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11年ぶりの暫定予算<閣議決定>。本予算はいつ決まる?高市首相「中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を抜本的に強化」予算編成の見直しとは?

公開日:2026/3/24 更新日:2026/3/30
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政府は2026年3月27日の閣議において、2026年度の暫定予算案を決定し、国会に提出しました。対象期間は4月1日から4月11日までの11日間で、一般会計の歳出規模は約8兆5,641億円となっています。与野党は3月30日の成立で合意しており、成立すれば新年度当初の行政運営に必要な経費が確保される見込みです。

今回の暫定予算は、本予算成立までのつなぎとして編成されるもので、提出は第2次安倍政権下の2015年度以来、約11年ぶりとなります。主な内訳としては、地方自治体に配分される地方交付税交付金などが約5.1兆円、年金や生活保護費などの社会保障関係費が約2.8兆円を占めています。また、不測の事態に備える予備費として300億円も計上されています。

この暫定予算の成立により、補助金や交付金の執行環境にも影響が出る可能性があるため、今後の本予算の動向とあわせて注視していく必要があります。

暫定予算の編成は2015年(平成27年)以来11年ぶりです。一方、今年の春闘では3年連続で5%台の賃上げ率が確認されており、高市首相は「この勢いを地方の中小企業・小規模事業者にも波及させることが重要」と表明しています。本予算はいつ決まるのか、中小企業にとって何が変わるのかをこの記事で整理していきます。

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この記事の目次

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令和8年度予算はなぜ年度内に成立が難しいのか?

令和8年度予算案は3月13日に衆院を通過し、参院へ送付されています。憲法の規定により、参院で可決されない場合でも衆院通過から30日後にあたる4月11日には自然成立します。このため暫定予算は「4月1日〜4月11日の11日間」と設定されました。なお、衆院での審議時間は約59時間と過去20年間で最短でした。

年度内成立が難しくなっている最大の要因は、2026年1月の通常国会冒頭で高市首相が衆議院解散に踏み切ったことです。1月23日に解散、2月8日に総選挙が行われたことで、予算審議に充てられる国会日程が大きく圧縮されました。

時期出来事予算成立への影響
2026年1月高市首相が衆議院解散を決断通常国会で本来進むはずだった予算審議の開始が遅れる要因となった
2026年1月23日衆議院解散国会審議が事実上中断し、予算審議に使える日程が圧縮された
2026年1月下旬〜2月上旬総選挙期間に入る選挙対応が優先され、予算案の本格審議ができない「国会空白」が生じた
2026年2月8日総選挙の投開票選挙終了後にようやく国会日程を立て直す流れとなり、審議再開が後ろ倒しになった
2026年2月20日令和8年度予算案が国会提出例年より遅い提出となり、3月末までに衆参両院で審議を終える時間が不足しやすくなった
2026年1月時点首相が「暫定予算の編成が必要になるかもしれない」と言及政府自身も、年度内成立が難しくなる可能性を早い段階で認識していたことを示している
2026年2月以降参議院で与党過半数割れの状況が続く参院審議や野党との調整が難しくなり、年度内成立へのハードルがさらに高まった

実際、首相官邸の記者会見でも、今回の解散は令和8年度予算や政府提出法案を本格化させる前に国民の信を問う判断だったと説明されており、選挙を挟んだことで当初予算案の審議入りそのものが後ずれしました。

その結果、令和8年度予算案の国会提出は2月20日となりました。財務省も同日に予算案を国会提出したと公表していますが、例年より遅い提出となったため、3月末までに衆参両院で十分な審議時間を確保するのは極めて厳しい情勢です。報道でも、年度内成立のためには衆参それぞれで通常よりかなり速いペースで審議を進める必要があると指摘されており、日程面の制約が大きな壁になっています。

さらに、政権側は衆院選後に衆議院では大きな議席を得た一方で、参議院では与党が過半数を持たない状況が続いています。高市首相自身も選挙後会見でこの点を認め、野党の協力が必要だと述べています。つまり、仮に衆議院での審議が進んでも、参議院での調整が難航すれば年度内成立は一段と遠のきます。こうした事情から、3月下旬には政府・与党内で暫定予算の編成作業に入る方針も示されており、令和8年度予算は日程面と国会勢力の両面から、年度内成立が難しい局面に入っているといえます。

