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ふるさと融資とは?融資の概要と手続きの流れを解説!

公開日:2023/7/5 更新日:2026/5/22
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施設や土地の取得や設備導入、人件費、保険料など、企業運営にはさまざまな費用が必要です。スタートアップや新事業に着手する中小企業にとっても、資金繰りは大きな課題のひとつとなります。

ふるさと融資は地方公共団体が貸付主体となって融資を行うもので、5年以上20年以内の間、無利子で融資を受けられる制度です。法人格を有する民間事業者が、地域振興に資する事業を行うことが要件のひとつになっています。

今回はふるさと融資の概要・仕組み・デメリットと手続きについて、詳しくまとめました。

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この記事の目次

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ふるさと融資とは(地域総合整備資金貸付)

ふるさと融資とは、「地域総合整備資金貸付」のことです。地域振興に資する民間事業活動等を支援し、活力と魅力ある地域づくりの推進に寄与するために設置されました。地方公共団体が民間金融機関等と共同し、民間事業者等の設備投資に対する資金の無利子貸付を行います。個人や任意団体は、融資の対象外です。

そのほか、ふるさと融資を受けるためには新たな雇用等の要件を満たす必要があります。

ふるさと融資の仕組み(スキーム)

「ふるさと融資 仕組み」「ふるさと融資 スキーム」という検索が多くあります。制度全体のスキームを整理します。

ふるさと融資は、事業者・地方公共団体・民間金融機関・ふるさと財団の4者が連携する仕組みです。

【ふるさと融資のスキーム概要】

主体役割
都道府県または市町村(地方公共団体)貸付主体。地方債を発行して原資を調達し、無利子で事業者に融資する
ふるさと財団(一般財団法人地域総合整備財団)地方公共団体の依頼を受け、事前調査・検討、貸付実行から最終償還までの事務を担う
民間金融機関事業者の連帯保証人として参加。残りの必要資金を融資
民間事業者(申請者)貸付対象費用の35%等を無利子融資で調達。残りを民間借入・自己資金で賄う

利子の75%は地方交付税措置されるため、地方公共団体の実質的な財政負担は抑えられています。事業者は事業地の都道府県または市町村の窓口に申し込みます。

ふるさと融資の概念については、以下の図も参考にしてください。

出典:ふるさと融資のご案内(パンフレット)

対象事業者

支援の対象となるのは、法人格を有する民間事業者です。ただし、銀行、証券会社、保険会社、貸金業者等の金融業を営む者は対象外となります。

対象費用

融資の対象となるのは、以下の費用です。

①設備の取得等に係る費用
■施設・建物の建設や取得、整備等
■土地の取得等と、あわせて取得される無形固定資産

土地の取得費については、「設備の取得等に係る費用」の1/3が上限額です。

②試験研究開発費等、当該設備の取得等に伴い必要となる付随費用
■貸付対象事業の着工後から完了まで、試験研究や開発に要する費用
■人件費、賃借料、保険料、固定資産税、支払金利、リース料

「付随費用に対する貸付額」の割合は、貸付額の総額の20%が上限です。ただし、次の場合は貸付額の総額の50%まで拡大されます。

・「試験研究開発用資産の取得等に係る費用」と「当該資産の取得等に伴い必要となる付随費用」のみを貸付対象費用とする場合
・ソフトウェア開発事業または情報処理・情報サービス事業の場合

対象事業

対象となる事業の要件は、以下のとおりです。

事業の要件
①地域振興に資する、あらゆる分野の民間事業である
②公益性、事業採算性等の観点から実施される
③事業の営業開始に伴い、事業地域内において以下の新たな雇用の確保が見込まれる
都道府県、政令指定都市から融資を受ける場合は5人以上(再生可能エネルギー電気事業は1人)、市町村から融資を受ける場合は1人以上の雇用が見込まれることが必要です。
④用地取得費を除き、貸付対象費用の総額が1,000万円以上
⑤地方公共団体が策定する「地域振興民間能力活用事業計画」に位置付けられる

なお、以下の事業は対象外です。

■第三者に売却または分譲することを予定する施設
■風俗営業等のための施設

融資内容

次は、融資の内容について見てみましょう。融資の限度額は、貸付対象事業費の総額から補助金を控除した額の35%です。ただし事業地が過疎地域、定住自立圏、東日本大震災被災地域等の場合は45%となります。

融資限度額と申請先(都道府県・市町村の違い)

