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ローカル10,000プロジェクトとは?最大5000万円で地域起業と新規事業展開を支援!

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ローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金)とは、「地域の魅力を活かした事業」を行う民間事業者等に対して、国や地方自治体などが連携して資金を援助する制度のことです。地域の雇用創出につながり地域資源を活用している事業であれば、採択の可能性が高まります。これから「地域に貢献する事業に取り組みたい!」という事業者は積極的に活用しましょう。

今回の記事ではローカル10,000プロジェクトの国庫補助事業の概要やプロジェクト活用の流れ、対象事業、対象経費などについて解説します。

令和6年度の申請は、8月9日の締切で予算を超える見込みとなったため、現在募集を停止しています。

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この記事の目次

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ローカル10,000プロジェクトとは?

ローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金)とは、「産業界・学会・金融業界・行政」が連携し、地域の人材や資源、資金を活用し新たなビジネスを立ち上げる民間事業者などの初期投資費用を支援する制度です。民間事業者・国・地方が一体となり、地域資源を活用し地域の課題を解決することで、「地域経済の活性化」を図ることを目的としています。

地域密着型事業をどうやってスタートする?プロジェクト活用の流れ

ローカル10,000プロジェクトにおける「事業の考案〜実施」までの流れは以下の通りです。もちろんプロジェクトごとで具体的な活用の流れは異なるため、あくまでも一例として参考にしてください。

1.地域密着型事業の開始にあたり、地方自治体や地域の金融機関、総務省へ相談する
2.相談内容をもとに、地方自治体が総務省へローカル10,000プロジェクトの利用を申請する
3.総務省からの事業審査に通過したら「交付金+融資」という2つの手段で初期投資費用を確保する
4.地域密着型事業をスタートさせる

どんな事業が対象になる?チェック項目を確認

ローカル10,000プロジェクトを利用するには、以下6項目すべてに該当する必要があります。ただし、全項目に該当しても「支援対象になる可能性がある」ということであり、確実に支援されるわけではないためご注意ください。

■地域の資源を活用している
■新規事業の立ち上げである
■地域金融機関からの融資を検討している
■地域課題の解決につながる事業である
■事業に新規性やモデル性が感じられる
■地域の新たな雇用創出が期待できる

より具体的には、以下に該当する事業が対象となります。

  • 「産業界・学会・金融業界・行政」が連携して地域資源と資金を活用し、雇用吸収力の大きい地域密着型事業である
  • 事業を実施することで、地方公共団体の負担によって直接解決や支援すべき公共的な地域課題への対応の代替となる
  • 他の同じような公共的な地域課題を抱える地方公共団体に対して、高い新規性やモデル性を持っている
  • 交付対象経費のうち、交付金事業者が「地域金融機関、日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫」から受ける融資額、あるいは「一般財団法人地域総合整備財団の支援を得た地方公共団体から受ける無利子の貸付額」の総額が、規定の公費による交付額と同額以上であり、当該融資は無担保である
  • 地方公共団体に対し、上記の目的に即した民間事業者等や大学等、金融機関、地方公共団体、地域経済活性化支援機構等が連携して実施する、地域経済活性化事業に必要な出資等の経費について助成する

いくらの支援が受けられる? 事業スキームの詳細

それではローカル10,000プロジェクトの事業スキームを確認しましょう。

出典:ローカル10,000プロジェクトパンフレット

この制度では、交付額は実際に融資や出資される額に応じて増加します。交付額は上限2,500万円で、融資額(または出資額)が公費による交付額の1.5倍以上2倍未満の場合は、上限3,500万円になります。2倍以上の場合は、上限5,000万円です。
※ローカル10,000プロジェクトの交付額上限は5,000万円

  • 国費(交付額のうち国の負担分)と地方費(交付額のうち地方自治体の負担分)の割合は、原則として「1/2」です。ただし、条件不利地域かつ財政力が弱い市町村の事業では「2/3・3/4」となります
  • 国の重点施策と連動した事業については国費が上乗せされます
  • 「地域金融機関による融資」に加えて、地域活性化のためのファンドなどによる出資を受ける事業も対象です

どの費用が対象?初期費用のカバー範囲

【対象となる初期経費】
初期投資費用の支援対象となるのは、以下の経費です。

経費の区分 概要
施設整備費 事業の遂行に必要な建物や建物付属設備、構築物に係る設計、工事監理、建築工事、修繕、購入に必要な経費。ただし、用地取得費は除く
機械装置費 事業遂行に必要な機械装置に係る設計や工事監理、修繕、購入、リース・レンタルに係る経費(事業遂行に必要な著作権等の無形資産取得等に要する経費を含む)
備品費 事業遂行に必要な備品購入およびリース・レンタルに係る経費
調査研究費 事業遂行に必要なものとして、交付金事業者と連携する地域の大学が行う調査研究に係る経費。ただし、交付金事業者が直接行う調査研究に係る経費は除く

ローカル10,000プロジェクトを活用することで、以下のように幅広い事業の初期費用を支援してくれます。

  • 遊休施設を改修したコワーキングスペースの整備
  • 地域の農産物を加工した新商品開発
  • 地域の水源を活かした生食用サーモンの大量養殖
  • クラフトビールの製造や工場見学
  • ズリの活用による再生エネルギー創造
  • 廃校跡地を活用したグランピング施設の整備
  • 放任竹林から生産した竹パウダーと市内の下水汚泥の混合や発酵による高機能肥料の製造
  • サイクリング観光拠点整備(海の駅改築、サイクルシップ建設)

自社の事業と近しいものがないかをチェックするとよいでしょう。

活用事例から学ぶ、成功へのヒント!

