新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、多くの企業で今テレワークという働き方が注目をあつめています。そして政府や東京都ではテレワークを推進するための助成金の公募が行われています。「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」と東京都の「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」の内容を比較しながらご紹介します。
この記事の目次
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新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコースとは(令和2年5月15日更新)
「働き方改革推進支援助成金」(※令和元年度までは「時間外労働等改善助成金」)に新型コロナウイルス感染症対策を目的とした取組を行う事業主を支援する特例コースが時限的に設けられています。
新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワーク助成金のポイント
- 上限助成金額:100万円/企業
- 補助率:1/2
- 実施期間:令和2年2月17日~5月31日
- 交付申請期限:令和2年5月29日(金)
- 主な要件
-テレワーク用通信機器(※1)の導入・運用
-就業規則・労使協定等の作成・変更等
-テレワークを実施した労働者が1名以上いること
主な対象の取組についてですが、※1に関して4月28日に対象が見直され、パソコンやルーター等のレンタル・リースの費用も対象になりました。
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新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース助成金の対象取組と対象経費
今回のポイントとしては、2月17日まで遡ってテレワークを新規で導入し、実際に実施した労働者が1人以上いることが支給の要件になります。その費用として認められているものが・テレワーク用通信機器の導入・運用に関する費用
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・労務管理担当に対する研修
・労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家によるコンサルティング
以上が対象の取組として定められていますが、これに係る経費として認められているものが、対象経費:謝金、旅費、借損料、会議費、雑役務費、印刷製本費、備品費、機械装置等購入費、委託費
対象経費合計額×1/2=支給金額(上限100万円)
となります。
新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース助成金の対象事業者
新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する中小企業事業主または試行的に導入している事業主が対象となるようです。対象となる中小企業の定義として労働者災害補償保険の適用中小企業事業主であることが条件となっています。業種 | A:資本または出資額 | B:常時雇用する労働者 |
小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売り業 | 1億円以下 | 100人以上 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース助成金の申請フロー
助成金を申請するフローとしては以下の3ステップで申請することが可能です。- 「働き方改革推進支援助成金交付申請書」を事業実施計画書等の必要書類と一緒に提出
- これから取組を実施する場合は、計画に沿って取組を実施
- 事業実施期間終了後、テレワーク相談センターに支給申請(締切は7月15日(水))
【令和2年5月15日 追記】
令和2年2月17日以降の取組について
・ 受け入れている派遣労働者がテレワークを行う場合も対象とします。
・ パソコンやルーター等のレンタル・リースの費用(※)も対象とします。
※ 事業の実施期間内(5月31日まで)の経費であり、かつ、同日までに支出されたものに限る。
詳しくは、相談窓口もしくは補助金ポータルまでお問合せください。
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東京都の事業者が利用できる事業継続緊急対策(テレワーク)助成金とは
厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコースと比較するために、東京都で公募中の「事業持続緊急対策(テレワーク)助成金」についてもご紹介したいと思います。(詳細はこちらの記事にてご確認ください。)東京都の事業持続緊急対策(テレワーク)助成金のポイント
- 上限助成金額:250万円/企業
- 補助率:10/10
- 実施期間:~7月31日
- 交付申請期限:令和2年6月1日※予算の範囲で申請受付期間内でも終了する場合有
- 対象事業:感染症の拡大防止及び緊急時の事業継続対策として在宅勤務等を可能とする情報通信機器等の導入によるテレワーク環境の整備
