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令和7年度予算はどうなる?予算編成の方針とは

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8月末締切の概算要求をもとに、毎年9月から12月にかけて、翌年度の予算編成が行われます。そして、予算案の閣議決定、1月の通常国会への提出を経て、3月に国会の可決をもって予算成立するというのが、翌年度の予算決定までの流れです。

【概算要求についてはこちらから】

令和7年度概算要求いつ?2025年度の予算はいつ決まる?

このプロセスが始まる8月の後半になると「来年の予算はどうなるのだろう」と気になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、経済財政諮問会議の予算に関する資料と骨太方針2024を参考にしながら、令和7年度予算について、読み解いていきます。

まず、全体像の把握、次に予算編成の方針を確認し、最後に基本的な考え方となる「骨太方針2024」についてみていきます。来年度予算のポイントをつかむため、また概算要求を読み解くための予習として、お役立てください。

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この記事の目次

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令和7(2025)年度予算の全体像

政府は現在、日本経済をデフレから成長へと導く重要な時期にあります。令和7年度の予算を通じて、新しい成長段階に入るために積極的な政策展開を図る考えです。

まず、当面の経済社会全体の動き(マクロ経済運営)をチェックしましょう。

物価高の抑制と所得・賃金の拡大
投資拡大、競争力強化

上記2点について解説します。

物価高の抑制と所得・賃金の拡大

政府は、物価の安定と所得増加を目指しています。そのために、中小企業や低所得者への時限的な支援を行いつつ、賃金の上昇や所得増加を実現するためのさまざまな政策を進める必要があります。

たとえば、最低賃金について、過去最高となる50円の引き上げ(目安額)や、生産性を上げるなどして早期に目標賃金を達成するための環境整備を行います。さらに、医療や介護、建設、物流などの分野で賃上げが進むよう取り組みを強化することも予定しています。

投資拡大、競争力強化

投資の拡大や競争力を強化するため、企業の投資を抑える要因となる資材価格の高騰や人手不足などに対処し、設備投資を促進するための策を進めます。

たとえば、人手不足に対応した省力化投資などの拡大や、全世代型リスキリングの推進などを行います。

令和7(2025)年度予算編成に向けて

では、こういった政策運営をしながら、来年度の予算編成をどのように進めていくのでしょうか。

予算では、国の経済成長を支えるために資源を効果的に使うことが求められます。これには、社会を変えるような投資をして、高い経済効果を目指すことが含まれます。令和7年度の予算は、中長期的な視点を持ちつつ、政府の方針(=骨太方針2024 ※後述します)に従って進められることになります。

このときに留意するのは以下の3点です。

予算編成に向けた重点課題
政策の実効性の向上
EBPMの強化によるワイズスペンディングの徹底

ひとつずつ解説します。

予算編成に向けた重点課題

メリハリある予算編成に向けて、以下の重点課題に取り組みます。

①人への投資とイノベーション
官民協力のもと、人への投資やデジタル化(DX)、グリーン化(GX)、新分野の開拓などを推進し、中長期的な投資計画を立て、民間の投資を促します。必要な資金の確保と長期的な歳出と歳入のバランスも重視します。

②財政黒字化の目標と歳出改革
2025年度の財政黒字を目指し、これまでの歳出改革努力を続けます。経済・財政新生計画に沿って、2025~2027年度の主要政策を具体化し、制度改革を着実に進めて、次年度の予算に成果を反映させます。

③物価上昇への対応と賃上げ推進
物価の高騰に対応し、賃上げと待遇改善を推進するために、経済・物価の動向に注意しながら、予算編成を行います。特に物価上昇を上回る賃上げが定着するような政策を実施する計画です。

政策の実効性の向上

以下の取り組みを通じて政策の実効性の向上を図ります。

①PDCAによるプロセス管理
経済財政諮問会議が骨太方針2024の実施状況をチェックし、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルに基づいたプロセス管理を徹底します。

②国民意識の変革と情報発信
持続可能な経済社会へ向けた政策を国民に積極的に伝え、国民や民間企業、自治体が具体的な行動を起こせるように効果的な情報発信と展開を行います。

③政府の推進体制強化
重要な政策分野での人員配置を計画的に行い、機構・定員管理にメリハリをつけて政府の政策推進力を強化します。

EBPMの強化によるワイズスペンディングの徹底

【EBPMとは】
EBPM(Evidence-Based Policy Making)は、「エビデンスに基づく政策立案」と呼ばれ、政策の意思決定を科学的なデータや証拠に基づいて行う方法です。

この方法では、政策が現実の問題を効果的に解決しているかを検証し、必要な改善を継続的に行います。個人の意見や感情ではなく、具体的な証拠に基づいて最適な政策を選択することができます。

政府は、この方法を強化し、効果的に予算を使うための取り組みを進めて行くとしています。たとえば、デジタル化により得られるデータを集め、大学や研究機関と協力して、より精密な分析を行うことも予定しています。

また、年末には、各政策ごとに収集データや検証方法などを定めた「EBPMアクションプラン」を作成します。この計画に基づき、政策を進めると同時に、柔軟に見直しを行って、政策の効果を高めていくことを目指します。