「ふるさと融資 市町村」という検索が一定数あります。申請先(都道府県・政令指定都市か市町村か)によって、融資限度額・雇用要件が異なります。

【都道府県・政令指定都市 vs 市町村の比較】

項目都道府県・政令指定都市市町村
融資限度額(通常)42億円10億5,000万円
融資限度額(複合施設)63億円15億7,000万円
融資限度額(過疎地域等)引き上げあり引き上げあり
雇用要件(新規雇用)5人以上(再エネ電気事業は1人)1人以上

都道府県・政令指定都市への申請では融資限度額が大きい一方、雇用要件が高めです。市町村への申請は限度額は小さいですが、雇用要件が1人以上と低く、中小規模の事業者にとって申請しやすい場合があります。申請先はいずれに申し込んでも差し支えなく(融資限度額の範囲内であれば)、事業地の状況に合わせて相談の上で選択できます。

また複合施設を整備する事業では、さらに融資限度額の引き上げが適用されます。複合施設とは「複数の施設を一体的・複合的に整備するもの」を指し、具体的には次のような施設が該当します。

工場と研究施設
スポーツ施設と研修・宿泊施設
交通施設と商業施設


出典:ふるさと融資の手引き

融資条件

融資条件は、以下のとおりです。

貸付利率無利子
融資(償還)期間5年以上20年以内(5年以内の据置期間を含む)
融資対象期間工期が複数年度にわたる事業については、そのうち連続する4年以内
償還方法元金均等半年賦償還
担保民間金融機関の連帯保証

ふるさと融資のデメリットと注意点

「ふるさと融資 デメリット」という検索が多くあります(501インプレッション・CTR4.59%・2位)。無利子という大きなメリットがある一方で、事前に把握しておきたい注意点もあります。

【ふるさと融資の主なデメリット・注意点】

①審査・貸付実行まで時間がかかる
ふるさと融資は、地方公共団体→財団での案件検討会→地方支援調査委員会→貸付決定通知という複数のステップを経るため、申込から貸付実行まで相当の期間がかかります。熊本市公式サイトでも「貸付実行まで時間を要しますので、お早めにご相談ください」と案内しています。急いで資金が必要な場合には不向きです。

②事業着手前の申請が原則必要
ふるさと融資は、原則として事業着手前に協議・申込みが必要です。事業完了後に協議があった場合は認められません。建築工事・設備導入・用地取得などが始まってしまうと対象外になる可能性があります。早めの相談が不可欠です。

③対象事業者・事業の要件が厳しい
個人事業主・任意団体・金融業者は対象外です。また「地域振興に資する事業」「新規雇用の確保(市町村は1人以上、都道府県は5人以上)」「地域振興民間能力活用事業計画への位置付け」など複数の要件を同時に満たす必要があります。

④融資は事業費の35%が上限
ふるさと融資で賄えるのは貸付対象事業費の35%(過疎地域等は45%)が上限です。残りの65%は民間金融機関からの借入や自己資金で賄う必要があり、全額を公的融資でカバーできるわけではありません。

⑤民間金融機関の連帯保証が必要
担保として民間金融機関の連帯保証が求められます。連帯保証を取り付けられない場合は融資を受けられません。

ふるさと融資の手続きの流れ

それでは、ふるさと融資の手続きについて見ていきましょう。手続きは「事業者」「地方公共団体」「財団」の3者間で行われます。ここでは融資の手続きのうち、事業者に関する部分を中心にまとめました。

手続き

以下のうち、太字で表記したものは、主に事業者に関わる手続きです。原則として、事業者の手続きは地方公共団体との間で行われます。

【貸付決定まで】
①ふるさと融資制度の利用の協議
②地方公共団体から財団へ、事前相談・調整
③借入申込み
④地方公共団体から財団へ、調査・検討依頼
⑤補足資料等の提出・調整
⑥財団での案件検討会
⑦財団での地方支援調査委員会
⑧財団から地方公共団体へ、調査・検討の結果通知
⑨事業者へ貸付決定通知

【貸付実行等】
①地方公共団体・財団間で貸付事務包括委託契約
②貸付実行関係事前調整
③起債
④貸付実行
・貸付金を財団の口座へ振込
貸付金を事業者の口座へ振込
⑤事業完了報告

【償還】
①償還
②借入金残高状況報告

必要書類

事業者が提出する書類は、以下のとおりです。

借入申込み①地域総合整備資金借入申込書
②事業計画書
③事業者概要書
④設備投資等及び資金調達計画書
⑤年度別損益・資金収支計画書
⑥過去3期分の決算報告書
⑦その他地方公共団体が必要とする補足書類
ふるさと融資の貸付実行に関する書類①地域総合整備資金貸付金の交付に係る状況報告書
②民間事業者の印鑑証明書および現在事項全部証明書
貸付対象事業の事業完了時に必要な書類①地域総合整備資金貸付対象事業完了報告書
償還期間中、決算期ごとに必要な書類①地域総合整備資金貸付対象事業に係る借入金残高状況報告書

ふるさと融資に関するよくある質問



ふるさと融資とはどんな制度ですか?


