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ISO取得でもらえる助成金について調べてみた

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1. ISOって何?

ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関 International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略称です。
国際間の取引をスムーズにするために、国際的に通用する基準を制定しており、ISOが制定した規格をISO規格といいます。
例えば、非常口のマークや、ネジ等は、製品そのものを対象とするISO規格です。
また、組織の環境活動や品質活動、情報管理体制などの仕組みに関する規格もあります。


2. ISO規格の種類

もっとも有名なのは、品質マネジメントシステムのISO9001や、環境マネジメントシステムのISO14001です。
主なISO規格について一つずつ見ていきたいと思います。

1. ISO9001(品質マネジメントシステム)

製品やサービス提供などの業務プロセスの維持・改善によって、製品やサービスの質の向上を図るためのISO規格です。
良い製品やサービスを作るためのシステムを管理することを目的としています。

2. ISO14001(環境マネジメントシステム)

環境の保全を目的としたものです。
組織活動や製品・サービスによって起こる環境への影響を改善するための持続的なシステムを構築し、継続的に改善していくことを求める規格です。

3. ISO20000(ITサービスマネジメントシステム)

会社などが提供するITサービスを効果的、効率的に運営管理するためのものです。
ITサービスを安定して供給する仕組みを構築し、継続的に維持改善していくことを求める規格です。

4. ISO 22000(食品安全マネジメントシステム)

食品安全を目的としたものです。
生産から消費までのすべての段階で職の安全を守ることを目指しており、製造現場から営業、経営者など食品に関わる全ての人達が食品安全に取り組む事を求める規格です。


5. ISO 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)

情報を適正に管理、活用する為のマネジメント規格です。
情報の機密性・完全性・可用性の情報セキュリティの三要素といわれる3つをバランスよくマネジメントし、情報を有効活用するためのものです。

6. ISO 39001(道路交通安全マネジメントシステム)

交通事故を減らす活動を効果的に推進する為の規格です。
道路交通安全に関るあらゆる組織が対象となります。

7. ISO 22301(事業継続マネジメントシステム)

自然災害をはじめ、停電や火災、システム上のトラブル、感染症の流行などの潜在的な脅威に備え、効率的な対策を行う為の規格です。
業種や業態を問わず、あらゆる組織が対象になります。

8. OHSAS 18001(労働安全マネジメントシステム)

OHSASとは、Occupational Health and Safety Assessment Specificationの略称です。
労働安全衛生に関する規格となっており、あらゆるリスクを管理し、十分な知識を持つ手段となることが目的です。


3. ISO導入におけるメリット

ISOを導入する事で、どんなメリットがあるのか見てみたいと思います。

1.G-PDCAをまわす仕組みの作成

まずISOを導入する上ですべきことは何かと言えば、「課題を明らかにすること」です。

企業として、大きく3つの課題があります。
①「事業目的」に関する課題
②「戦略的な方向性」に関する課題
③「期待した成果を出す為の自分達の能力」に影響する課題

そして、その課題を考える上で、外部要因と内部要因を踏まえる必要があります。
例えば、外部要因としては、「法令等」「技術」「競争」「市場」「文化」「社会・経済の環境」など、内部要因としては、「自分達の価値観」「文化」「知識」「パフォーマンス(仕事の達成度や製品・サービスの出来栄えなど)」などがあげられます。

その上で、企業としての課題を明確にし、そこに向かってPDCAをまわしていくことが重要です。

※G-PDCAとは
下記の頭文字です。
G:Goal(目標)
P:Plan(計画)
D:Do(実行)
C:Check(検証)
A:Action(再実行)

2.責任の所在の明確化

ISOの基本として、「人」に「仕事」をつけるのではなく、「仕事」に「人」をつけるという考え方があります。
それをすることで、業務手順やノウハウが人に紐づくのではなく、組織に紐づける事が出来る為、担当者が急な退職や仕事が出来ない状況があった場合でも、業務を遂行する事が出来ます。また、ノウハウの蓄積とブラッシュアップを繰り返し行う事が出来るので、会社としての財産にも繋がります。