暫定予算とは何か——11年前(2015年)はどうだったか

暫定予算とは、本予算が年度開始までに成立しない場合に、行政サービスを止めないため、必要最低限の歳出だけを一時的に認める予算のことです。国の予算は本来、4月1日から新年度が始まる前に成立しているのが望ましいですが、国会審議の遅れなどで間に合わない場合には、この暫定予算で当面の支出をつなぐ仕組みが取られます。

今回も、本予算の成立が年度内に間に合わない可能性を踏まえ、4月1日から11日間を対象とする暫定予算が必要になるという見方が出ています。

11年前の平成27年度予算でも、実際に暫定予算が編成されました。当時は2014年末の衆議院解散・総選挙の影響で予算編成と国会提出が後ろ倒しとなり、予算案の国会提出は2015年2月12日でした。これにより年度内成立が難しくなり、平成27年度一般会計暫定予算が組まれ、対象期間は2015年4月1日から4月11日までの11日間とされました。暫定予算の総額は、歳入が約2.6兆円、歳出が約5.76兆円で、年度当初に途切れさせられない行政経費を中心に措置されています。

その後、平成27年度の本予算は2015年4月9日に成立しました。参議院の資料でも、平成27年度予算は「2年ぶりの暫定予算編成を経て、4月9日に成立した」と整理されています。つまり、2015年のケースでは、暫定予算で年度当初の空白を埋めつつ、本予算成立までの数日間をしのいだ形です。

当時と今回の共通点は、いずれも衆議院解散・総選挙によって当初予算の審議日程が圧縮され、本予算の年度内成立が難しくなった点にあります。一方で、今回の特徴としては、衆院解散による審議遅延に加え、参議院での与党過半数割れが重なっていることです。2015年は暫定予算を編成したうえで4月9日に本予算成立までこぎ着けましたが、今回は参院での調整の難しさも加わるため、当時以上に国会運営の不透明感が意識されやすい局面だといえます。

項目平成27年度(2015年)令和8年度(2026年)
暫定予算の理由2014年12月の第47回衆院選(アベノミクス解散)による予算編成遅延2026年1月の衆院選(1/23解散・2/8投票)による審議遅延
国会第189回国会(常会)第221回国会
首相安倍晋三高市早苗
暫定予算期間2015年4月1日〜4月11日の11日間4月1〜11日の11日間
背景の共通点年末・年明けの衆院選後の国会空白年明けの衆院選後の国会空白
衆院通過 2015年(平成27年):3月12日 2026年(令和8年):3月13日

「本予算が決まるまでの間、補助金はどうなるのか」——これは、多くの中小企業経営者にとって最も気になるポイントではないでしょうか。

結論からいえば、すでに動いている補助金事業への影響は限定的です。一方で、令和8年度から始まる新規施策や予算拡充を伴う支援策については、本予算の成立を待つ必要がある点には注意しなければなりません。

既存の補助金・支援策は原則として継続される

暫定予算は、本予算が成立するまでの空白期間を、必要最低限の経費でつなぐための仕組みです。そのため、すでに進行している継続的な事業を突然止めることを目的としたものではありません。

実際に、ものづくり補助金、中小企業省力化投資補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金など、令和7年度補正予算などを財源としてすでに公募や交付が進んでいる事業については、暫定予算期間中も原則として継続されると考えられます。

すでに交付決定を受けて事業を進めている事業者や、現在申請手続き中の事業者についても、暫定予算に入ったことで直ちに事業が停止するような事態は、基本的には想定しにくいでしょう。

令和8年度の新規事業・予算拡充は本予算成立後が原則

一方で、令和8年度当初予算に盛り込まれた新規事業や、予算の拡充を伴う施策については、本予算が正式に成立して初めて本格的に執行できるようになります

そもそも暫定予算は、行政運営に必要な最低限の経費を一時的に措置するものです。新たな政策を大きく動かすための予算は、原則として含まれません。

このため、高市首相が掲げる「中小企業・小規模事業者の稼ぐ力の強化」に向けた新施策や、重点支援地方交付金の拡充なども、本予算成立後に本格始動する流れになります。令和8年度の新しい支援策を活用したい事業者は、今後の予算成立状況を継続的に確認しておくことが重要です。

本予算はいつ決まるか

参議院の議案情報(令和8年3月23日現在)によると、令和8年度予算3案(一般会計・特別会計・政府関係機関)は第221回国会(特別会、令和8年2月18日〜)に提出済みですが、まだ成立していません。

