し、自社に合ったBCPの策定を行います
4.フォローアップセミナー
訓練企画、模擬訓練、BCM(事業継続マネジメントシステム)の構築の方法に関するセミナーを実施します
【事業の特徴】
・中小企業へのBCP策定の支援実績が豊富なコンサルタントが担当
・業種や規模等、各社の実情に合わせた個別のコンサルティング
・最短1.5日でBCP策定を実現
・訓練の実施を通して、社内への着実な定着を後押し
BCP策定支援事業 東京都中小企業振興公社HP
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/shien/bcp/sakutei.html
事業継続力強化計画の認定とは?
中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度で、認定を受けた事業者には税制措置や金融支援、補助金の加点などの様々なメリットがあります。
【事業継続力強化計画の記載項目】
・事業継続力強化に取り組む「目的」の明確化
・自社拠点の自然災害リスク認識と被害想定策定
・発災時の初動対応手順(安否確認、被害の確認・発信手順等)策定
・「ヒト、モノ、カネ、情報」を災害から守るための具体的な対策
・計画の推進体制(経営層のコミットメント)
・訓練実施、計画の見直し等、取り組みの実効性を確保する取組
・連携体制(連携する場合)と取組、取り組みに向けた関係社の合意
【認定のメリット】
・低利融資、信用保証枠の拡大等の金融支援
・防災・減災設備に対する税制措置
・補助金(ものづくり補助金等)の優先採択
・連携する企業や地方自治体等からの支援措置
事業継続力強化計画 中小企業庁HP
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.htm
助成内容
【助成率】
中小企業等:助成対象経費の1/2以内
小規模企業者:助成対象経費の2/3以内
【助成額】
助成上限額:1500万円※このうち対象経費⑧(クラウド化)の助成額は上限450万円
【対象経費】
策定されたBCPを実践するために必要な設備・物品の購入、設置に係る費用
①緊急時用の自家発電装置、蓄電池
(太陽光パネル・蓄電池については、可搬式で非常時に設置して使用するもので、平常時の売電・節電に使用することができるものでないこと。太陽光発電システムおよびその構成機器は対象外です。)
②従業員等の安否確認を行うためのシステムの導入又はサブスクリプション契約によるサービスの利用
③データのバックアップ専用のサーバ(NAS)、クラウドサービスによるデータのバックアップ
④地震対策としての制震・免震ラックへの買い替え、飛散防止フィルム、転倒防止装置の設置等
⑤緊急時用の従業員用非常食(水・食料等)、簡易トイレ、毛布、小型の簡易浄水器等の備蓄品
⑥災害水害対策用物品設備(土嚢、止水板等)の購入(ハザードマップの提出が必要)、設置
⑦感染症を想定したもの(マスク、消毒液等)
※医療行為・検査薬・検査サービス等は助成対象外です。
⑧BCPの補完として実施する基幹システム(ERP、CRM、SFA 等の内、企業の業務遂行の基幹となるシステム)の防災力強化のためのクラウドサービスの導入(クラウド化)
申請方法
事前予約による対面での受付
申請書類一式をご準備の上、下記の予約受付期間(平日 9:00~17:00)にお問合せください。
【問合せ先】
東京都中小企業振興公社企画管理部 設備支援課
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1-9 東京都産業労働局秋葉原庁舎
TEL:03-3251-7889
まとめ
今回は令和3年度の公募がスタートしたばかりの「東京都BCP実践促進助成金」について紹介しました。
近年の異常気象によって頻発する自然災害や、何の前触れもなく突如としてまん延してしまう感染症などの不測の事態に備え、社員の生活基盤でもある企業には中核となる事業の継続のため平常時から行うべき行動や緊急時における事業継続の方法・手段等を取り決めておくことが求められています。
特に東京都では人口の一極集中が進んだことによる災害や感染症等によるリスクの増大が大きな社会問題となっていますので、都内事業者の方は政府や自治体の支援制度を活用し、自社のBCP対策の充実に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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