
近年、夏季の猛暑日や異常気象が常態化する中、農業分野ではその影響がますます深刻になってきています。特に園芸作物を扱う農業者にとっては、高温による品質低下や収量減少といったリスクが増大しており、これに対応するための設備投資が急務となっています。
こうした背景から、千葉県では農業者の高温対策を支援するため、「ちばの園芸高温対策緊急支援事業」を実施しています。高温によるリスクを軽減し、安定した収量と品質を確保するためにも、対象となる方はこの機会に制度の活用をぜひご検討ください。
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この記事の目次
ちばの園芸高温対策緊急支援事業とは
「ちばの園芸高温対策緊急支援事業」は、千葉県が園芸農業者に対して提供する補助金制度です。
本事業は、近年頻発する異常高温による被害を軽減し、持続可能な農業経営を支えることを目的としています。特にハウス栽培においては、冷却設備や遮光資材などによる環境制御が夏季の品質維持に欠かせません。本事業では、これらの設備導入に要する費用の一部を補助することで、現場での迅速な対策を後押しします。
補助率・上限額
本補助金は、千葉県内で園芸作物を生産している農業者が対象です。補助率と上限額は以下のとおりです。補助率 | 上限額 | |
---|---|---|
(1) 主として低コスト耐候性ハウス等に対策を講じる計画 | 1/2 | 300万円 |
(2) (1)以外の計画 | 1/3 | 100万円 |
また、補助の対象上限金額と下限金額が以下のように定められています。30万円以下の事業に関しては対象となりません。
上限事業費 | 下限事業費 | |
---|---|---|
(1) 主として低コスト耐候性ハウス等に対策を講じる計画 | 600万円 | 30万円 |
(2) (1)以外の計画 | 300万円 |
補助額は導入する設備や施設の種類、導入先の条件によって変動するため、導入計画と照らし合わせての検討が必要です。特にハウスなどの施設更新や環境改善を検討している事業者にとって、費用負担を大きく軽減できるチャンスといえます。
補助の対象者と対象要件
本補助金の交付対象となるのは、以下のいずれかに該当する方です。
- 認定農業者
- 認定新規就農者
- 野菜の産地強化計画又は果樹産地構造改革計画の担い手など
支援の対象となる経費には、高温対策に資する設備導入に係る費用が含まれています。具体的には、次のような設備が該当します。
分類 | 補助対象 |
---|---|
かん水 | 自動かん水装置、スプリンクラー、冷却水循環装置等 |
換気・空気冷却 | 換気扇、循環扇、外気導入ダクトファン、高通気性防虫ネット、夜冷処理用スポットクーラー等 |
遮光・遮熱 | 遮光ネット、遮熱フィルム等 |
「塗布型遮光材」、「井戸の設置」、「既存の機械・装置等の更新」等は対象外となります。
以下のすべての要件を満たしている計画が、採択の対象となります。
(1) 園芸品目への対策であること (2) 事業費が30万円以上であること (3) 原則として「かん水」、「換気・空気冷却」及び「遮光・遮熱」の全ての対策を講じるものであること(ただし本補助金の交付を受けて実施するか否かは問いません。)。※露地は本要件を課しません (4) 県または専門家の指導・助言を受けて、栽培方法の改善等を行うものであること |
これらの設備は、ハウス内の温度や日射量を調整し、作物への負担を軽減するために欠かせません。補助の対象となるかどうか気になる設備がある場合は、申請前に県の担当窓口へ相談しておくとよいでしょう。
申請スケジュール
補助金の申請受付期間は以下の通りです。
- 申請受付開始:2025年3月7日(金)
- 申請締切日:2025年4月16日(水)
申請期間は約1か月半とやや短めのスケジュールとなっているため、補助金の活用を検討している場合は、早めの準備が重要です。設備の選定や見積もりの取得、申請書類の作成などに一定の時間を要することもあるため、余裕を持って対応を進めましょう。
まとめ
園芸農業の現場では、高温への対策が年々欠かせないものとなってきました。「ちばの園芸高温対策緊急支援事業」は、そうした現場のニーズに即応した補助制度であり、安定した生産体制の構築と経営の持続可能性に寄与する取り組みです。対象となる農業者の方は、ぜひこの機会に活用を検討してみてはいかがでしょうか。詳細は公式ページにてご確認ください。
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