▼9月14日更新
外食産業向け業態転換等支援事業の2次公募が間もなく始まります!
コロナ禍における中小企業等の業態転換等を支援する補助金として、事業再構築補助金がありますが、事業再構築指針等が複雑で「事業再構築補助金はハードルが高い」と感じている外食事業者の方はいらっしゃいませんか?
そんな方へ、今回は農林水産省の補助事業である「外食産業向け業態転換等補助金」をご紹介します。この補助金は中小・中堅規模の飲食店を対象に、コロナ禍で悪化した業績の回復、事業継続に向けた業態転換等を支援するものです。
たとえば、感染症対策と売上増の両立のため「自動販売機を導入して24時間販売をしたい」、「ECサイトを使って店舗以外での販売をしたい」というような場合に使える補助金です。補助上限は1000万円(補助率1/2)、2次公募の期間は9月15日から10月3日までです。さっそく詳細を確認しましょう。
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この記事の目次
外食産業向け業態転換等補助金とは
正式名称を「外食産業事業継続緊急支援事業のうち業態転換等支援事業」といい、新型コロナウイルス等の影響を受けて経営環境が悪化した飲食店が実施する、今後の事業継続および需要喚起を行うための業態転換等の取り組みを支援します。外食産業への普及推奨モデルになると判断される取り組みは、優先的に採択されます。
補助対象事業
感染症拡大防止を図りつつ、感染状況が厳しい中でも事業継続が可能となる業態転換等の計画が補助対象となります。ここでいう「業態転換等」とは、大きく以下の2つに分かれます。それぞれ取り組みの例を確認しましょう。
1.現在扱っている商品・サービス内容を変えること
- お一人様向け業態への変更
- テイクアウト・デリバリー用のメニュー開発
- 通販向け商品の開発
- リモートワーク可能なサブスクモデルのカフェスペースの設置
- 料理教室の開催 等
2.商品・サービスの提供方法を変えること
- テイクアウトの受渡窓口の設置
- 自動販売機(冷蔵/冷凍)導入による営業時間外の商品販売
- 人気商品をECサイトで全国販売
- 宅配弁当を開発し、周辺へ配達 等
出典:案内パンフレットより抜粋
想定される事業内容として、お一人様やリモートワーク対応のための「withコロナ環境の整備」や、セルフオーダーシステムや配膳ロボットの導入といった「接触機会の削減」のほか、「テイクアウト・デリバリーの実施」、「新商品・メニュー開発」、「店舗以外での販売」などがあります。
これらを通じて業績回復を目指す計画が補助対象となり、売り上げ拡大につながらない単なる感染症対策や、古い機器を新しいものに交換するといった単なる設備交換は、対象になりません。
対象経費
では、どのような経費が補助対象になるのでしょうか。
対象となるのは、以下の要件をすべて満たすものです。
- 事業実施のために直接必要な経費
- 本事業の対象として明確に区分できるもの
- 証拠書類によって金額等を確認することができるもの
具体的には「事業費」と「委託費」があり、事業費は細かく9つに分けることができます。
事業費
(1)建物費
(2)機械装置・システム構築費
(3)技術導入費 (知的財産権等の導入に要する経費)
(4)専門家経費 (専門家に支払われる経費)
(5)運搬費 (運搬料、宅配・郵送料等の経費)
(6)外注費 (加工や設計・検査等の一部を外注する場合の経費)
(7)広告宣伝・販売促進費 (製品・サービスに係る広告の作成、展示会出展、セミナー開催等の経費)
(8)研修費等 (必要な教育訓練や講座受講等に係る経費)
(9)その他の経費 (上記に含まれない経費)
(1)の建物費は、補助事業のために使用される事務所、販売施設などの建物の建設・改修に要する経費が対象です。事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費も対象になりますが、建物の単なる購入や賃貸は対象外です。
(2)の機械装置・システム構築費では、補助事業に使用される機械装置等の購入、製作、借用(リース・レンタル)に要する経費のほか、専用ソフトウェア・情報システム等の購入、構築、借用に要する経費、これらと一体で行う改良・修繕、据付け等に要する経費が対象になります。
委託費
本事業を遂行する上で、特殊な知識や技術等を必要とする場合に、事業の一部を能力を有する第三者に委託する経費が対象です。
補助対象外経費
補助対象経費の対象外の例として、次のようなものがあります。
- 事業計画書・申請書等の提出書類作成・提出に係る費用
- 事務所等に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
