新型コロナウイルス感染症の影響で需要が高まるテレワークの普及を更に後押しするため、テレワーク環境の整備を助成する厚労省の「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)(旧;時間外労働等改善助成金)」が大幅な拡充を行いました。
企業のテレワーク導入は、感染防止対策としてはもちろんのこと、多様な働き方が求められる現代においては事業の持続的発展のためにも必須の取り組みとなりつつあります。
本年度の受付の締め切りまではまだ時間がありますので、事業者の方は是非制度を活用したテレワーク環境の整備をご検討ください。
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この記事の目次
今回の主な変更点
本年度の受付は4月1日から開始されましたが、その後新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言の発令などによってテレワークの需要が増加したため、5月1日に制度内容の見直し(拡充)が行われました。
1.対象労働者の拡充
前回までは事業所で働く自社の社員のみが助成対象となっていましたが、今回の変更からは事業所で受け入れている派遣労働者のテレワークについても助成の対象とすることができるようになりました。
2.成果目標の一部廃止
厚労省の助成金制度の多くでは「取り組みを行った場合」「取り組みを行い目標を達成した場合」で2段階の助成内容が設定されています。
後者の目標を「成果目標」と呼びますが、今回の変更では「労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比較して5時間以上削減させること」という成果目標が廃止され、目標達成による助成額の引上げが受けやすくなっています。
3.助成額の上限が大幅に引き上げられました。
前回までは企業当たりの支給上限額が200万円(助成率:1/2)となっていましたが、今回の変更によって支給上限額が300万円(助成率:3/4)まで引き上げられています。
助成率の引上げによって、より少ない自己負担で事業に取り組めるようになったのは大きな改善点といえます。
助成額の例
前回:400万円の事業=400万円×1/2=200万円を助成(200万円が自己負担)
今回:400万円の事業=400万円×3/4=300万円を助成(100万円が自己負担)
厚労省働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)
国民のライフワークバランス向上を推進するため、在宅またはサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組む中小企業主に対し必要な経費への補助を行う助成金制度です。
就業規則に時間外労働、年次有給休暇などに関する事項についての規定を設け、時間外労働の改善を同時に行うことが主な申請要件となります。
支給対象となる事業主
労働災害補償保険の適用事業主である下記の中小企業事業主等
・小売業 資本金5000万円以下、または従業員数50人以下
・サービス業 資本金5000万円以下、または従業員数100人以下
・卸売業 資本金1億円以下、または従業員数100人以下
・その他の業種 資本金3億円以下、または従業員数300人以下
支給対象となる取り組み
下記のいずれか1つ以上の実施
・テレワーク用通信機器の導入・運用
(パソコン等※、VPN装置、クラウドサービスの導入など)
・就業規則・労使協定等の作成・変更
(テレワーク勤務に関する規定の整備など)
・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング
※労働者がテレワークに使用するシンクライアント端末(パソコン等)の購入は対象となりますが、シンクライアント以外のパソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は支給対象となりません。
成果目標の設定
支給対象となる取り組みは以下の成果目標の達成を目指して実施します。
1.評価期間に1回以上、対象労働者全員に、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークを実施させる
2.評価期間において、対象労働者が在宅又はサテライトオフィスにおいてテレワークを実施した回数の週間平均を1回以上とする
※上記の成果目標を達成できない場合には助成額が少なくなります。
主な対象経費
謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、 備品費、機械装置等購入費、 委託費、リース契約、ライセンス契約、サービス利用契約 など
※リース契約料、ライセンス契約料などについては評価期間に係る経費のみ対象
支給額
支給対象となる取組の実施に要した経費の一部を、目標達成状況に応じて支給します
成果目標の達成の有無を判定する「評価期間」は交付決定の日から令和3年2月15日までの中で、1か月から6か月の間で自ら設定します。
【成果目標達成時】
補助率:3/4
上限額:300万円
※従業員1人当たり40万円×人数、または1企業300万円のいずれか低い方の額
【目標未達成時】
補助率:1/2
上限額:200万円
※従業員1人当たり20万円×人数、または1企業200万円のいずれか低い方の額
申請受付期間
令和2年12月1日まで※予算達成時には早期締め切り
事業の主な流れ
1.「働き方改革推進支援助成金交付申請書」を事業実施計画書などの必要書類とともに、テレワーク相談センターに郵送または持参にて提出します。(12月1日締め切り)
交付申請書のダウンロードはこちら (厚労省HP)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/telework_10026.html
2交付決定後、提出した計画に沿って取り組みを実施、交付決定前に行った取り組みについては原則助成対象となりませんので注意してください。
3.事業実施期間終了後、テレワーク相談センターに支給申請を行う(3月1日締め切り)
【手続きフローチャート※厚労省資料より】
お問い合わせ
テレワーク相談センター
http://www.tw-sodan.jp/
電話:0120-91-6479
(受付時間:平日9:00~17:00)
住所:〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台1‐8‐11 東京YWCA会館3階
東京テレワーク推進センター(都内企業のみ利用可)
http://www.japan-telework.or.jp/oshirase/154.html
電話:0120-97-0396
(受付時間:平日9:00~17:00)
住所:〒112-0004
東京都文京区後楽二丁目3番28号K.I.S飯田橋ビル6階
まとめ
今回の記事では5月1日より大幅に助成内容が拡充された厚労省の「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」について紹介しました。
業態によってテレワークの普及の度合いは様々ですが、現代の雇用においては給与や福利厚生だけでなくどういった「働き方」が出来る職場であるかも、求職者にとっては非常に大きな判断材料となっています。
ICTの目まぐるしい進歩に取り残され人材確保に後れをとらないよう、定期的なセミナーへの参加や専門家のコンサルティング等の利用を行い、自社に積極的にテレワークを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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