政府は11月28日、強い経済を実現する総合経済対策の裏付けとなる令和7年度補正予算案を閣議決定しました。
経済産業省関係の補正予算案は2.7兆円(国庫債務負担行為を含めると3.1兆円規模)で、電気・ガス支援や燃料油対策といった物価高対応に加え、中小企業支援、GX、半導体・AIなど成長分野への投資、災害復旧、防災対策などを重点に編成されています。
この記事では、中小企業が活用できる補助金を中心に、経済産業省関連の補正予算案のポイントを紹介します。
※2025年・令和7年度補正予算は国会で成立し、経済産業省関係の補助金・支援事業について、来年に向けた制度の枠組みが決まりました。
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この記事の目次
経済産業省の2025年度補正予算案
2025年度の経済産業省関係補正予算案は、次の3つの柱で構成されています。
2. 危機管理投資・成長投資による強い経済の実現
3. 防衛力と外交力の強化
これら3つの柱は、物価高対策や中小企業の賃上げに向けた環境整備、GX・半導体といった成長分野への投資、サプライチェーン強化、国際的な経済連携の推進など、幅広い分野をカバーしています。
主な施策を確認していきましょう。
1.生活の安全保障・物価高への対応 【1兆 3,570億円】
物価高が続くなか、生活者・企業それぞれの負担を和らげる施策がまとめられています。特に冬期の電気・ガス、ガソリン・軽油価格への対策が中心です。▼主要施策
| 施策名 | 予算額 | 概要 |
|---|---|---|
| 電気・ガス料金負担軽減支援 | 5,296億円 | 1〜3月の冬期に電気・ガス代を支援 |
| 燃料油価格激変緩和対策 | 基金残高を活用 | ガソリン・軽油の急騰防止のため補助を継続 |
| 環境・安全等対策基金事業 | 30億円 | 中小・小規模SSの運転資金の利息負担を軽減 |
| SSネットワーク維持・強化支援事業 | 160億円 | 設備更新、災害対応力の強化、SS過疎地対策 |
| デジタルライフライン整備加速事業 | 15億円 | 自動運転支援道、ドローン航路等の生活DX |
| 工業用水道事業 | 12億円 | 工業用水道の耐震化・停電対策 |
エネルギー価格上昇が続く環境を踏まえ、電気・ガス・燃料油を重点的に支援する内容です。SS(サービスステーション)に関する支援も複数計上され、燃料供給網の維持強化を図ります。
中堅・中小事業者をはじめとする賃上げ環境の整備
中小・中堅あわせて、基金残額の活用を含めた対策規模は、1兆 1,300 億円にのぼります。
▼主要施策
| 施策名 | 予算額 | 概要 |
|---|---|---|
| 大規模成長投資補助金 | 4,121億円 (新規2,000億円) | 中堅・中小・スタートアップの大規模な設備投資等を支援。また、転籍・兼業・副業等により大企業から経営人材を受け入れた場合に、給付金を支給 |
| 中小企業生産性革命推進事業 | 3,400億円 | 成長加速化補助金、デジタル化・AI導入補助金、持続化補助金、事業承継・M&A補助金等を実施 |
| 事業環境変化対応型支援事業 | 148億円 | 最低賃金引上げ、省力化、インボイス対応などへの相談体制を整備 |
| 中小企業活性化・事業承継総合支援事業 | 74億円 | 後継者不在、経営改善、再チャレンジ支援など |
| 経営改善計画策定支援事業 | 101億円 | 認定支援機関が策定する経営改善計画の費用を補助 |
| 小規模事業者支援(自治体) | 53億円 | 伴走支援モデルの創出や災害時の復旧支援 |
中堅等大規模成長投資補助金【2026】
大規模成長投資補助金(4,121億円)は、賃上げに向けた設備投資や人材確保に踏み込んだ内容となっています。

大規模な設備投資によって労働生産性を高め、事業規模の拡大と賃上げの継続を目指す補助金です。対象事業に関わる従業員の1人当たり給与支給総額が、年平均で一定以上増加することが求められます。
あわせて、大企業などから経営人材を受け入れた場合には給付金が支給される制度も設けて、設備投資と人材確保を組み合わせた成長を想定しています。
中小企業生産性革命推進事【2026】

中小企業向け支援の中心となるのは、例年同様「中小企業生産性革命推進事業(3,400億円)」で、デジタル化・AI導入補助金や持続化補助金を含む支援策が実施されます。重点的なハンズオン支援をはじめとした総合的なソフト支援等を行うとも記載されています。
【中小企業生産性革命推進事業に含まれる主な補助金】
- 中小企業成長加速化補助金
- デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
- 小規模事業者持続化補助金
- 事業承継・M&A補助金
これらの補助金を通じて、設備投資、デジタル化、販路開拓、事業承継までを一体的に支援します。
2.危機管理投資・成長投資による強い経済の実現【1兆1,634億円+国庫債務】
AI・半導体・量子・宇宙・GXなど、日本の成長を支える戦略分野に大規模投資が行われます。
▼主要施策
| 分野 | 施策名 | 予算額 |
|---|---|---|
| 経済安全保障 | 鉱物サプライチェーン多角化・安定化事業 | 937億円 |
| 経済安保に資するサプライチェーン強靱化(無人航空機) | 139億円 | |
| 同(人工衛星) | 97億円 | |
| 同(ロケット部品) | 49億円 | |
| 同(永久磁石) | 170億円 | |
