企業誘致は自治体にとって直接税収の増加や地域雇用につながる重要な施策であるため、各地で様々な支援制度が行われています。
また、コロナ禍におけるテレワークの普及やライフスタイルの変化を経て、都市部のオフィスから地方のオフィスへと分散が進むことが期待されており、企業誘致に向けた取り組みは、今後も継続的に実施されていくと思われます。
今回は、企業誘致に向けた各自治体の支援制度のうち「サテライトオフィスの拠点整備支援」を中心にまとめました。地方で事業所の立ち上げなどを検討している方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する
この記事の目次
地方にオフィスを立ち上げるメリット
まず、地方進出のメリットを確認しておきましょう。
オフィス賃料が安い
都心のオフィス賃料は高いです。たとえば東京都心の1坪当たりの平均賃料は2万円を超えており、地方と比べて高額といえます。賃料のコスト負担が減ると、その分投資領域に力を注ぐことができるため、地方進出による賃料削減は大きなメリットといえます。
住環境が良い
都市部のオフィスだと、会社の近くに住むのは金銭的に容易ではないため、郊外から通勤するケースが多くなると思いますが、そうなるとどうしても通勤時間が長くなってしまいます。地方なら、都市部より割安な住宅費で勤務先の近くに住むことも可能になります。また、場所によっては、自然豊か、リゾート気分が楽しめる、自然災害のリスクが少ないなどの特徴を持つ場合もあります。
サポート制度があることも
企業の立地を促進させたい地域では、オフィス設置支援だけでなく、進出企業の情報発信やPR、求人活動の支援を行っているところもあり、地方進出を考えている方にとって有益なサポートを受けられるところもあります。
このほか、地方進出にともなう税制優遇などもあり、地方進出のメリットは多くあるといえるでしょう。一方、デメリットとしては、地方にオフィスがあることで、都市部にいる顧客や取引先との対面での取引やコミュニケーションが難しくなる点が考えられます。
以上を踏まえたうえで、地方進出してオフィスを立ち上げる時に活用できる補助金をみていきましょう!
奈良県 奈良市サテライトオフィス等設置推進補助金
【補助対象】
企業の成長戦略やBCP対策の一環として、奈良市にサテライトオフィスを設置する奈良県外の事業者を対象に、解説に必要な初期費用を支援します。
【主な要件】
(1)奈良県内に本社および事業所がない企業
(2)3年以上継続して事業を行っており、従業員を5人以上雇用している企業
(3)IT・クリエイティブ企業
(4)市の企業誘致の広報に協力すること 等
【対象経費】
解説費(設計費、工事費、設備投資費、機器導入費改修中の賃借料)、運営費(開業後初期の賃借料 最大7か月)
【補助額】
上限額:500万円(本社を設置する場合はさらに100万円を追加)
補助率:1/2
【その他】
奈良市役所 産業政策課 企業誘致係まで要事前相談
参考:サテライトオフィス等設置推進補助金のご案内
鳥取県 とっとり先駆型ラボ誘致・育成補助金
【補助対象】
先駆的な事業に取り組む県外事業者の鳥取県へのオフィス開設を支援します。立地場所の事前調査からサテライトオフィスを開設し事業を行う際の事業費まで段階的に活用できます。
【主な要件】
製造業、自然科学研究所、ソフトウェア業、デザイン・機械設計業、コンテンツ企画制作業、情報処理・提供サービス業、地域課題解決に資する事業等のうち、先駆的事業を行うもの
※県内企業・団体等と連携して事業を推進すること
【対象経費】
事業所改修・賃借費、機器設備取得・賃借費、通信費、セキュリティ対策費、交通費(県外拠点と県内拠点との往復に限定)、県内企業等と行う共同研究費、光熱水費
【補助額】
上限額:230万円(事前調査型(1年間)と オフィス設置型(2年間)の併用の場合)
補助率:1/2
【その他】
事業計画について、鳥取県 商工労働部 立地戦略課へ相談
参考:鳥取県 サテライトオフィス向けの補助金
京都府 舞鶴市サテライトオフィス設置支援事業費補助金
【補助対象】
事業者が取り組むワークライフバランスの充実および多様な働き方の促進を支援します。
【主な要件】
(1)舞鶴市内に本拠の事務所を設置していない事業者が対象
(2)舞鶴市内に新たにサテライトオフィスを設置する事業で、1年以上運営することが見込まれる事業が対象
【対象経費】
事務所の購入、改装工事、建築工事に要する経費、事務所の貸借(敷金、礼金除く)に要する経費、給排水衛生施設、空調設備および電気・照明設備の購入または工事に要する経費など
【補助額】
上限額:100万円
補助率:2/3
【その他】
補助金についての詳細は舞鶴市産業創造・雇用促進課へ問い合わせ
参考:舞鶴市サテライトオフィス設置支援事業費補助金
奈良県 生駒市サテライトオフィス等開設支援事業補助金
【補助対象】
多様な働き方のモデルとなるオフィス等を生駒市内に新設する市外の事業者に対して補助金を交付します。
【主な要件】
(1)多様な働き方を積極的に取り入れ推進する事業者であり、柔軟な制度の設計及び労働条件・環境の整備を行い、本市における多様な働き方の実現モデルとなり得る者
(2)生駒市内に本社又は支店等名称の如何を問わず現に稼働中の事業所機能を有しておらず、市内に新たにサテライトオフィス等を設置する者
(3)生駒市外において事業を行い、1人以上の従業員を雇用している者
(4)新設するサテライトオフィス等に、生駒市内に現住所を有する従業員又は雇用保険の加入要件を満たさない短時間のパート若しくはアルバイト等を1人以上配置する者
(5)生駒市での仕事や暮らしぶりをホームぺージやSNS等で定期的に情報発信する者
【対象経費】
開設等に係る経費(施設整備経費、設備投資費、機器導入費、求人活動費など)、運営に係る経費(賃借料)
【補助額】
上限額:100万円
補助率:1/2
【その他】
申請期間:令和6(2024)年6月17日〜12月27日
参考:生駒市サテライトオフィス等開設支援事業補助金
山形県 米沢市サテライトオフィス設置推進事業費補助金
【補助対象】
米沢市に本社及び事業所を有しない企業が、市内の空き物件を活用してサテライトオフィスを開設する事業を補助します。
【主な要件】
(1)市内の空き物件を購入または賃貸借等すること。
(2)市内に開設するサテライトオフィスにおいて本市に住所を有する正社員1名以上が就労すること。
(3)市内に開設するサテライトオフィスにおいて3年以上事業を継続して行うことを誓約できること。
【対象経費】
(1)サテライトオフィスの整備に要する経費
(2)サテライトオフィスで使用する事務機器等の取得等に要する経費
(3)サテライトオフィスを賃借するために要する経費
【補助額】
上限額:上記(1)と(2)あわせて200万円、(3)は100万円
補助率:1/2
【その他】
申請について、米沢市役所 産業部 商工課 企業立地推進室まで要事前相談
参考:サテライトオフィス設置推進事業費補助金のご案内
まとめ
今回は「サテライトオフィスの拠点整備支援」を中心に、企業誘致に向けた各自治体の支援制度をご紹介しました。
企業誘致に積極的なところは、業種や進出の態様に応じて複数の支援制度を行っていることもあります。「地方にサテライトオフィスを設置したい」、「地方に拠点を構えることを検討している」といった方は、ぜひ進出先で使える補助金があるかどうかをご確認ください。
補助金ポータルでもご相談等受け付けておりますので、ご不明な点などお気軽にご連絡ください。