新型コロナウイルスによる制限も緩和されはじめたことでインバウンドが本格的に再開され、宿泊施設や観光施設等に人が戻ってくることが期待できます。
「省エネ設備等導入支援事業」は、上記のインバウンド再開に伴う人の増加に備えて、省エネ設備等の導入を実施する施設を支援してくれる制度のことです。令和5年7月から追加公募が行われているため、対象の施設を運営する事業者はチェックしておきましょう。
今回の記事では、省エネ設備等導入支援事業の概要や補助対象事業者、申請に必要な書類などを解説します。
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この記事の目次
観光庁省エネ設備等導入支援事業とは
観光庁の「省エネ設備等導入支援事業」とは、宿泊施設や観光施設等における省エネ設備等の導入に必要な経費の一部を助成する事業のことです。新型コロナウイルスの影響も落ち着きはじめたことによるインバウンドの本格再開に備え、宿泊施設や観光施設等の持続可能性向上に関する取り組みを支援することを目的としています。
補助対象事業者
補助対象事業者は「宿泊施設」「観光施設等」で異なります。
【宿泊施設】
旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条第1項に規定する許可を受けた宿泊事業者が対象です。ただし、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業を営む者を除きます。
また、以下のいずれかに該当する事業者が申請可能です。
宿泊施設(該当事業者) |
---|
①「宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく登録制度」の登録、あるいは登録申請済の事業者 ②有価証券報告書の提出会社、あるいはその子会社、および関連会社であり、かつ「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の認定を取得済み、または1年以内に取得予定である事業者 |
【観光施設等】
観光施設等の設置・管理者等が対象です。「観光施設等」とは、旅行者が毎年一定数訪れている、あるいは訪れると推定される以下に該当するものです。
観光施設等(該当事業者) |
---|
①由緒があり建築的に優れた文化財を所蔵・附帯している、あるいは境内(庭園を含む)が優れている神社や寺院、教会 ②古代から近世に至る軍事や行政府等としての目的で建造された城跡や城郭、宮殿 ③動植物を飼育し展示している動植物園、あるいは水族館 ④歴史的資料や科学的資料、美術作品を展示している博物館、あるいは美術館 ⑤特徴的な概念(テーマ)を表現し、体験するために作られたテーマ施設 ⑥「外国人観光案内所の設置・運営のあり方指針」(令和5年3月改訂)に基づき、当該年度における補助事業実施対象期間において、日本政府観光局により認定されている、あるいは認定見込みがある案内所 ⑦国土交通省により登録されている「道の駅」や「みなとオアシス」等 ⑧上記の①〜⑦以外で旅行者の利用が見込まれる施設等 |
補助対象経費
省エネ設備等導入支援事業の補助対象経費は以下の通りです。
宿泊施設で実施する省エネ対策に必要な、以下に掲げる設備や備品の購入、設置に使う経費(設備や備品の購入、設置に附随する経費を含む)
・省エネ型空調
・省エネ型ボイラーや配管等
・二重サッシ等
・太陽光発電、蓄電設備
・節水トイレ等
・照明機器
・その他、省エネ対策に必要な設備や備品
【補助対象外】
以下は補助対象外経費です。
・本事業に直接関係のない経費
・交付決定前に発生した経費
・事業者における経常的な経費(光熱水費、通信料、仲介手数料、保証金、リース料等)
・躯体の新設工事
・本事業における資金調達に必要となった利子
・法令または条例等において義務化されている設備等の新規導入に必要な工事費
省エネ設備等導入支援事業の実施期間は「補助金の交付決定日〜令和6年2月29日まで」です。この実施期間内に、事業の実施だけではなく、完了実績報告書を含むすべての精算書類の提出を済ませましょう。期間内に補助事業を完了できなかった場合、補助金の交付を受けられない場合があるため要注意です。
観光庁省エネ設備等導入支援事業 補助率・上限額
補助率:1/2
補助上限額:1,000万円
省エネ設備等導入支援事業 申請方法
締め切りまでに必要な書類をすべて揃え、「指定の申請ページ」より電子申請で提出しましょう。やむを得ない理由により電子申請が難しい場合は、以下の事務局まで相談してください。
省エネ導入支援事務局(省エネ設備等導入支援事業 事務局)
TEL:03-5796-5183
提出書類
提出に必要な書類は以下のとおりです。
【観光施設等の場合】 | |
提出書類 | 様式 |
事業計画書 | 様式1 |
費用積算書 | 様式2 |
整備箇所写真 | 任意様式 |
図面 | 任意様式 |
見積書(2者以上) | 任意様式 |
カタログ | 導入を予定している設備・備品等のカタログで、省エネ効果が明示されているものを添付する |
【受付期間】
令和5年7月3日(月)9:30~令和5年8月2日(水)17:00
申請に当たって確認すべき重要事項
補助事業に着手するのは、補助金交付決定の後でないとできません。また、補助金の交付決定を受けても、定められた期日までに完了実績報告書の提出がなければ補助金は支払われません。
なお、実際に受け取る補助金は「補助金交付決定通知書」に記載した交付決定金額より少なくなる場合があります。
省エネ設備等導入支援事業 事業の流れ
省エネ設備等導入支援事業の大まかな流れは以下の通りです。
事業の流れ |
①補助を受けようとする事業者は、事業計画書を含む応募書類一式を記入して、特設Webサイトにて提出する |
②事務局より申請者に対して結果を通知する。採択事業者は、事務局に交付申請書を提出する。 |
③事務局より交付決定を通知する。採択事業者は交付決定の通知を受けた後、事業を開始できる。 |
④採択事業者は、策定した事業計画書に基づき事業を実施する。 |
⑤採択事業者は、事業終了後に実施した事業の結果を報告するとともに、証憑等の精算に係る書類を事務局に提出する。事務局による審査を経て、上述した補助対象に該当する費用について補助を受けられる。 |
まとめ
省エネ設備等導入支援事業は、インバウンド再開に向けて省エネ設備の導入に取り組む施設を支援する制度のことです。これから本格的に人が戻りはじめることを想定して、さまざまな対策を行いたい事業者はチェックしておきましょう。