東京都の事業継続緊急対策(テレワーク)助成金の具体的な受給要件としては、10個の項目をすべてみたしていることが必要となってきます。
1.都内で事業を営んでいる中堅・中小企業等であること
2都内に勤務する常時雇用する労働者を2名以上、かつ申請日時点6か月以上継続して雇用していること
3.都税の未納付がないこと
4.過去5年間に重大な法令違反等がないこと
5.労働関係法令について、次のアからクを満たしていること」
ア.最低賃金を上回っていること
イ.時間外労働の割増賃金が違反してないこと、残業代が支払われていること
ウ.36協定を締結し遵守していること
エ.労働基準法が定める残業・休日労働を行っていないこと
オ.年間720時間以上の従業員がいないこと
カ.有給取得をさせていること
キ.その他賃金や労働時間に関する労働関係法令を遵守していること
ク.厚生労働大臣の指針に基づき、セクシュアルハラスメント等を防止するための措置をとっていること。
6.風営法に係る事業でないこと
7.運営者が暴力団関係者でないこと
8.就業規則を作成して労働基準監督署に届出を行っていること(常時雇用する労働者が 10 人以上の企業等)
9.本事業の助成金を利用又は申請した中堅・中小企業等の代表者と、新たに助成対象事業者になろうとする中堅・中小企業等の代表者が同一でないこと
10.都が実施する「2020TDM 推進プロジェクト」に参加していること
https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/boshu/documents/zigyoukeizoku-boshuuyoukou.pdf
という10個の項目があります。主に労働基準に関する法令を遵守している中小企業であれば申込が可能である助成金といえるのではないでしょうか。
事業継続緊急対策(テレワーク)助成金申請の流れ
1.支給申請書類の作成2.事業計画書県支給申請書および他に定める書類提出(6/1まで)
3.審査・支給決定通知
4.助成事業の実施・完了(7/31まで)
5.実績報告書類の作成
6.実績報告書及び他に定める書類の提出(8/31まで)
7.審査・助成額の確定通知
8.助成金請求書件口座振替依頼書提出
9.助成金の振り込み
という流れとなっています。申請は1事業者につき1回限りの助成金となっていますのでご注意ください。
事業継続緊急対策(テレワーク)助成金の対象経費について
助成金の対象経費は、都内で実施する助成事業に要する必要最小限の経費のうち、支給決定日以後実績報告時までに支払いを終えた経費となっています。その他の経費の条件として・助成事業に要する支払いが原則として口座振込である経費
・使途、単価、規模等の確認が可能である経費
・他の事業に要した経費と明確に区分できる経費
・財産取得となる場合は、所有権が助成事業者に帰属する経費
この条件の3つの中に他の事業に要した経費として明確に区別できる経費として、大抵の補助金や助成金に関してはパソコンやタブレット、スマートフォンなどは汎用性が高いとして経費として認められていませんでしたが、この助成金では対象となる機器として下記のように明記されています。パソコン、タブレット、スマートフォンのほか、ディスプレイ・モニター、プリンター、スキャナー、ルーター、Web会議用機器など税込み単価1,000円以上10万円未満の端末・機器等が対象です。
事業継続緊急対策(テレワーク)助成金の申請時に抑えておきたいポイントとは
東京都のテレワーク助成金の申請時に抑えておきたいポイントとしては、以下の3つがあります。・助成金の支払いタイミング
・支給決定日以降に取組んだ経費が対象
・予算を超えた場合には申込期間内で受付け終了
助成金の支払いのタイミングは申請フローでも記述している通り、テレワーク等に必要な経費をすべて支払ったのちに報告審査が通過したのちに支払われるという点です。現段階でキャッシュがある場合には問題がありませんが、すでにコロナウイルスなどで影響を売上が激減している企業にとっては資金との調整になるのではないでしょうか。
同様に、支給決定以降に取組んだ経費が対象となる点です。本当であれば今すぐにでもテレワークを開始しておきたいという企業も多いのではないでしょうか。しかし、支給決定がされて以降の経費が対象というところですのでテレワーク助成金を検討されている企業様は注意しておきましょう。
最後に予算を超えた場合には申請期間内でも受け付け終了という点です。ここは明言はされていませんが、ある意味で先着順でもあるという認識が必要かもしれません。期間内の出来るだけ早い段階で支給決定通知をもらっておきたいところです。
働き方改革推進支援助成金(テレワーク)と事業継続緊急対策(テレワーク)助成金の違い
この2つの助成金の違いは助成率や上限額の違いです。東京都の助成金については全額支払われるのに対して、厚生労働省は1/2であり上限金額は100万円にとどまります。時間外労働等改善助成金 | 事業継続緊急対策助成金 | |
上限金額(1企業あたり) | 100万円 | 250万円 |
補助率 | 1/2 | 10/10 |
対象経費の対象期間 | 2/17以降の取組経費に対して | 支払決定日以降の経費に対して |
対象経費 | パソコンやルーター等のレンタル・リース費用を含む取組経費 | パソコンやタブレット、スマートフォン等購入経費を含む取組経費 |
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