ふるさと融資(地域総合整備資金貸付)は、地域振興に資する民間事業活動を支援するために、都道府県または市町村が長期・無利子で融資を行う制度です。対象は法人格を有する民間事業者で、貸付対象費用の35%(過疎地域等は45%)を上限に無利子融資を受けられます。融資期間は5〜20年(据置5年以内を含む)で、一般財団法人地域総合整備財団(ふるさと財団)が地方公共団体の依頼を受けて事務を担います。




ふるさと融資のデメリットは何ですか?


主なデメリット・注意点は5つあります。①審査・貸付実行まで時間がかかる(複数のステップがあり急いで資金が必要な場合は不向き)、②事業着手前の申請が原則必要(工事開始後や事業完了後では申請不可)、③対象事業者・事業の要件が厳しい(個人事業主・任意団体は対象外、雇用要件あり)、④融資は事業費の35%が上限(残りは自己資金・民間借入が必要)、⑤民間金融機関の連帯保証が必要(保証を取り付けられない場合は融資不可)。




市町村と都道府県、どちらに申し込めばよいですか?


融資限度額の範囲内であれば、どちらに申し込んでも差し支えありません。ただし要件が異なります。都道府県・政令指定都市への申請は融資限度額が最大42億円(複合施設は63億円)と大きい一方、新規雇用5人以上が必要です。市町村への申請は限度額が最大10億5,000万円(複合施設は15億7,000万円)ですが、雇用要件は1人以上と低く、中小規模の事業者でも申請しやすいです。事業の規模・地域の状況を踏まえて、まずは事業地の都道府県・市町村窓口に相談することをおすすめします。




個人事業主はふるさと融資を利用できますか?


いいえ、個人事業主・任意団体はふるさと融資の対象外です。対象となるのは法人格を有する民間事業者に限られます。また、銀行・証券会社・保険会社・貸金業者等の金融業も対象外です。個人事業主や小規模事業者の方は、日本政策金融公庫の融資制度や信用保証協会の保証付き融資など、別の制度をご検討ください。




ふるさと融資の申請はいつまでにすればよいですか?


ふるさと融資は、原則として事業着手前に地方公共団体への協議・申込みを行う必要があります。建築等請負契約に記載された着工日、機械設備の売買契約締結日、用地取得の売買契約締結日のいずれかが「事業の着手時期」と見なされます。事業完了後に協議があった場合は認められません。審査・貸付実行まで時間がかかるため、事業計画が固まった段階でなるべく早く事業地の都道府県または市町村に相談することをおすすめします。




ふるさと融資で融資を受けられる割合はどのくらいですか?


ふるさと融資の融資限度額は、貸付対象事業費の総額から補助金を控除した額の35%が上限です。事業地が過疎地域、定住自立圏、東日本大震災被災地域等の場合は45%まで引き上げられます。残りの65%(または55%)は民間金融機関からの借入や自己資金で賄う必要があります。つまり、ふるさと融資だけで事業資金をすべてカバーすることはできません。



まとめ

新たな事業への挑戦は企業だけでなく、地域にとってもメリットの大きいことです。雇用の発生は働きやすさ、住みやすさにも貢献し、来訪者が増えれば地域経済にも良い影響を与えます。地域と企業が一体となって成長する事業の成功には、条件の良い融資を受けられるかどうかが大きな鍵となります。

ふるさと融資は、地域を支える企業を支援するための取組です。必要な資金のうち35%を無利子融資で補えることは、その後の資金運営にとって大きな支えとなります。

一方で、事業着手前の申請・時間のかかる審査・雇用要件など、事前に把握すべき注意点もあります。活用を検討している方は早めに事業地の都道府県または市町村窓口に相談し、ふるさと財団の公式サイトで最新情報をご確認ください。

その土地に根付き、人とともに伸びていこうとする企業にこそ、活用してほしい融資です。

参考:ふるさと融資(ふるさと財団公式サイト)

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