本予算は、参院で採決されない場合でも憲法の規定により4月11日に自然成立します。参院での採決が行われれば、それより早い成立も可能ですが、与野党の審議状況によります。自然成立の場合、2015年の「4月9日成立」より若干遅れることになります。

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高市首相が掲げる「中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を抜本的に強化」とは

高市首相は、経済対策の柱のひとつとして「中小企業・小規模事業者の稼ぐ力の抜本的な強化」を掲げています。内閣府がまとめた「強い経済を実現する総合経済対策」の第1の柱「生活の安全保障・物価高への対応」の中に、中小企業・小規模事業者を対象とした具体的な施策が盛り込まれています。その中心となるのが「賃上げ環境の整備」と「価格転嫁の徹底・省力化投資」の2本柱です。

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賃上げ環境の整備

重点支援地方交付金の拡充
地方の実情に応じた柔軟な支援を可能にする「重点支援地方交付金」が拡充される方向です。

この交付金は地方自治体が独自の施策を打てる財源となるもので、中小企業・小規模事業者の賃上げ支援に活用できる推奨事業メニューが設けられています。都道府県・市区町村が独自の上乗せ補助や助成制度を設けることができるため、地方の中小企業にとっては国の補助金だけでなく、自治体独自の支援策も組み合わせて活用できる可能性があります。

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キャリアアップ助成金の活用促進

パートタイムや契約社員などの非正規雇用労働者の処遇改善を後押しするキャリアアップ助成金の活用が促進されます。

正社員化や賃金規定の改定・共通化などの取り組みに対して助成が行われるこの制度は、賃上げと雇用の質向上を同時に実現したい中小企業にとって活用しやすい制度のひとつです。

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価格転嫁対策の徹底・取引適正化の推進

原材料費や光熱費の上昇分を適切に価格に転嫁できない中小企業が多い中、価格転嫁対策の徹底と取引適正化が重要施策として位置づけられています。

大企業との取引において適切なコスト転嫁が行われるよう、監視・指導の強化や相談窓口の整備が進められます。賃上げを実現するためには「稼ぐ力」の底上げが前提であり、価格転嫁の実現はその出発点となります。

価格転嫁とは、原材料費、エネルギーコスト、労務費(人件費)などのコスト増加分を、商品やサービスの販売価格に上乗せして取引先や消費者に負担してもらうことです。

持続的・構造的賃上げに向けた生産性向上支援・設備投資支援

一時的な補助金に頼らず継続的に賃上げできる体制を整えるため、生産性向上に向けた設備投資支援が強化されます。

具体的には中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)をはじめとする設備投資補助金の活用が促進され、IoTやロボット導入による業務効率化・省人化を後押しします。人手不足の解消と賃上げ原資の確保を同時に実現する取り組みとして、補助金を戦略的に活用することが重要です。

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事業承継・M&A支援、伴走支援体制の強化

後継者不足に悩む中小企業の円滑な事業承継や、M&Aを通じた経営資源の有効活用も重点施策に位置づけられています。

事業承継を機に新たな設備投資や経営改革を進めることで、次世代に向けた稼ぐ力の強化につなげることが期待されています。
認定支援機関による伴走支援の充実も図られており、単発の補助金活用にとどまらない継続的な経営改善支援が受けやすくなります。

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中小企業が今から準備できること

本予算の成立を待たずとも、今すぐ動き出せる補助金・助成金は複数あります。

一方で、本予算成立後に新たに動き出す施策や、賃上げ要件に関わる制度変更が見込まれるものもあります。両方を把握した上で、自社にとって最適なタイミングで申請準備を進めることが重要です。

キャリアアップ助成金

非正規労働者の正社員化や賃金規定の改定・共通化などに取り組む事業者を支援する助成金です。
国が賃上げ政策の柱に位置づけており、中小企業・小規模事業者が取り組みやすい制度のひとつです。申請手続きは都道府県労働局またはハローワーク経由で行います。

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中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)

IoTやロボットなどの省力化設備の導入を支援する補助金で、一般型・カタログ注文型の2種類があります。
人手不足の解消と生産性向上を同時に実現したい事業者に特に有効です。一般型は年間3〜4回の公募が予定されており、カタログ注文型は随時申請が可能です。