また、「仕事」に「人」をつけることで、担当部署におけるミッションが明確になるため、個々が“なぜその仕事をするのか”や、“自分が出来ることは何か”と考えることが出来るようになります。
担当部署によってミッションが明確になるので、どこで誰がどの業務を行っているかが明確になり、社内のコミュニケーションも円滑になります。
そして、計画にもとづきミッションを遂行するため、リーダーや上司の思い付きではなく、ミッションの元で組織が存在していることが浸透していきます。
その為、リーダーを中心に会社を良くする方向に働き、会社としても雰囲気が良くなることが予想されます。

3.信頼、ブランディングの向上

ISOを取得するには、「第三者による審査」が必要になります。
その第三者による審査で認証をもらう事が、何よりの信頼に繋がります。


4.ISO導入における注意点

メリットがたくさんあることが分かりましたね!
但し、下記の注意点もあるので、気をつけましょう。

1.実態に合っていない運用システムを構築する事により形だけのものになってしまう可能性がある。

2.一部のメンバーだけで構築してしまい、経営層が積極的に関与せず、全社員からの同意を得ることが難しくなり、運用自体がうまくいかない可能性がある。

3.導入しただけで終わってしまう。(見直しを行わない。)

4.過度の形式主義や柔軟性の欠如に陥る可能性がある。

その為に、実態に合わせた運用システムの構築や、経営層を巻き込み、全員参加を促したり、ISO取得後も定期的に見直しを行い、実態に合わせていく努力を積み重ねることが大切です。

5.ISO取得における費用

コンサルタント会社によって金額は様々です。
システム構築や文書作成など全て委託した場合、150~300万程度になる見込みです。
指導を受けて自社でシステム構築や文書作成などを行う場合は、50~150万程度かと思われます。
従業員の人数によっても金額は変わってくるので、複数社から見積もりを取ることも重要です。

コンサルティング料金とは別に審査登録費用が発生します。
ISO上では、業種・適用範囲・企業規模による審査工数のみ定義されている為、決まった金額はありません。
その為、審査登録機関が自由に設定出来る為、審査員派遣料金や、イニシャルコスト(初回認証費用)とランニングコスト(維持・更新費用)などは良く検討してみることをお勧めします。


6.ISO取得における補助金

各市区町村によって補助金が出ている地区もあるようです。

1. 群馬県高崎市

助成金名:ISO等認証取得補助金
対象者:市内に事業所を有し、市税を滞納していない中小企業者
支援内容:取得にかかる必要経費の3分の1以内(限度額70万円)
募集期間:平成29年4月1日から平成30年3月31日まで。
対象期間:交付決定日から平成30年3月31日まで。
HP URL:http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014011800397/

2. 埼玉県戸田市

助成金名:戸田市ISO等取得支援事業
対象者:戸田市内に事業所を有する中小企業基本法第2条に定める事業者
※下記の申請が対象です
・ISO9000シリーズ(品質管理)
・ISO14001(環境マネジメント)
・ISO22000(食品安全)
・ISO27001(情報セキュリティ)
・ISO39001(道路交通安全)
・エコアクション21
・プライバシーマーク
※3年以上事業を営んでいて、かつ、戸田市内で1年以上営業していること
※市税等を完納していること
※過去にこの補助金の交付を受けていないこと
支援内容:補助対象経費の3分の1以内(限度額50万円)
※審査登録機関に支払う料金及びISO等認証取得のためだけに契約したコンサルタントに支払う料金のみ対象
募集期間:平成29年4月3日から平成30年3月31日まで(予算の範囲で申込順)
対象期間:平成29年度中
HP URL:https://www.city.toda.saitama.jp/uploaded/attachment/20903.pdf

その他、既に募集は終了しても、予算が振られれば再度募集をする可能性もあるので、定期的にチェックをしてみてください。

7.まとめ

ISOとは何か、導入するとどんなメリットがあるのか、導入における注意点は何かについて見てきました。
ISOは国際的に通用する基準を制定した規格のことであり、モノの規格だけではなく、仕組み自体にも規格があります。
取得をする為だけにルールを決めるのでは実態とかけ離れてしまいますが、まずは課題を明確にし、会社の仕組みを見直す意味で全社員を巻き込み、責任の所在を明確にし、PDCAをまわしていく事が出来れば、ノウハウの蓄積やブラッシュアップ、従業員のモチベーションUPにも繋がるものです。

取得にも費用がかかるので、助成金を上手く活用しながら、会社の成長に向けて導入してみるのは如何でしょうか。

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