2024年12月27日に閣議決定された令和7年度予算案には、中小企業・小規模事業者の成長を後押しする多様な施策が盛り込まれています。
まだ予算案成立前ではあるものの、2025年1月9日には中小企業庁から「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」の事前告知が発表されるなど、すでに具体的な動きが始まっています。本記事では、予算案成立を前提に、中小企業支援策のポイントを解説します。
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この記事の目次
令和7年度中小企業予算案の概要
公表された中小企業・小規模事業者関係予算等のポイントによると、令和7年度予算案で、中小企業関連予算は1080億円となりました。そして令和6年度補正予算で5601億円が追加されており、これらの予算は物価高や人手不足などの厳しい環境の中で、中小企業や小規模事業者が持続的に成長できるよう、各種支援策に活用される予定です。
出典:中小企業庁 中小企業・小規模事業者関係予算等のポイント(令和6年度補正・令和7年度当初予算案)
主な支援策を確認しましょう。【】は当初予算です。
成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)【123億円】
大学等と連携して行うものづくり基盤技術及び高度なサービスに関する研究開発を支援し、 「イノベーション・プロデューサー」を通じたイノベーションの創出支援を行います。
中小企業取引対策事業【29億円】+(令和6年補正 8.3億円)
価格交渉促進月間や、下請Gメン等による取引実態の把握、下請法の厳正な執行、下請かけこみ寺での相談対応等を実施します。
中小企業資金繰り支援事業【223億円】
日本政策金融公庫からの融資における金利を引下げるための利子補給や信用保証制度等を通じた資金繰り支援を実施します。
中小企業活性化・事業承継総合支援事業【144億円】+(令和6年補正 61億円)
中小企業活性化協議会による事業再生支援や事業承継・引継ぎ支援センターによる円滑な事業承継・引継ぎ支援等を行います。
小規模事業対策推進等事業【61億円】
商工会・商工会議所等を通じて行われる小規模事業者への巡回指導・窓口相談などを支援します。
地方公共団体による小規模事業者支援推進事業【10億円】+(令和6年補正 10億円)
地方公共団体と連携し、地域の実情を踏まえた小規模事業者の販路開拓・生産性向上に向けた取組や小規模事業者等の災害復旧を支援します。
後継者支援ネットワーク事業【4.0億円】
後継者同士の切磋琢磨できる場を創出し、既存の経営資源を活かした新規事業アイデアを競うイベントを開催します。
中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業【34億円】+(令和6年補正 20億円)
各都道府県によろず支援拠点を整備するなど、中小企業・小規模事業者が抱える様々な経営課題に対応するための体制を整備します。
中堅・中核企業の経営力強化支援事業、地域の人事部支援事業【7.0億円】
支援機関間のネットワーク構築・ハンズオン支援や地域企業群や関係機関が一体となって人材確保・育成・定着を行う「地域の人事部」の取組を支援します。
令和7年度概算要求との違いは?
中小企業・小規模事業者・地域経済関係の概算要求は1300億円でしたが、閣議決定された令和7年度当初予算案では減額となりました。令和7年度当初予算では、前年度補正予算と当初予算にまたがる施策が盛り込まれ、中小企業・小規模事業者の「成長」と「構造転換」を主軸に置き、成長型経済や地域経済の好循環という中長期的なビジョンが打ち出されています。
中小企業庁の令和7年度概算要求については以下の記事をご覧ください。
まとめ
これからの中小企業・小規模事業者関係予算として、令和7年度中小企業予算案では1080億円、令和6年度補正予算では5601億円が計上されています。この予算は、中小企業・小規模事業者の成長促進と地域経済の活性化を目指して活用される予定です。
物価高や人手不足などの課題に対応する多様な施策が盛り込まれていますので、各種支援策を活用し、この困難な状況を成長の機会に変える準備を進めていきましょう。