| 半導体・AI | ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業 | 1,537億円(うちGX 802億円) |
| 半導体設計・製造基盤整備事業 | 988億円 | |
| 量子コンピュータ産業化のための研究開発・実証 | 1,004億円 | |
| 宇宙分野 | 宇宙戦略基金(衛星開発・輸送・実証等) | 740億円 |
| GX(グリーントランスフォーメーション) | GXサプライチェーン構築支援事業 | 55億円(国庫債務負担行為含め 845億円) |
| 地熱資源開発等事業 | 12億円 | |
| 脱炭素成長型経済構造移行推進機構への出資 | 450億円 | |
| 次世代革新炉(SMRなど)技術開発・サプライチェーン構築 | 60億円(国庫債務負担行為含め 122億円) | |
| <再エネ導入>系統用蓄電池等 電力貯蔵システム導入支援 | 80億円(国庫債務負担行為含め 616億円) | |
| <再エネ導入>分散型エネルギーリソース(DR等)導入支援 | 81億円 | |
| 省エネ関連 | 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費 | 550億円(国庫債務負担行為含め 2,275億円規模) |
| 省エネルギー投資促進支援事業費補助金(設備単位型) | 125億円(国庫債務負担行為含め 175億円) | |
| 中小企業等エネルギー利用最適化推進事業 | 33億円 | |
| 高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金 | 570億円 | |
| クリーンエネルギー自動車 | クリーンエネルギー自動車導入促進補助金 | 1,100億円 |
| 充電・充てんインフラ整備補助金 | 500億円 |
この分野は投資規模が大きく、AI・半導体・量子に加え、GXや宇宙開発にも重点が置かれています。特に、半導体製造基盤や量子コンピュータ開発などの研究開発は金額が大きく、産業基盤の強化を意図した内容が際立っています。
そのほか、DR(ディマンドリスポンス)導入や省エネ設備の更新などに使える補助金が計上されています。
防災・減災・国土強靱化の推進
国土強靱化分野では、被災企業の復旧を支えるとともに、停電や燃料不足といった災害時のリスクを減らすための仕組みを強化しています。特に「なりわい再建支援事業」は中小企業向けの中心的な復旧制度で、事業再開に必要な設備修繕などを支援する内容になっています。
▼主要施策
| 施策名 | 予算額 | 概要 |
|---|---|---|
| なりわい再建支援事業 | 268億円 | 令和6年能登半島地震などの被災中小企業による施設復旧等を支援 |
| 伝統的工芸品産業復旧 | 1.1億円 | 被災した伝統工芸産地の再建を支援 |
| 休廃止鉱山鉱害防止 | 11億円 | 坑廃水処理設備の改修や災害対応力の強化 |
| 停電復旧情報共有システム高度化 | 1.5億円 | 災害時の停電状況の把握と復旧見通しの共有を円滑にするためのシステム改善 |
| 社会的重要インフラへの燃料備蓄 | 8.2億円 | 避難所や福祉施設などにLPガスタンク等の備蓄設備を整備 |
3.防衛力と外交力の強化 【2,082億円+国庫債務】
国際環境の変化に対応し、日本企業の海外事業を支えるための予算が計上されています。貿易保険の機能強化に加え、海外販路の開拓支援や関税影響への資金繰り対応などが含まれています。
▼主要施策
| 施策名 | 予算額 | 概要 |
|---|---|---|
| 日米戦略的投資イニシアティブ対応 | 1,000億円 | NEXIへの出資により、民間金融機関が行う海外向け融資のリスクを吸収 |
| グローバルサウス未来志向型共創等 | 1,546億円規模 | 新興国とのGX/DX実証や日本企業の海外展開、人材育成などを支援 |
| 海外ビジネス展開支援(JETRO) | 112億円 | 越境ECや見本市出展、専門家伴走支援などで販路多角化を支援 |
| 日本政策金融公庫の資金繰り支援 | 40億円 | 米国関税の影響を受けた企業の資金繰りに対応 |
経済産業省の2025年度補正予算案まとめ
経済産業省関連の補正予算では、物価高対策に加えて、中小企業の賃上げや生産性向上、GXや半導体・AIといった成長分野への投資が重点的に盛り込まれました。省エネ設備更新や設備投資支援、災害復旧など、多様な補助金や支援策を通じて企業活動を幅広く支える内容となっています。
経済産業省の2024年度補正予算案について
2024年・令和6年度補正予算案では、以下の3つが主要な取り組みとなりました。
2.物価高の克服 【1.6 兆円程度】(うち、GX:2,000 億円)
3.国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保【1,800 億円程度】
経済産業省の2024年度補正予算案まとめ
2024年・令和6年度補正予算は、「日本経済・地方経済の成長促進」を中心に据えた点が特徴です。中小企業の賃上げや生産性向上に向け、ものづくり補助金・IT導入補助金・持続化補助金などを拡充し、成長加速化補助金も創設しました。
補正予算に基づく各種補助金や支援事業は、地域経済や産業活動を後押しするものです。該当する企業や事業者の方々は、活用可能な支援制度の情報をご確認ください。当サイトでは、今後これらの補助金や支援事業の情報を随時紹介していく予定です。事業に活用できる支援制度を見逃さないためにも、ぜひ引き続きご注目ください。
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