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小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が販路開拓・業務効率化に取り組む際の経費を支援する補助金です。
賃上げ加点など、賃上げに取り組む事業者を優遇する仕組みも設けられています。

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デジタル化・AI導入補助金

業務のデジタル化やAI活用による生産性向上を支援する補助金です。
人手不足解消と業務効率化を同時に進めたい事業者にとって、省力化補助金と組み合わせて検討する価値があります。

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中小企業新事業進出・ものづくり商業サービス補助金


革新的な製品・サービス開発や新事業進出に向けた設備投資を支援する補助金です。
賃上げ要件が審査の加点・減点にも関わっており、申請にあたっては賃金計画との整合性を意識した事業計画の策定が重要です。

合わせて読みたい:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

※本予算成立後、賃上げに絡んだ補助金・助成金などの要件が変更となる可能性があります。最新の公募要領を必ず確認してから申請してください。

本予算成立後に動きが出る可能性があるもの

上記の補助金・助成金は現時点でも活用できますが、本予算が正式に成立することで以下の変化が見込まれます。
申請のタイミングを判断する上で参考にしてください。

賃上げに絡む補助金・助成金の要件変更・拡充

政府が「中小企業の賃上げ」を重点政策に掲げている以上、本予算成立後に賃上げ要件の見直しや補助率・補助額の変更が行われる可能性があります。
すでに申請を検討している補助金がある場合は、本予算成立後の最新要件を必ず確認してから申請することをお勧めします。

重点支援地方交付金を活用した自治体独自施策の拡充

重点支援地方交付金の拡充が本予算で措置されることで、都道府県・市区町村が独自の賃上げ支援策や補助制度を打ち出す可能性があります。
国の補助金と自治体独自の支援策を組み合わせることで、より手厚い支援を受けられるケースも想定されます。本予算成立後は自治体の動向も注視してください。

合わせて読みたい:重点支援地方交付金を拡充!推奨事業メニュー「中小企業・小規模事業者の賃上げ環境整備」とは

令和8年度予算・暫定予算に関するよくある質問

暫定予算期間中、すでに申請している補助金はどうなりますか?

すでに公募・交付が進んでいる補助金事業(ものづくり補助金、省力化補助金、持続化補助金、IT導入補助金など)は、暫定予算期間中も原則として継続されます。交付決定を受けて事業を進めている事業者や申請手続き中の事業者への直接的な影響は限定的と考えられます。


令和8年度の本予算はいつ成立する見通しですか?

令和8年度予算案は3月13日に衆院を通過し参院へ送付済みです。参院で可決されない場合でも、憲法の規定により衆院通過から30日後の4月11日に自然成立します。参院での採決がそれより早ければ、さらに早期の成立もあり得ます。


本予算成立後、補助金の要件は変わる可能性がありますか?

政府が中小企業の賃上げを重点政策に掲げているため、本予算成立後に賃上げ要件の見直しや補助率・補助額の変更が行われる可能性があります。申請を検討している場合は、本予算成立後の最新要件を必ず確認してから申請することをお勧めします。


まとめ

令和8年度は、11年ぶりの暫定予算という異例の事態からスタートする年となりました。衆院選による国会の空白が予算審議を圧迫し、3月末時点で本予算はまだ成立していません。一方で、高市首相は「中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を抜本的に強化する」という明確な方針を掲げており、経済対策の柱として賃上げ環境の整備と省力化投資支援を位置づけています。

春闘では3年連続で5%台という高水準の賃上げが続いていますが、その恩恵は大企業を中心としたものであり、地方の中小企業・小規模事業者には十分に波及できていないのが現状です。高市首相が「賃上げの勢いを地方の中小・小規模事業者にも波及させることが重要」と発言した背景には、この構造的なギャップがあります。

本予算の成立は4月中旬以降の見通しですが、現時点でも動き出せる補助金・助成金は複数あります。暫定予算期間中も既存の補助金事業は継続されるため、今すぐ申請準備を始めることが機会損失の防止につながります。本予算成立後は賃上げ要件の見直しや新規施策の拡充が見込まれるため、最新情報を継続的に確認することも重要です。

今後の動向を踏まえ、自社にとって活用できる補助金・助成金を早めに把握しておくことが、激動の2026年度を乗り切る経営の鍵となりそうです。補助金ポータルでは引き続き最新情報をお届けします。詳しく知りたい方は補助金ポータルの無料相談窓口もぜひご活用ください。

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