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複数の補助金が抜本的な見直し?補助金を必要とする企業に届けるために必要なこと

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コロナ禍において、新たな補助金の創設や特別措置による制度の拡充などが行われ、実際に支援制度を利用した企業も少なくないのではないでしょうか。

岸田文雄首相は11月1日の記者会見で、大型経済対策を今月半ばまでに策定する方針を示しましたが、同じ日、財務省の有識者会議「財政制度等審議会」が、複数の補助金について来年度の予算編成の中で制度の抜本的な見直しが必要だと表明しました。財政制度等審議会によると、補助が手厚すぎたり、競争力の強化につながっているのか疑問があったりするといいます。

どの補助金が指摘を受けたのか、今回はその内容を深堀りしていきます。

出典:朝日新聞デジタル 経産省の補助金、「リピーター」が3年で15% 財務省が問題視

この記事の目次

財政制度等審議会とは

大学教授や経営者からなる財務省の有識者会議「財政制度等審議会」では、毎年11月頃に予算編成の在り方を提言しています。

今年5月にも「財政健全化に向けた建議」として意見の申し立てをしていて、雇用調整助成金について「リーマンショック対応を超える特例は、雇用情勢が大きく悪化しない限り、早期に段階的解消を図るべき」と提言しました。

雇用調整助成金に関しては、先日、特例措置を来年の3月まで延長することが公表されており、必ずしも審議会の申し出の通りになるものではありませんが、財政をめぐる基本的な考え方として、財政制度等審議会の提言を理解しておくことは重要だといえるでしょう。

参考:財政健全化に向けた建議(概要)

事業再構築補助金とものづくり補助金

今回、財政制度等審議会から指摘を受けた補助金は「事業再構築補助金」と「ものづくり補助金」でした。それぞれどのような指摘を受けたのでしょうか。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援し、日本経済の構造転換を促すことを目的とした補助金です。補助金額最大1億円、補助率最大3/4という手厚さや1兆1485億円の予算が計上されたことなどから注目されています。

補助金の主な要件は、売上が減少している、事業再構築に取り組む、認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する、の3つです。

建物費(建物の建設・改修に要する経費、建物の撤去に要する経費)、機械装置・システム構築費(機械装置・専用ソフトウェア・情報システム等の購入、製作/構築、借用に要する経費)に加えて、技術導入費、専門家経費、クラウドサービス利用費、外注費、研修費、知的財産権等関連経費などが補助されます。

▼制度の詳細はまとめ記事をご参照ください。

事業再構築補助金とは?

この事業再構築補助金に関して、補助金依存や適正な市場競争の阻害、過大投資の誘発の恐れがあるとし、業態転換のニーズが高いとみられる飲食・宿泊業が採択された割合が低いことから「真に必要な事業者に適切な支援が行き渡るような見直しが必要」と指摘されました。

事業再構築補助金事務局で公開されている第2回公募の結果では、特に製造業、宿泊業・飲食サービス業、卸売・小売業の応募・採択割合が多いと分析されていますが、その他の業種についても幅広い業種で応募・採択されているとしています。

出典:事業再構築補助金 第2回公募の結果について

確かにコロナ禍で売り上げの落ち込みが大きかった宿泊業・飲食サービス業に特化・集中した支援にはなっていませんが、この補助金は特定の業種に限ったものではないため、そこに問題はないように思えます。

また、過大投資は確かに問題となりますが、何千万円という金額が補助されるからこそ、思いきった事業再構築のための設備投資に踏み切ることができるという面もあるのではないでしょうか。

事業再構築補助金はまだ開始したばかりの補助金なので、これから数年かけてどのような成果があったかを分析していく必要があるでしょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、生産性向上を目指す中小企業等を対象に補助上限額1,000万円、補助率1/2(原則)で、新製品・サービス開発や生産プロセス改善等のための設備投資を支援する補助金です。新型コロナウイルスの影響を乗り越えるための前向きな投資を行う場合は、補助率が2/3に引き上げられています。

ものづくり補助金に関しては、直近3年でみると、採択事業者のうちの15%が過去にもこの補助金を受け取った実績があり、どこまで生産性を向上させたのかがみえず、補助金のリピーターを生まないような出し方を検討する必要性が指摘されました。

実は、令和2年度実施のものづくり補助金から「過去3年間にものづくり補助金の交付決定を受けていた場合は、交付決定の回数に応じて減点される」という項目が新設されています。

出典:ものづくり補助金 公募要領 概要版

減点項目が新設されたばかりですので、この減点項目の効果があったのか、それともなかったのか、詳しい分析が待たれます。

補助金受給後にパフォーマンスの改善が見られたかを問うことについては、補助金のリピーターを生まないような出し方のためだけでなく、補助金活用を検討している方への参考情報としても活かせる可能性があるといえるでしょう。今回の指摘をきっかけとして、補助金制度をより良いものにし、必要な方に届く支援とするための調整が進むことが望まれます。

財政制度等審議会の指摘からみるこれからのポイント

財政の在り方を議論する財政制度等審議会では、新型コロナウイルスへの財政上の対応が、国民の生活・事業を守るための役割を果たしたとしながらも、将来世代の負担がさらに増加した点で、経済再生と財政健全化の両立がますます重要な課題になったとしています。

新型コロナへの対応

世の中がポストコロナを見据えた経済構造への転換に軸足を移しつつあるいま、今後の支援は「事業や雇用を継続するための支援」から、成長の強化につながるような「前向きな取り組みに対する支援」に移行していくと思われます。

コロナ禍に対応した補助金、助成金では拡充や特別措置が行われることも珍しくありませんでしたが、これらは緊急的な支援のため、いつまでも続くわけではありません。後になって申請しておけばよかった、とならないためにも、活用できる支援策を日頃から知っておくことが非常に重要になります。

補助金ポータルの取り組み

財政制度等審議会では、過度な政府の支援が現状の維持・固定化を招き、かえって日本経済の成長のさまたげとなることを危惧しており、将来的な利益を見据えた適切な支出のために「選択と集中」にこだわって改革を進めていくことの必要性を説いています。限られた財政のなか、本当に支援を必要としている人へ適切な支援を届ける、という観点から、補助金の「リピーター」を問題視するのも理解はできます。

リピーターが出てしまう理由のひとつに、補助金、助成金などの情報が行き渡っていないため、知っている人だけが活用できるといった面があげられるでしょう。度重なる制度変更による使いにくさ、難解な公募要領も活用をためらう理由ではないでしょうか。

補助金ポータルでは、国の発信する情報を、補助金を必要としている企業まで届けるため、全国の官公庁、市区町村等の支援情報をデータベース化し検索できるようにしたサービスを提供しています。また、補助金、助成金情報を記事コンテンツにまとめてわかりやすくお伝えすることで、制度を有効利用していただくことを目指しています。これからも、情報の壁、活用の壁をなくして真に補助金・助成金を必要としている企業に適切な支援を届けることに取り組んでまいります。

まとめ

本記事では、財政制度等審議会が複数の補助金制度の改善の必要性を指摘した件について、取り上げました。

事業再構築補助金は、10月28日から第4回公募開始となったばかりで(申請受付は11月中開始予定)依然として高い注目をあつめています。そうした中、今年度の注目株である事業再構築補助金に対して制度の抜本的な見直しの必要性を指摘したことで、企業に適切な支援を行き渡らせるためのより良い制度づくりにつながることが期待されます。

今後も補助金ポータルでは、補助金、助成金情報をわかりやすくお伝えしていきます。補助金・助成金について詳しく知りたい方は、無料相談窓口もございますのでお気軽にお問合わせください。

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