東京都で2017年に新たにはじまった補助金です。最新の設備投資を対象とした大型補助金で、補助上限はなんと1億円!中小企業の更なる発展に向けた競争力の強化や成長産業分野への参入を目指す際に必要となる最新機械設備の購入経費の一部に補助金がもらえます。
この記事の目次
どんな補助金??
挑戦的な事業展開をする企業の最新の設備投資に対して最大1億円の補助金が出ます。アベノミクス目玉施策の補助金「ものづくり補助金」と条件などは似ていますが、ものづくり補助金より審査基準も明確だったり、適用範囲も広いなど使い勝手は良さそうです。
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補助率も、競争力強化が1/2、成長産業分野は2/3と大変魅力的です。
都の予算は50億で、年に2回、25億ずつの割り振りで交付されます。
第1回目は、4月ですでに募集は終了。
第2回目は、2017年10月募集なのでそのタイミングに併せて今から準備を進めていくことをおススメします。
助成対象者
- 応募のタイミング時期に東京都内に登記簿上の本店か支店があり(個人の場合は都内で開業届出をして事業を営んでいる人)、2年以上事業を継続している中小企業等
- 過去に採択された成長産業等設備投資特別支援助成事業(平成28年度受付終了)の助成金交付が、平成29年4月1日現在で完了している中小企業者等
助成対象業種
すべての業種
助成対象事業
以下のIまたはIIのいずれかの事業であること
I 競争力強化
更なる発展に向けて競争力強化を目指した事業展開に必要となる最新機械設備を新た に購入する事業 (例)製品・サービスの高付加価値化、新事業展開、IoT活用
II 成長産業分野
成長産業分野の「支援テーマ」に合致した事業展開に必要となる最新機械設備を新たに購入する事業
〔成長産業分野〕医療・健康・福祉、環境・エネルギー、危機管理、航空機・宇宙、ロボット、自動車
(例)医療機器等の生産、高齢者等の生活支援に関する製品の生産、防災・減災に関する製品の販売、サービスロボットによる役務の提供
注意点
競争力強化、成長産業分野とも最新の設備投資をすることが条件です。
Iの競争力強化はⅡの成長産業分野より助成率が低く支援額も少ないです。
Ⅱ成長産業分野は支援テーマが決まっており、助成率が良く額も大きいため、Ⅱの成長産業分野で受給できた方がメリットは大きいですが、その分競争率も高そうですね。
助成対象経費
最新機械設備の購入経費のうち、公社が必要かつ適切であると認めた必要最低限の経費
申請資格
- 中小企業であること
- 東京都内に登記簿上の本店または支店があること
- 都内の事業所で2年以上事業活動をしていること
- 税金の滞納がないこと
- 同一年度、テーマ内容などで助成を受けていないこと
(※例えば、ものづくり補助金で同じ内容で申請をとっている場合はNG。2重取りはNG) - 労働保険制度を遵守していること
設備設置場所
- 原則東京都内の自社の敷地内。
ただし以下3点を満たしていれば都外の設置もOK
東京都内に登記簿上の本店がある - 製造業、運輸業、郵便業、卸売業のいずれかの業種
- 設置場所の工場が神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県のいずれか。
助成対象期間
助成対象期間は、交付決定日の翌月1日から1年間です。
1億円もの設備投資となると、在庫がなかったり、カスタマイズするのに時間がかかることが多いので、猶予をもった期間が設定されています。
スケジュール
申請スケジュールは以下図の流れです。
説明会には参加しなくても申請はできます。申請には予約受付と申請受付の2段階あるのでご注意ください。
予約受付をしていないと申請受付できません。
予約受付の期間は、約2週間ありますが、申請受付は、1日のみで時間も限定されるので気をつけてください。
予約受付はwebで申請するだけです。
申請のポイント
4月の交付時には、新聞にも載るほど注目された補助金で競争率も高そうですが、まだはじまったばかりの補助金なのでまだまだチャンスはあります。ただ、1回の都の予算が25億円なので、単純に上限補助金額の1億円で考えた場合は、受給できるのは25社ほどになるので狭き門ではありそうです。もちろん、上限で申請する企業ばかりではないのですが、どちらにしても額が大きい分、受給できる企業数も限られますね。
審査は、まず書類でかなり絞られるようで、さらに面接で半分程の企業が落とされるようです。まずは、書類準備にしっかりと力をいれて、ここの突破を目指しましょう。なお、ものづくり補助金の場合は年度によって違いがあるものの前回の通過率は大よそ40%ほどでした。ものづくり補助金よりも競争率は高そうなのでしっかりと準備をしておく必要がありますね。
申請までの流れ
まずは、提出書類を準備します。
参考:募集要項及び申請方法の申請書ver2
補助金は基本的に事業計画書を作っていく必要があります。
現状の状態から、あるべき姿やこうありたい、という事業の未来像について、最新の設備投資によってそのギャップを埋めていくような計画を立てていきます。
事業計画が「キモ」になるので、必要に応じて専門家にも相談しながらしっかり準備していきましょう。
通過率の高い事業計画書とは??
事業計画書で大事なことは、「革新的」という補助金のタイトルにもある通り、審査員に興味をもってもらえるようなインパクトのある掴みです。
「今までになかったような事業だな」とか「挑戦的だな」って思ってもらえるような要素を入れることが重要です。
内容に対してキチンとつじつまがあうように、筋道をとおして書いていくことがポイントです。
単なる機械設備の更新が目的のような内容だと場合は当然ながら審査には通らないので気をつけてくださいね。
面接を突破するには??
書類を通過しても、その後の面接は半分ほどの企業が落ちています。
魅力的な事業ではなかった、ということもありますが、以外と多いのが、書類の作成などを外注や他者に任せていて、面接者がきちんと把握していなかったというケースです。
面接に臨む担当者は、きちんと書類の内容を把握するのは当然ですが、面接の限られた時間内にきちんと要点を説明して、かつ事業の将来性や魅力を伝える必要があります。
また面接官は提出された資料の内容をみて、矛盾点などがあれば容赦なく突っ込みます。
少しいじわるな質問をされることも想定して、面接の練習はしておくべきです。
使用するデータや予算、数字の根拠をきちんと説明できるようにしておくことも大事なポイントです。
ここでしどろもどろになってしまうと、面接官の心証は悪くなってしまうので、堂々と答えられるように、模擬面接などで何回かは練習しておくと自信をもって臨めます。
もし残念ながら落ちてしまったとしても理由を聞くと「なぜ落ちてしまったのか」を教えてくれます。事業内容の魅力なのか、数字の根拠なのか、など理由がわかれば次にも備えやすいですよね。
年に2回公募されるので、一回で諦めてしまわず次もぜひチャレンジしてください。
まとめ
「革新的事業展開設備投資支援事業補助金」は2017年東京都で新たに始まった補助金で、まだ内容をきちんと理解できていない企業も多いので、「革新的」「最新の設備」ということをぶらさずにしっかり書類や面接の準備をすれば突破率も高まります。
また、この補助金は、ものづくり補助金と違い「試作品」で成功し量産目途ができた設備に対しても申請できます。※ものづくり補助金は、試作品も着手前ではないと申請できませんでした。そのため事業の見通しを立てるのは難しいという懸念点もありました。
適用範囲が広い補助金なのでぜひ次回10月の公募に向けて準備していってみてはいかがでしょうか。
革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金のQ&Aも是非お読みください!
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