
スタートアップ企業にとって、優れた製品やサービスの開発と並んで重要なのが「販路の開拓」です。とくに創業初期には、市場への展開が大きな壁となることも少なくありません。
こうした課題に対応するため、香川県では、県内スタートアップを対象に販路拡大を支援する補助制度を実施しています。
「香川発スタートアップの県内事業者等と連携した販路拡大支援補助金」は、既存事業者等との連携を通じて販路を広げる取組を支援するものです。市場展開に必要な幅広い経費を対象とし、スタートアップの成長と地域経済の活性化を同時に後押しします。
本補助金は、次のような方におすすめです。 ・香川県から販路を県内外に広げたいと考えているスタートアップの方 ・地元企業と連携し、新たなビジネスチャンスを生み出したい方 ・行政の支援を活用して、事業成長のスピードを高めたい方 |
本記事では、補助金の概要や活用方法について紹介します。ぜひ今後の事業展開にお役立てください。
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この記事の目次
香川発スタートアップの県内事業者等と連携した販路拡大支援補助金とは
本補助金は、独自性のある製品やサービスを持ち、成長が期待される香川県内のスタートアップが、県内事業者等と連携して行う実証実験や試し利用、共同開発などの取組を支援する制度です。販路拡大を後押しするとともに、地域の人手不足といった課題の解決も視野に入れています。
「県内事業者等との連携」が補助要件に明記されており、スタートアップの自立支援に加え、地域全体での共創を促す点が大きな特徴です。単なる資金提供にとどまらず、地元企業や団体との協働を通じて事業を前進させる仕組みとなっており、地域密着型の支援制度といえるでしょう。
補助率・補助額
本補助金は、対象経費の75%を県が負担する補助率3/4という手厚い支援内容が特徴です。上限額は300万円で、企業側の負担を大きく抑えながら実証実験や共同開発などの取り組みを進めることができます。小規模から中規模まで幅広な事業に対応できる、使い勝手の良い制度です。補助上限額 | 300万円 |
---|---|
補助率 | 3/4以内 |
※補助対象事業は、補助対象経費合計額が 50 万円(税抜)以上となるものに限ります。
対象となる経費の範囲も広く、実証実験や共同開発、広報活動など、販路拡大に向けたさまざまな取組に必要な費用が幅広く支援されます。以下に、主な補助対象経費の区分と内容をまとめました。
区分 | 内容 |
---|---|
デモ製品の製造・改良・修繕費 | 実証実験、試し利用等に使用する製品やサービスの製造・改良・修繕に係る費用 |
施工費 | 実証実験、試し利用等に伴う製品の据付けや調整等に係る施工費 |
機械装置費 | 本事業の遂行に必要な機器・設備の購入・保守・修繕に要する経費 |
原材料費 | 実証実験、試し利用等に使用する製品の製造等のために直接使用する原材料費 |
消耗品費 | 本事業遂行に必要な消耗品の購入費用 |
研究・開発費 | 連携先と協力して行う製品やサービスの研究・開発に係る費用 |
通信運搬費 | ・実証実験、試し利用を実施する際等に必要な製品・機材の輸送費 ・ダイレクトメールの郵送料・メール便等の実費 |
使用料及び賃借料 | ・展示会や実演会、実証実験等を実施する際に使用する施設の使用料 ・本事業実施のために必要な車両、活動機材、活動用具等に係る賃借料 |
調査費 | ・市場調査費、市場調査に要する郵送料・メール便などの実費 ・調査に必要な派遣や役務等の契約による外部人材の費用 |
広報費 | ・本事業実施のための宣伝広告に係る費用 ・本事業の成果を活かしたパンフレットやプロモーション映像等の制作費用(印刷物等については、発行部数の根拠を明確にすること。) ・展示会に出展する費用(出展料・配送料) |
謝金 | 本事業実施のために必要な専門知識の提供を外部の専門家に依頼した場合などに支払われる謝金 |
旅費 | 本事業実施のために必要な出張旅費(交通費・宿泊料) |
外注費 | 本事業に必要な業務の一部を第三者に外注(請負)するために支払う経費 |
委託費 | ・本事業に必要な業務の一部を第三者に委託(委任)するために支払う経費 ・士業や大学博士・教授等以外の専門家から本補助事業に係るコンサルティングや事業遂行にあたる指導・アドバイスを受ける経費 |
収入補填費 | 実証実験や試し利用を目的として、県内事業者等に対し製品やサービスを割引価格(無償を含む)で提供する場合の、正規のレンタル料、リース料等の減収相当額 |
人件費 | 補助事業に従事する従業員(直接契約を締結した者。パート・アルバイトを含む。交付決定日より前に雇用した者を含む。)に対する給与及び賃金 |
※旅費は補助対象経費総額(消費税等を除く)のうち 50万円が上限となっています。
これらの経費が補助対象に含まれることで、製品・サービスの改良や実証から広報・販売促進まで、事業の各段階に応じた支援を受けることができます。単なる宣伝活動にとどまらず、実用性や市場適応性を高めるための一貫した販路拡大戦略を構築できる点が、本制度の大きな魅力です。
対象者と対象要件
この補助金の対象となるのは、以下のすべての条件を満たすスタートアップ企業です。
・独自性のある製品やサービスを持ち、今後の成長が見込まれる企業であること ・香川県内に本社登記または主要な事業所を有する中小企業者であること ・暴力団やその関係者ではないこと、またそれらと社会的に非難される関係を有しないこと ・香川県税を滞納していないこと |
単に県内に拠点があるだけでなく、反社会的勢力との関係がなく、県税の納付を適切に行っているなど、信頼性ある事業運営が求められます。また、本補助金は「スタートアップ企業」を対象としており、すでに成熟した企業ではなく、これから本格的に販路開拓を進めていく段階の事業者が想定されています。
申請スケジュール
申請受付期間は、令和7(2025)年3月10日から5月12日までです。
申請期間は約2か月と限られているため、準備は早めに始めることが重要です。
申請には、事業計画の明確化や経費の積算、関係資料の整備が必要となる場合があります。申請を検討している場合は、要項の確認や香川県への早めの相談をおすすめします。
期間・日程 | |
募集期間 | 令和7年3月10日(月)~5月12日(月)必着 |
交付決定 | 令和7年5月下旬 |
事業実施期間 | 交付決定日~令和8年1月31日(金) |
完了報告 | 令和8年2月10日 |
完了報告後、確定審査を経て補助金が支払われます。
まとめ
スタートアップにとって、いかに優れた技術やサービスを持っていても、それを届ける手段がなければ成長には結びつきません。販路の拡大は、事業の継続性や企業としての信頼を築くうえで欠かせない要素です。
「香川発スタートアップの県内事業者等と連携した販路拡大支援補助金」は、地域との連携を通じて、自社の価値を広く社会に発信するための有効な支援策です。香川県内で挑戦を続けるスタートアップにとって、積極的に活用したい制度といえるでしょう。詳細は香川県の公式ページをご確認ください。
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