ローカル10,000プロジェクトの成功事例を確認しつつ、効果的なプロジェクトの活用方法を確認しましょう!ローカル10,000プロジェクトの成功事例としては、次のようなものがあります。

【岩手県久慈市】菌床しいたけ栽培による地域経済循環創出事業
この事業では、ICTを用いた栽培環境の監視制御システムと、低コストで高断熱性能を持つハウスの導入により、しいたけ栽培技術を革新しました。また、地域の木質バイオマスエネルギーを活用することで、化石燃料価格の変動から独立した安定した経営と、地域資源の有効活用による環境負荷の軽減が期待されます。

【山梨県都留市】織物業再興×ふるさと納税活用プロジェクト
都留市のプロジェクトは、織物産業の再興とふるさと納税の返礼品開発を目指しています。かつて織物産業が栄えた都留市で、後継者不足や技術継承の課題に直面していました。この事業では、古民家を改修し織物製作を中心としたコワーキングスペースや、都留市発祥の郡内織の製造や販売、人材育成までが一貫して行える拠点を設立しました。さらに、製品をふるさと納税の返礼品として利用し、手織り機を使った傘作り教室やWeb販売支援も実施しています。

【長野県佐久市】循環型醸造事業〜Ferment Base〜
長野県佐久市望月地区で始まった「循環型醸造事業〜Ferment Base〜」は、地域の自然環境を生かし、どぶろく特区の認定を受けたことにより、農業と酒蔵の連携による新たなどぶろく醸造事業を展開しています。この事業では、工場跡地を改修して持続可能な製法でどぶろくを製造し、地元の間伐材をエネルギー源として利用しています。さらに、空き店舗を活用した農家レストランを開業し、地域資源の活用と環境循環を図っています。

いずれの事例を見ても、以下の2点が成功要因として考えられます。

・地域独自の伝統や強みを活かした事業を行っている
・必要に応じて「現代の新しい考え方」とミックスした事業を行っている

例えば山梨県都留市の事例では、伝統的な織物産業を中心としつつ、現代で当たり前に利用されている「コワーキングスペース」を絡めた事業を行うことで成功しました。

確かに地域の伝統や強みを押し出すことも、魅力的な事業の構築に必要な条件です。しかし、それだけでは現代の考え方やライフスタイルにそぐわないこともあるでしょう。そのため、今回紹介した事例のように「地域の伝統や強み × 現代にマッチした考え方」をコラボさせることが、事業を成功させるポイントといえます。

他にも「活用事例集」にさまざまな事例が掲載されているため参考にしましょう。

ローカル10,000プロジェクトの申し込み方法

ローカル10,000プロジェクトの具体的な申し込みの流れと手続きの詳細などは以下の通りです。

【申し込みの流れ】
1.都道府県あるいは市区町村担当課が予算措置を行い公募する
2.民間事業者等が担当課へ企画・立案・調整を申請する
3.担当課が、民間事業者等から提出された提出書類を電子メールで総務省に送信する
4.総務省から担当課へ「国費」の交付決定を行う
5.担当課から民間事業者等へ「国費+地方費」の交付決定を行う
【申請に必要な書類】
1.地域経済循環創造事業実施計画書(別記様式第1号-1)
2.交付要項

具体的な提出書類は総務省の公式サイト下部よりダウンロードできます。

【申し込みにあたっての準備】
1.上記の申請書類を作成する
2.詳細な事業計画書を作成する
3.以下の「採択されやすいポイント」を押さえているか確認する
・地域資源(原材料等)を活用しているか?
・公共的な地域課題の解決につながる事業か?
・地域人材の活用(雇用効果)や賃上げ効果を見込めるか?
・担保や保証の条件が認められている要件に該当しているか?
・事業者にとって今までの取り組みと異なる新たな事業か?
・同様の課題を抱える自治体へのモデルとなる事業か?
・事業の実現可能性はあるか?

ポイントの詳細については「総務省の資料p.20」をご確認ください。

よくある質問

質問 回答
実施予定の事業が「ローカル10,000プロジェクト」の対象か確認するにはどうすればよいか? 対象事業に該当するかは、以下の6点に当てはまるかを参考にしましょう。
1.地域の資源を活用している
2.新規事業の立ち上げである
3.地域金融機関からの融資を検討している
4.地域課題の解決につながる事業である
5.事業に新規性やモデル性が感じられる
6.地域の新たな雇用創出が期待できる
「ローカル10,000プロジェクト」に申請する際は何から始めればよいか? 地方自治体を通じて総務省へ申請する必要があるため、まずは事業実施地域の地方自治体へ相談しましょう。
地域金融機関とは何ですか? 事業実施地域の第一地方銀行・第二地方銀行・信用組合・信用金庫・農業協同組合等を指します。
事業の事前着手は可能ですか? 交付決定前の事業着手は認められません。事前着手した場合は、交付対象外となります。
国の補助金との重複は可能ですか? 原則として国の補助金との重複は認められません。ただし、事業として対象経費や収支を完全に切り分けることができる場合は可能です。

まとめ

ローカル10,000プロジェクトでは、地域経済の活性化を目指す事業を始める際に発生する初期費用を支援してくれます。地域の雇用創出や今後のモデルとなるような事業であれば、採択される可能性は高いでしょう。

ローカル10,000プロジェクトで調達した資金を有効活用し事業を成功させるには、地域の伝統と現代的な技術や考え方を組み合わせて、魅力的なビジネスを構築することが大切です。

参考:総務省 ローカル10,000プロジェクト

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