「EBPMアクションプラン」の対象とする重要政策・計画については、下の図を参照してください。

出典:令和7年度予算の全体像

骨太方針2024とは

ここまで、令和7年度予算の全体像、編成のポイントをみてきました。最後に骨太方針2024から、目標をどのように具体化するかの方向性を読み取りましょう。

骨太方針とは、今後の経済財政政策の基本的な方針を示すもので、正式名称を「経済財政運営と改革の基本方針2024~賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現~」といいます。令和6年6月21日に閣議決定されました。

骨太方針2024では、短期的な目標として、「デフレからの完全脱却」と「成長型の新たな経済ステージへの移行」、中長期的な目標として「少子高齢化・人口減少の克服」と「豊かさと幸せを実感できる持続可能な経済社会」を掲げています。

出典:経済財政運営と改革の基本方針2024~総論~

賃上げの定着と戦略的な投資による所得と生産性の向上

社会課題への対応を通じた経済成長のため、以下のような取り組みを計画しています。

「所得増加」及び「賃上げ定着」
賃上げの促進、三位一体の労働市場改革、価格転嫁対策。
豊かさを支える中堅・中小企業の活性化
人手不足への対応(カタログ型の省力化投資支援、人手不足感が強い業種(運輸・宿泊・飲食等)における自動化技術の利用拡大のための自主行動計画の策定、リスキリングなど)。成長市場に進出しようとする者の事業再構築、新製品開発や新市場の開拓、DX・GXの促進。サイバーセキュリティ対策、インボイス制度への対応を支援。
投資の拡大及び革新技術の社会実装による社会課題への対応
DXを通じた社会課題の解決とイノベーションを後押し(デジタル・ガバメント、医療・介護・こどもDX、教育DX、交通・物流DX、防災DX、観光DXの推進)。2024年度中を目途に「GX国家戦略」の策定、「エネルギー基本計画」等の改定。
スタートアップのネットワーク形成や海外との連結性向上による社会課題への対応
スタートアップの支援・ネットワークの形成。自由で公正な経済圏の拡大やルールに基づく多角的貿易体制の維持・強化。
地方創生及び地域における社会課題への対応
デジタル田園都市国家構想と地方創生の新展開、デジタル行財政改革、地方活性化及び交流の拡大、農林水産業の持続可能な成長及び食料安全保障。
幸せを実感できる包摂社会の実現
共生・共助・女性活躍社会づくり。安全・安心で心豊かな国民生活の実現。
持続的な経済成長の礎となる国際環境変化への対応
「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた各国との協力連携、グローバル・サウスへの関与の強化、ウクライナ及び周辺国への強力な支援。サイバーセキュリティの強化。国際連携による透明、強靱で持続可能なサプライチェーンの構築。
防災・減災及び国土強靱化の推進
「国土強靱化基本計画」に基づき、必要・十分な予算を確保し、ハード・ソフト一体となった取組を推進。東日本大震災、能登半島地震等からの復旧・復興。

中長期的に持続可能な経済社会の実現

これまで作ってきた新経済・財政再生計画を、今回の骨太の方針から「経済・財政新生計画」へと切り替えました。

計画の期間を人口減が本格化する2030年度までとし、その間の取り組み方針を新たに示しています。

出典:経済財政運営と改革の基本方針2024~総論~

これらは中長期的な目標という位置づけです。主要分野ごとの基本方針と重要課題は以下の5つです。

全世代型社会保障の構築
医療・介護サービスの提供体制等、医療・介護保険等の改革。予防・重症化予防・健康づくりの推進。働き方に中立的な年金制度の構築。社会保障・少子化をめぐる中長期課題への対応。
少子化対策・こども政策
経済的支援の強化、全てのこども・子育て世帯対象の支援拡充等、子ども・子育て支援金制度導入に向けた環境整備等の着実な実施。こども大綱の推進。
公教育の再生・研究活動の推進
質の高い教師の確保・育成に向けた働き方改革の更なる加速化、処遇改善。基礎研究力の抜本的強化に向けた研究の質を高める仕組みの構築。
戦略的な社会資本整備
広域的な都市圏のコンパクト化、インフラ老朽化対策。インフラDXの加速。
地方行財政基盤の強化
地域経済の活性化や新たな雇用の場の創出、防災・減災の取組強化。自治体DXについて、フロントヤード改革とバックヤード改革を一体的に推進。

まとめ

今回は、経済財政諮問会議の資料と骨太方針2024から、令和7年度予算についてみてきました。

令和7年度の予算は、賃上げを起点とした所得と生産性の向上が大きなテーマです。

安定的な賃上げに取り組むこと、政府と民間の協力による投資を増やすこと、そして、少子化対策や子ども政策を強化することなど、多くの重要な課題に取り組みます。

補助金が関わる政策としては、生産性向上のための戦略的投資があり、人手不足に対応するための省力化投資があります。DX、GXというキーワードもありました。また、賃上げの定着に向けた全世代のリスキリングの推進も予定されており、助成金にも変化があるかもしれません。

これから各省庁の概算要求が公表され、具体的な政策が次々と明らかになります。経済産業省や厚生労働省などの概算要求が出ましたら、本サイトでまとめ記事を公開してまいります。

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