- 交付決定前に発注、購入したものの費用
- 不動産の購入費、株式購入費、自動車等車両の購入費・修理費・車検費用
- フランチャイズ加盟料
- 事務用パソコン、文書作成ソフトウェア、タブレット、スマートフォンなど、汎用性があるものの購入費 ※業期間内におけるリース・レンタル費用は対象になります
補助率、上限額・下限額
本事業では下限額が100万円と定められているため、総事業費が200万円未満の計画は補助対象外ですのでご注意ください。
補助率:1/2以内
上限額:1000万円/事業者
下限額:100万円/事業者
応募は事業者単位で行い、複数店舗を経営している場合も、1事業者として応募します。複数店舗において各店舗別々の事業内容を申請することは可能ですが、申請は必ず事業者単位で行います。
対象事業者
本事業に応募できる事業者(業態転換等事業実施者)は以下の要件をすべて満たすものとします。注意点として、コロナ前と比べて売上が一定以上減少していることが要件になっているため、2020年以降開店の飲食店は公募対象になりません。
(1)各都道府県における感染防止対策の第三者認証制度の認証を取得もしくは申請済の飲食店。
(2)コロナ前(令和元年12月31日)から現在(申請時点)まで飲食店としての事業を営んでおり、飲食店事業における令和元年度と令和3年度の売上高を比較したときに、5%以上売上高が減少している。
(3)以下のいずれかの要件を満たしている。
・資本金5000万円以下または従業員数が50人以下である
・資本金の額または出資の総額が10億円未満(資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、従業員数が2000人以下)の法人である
(4)同じ応募内容で本事業以外の他の国庫または公費による補助等の交付対象者または交付候補者となっていない。
なお、今回の応募は、1団体以上の共同事業者との申請・実施が必要です。
共同事業者とは
業態転換等による経営成果を高めるために、業態転換等事業実施者と共同して事業の計画及び実施、報告の支援を行う以下の事業者のことを指します。
- コンサルタント
- 金融機関
- 中小企業診断士
- 機械・機器・システムの製造・販売業者
- 施設・設備の建設・施工業者
- 飲食関連サービス提供者
- 資本関係にない他の飲食店 等
応募者(業態転換等事業実施者)の皆さまは、共同事業者への事前のご相談をお願いいたします。
補助事業期間
補助事業期間については、交付決定日を事業開始日とし、事業完了後は事業完了の日から起算して1か月を経過した日または令和5年2月15日のいずれか早い日までに、実施結果報告書を提出します。
事業の全体の流れ
以上を理解したうえで、事業の流れを確認しましょう。
【公募期間(2次)】
令和4年9月15日~令和4年10月3日
【応募書類】
以下の資料を、郵送や宅配便などの発送履歴がわかる方法で事務局に提出します。
- 補助事業申請書
- 事業計画書
- 実施スケジュール
- 経費内訳書
- 連絡先一覧
- 提出書類自己チェック表
- 事業計画補足説明書(該当する場合)
- 見積書および選定理由書
- 業態転換等事業実施者の会社概要・店舗概要等
- 共同事業者の会社概要
- コロナ前と比べて5%以上売上高が減少していることを示す書類
- 食品営業許可/飲食店営業等の許可書
- 飲食店感染防止対策認証制度(第三者認証)等の取得がわかる資料
【申請後の流れ】
・交付決定(11月上旬予定)
↓
・交付決定後、事業開始
↓
・事業完了(納品・全ての支払い完了)
↓
・実施結果報告書提出(令和5年2月15日まで)
↓
・事務局による確定検査
↓
・確定通知受領後、精算払い請求
↓
・補助金の支払い(令和5年3月予定)
公募期限である10月3日までに応募申請し、採択されたら11月上旬の交付決定を経て、補助事業を開始します。事業完了後は実施結果報告を元に検査が行われ、検査後に補助金の額が確定するという流れになります。
補助金の支払いは来年の3月を予定しています。なお、業態転換等事業実施者は、事業年度から起算して1年後、導入効果等についての報告や各種データ等を事務局へ提出する必要があります。
まとめ
今回は、新型コロナウイルスにより経営環境が悪化した飲食店が実施する、事業継続および需要喚起のための取り組みを支援する農林水産省の補助事業をご紹介しました。
「飲食店の業態転換」や「新メニュー開発、提供方法の見直し」といった計画が補助の対象になります。この機会に補助金を活用して、利用しやすい店舗の開発や、自動販売機やECサイトといった店舗以外での販売などに取り組み、感染症対策と売上増の両立を目指してみてはいかがでしょうか。